JPH0513019A

JPH0513019A - 受像管

Info

Publication number: JPH0513019A
Application number: JP15428091A
Authority: JP
Inventors: Koji Nakamura; 浩二中村
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1991-06-26
Filing date: 1991-06-26
Publication date: 1993-01-22
Anticipated expiration: 2012-03-05
Also published as: JP2586758B2

Abstract

(57)【要約】【目的】シャドウマスクをパネルコーナ部にてピン支
持するに際し、パネル部内面に傷をつけることなく容易
に着脱できるようにすること。【構成】パネル部２のコーナ部内面に植設したピン８
のリファレンス面１２の延長線上に位置するパネル部内
面に凹み１１を設け、シャドウマスク着脱用治具のツメ
がパネル部内面に接触して傷がつかないようにしたもの
である。【効果】シャドウマスク取付用のコーナピンの植設位
置、シャドウマスク着脱用治具のツメの挿入位置などの
多少のばらつきがあっても、パネル部内面を傷つけない
でシャドウマスクを着脱でき、受像管の生産性と信頼性
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン受像機
あるいはコンピュータターミナル等に使われる受像管
（以下、ＣＲＴという）に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のカラーＣＲＴの一部破断部
を含む概略構造を示す図であり、同図に示されるもの
は、シャドウマスク式カラーＣＲＴとして一般に使われ
ているもので、横寸法と縦寸法の比が４対３の角型のス
クリーンを有している。

【０００３】同図において、ＣＲＴ１は、パネルスクリ
ーン部２Ａとパネル側面部２Ｂを有するパネル部２と、
このパネル部２に連なる漏斗状のファンネル部４と、電
子銃（図示せず）を包含するネック部５とからなるガラ
ス真空容器として構成されている。また、６は多数の丸
孔もしくは角孔を設けた薄い金属板より形成されたシャ
ドウマスクで、フレーム７に保持されている。さらに、
このシャドウマスク６に対向して上記パネルスクリーン
部２Ａの内面には蛍光スクリーン３が焼付形成されてい
る。

【０００４】また、図４は図３で示すパネルスクリーン
部２Ａを背面側（ネック部５側）から見た図であり、同
図から明らかなように、フレーム７に保持されたシャド
ウマスク６は、パネル部２の長軸Ｘ、短軸Ｙもしくはそ
の近辺に設けた４本のピン（軸上ピン）８に上記フレー
ム７に取り付けた金属製の板ばね９を介して懸架されて
いる。

【０００５】しかしながら、上記したような軸上ピン８
による取付方法では、フレーム７が変形して、シャドウ
マスク６に悪影響を及ぼすおそれがある。このフレーム
７の変形を防止するため、フレーム７を分厚くするなど
してフレームの剛性アップをはかると、フレーム７自体
の重量が増すという不都合がある。このことは、横縦寸
法比が４対３である従来のスクリーン寸法を横に長くし
た横長スクリーン（横縦寸法比が１６対９）の場合に
は、とくに、顕著であった。

【０００６】上記の不都合を解消するため、横長スクリ
ーンの場合にも適用できように、最近のシャドウマスク
の設計技術では、図４で示したような軸上ピンによる取
付方法ではなく、図５で示すように、パネルスクリーン
の対角軸（Ｐ軸）上に植設したピン８にてシャドウマス
クを懸架支持する、いわゆるコーナーピンによる取付方
法がおこなれている。

【０００７】このコーナピンによる取付方法によれば、
角形のフレーム７の構造上、図４で示す軸上ピンによる
取付方法の場合よりも、フレーム７の変形が少なく、ひ
いては、フレーム７自体の軽量化を図ることができると
いう利点がある。

【０００８】このように、コーナピンによる取付方法に
は、フレームの変形が少なく、フレーム自体の軽量化が
可能となる利点があることから、横縦寸法比が１６対９
の横長スクリーンを有する受像管の場合に、とくに、望
ましいシャドウマスク懸架手段として多く採用されてい
る。

