JPH05131761A - 熱昇華染料受容層膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液 - Google Patents

熱昇華染料受容層膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液

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JPH05131761A
JPH05131761A JP3295668A JP29566891A JPH05131761A JP H05131761 A JPH05131761 A JP H05131761A JP 3295668 A JP3295668 A JP 3295668A JP 29566891 A JP29566891 A JP 29566891A JP H05131761 A JPH05131761 A JP H05131761A
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polycarbonate resin
bis
hydroxyphenyl
resin solution
group
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Toshikazu Umemura
俊和 梅村
Satoshi Kanayama
聡 金山
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非ハロゲン系炭化水素溶媒を用いたときに安
定で膜の生産性に優れ、熱プリントヘッドによる転写記
録後に表面の光沢が失われることがない受容体の受容層
膜を与える熱昇華染料受容層膜形成用ポリカーボネート
樹脂溶液を提供する。 【構成】 熱昇華染料受容層膜形成用ポリカーボネート
樹脂溶液であって、通常のビスフェノール構成単位とエ
ーテル結合を有するビスフェノール構成単位とをモル比
35/65 〜65/35 で有し、数平均分子量が 5,000〜50,000
である熱可塑性コポリカーボネート樹脂を溶解してなる
膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱昇華染料受容層の膜形
成用のポリカーボネート樹脂溶液に関し、特に熱プリン
トヘッドによる転写記録後に表面の光沢が失われない受
容体の樹脂膜を形成することができ、ハロゲン系炭化水
素溶媒を用いる必要がない安定で生産性に優れた、熱昇
華染料受容層膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】熱昇華染料転写方式では電気信号に変換
された画像情報を線型の熱プリントヘッドに送り、染料
供与フィルムの裏側から熱を発生させて染料を昇華さ
せ、対面する受容体に染料を染着させて記録画像を得て
いる。このような熱転写記録方式の受容層としては、飽
和ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリ
ブチルメタクリレート、ポリスチレン、AS樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル等が知られている。特に飽和
ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル樹脂は
昇華性染料との親和力に優れている。しかしながら、こ
れらの樹脂を用いた受容層では熱プリントヘッドとゴム
ローラーとの隙間内の加熱圧力のために表面の変形が起
こり、これによって生じる凹凸が画像の好ましくない光
沢差をもたらすことがある。
【0003】特開昭62-169694 号公報には、この問題を
解決するために、受容層として少なくとも数平均分子量
が25,000以上のポリカーボネート樹脂を用いる受容層に
ついて述べられている。このポリカーボネート樹脂は熱
プリントヘッドによる表面の変形もなく美しい光沢の画
像記録が得られるという利点があるが、この樹脂を用い
た受容層を塗布によってベースフィルム上に形成する場
合、樹脂を溶解する溶媒が塩化メチレンのようなハロゲ
ン系炭化水素溶媒を用いることが必要であり、環境汚染
の面から好ましくない。
【0004】また一般にポリカーボネート樹脂、特にビ
スフェノールA を原料とするポリカーボネート樹脂はそ
の溶液を 3〜4日放置すると白濁し始めるため、塗布法
により受容層を形成するには超低濃度溶液にしたり、再
溶解するなどの必要があり、生産効率が極めて悪いとい
う欠点がある。一方、数平均分子量25,000以上のポリカ
ーボネート樹脂はその溶液が極めて高粘性になり易いの
で、塗布法による受容層形成には樹脂溶液を10wt% 以
下、好ましくは5 wt% 以下の低濃度に希釈する必要があ
り、溶媒の使用量が多くなるという欠点も有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、熱プリント
ヘッドによる転写記録後の受容体の表面の光沢が失われ
ることがなく機械的特性に優れたポリカーボネート樹脂
受容層を提供することにあり、また塗布によってベース
フィルム上に受容層を形成する際にハロゲン系炭化水素
溶媒を用いる必要がなく、安定で生産性に優れた熱昇華
染料受容層の膜形成用のポリカーボネート樹脂溶液を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は特定のポリカー
ボネート樹脂溶液を用いることによりこれらの課題を解
決したものである。すなわち本発明は、熱昇華性色素を
