JPH05129137A - ガス絶縁電気機器 - Google Patents

ガス絶縁電気機器

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JPH05129137A
JPH05129137A JP4069942A JP6994292A JPH05129137A JP H05129137 A JPH05129137 A JP H05129137A JP 4069942 A JP4069942 A JP 4069942A JP 6994292 A JP6994292 A JP 6994292A JP H05129137 A JPH05129137 A JP H05129137A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガス絶縁電気機器の大きさを小さく最適なもの
とし、限られたスペースへの設置等を可能とするコンパ
クトで低価格なものを提供する。 【構成】本発明ではガス絶縁電気機器において、第1の
特徴は放熱用パネル114Bとガス導入用ヘッダあるいはガ
ス導出用ヘッダ114A' との接続部分の少なくとも一方に
介在され、放熱用パネル114Bの端部から接続部分に向か
って流路断面積が漸次増大する流路を有する連結部114C
を設けたことであり、また第2の特徴は、ガス導入用ヘ
ッダあるいはガス導出用ヘッダ114A' の少なくとも一方
に、ヘッダの端部側から電気機器本体に近い側に向かっ
て流路断面積が漸次増大する流路を有する断面積の変化
部114Ac を形成したことである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は絶縁ガスを冷却するよう
にしたガス絶縁電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、変電所は、オフィースビルデング
内や地下空間に建設されることがある。変電所では、電
力用変圧器の如き高電圧電気機器が設置される。従来、
この種の高電圧電気機器には冷却媒体として絶縁油が使
用されていた。
【0003】しかし、絶縁油は絶縁耐量が小さいため、
火災発生の如き安全性の問題がある。そこで、近年にな
っては、絶縁耐量の大きい高耐電圧絶縁ガスであるSF
6 ガスの如き絶縁媒体を、高電圧電気機器に使用してき
ている。そして、SF6 ガスは、単に高耐電圧絶縁ガス
としての用途のほかに冷却媒体としても利用されてい
る。このようなガス絶縁電気機器は、電気機器本体とこ
の本体に取付けられる冷却器とから構成される。
【0004】しかし、周知の通りSF6 ガスの比熱は絶
縁油に比較して小さいため、SF6 ガスの熱伝達率は絶
縁油の約1/10である。しかるに、SF6 ガスの熱伝達
能力は絶縁油に比較して劣っているため、大容量の冷却
器を使用する必要性がある。しかも、高電圧電気機器が
設置されるオフィースビルデング内や地下は、限られた
設置スペースを提供するものであるため、大型の冷却器
を持つ高電圧電気機器の設置は困難である。
【0005】このような変圧器の近年の事情を考慮し、
ガス絶縁電気機器の一例としてガス絶縁変圧器を例にあ
げ、以下に3つの従来例を示す。 (第1の従来例)この第1の従来例は、第1の発明に対
応するものである。図37は要部正面図であり、図38は図
37におけるV矢向視の縦断面図である。
【0006】図において、1は冷却装置で、これは、例
えば略半長円形断面の上部ヘッダ2と下部ヘッダ3の間
に、全体が略同厚に形成された複数のパネル4が上,下
端部を各ヘッダ2,3に連接部5,6を介在させて取着
し、互いに離間するように垂直に配設されている。
【0007】上部ヘッダ2と下部ヘッダ3は開口した一
端部7,8を、図示しない変圧器本体に取着し、変圧器
本体内部と連通するように設けられている。なお、上部
ヘッダ2と下部ヘッダ3の他端部は閉塞されている。ま
た、パネル4には内部に垂直方向の空間が形成されてお
り、この空間は上部ヘッダ2と下部ヘッダ3の内部に連
通している。
【0008】また、変圧器本体と冷却装置1の連通した
空間には、SF6 ガスが充填されており、SF6 ガスは
変圧器の絶縁性能を維持するものとして用いられると共
に冷却媒体として用いられ、変圧器本体と冷却装置1の
空間を、主としてパネル4で放熱するように自然循環さ
せることによって、変圧器の冷却を行う。
【0009】すなわち、SF6 ガスの自然循環は、変圧
器本体内部から上部ヘッダ2の流路9に流れ、流れなが
ら各パネル4に分岐して各パネル4の流路10を垂直下方
向に流れ、さらに各パネル4の流路10からの流れを下部
ヘッダ3の流路11に集合させるように流し、変圧器本体
内部に戻るように行われる。
【0010】なお、SF6 ガスがパネル4の流路10を流
れるときに、パネル4の周囲の空気が加熱されて対流を
起すことにより、主として放熱が行われ、また、パネル
4の流路10での流れが乱流である時に放熱が効率よく行
われる。
【0011】このとき、冷却媒体として絶縁油に替えて
熱伝達能力が劣る絶縁ガスのSF6 ガスを用いており、
冷却装置1の冷却能力を高めるためには、SF6 ガスの
循環流量を増加させる必要がある。
【0012】そして、上部ヘッダ2と下部ヘッダ3の流
路9,11の流路断面積と、パネル4の上部ヘッダ2と下
部ヘッダ3に取着した部分、すなわちパネル4のSF6
ガスの流れが分岐,集合する部分の流路断面積との比が
大きいと、分岐損失係数と集合損失係数が大きくなる。