【０００９】ここで、上記横長スクリーンにおけるシャ
ドウマスクの懸架手段を図５ないし図７により説明す
る。図５は、横縦寸法比が１６対９であるパネルスクリ
ーンの１／４面だけを図４と同様に背面側から見た図、
図６は図５で示すピン部分の拡大図である。図５で示す
ピン８は、具体的には、図６で示すように、その基端部
がパネル部２のコーナ部内面に植設され、その先端部が
截頭円錐形状に形成されたものであって、この先端部に
リファレンス面（径）12が設定されている。

【００１０】また、図７はピン８と、フレームに取り付
けられ、かつその孔がリファレンス面に嵌め込まれた板
ばね９と、シャドウマスクを取り付けるためのシャドウ
マスク着脱用治具のツメ１０との関係を示している。

【００１１】同図で示すように、板ばね９には、ピン８
のリファレンス面12に対応し、これに一致するような孔
が穿設されており、シャドウマスク（図示しない）をパ
ネル部２より取り外す場合には、シャドウマスク着脱用
治具のツメ１０を板ばね９とピン8 のベースの間に挿入
し、このツメ１０を図７の矢印方向に動かして板ばね９
をたわませ、上記ピン８の頂部よりもシャドウマスク全
体を小さくすることにより、シャドウマスクをパネル部
２から取り外せるようになっている。なお、シャドウマ
スクをパネル部２に装着するときには、以上の作業手順
の逆をおこなえばよい。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、シャドウマスクの着脱に際し、上記ツメ１０を動作
させた場合に、図７から明らかなように、ツメ１０の先
端１０Ａとパネル部長辺Ａの内面とが接触し、この内面
に傷を付けるおそれが高くなるという不都合がある。

【００１３】この発明は上記の不都合を解消するために
なされたもので、シャドウマスクの着脱に際し、シャド
ウマスク着脱用治具のツメがパネル部の内面に接触する
ことがなく、したがって、パネル部内面に傷を付けるこ
とのないシャドウマスクの取付構造を有する受像管を提
供することを目的とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項１の発明では、シャドウマスクを保持したフ
レームを、このフレームに取り付けた板ばねの孔をパネ
ル部のコーナ部内面に植設したピンのリファレンス面に
嵌め込むことにより、シャドウマスクをパネル部に取り
付ける構成の受像管において、上記ピンのリファレンス
面の延長線上に位置するパネル部内面に凹みを設け、シ
ャドウマスク着脱用治具のツメの動作時に、このツメが
パネル部内面に接触しないようにしたことを特徴として
いる。また、請求項２の発明では、とくに、横長スクリ
ーンタイプの場合に、パネル部長辺側の内面のみに凹み
を設けたことを特徴としている。

【００１５】

【作用】しかして、請求項１の発明によれば、シャドウ
マスクをパネル部に着脱させるため、シャドウマスク着
脱用治具のツメを動作させても、パネル部内面に凹みを
設けてあるので、上記ツメがパネル部内面に接触するこ
とがなく、このパネル部内面に傷を付けることがない。
したがって、たとえ、ピンの植設位置のばらつき、パネ
ル部内面の凹凸起伏のばらつき、治具のツメの挿入位置
のばらつき等が多少あっても、これらのばらつきを凹み
により効率的に吸収でき、結果的に、パネル部内面に傷
を付けるおそれがなく、これらのばらつきに対する裕度
が大きくなる。このようなばらつきに対する裕度がある
から、生産性が向上するとともに、製品に対する信頼性
も向上する。

【００１６】また、請求項２の発明のように、スクリー
ンが横長タイプの場合には、パネル部長辺側のみに凹み
を設けることにより、パネル部内面へシャドウマスク着
脱用治具のツメが接触しないようにして、シャドウマス
クが着脱でき、パネル部短辺側に凹みを設ける必要がな
いので、より簡単な構造とできる。

【００１７】

【実施例】図１はこの発明の一実施例のパネル部の主要
部分を示す拡大図、図２は同じくその斜視図であり、従
来例を示す図６および７と同一または相当する部分には
同一の符号を付してその説明を省略する。