含有する色材層を有する熱転写用シートと対向状態で用
いる熱転写受像シートの熱昇華染料受容層の膜形成用の
ポリカーボネート樹脂溶液であって、下記の一般式(1)
及び(2) で表される構成単位を有し、(1)及び(2) で表
される構成単位のモル比が 35/65〜65/35 であり、数平
均分子量が 5,000〜 50,000 であるランダム−コ−ポリ
カーボネート樹脂を有機溶剤に溶解してなる熱昇華染料
受容層膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液である。
【0007】
【化3】
【0008】(式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン又は炭
素数 1〜4 のアルキル基を示し、A は炭素数 1〜10の直
鎖、分岐鎖、或いは環状のアルキリデン基、アリール置
換アルキレン基、アリール基、スルホニル基を示す。)
【0009】本発明において用いるポリカーボネート樹
脂は、下記の一般式(3) 及び(4) で表される二価フェノ
ール
【0010】
【化4】
【0011】をホスゲン、炭酸エステル、或いはクロロ
ホーメートとを共重合させて前記一般式(1) 及び(2) の
構成単位をランダムに有し、数平均分子量が 5,000〜5
0,000、好ましくは 5,000〜25,000のものである。一般
式(3) と(4) の二価フェノールの反応モル比は 35/65〜
65/35 である。このモル比が範囲外になるとポリカーボ
ネート樹脂を溶液にした段階で液が濁ったり、溶液安定
性が低下したりする。ランダム共重合させることにより
ブロック共重合体に比べミクロな分散が均一になり、光
学的にも溶液安定性等の性質においても、ストレスクラ
ックの点においても改良される。耐ストレスクラック性
は画像を転写した後の染料層に化粧品や食用油等の付着
が生じた場合、記録の保存安定性に重要な意味を有して
いる。数平均分子量が 5,000よりも小さくなると塗布法
によって得られるフィルムの強度が十分ではなく、50,0
00以上では塗布法による生産効率が低下する。
【0012】また、本発明のコ−ポリカーボネート樹脂
の原料に用いる一般式(3) で表される二価フェノール系
化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (ビスフェノール
A ; BPA)、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン (ビ
スフェノールZ ; BPZ)、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5-
ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ
−3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4
−ヒドロキシ−3-メチルフェニル)プロパン (ジメチル
ビスフェノールA ; DMBPA)、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−
3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ
−3-クロロフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ジフェニルメタン、ビス(4- ヒドロキシフェニ
ル) スルホン等が例示され、それらの中でも2,2-ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4−ヒドロキ
シ−3-メチルフェニル)プロパン、ビス(4- ヒドロキシ
フェニル) スルホンが好ましく、特に2,2-ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサンが熱安定性の面から好ましい。
【0013】本発明のコ−ポリカーボネート樹脂の原料
に用いる一般式(4) で表される二価フェノール系化合物
としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル(4,4
−ジヒドロキシジフェニルエーテル; DHPE) 、ビス(3−
メチル−4-ヒドロキシフェニル)エーテル(3,3'-ジメチ
ル-4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル;DMDHPE)、ビ
ス(3−ブロモ−4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3−クロロ−4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(3,5−ジメチル−4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(3,5−ジブロモ−4-ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3,5−ジクロロ−4-ヒドロキシフェニル)エーテル
等が例示され、それらの中でもビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテルが好ましい。
【0014】また、末端停止剤或いは分子量調節剤を通
常使用することができる。これらとしては一価のフェノ
ール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノ
ール、p-第三ブチルフェノール、トリブロモフェノール
などの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン
酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸
アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エス
テル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。
その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物 100
モルに対して、 100〜0.5モル、好ましくは50〜2 モル
の範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然
に可能である。更に分岐化剤を上記の二価フェノール系
化合物に対して、0.01〜3 モル%、特に 0.1〜1.0 モル
%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネートと出来、分
岐化剤としては、フロログリシン、2,6-ジメチル−2,4,
6-トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン-3、4,6-ジメ
チル-2,4,6- トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプテン-
2、1,3,5-トリ(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾール、
1,1,1-トリ(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,6-ビス
(2-ヒドロキシ-5- メチルベンジル)-4-メチルフェノー
ル、α, α′, α″−トリ(4-ヒドロキシフェニル)-1,
3,5-トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒ
ドロキシ化合物、及び3,3-ビス(4-ヒドロキシアリー
ル)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、
5-クロルイサチン、5,7-ジクロルイサチン、5-ブロムイ
サチンなどが例示される。
【0015】本発明でポリカーボネート樹脂溶液に用い
る溶剤は、本発明のポリカーボネート樹脂を溶解し、適
度の揮発性を有するものであれば使用可能であり、例え
ばクロロベンゼン、塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤
も当然に使用できる。塗布の際の安全衛生を考慮すれ
ば、非ハロゲン系の溶剤、特にメチルエチルケトン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等で例示される炭化
水素系溶剤が好ましい。溶液の濃度は通常 1〜30重量
%、好ましくは 5〜20重量%である。本発明のポリカー
ボネート樹脂は一般的なポリカーボネート樹脂と異な
り、トルエン等の非ハロゲン系溶剤に対しても高い溶解
性を示し、溶液の安定性が高いという利点を有する。
【0016】染料の受容層を形成するためのベースフィ
ルムとしては、例えばセルロース繊維より形成された種
々の紙、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステルのフィルム、又は紙とこれらのプラスチックフ
ィルムのラミネート構造体などを用いることができる。
また、これらのプラスチックフィルムには、酸化チタン
や酸化亜鉛などの白色顔料を配合することができる。
【0017】本発明の溶液を用いてベースフィルム上に
染料の受容層を形成させる方法としては塗布法が好まし
い。具体的には本発明のポリカーボネート樹脂溶液をデ
ィップ法、フローコート法で塗布した後、乾燥して受容
体を製造する方法やロールコーターやグラビアコーター
にて塗布する方法などがあげられる。受容体層の厚みは
1〜50μm 、好ましくは 5〜20μm に制限される。
【0018】上記の熱転写受像シートの熱昇華染料受容
層と対向状態で用いる熱昇華性色素を含有する色材層を
有する熱転写用シートは、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等の耐熱性に優れたプラスチックフィルムや紙、な
どの基材上に昇華性染料を含む染料層を設けたものであ
り、従来公知の熱転写用シートを使用することができ
る。
【0019】
【実施例】以下に実施例等をあげて説明する。実施例等
におけるポリカーボネート樹脂の分子量の測定は GPCを
用い、以下のように行った。テトラヒドロフランを溶媒
とし、0.3wt/vol% の濃度でサンプルを調製し、25℃で
測定した。カラムは Waters 社製、ウルトラスタイジル
で排除限界は 105、104 、103 、 500Åの4本のカラム
を直列にして用いた。検出器はUV 254nmである。標準
ポリスチレンをスタンダードとして用い、下記式にて換
算した。 K1MnPC (a1+1)= K2MnPS (a2+1) MnPC : ポリカーボネートの数平均分子量 MnPS : ポリスチレンの数平均分子量 K1、a1 : ポリカーボネートの定数 K1= 3.89×104 a1=0.70 K2、a2 : ポリスチレンの定数 K2= 1.11×104 a2=0.725
【0020】実施例1 水酸化ナトリウム 3.7kgを水 42リットル に溶解し、20℃に
保ちながら、これにビスフェノールA(BPA) 3.65kg と