【００１８】図１は対角長さが６６ｃｍで、かつ横縦寸
法比が１６対９の横長スクリーンを有するＣＲＴでの改
良例を示し、同図において、１１はパネル部２の長辺Ａ
側内面に形成した凹みで、ピン８のリファレンス面１２
の延長線上の位置に設けられている。

【００１９】なお、この凹み１１の深さは、たとえば、
約３ｍｍ程度とする。この凹み１１の深さは、シャドウ
マスク着脱用治具のツメの着脱性だけを問題にすると、
約５ｍｍ程度がもっとも好ましいが、反面、パネル部２
のガラス肉厚に食い込みすぎて、パネル部２の強度劣化
の原因となることから、望ましくは、必要最小限とす
る。

【００２０】また、図１で、たとえば、凹み１１を設け
ない従来の場合には、ピン８と長辺Ａ側との間隔は約
７．３ｍｍ、ピン８と短辺Ｂ側との間隔は約１２．５ｍ
ｍと著しくパランスを欠いているが、同図で示すよう
に、凹み１１を設けたこの実施例の場合には、ピン８と
長辺Ａ側との間隔に対し、長辺Ａ側に設けた凹み１１の
深さ分３ｍｍを加えると、ピン８と長辺Ａ側との間隔は
約１０ｍｍとなり、両者のバランスがとれることにな
る。このように、上記凹み１１の深さを約３ｍｍ程度と
すれば、ピン８と長辺Ａ側との間隔が結果的に約１０ｍ
ｍとなるので、望ましい。

【００２１】さらに、図２で示すように、凹み１１の形
成幅は、ファンネルガラスとのシール面１３からピン８
を越え、このピンの下端位置１４から＋８ｍｍ程度まで
の幅（スクリーン３方向に対して）であればよい。

【００２２】なお、上記のように、たとえば、パネル部
２の長辺Ａの一部分に凹み１１を設けるものであるか
ら、その部分のガラス肉厚は減少することになるが、Ｃ
ＲＴとして完成した時に、ガラスに発生する応力の高い
部分は、Ｘ軸方向やＹ軸方向であるから、上記のよう
に、凹み１１をパネル部内面に設けても、パネル部２の
強度上の不都合はない。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、シャドウマスク着脱用治具のツメにより、傷が付き
やすかったパネル部内面に凹みを設けただけの簡単な構
成で、シャドウマスク取付用のピンの植設位置のばらつ
き、パネル部内面の凹凸起伏のばらつきや上記治具のツ
メの挿入位置のばらつき等が多少あっても、パネル部内
面を傷つけることなく、シャドウマスクをパネル部に着
脱できるから、ＣＲＴが製造しやすくなり、したがっ
て、ＣＲＴの信頼性を著しく向上させることができると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例のパネル部の主要部分を示
す拡大図である。

【図２】図１のピン部分の斜視図である。

【図３】従来のカラーＣＲＴの一部破断部を含む概略図
である。

【図４】図３で示すパネルスクリーン部を背面側（ネッ
ク部側）から見た図である。

【図５】横縦寸法比が１６対９であるパネルスクリーン
の１／４面だけを背面側から見た図である。

【図６】図６は図５で示すピン部分の拡大図である。

【図７】ピンへの板ばねの着脱状態を説明するための図
である。

【符号の説明】

１受像管２パネル部８ピン９板ばね１０ツメ１１凹み１２リファレンス面（径）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シャドウマスクを保持したフレームを、
このフレームに取り付けた板ばねの孔をパネル部のコー
ナ部内面に植設したピンのリファレンス面に嵌め込むこ
とにより、シャドウマスクをパネル部に取り付けた受像
管において、上記ピンのリファレンス面の延長線上に位
置するパネル部内面に凹みを設けたことを特徴とする受
像管。
【請求項２】パネル部長辺側の内面にのみ凹みを設け
た請求項１記載の受像管。