4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル(DHPE)3.23kg及
びハイドロサルファイト(HD) 8g を溶解した。これにメ
チレンクロライド(MC) 28リットル を加えて撹拌しつつ、p-
t-ブチルフェノール(PTBP) 148g を加え、次いでホスゲ
ン(PG) 3.5kgを60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込
み後、激しく撹拌して反応液を乳化させ、乳化後、8gの
トリエチルアミン(TEA) を加え約 1時間撹拌し重合させ
た。重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で
中和した後、洗液のPHが中性になるまで水洗を繰り返し
た後、イソプロパノール35リットルを加えて、重合物を沈澱
させた。沈澱物をろ過後、乾燥することにより白色粉末
状のポリカーボネート樹脂を得た。
【0021】このポリカーボネート樹脂粉末をトルエン
溶液に溶解させ、10wt% の溶液とした。白色顔料(TiO2)
を含むポリエステル(PET) フィルム (厚さ 150μm)に、
この樹脂溶液を塗布し、 120℃で30分間乾燥して厚さ 5
〜10μm の染料受容層を形成させた。厚さ 100μm の P
ETフィルム上にマゼンタ系の色素を 1μm の厚みでコー
トした染料供与フィルムを作成し、該フィルムと上記受
容層フィルムの樹脂塗布面を重ね、染料供与フィルムの
裏側から熱プリントヘッドに電圧を与えて染料を昇華転
写させた。熱プリントヘッドの抵抗要素の加熱時間は 8
ミリ・秒・電圧は約22ボルトであり、最大電力(power)
は約 1.5ワット/ ドットであった。得られた画像フィル
ムを 100℃、24hrs 、熱風乾燥機に放置し、染料の濃度
変化を調べた。また、フィルムに分銅 200g をつるし、
トルエン雰囲気下で24hrs放置し、表面の微細なクレイ
ズの発生の有無を調べた。結果を表1に示す。
【0022】比較例1 BPA 3.65kg及びDHPE 3.23kg の代わりにBPA 7.3kg を用
いた以外は実施例1 と同様にした。その結果を表1 に示
す。
【0023】比較例2 (1) ポリカーボネートオリゴマーの製造 水酸化ナトリウム1.6kg を水 1.8リットルに溶解し、20℃に
保ちながら、BPA 3.65kg、HD 4g を溶解した。これにMC
14リットル を加えて攪拌しつつ、PTBP 64gを加え、ついで
PG 2.4kgを40分で吹き込んだ。 PG吹き込み終了後、ポ
リカーボネートオリゴマーを含有するMC溶液のみを捕集
した。得られたオリゴマーのMC溶液の分析結果は下記の
とおりであった。 オリゴマー濃度 (注1) 29.4 重量% 末端Cl基濃度 (注2) 6.5 % 末端フェノール性水酸基濃度 (注3) 0.01% (注1)蒸発乾固させて測定 (注2)アニリンと反応させて得られるアニリン塩酸塩を
0.2 規定NaOH水溶液で中和滴定 (注3)四塩化チタン酢酸溶液に溶解させたときの発色を5
46nmで比色定量以上の方法で得られたオリゴマー溶液
を、以下オリゴマー溶液Aとする。
【0024】(2) ポリカーボネートオリゴマーの製造 上記 (1)において、BPA を 4,4'-ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル(DHPE)3.23kgに変更する他は、(1) と同様に
した。得られたオリゴマーのMC溶液の分析結果は下記の
とおりであった。 オリゴマー濃度 26.0 重量% 末端Cl基濃度 7.0 % 末端フェノール性水酸基濃度 0.01% 以上の方法で得られたオリゴマー溶液を、以下オリゴマ
ー溶液B とする。
【0025】(3) ブロック共重合ポリカーボネートの
製造 オリゴマー溶液A 、オリゴマー溶液B 、MC 4リットル、PTBP
20gを反応器に供給した。これにNaOH 1.0kgと水 18リット
ル からなる溶液を加え、激しく攪拌して反応液を乳化さ
せ、乳化後、8gのTEA を加え、約 1時間攪拌を続け重合
させた。重合液を水相と有機相に分離し、有機相をリン
酸で中和した後、洗液のPHが中性になるまで水洗を繰り
返した後、イソプロパノールを35リットル加えて重合物を沈
殿させた。沈殿物をろ過し、その後乾燥することによ
り、白色粉末状のポリカーボネート樹脂を得た。このブ
ロック共重合ポリカーボネートを染料受容層として用い
た結果を表1に示す。
【0026】表1 No. 二価フェノール *1 備考 数平均 成膜性*2 ストレス 耐熱 分子量 クラック *6 *7 *3 *4 *5 式 (3) 式 (4) ×104 溶 溶 溶 ラ 100 ℃ フェノール フェノール 解 液 液 ン 24hrs モル% モル% 度 安 濁 ダ 濃度 定 度 ム 保持率 性 性 % 実1 BPA DHPE 1.0 20 % ○ ○ ○ ○ 90 50 50 以上 実2 BPZ DHPE 3.2 20 % ○ ○ ○ ○ 93 40 60 以上 実3 BPAP DHPE 0.8 20 % ○ ○ ○ ○ 88 60 40 以上 実4 DMBPA DHPE 2.1 20 % ○ ○ ○ ○ 90 50 50 以上 実5 BPA DMDHPE 2.0 20 % ○ ○ ○ ○ 90 50 50 以上 比1 BPA 1.1 0.1% ─ × ─ × 65 100 以下 比2 BPA DHPE ブロック 1.0 20 % × ○ × × 68 50 50 共重合体 以上 比3 BPA DHPE 2.0 20 % ─ × × ○ 70 20 80 以上 比4 BPA DHPE 0.4 20 % ○ ○ ○ × 68 50 50 以上 表中の*1*6は次のとおり。*1 二価フェノール: BPA ビスフェノールA、 BPZ 1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル) シクロヘキ
サン、 BPAP 1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1-フェニル
エタン、 DMBPA ジメチルビスフェノールA、 DHPE 4,4'- ジヒドロキシジフェニルエーテル、 DMDHPE 3,3'- ジメチル-4,4'-ジヒドロキシジフェニル
エーテル*2 成膜性:評価に用いた溶剤はトルエン*3 溶液安定性:トルエン10wt% 溶液の 1週間後の濁りの有無
有 (×) 、無 (○)*4 溶液濁度:トルエン10% 溶液作成時の濁りの有無 有
(×) 、無 (○)*5 ランダム性:TEM 観察結果による繊維状の不均一なム
ラの有無 有 (×) 、無 (○)*6ストレスクラック :フィルムに分銅200g懸垂 (荷重100kg/cm2)、トル
エン雰囲気下、24hr、 クレイズ発生の有無 有 (×) 、無 (○)*7 耐熱性:乾燥機中に 100℃、24hrs 放置した前後の染
料濃度を色差計L,a,b 値で評価した時の L値保持率(%)
【0027】
【発明の効果】本発明の熱昇華染料受容層の膜形成用の
ポリカーボネート樹脂溶液によれば、熱プリントヘッド
による転写記録後の受容体の表面の光沢が失われること
がなく機械的強度の大きいポリカーボネート樹脂受容層
が得られる。また本発明にかかるポリカーボネート樹脂
は非ハロゲン系炭化水素溶媒への溶解性が高く、本発明
の熱昇華染料受容層膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液
は安定で生産性に優れるという利点を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱昇華性色素を含有する色材層を有する
    熱転写用シートと対向状態で用いる熱転写受像シートの
    熱昇華染料受容層の膜形成用のポリカーボネート樹脂溶
    液であって、下記の一般式(1) 及び(2) で表される構成
    単位を有し、(1)及び(2) で表される構成単位のモル比
    が 35/65〜65/35 であり、数平均分子量が 5,000〜 50,
    000 であるランダム−コ−ポリカーボネート樹脂を有機
    溶剤に溶解してなる熱昇華染料受容層膜形成用ポリカー
    ボネート樹脂溶液 【化1】 (式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン又は炭素数1〜4 のア
    ルキル基を示し、A は炭素数 1〜10の直鎖、分岐鎖、或
    いは環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン
    基、アリール基、スルホニル基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(1) で表される構成単位が、2,2-
    ビス(4−ヒドロキシフェニル) プロパン (ビスフェノー
    ルA) 、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-シクロヘキ
    サン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエ
    タン、2,2-ビス(3−メチル−4-ヒドロキシフェニル)-プ
    ロパン、及びビス(4−ヒドロキシフェニル) スルホンか
    らなる群から選ばれる二価フェノールから導かれたもの
    である請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液
  3. 【請求項3】 一般式(2) で表される構成単位が、ビス
    (4−ヒドロキシフェニル)-エーテルから導かれたもので
    ある請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液
  4. 【請求項4】 ポリカーボネート樹脂の数平均分子量が
    5,000〜25,000である請求項1記載のポリカーボネート
    樹脂溶液
  5. 【請求項5】 ランダム- コ- ポリカーボネート樹脂が
    下記の一般式(3) 及び(4) で表される二価フェノールを
    (3)と(4) のモル比 35/65〜65/35 の割合で共重合させ
    たものである請求項1記載のポリカーボネート樹脂溶液 【化2】 (式中、R1〜R8は、水素、ハロゲン又は炭素数1〜4 のア
    ルキル基を示し、A は炭素数 1〜10の直鎖、分岐鎖、或
    いは環状のアルキリデン基、アリール置換アルキレン
    基、アリール基、スルホニル基を示す。)
JP3295668A 1991-11-12 1991-11-12 熱昇華染料受容層膜形成用ポリカーボネート樹脂溶液 Pending JPH05131761A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008169384A (ja) * 2006-12-14 2008-07-24 Kaneka Corp コーティング用樹脂、光学補償用薄膜、光学補償用積層体、光学補償用偏光板、及び液晶表示装置。

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