この場合、次のような不具合が生じ、冷却装置1の大き
さを小さくすることができない。
【0013】第1に、各流路9,10,11間での分岐,集
合する部分での分岐損失,集合損失は、SF6 ガスの速
度の2乗と密度及び分岐又は集合損失係数の積で示され
るため、分岐又は集合損失係数が大きくなると分岐又は
集合損失が大きくなる。あるいはSF6 ガスの循環流量
が減少してしまうこととなる。
【0014】第2に、分岐又は集合損失が大きくなる
と、循環するSF6 ガスの流量が、複数設けたパネル4
の間でアンバランスになり易くなり、一部のパネル4の
内部でSF6 ガスが熱伝達の悪い層流になる可能性があ
る。このように層流が生じるような場合には、パネル4
の数を増してもほとんど放熱量は増加しない。 (第2の従来例)この第2の従来例は、第2および第3
の発明に対応するものである。図39は要部正面図であ
り、図40は図39におけるX矢方向視の縦断面図である。
図において、15は冷却装置で、これには、例えば円管状
の上部ヘッダ16と下部ヘッダ17の間に、複数のパネル18
が側壁の上部と下部に、各ヘッダ16,17の連接部19,20
を介在させて互いに離間するように垂直に配設されてい
る。上部ヘッダ16と下部ヘッダ17は開口した一端部21,
22を、図示しない変圧器本体に取着し、変圧器本体内部
と連通するように設けられている。なお、上部ヘッダ16
と下部ヘッダ17の他端部は閉塞されている。また、パネ
ル18には内部に垂直方向の空間が形成されており、この
空間は上部ヘッダ16と下部ヘッダ17の内部に連通してい
る。
【0015】また、変圧器本体と冷却装置15の連通した
空間には、SF6 ガスが充填されており、SF6 ガスは
変圧器の絶縁性能を維持するものとして用いられると共
に冷却媒体として用いられ、変圧器本体と冷却装置15の
空間を自然循環させることによって、変圧器の冷却を行
う。すなわち、SF6 ガスの自然循環は、変圧器本体内
部から上部ヘッダ16の流路23に流れ、流れながら各パネ
ル18に分岐して各パネル18の流路24を垂直下方向に流
れ、さらに各パネル18の流路24からの流れを下部ヘッダ
17の流路25に集合させるように流し、変圧器本体内部に
戻るように行われる。なお、SF6 ガスがパネル18の流
路24を流れるときに、パネル18の周囲の空気が加熱され
て破線矢印26で示すような対流を起すことにより、主と
なる放熱が行われ、また、パネル18での流れが乱流であ
る時に放熱が効率よく行われる。
【0016】このとき、冷却媒体として絶縁油に替えて
熱伝達能力が劣る絶縁ガスのSF6 ガスを用いており、
冷却装置15の冷却能力を高めるためには、SF6 ガスの
循環流量を増加させる必要がある。
【0017】そして、パネル18の周囲の空気を円滑に滞
留させてパネル18での熱交換をより促進するためには、
対流の邪魔となる上部ヘッダ16と下部ヘッダ17の外径を
小さいものとすることが考えられていた。しかし、上部
ヘッダ16と下部ヘッダ17の外径を小さくすると内径も小
さくなり、それらの流路23,25の流路断面積が減少して
しまう。このため、上部ヘッダ16と下部ヘッダ17の外径
を小さいものとすることは、上記の従来の第1の例にお
けると同様の不具合を生じ、冷却装置15の大きさを小さ
くすることができない。 (第3の従来例)この第3の従来例は、第4の発明に対
応するものである。
【0018】また、従来の絶縁冷却剤(絶縁油あるいは
絶縁ガス)が変圧器本体と外部冷却器との間を自然循環
することにより、変圧器本体内部のコイルや鉄心を冷却
する自冷式変圧器は、中・小容量の変圧器に多く用いら
れている。しかし、自冷式の場合、コイルや鉄心を冷却
する冷却媒体の循環力は、強制的に循環させるタイプよ
り劣るため、できるだけ流路抵抗を小さくし冷却媒体を
循環量を多くさせるとともに、できるだけ効率良く冷却
媒体をコイルや鉄心を冷却する流路に流さなくてはなら
ない。もし、冷却媒体の循環量やコイルや鉄心を冷却す
る流路に流す効率が悪ければ、変圧器の大きさが増加
し、コストや設置スペースを増大させてしまうことにな
る。
【0019】自冷式変圧器の従来例について、以下図41
を参照して説明する。図41は変圧器及び変圧器本体内部
の基本構造を示す図である。図において、31は変圧器で
あり、変圧器本体32と外部冷却器33とで構成されてい
る。変圧器本体32のケーシング34内部には、コイル35と
鉄心36が絶縁された状態で取着されている。
【0020】また、変圧器本体32と冷却装置33内部に
は、絶縁冷却剤、例えばSF6 ガスが充填されており、
SF6 ガスは変圧器31の絶縁性能を維持するものとして
用いられると共に冷却媒体として用いられ、破線矢印37
で示すように変圧器本体32と外部冷却器33の空間を自然
循環する。すなわち、SF6 ガスは変圧器本体32内部の
コイル35や鉄心36から発生する熱を除去しながら温めら
れて上昇し、変圧器本体32上部より外部冷却器33に入っ
て外部冷却器33で冷却されながら下方に流れ、再び変圧
器本体32内部に戻る。
【0021】この時、変圧器本体32内部のSF6 ガスは
図41の破線矢印37で示すように、コイル35や鉄心36を冷
却するためにコイル35内部あるいは鉄心36内部に設けら
れた流路だけではなく、コイル35とケーシング34間の空
間にも流れる。しかし、コイル35とケーシング34間の空
間のSF6 ガスの流れは、あまりコイル35の冷却に寄与
していない。
【0022】次にコイル35とケーシング34間の空間にS
6 ガスの流れることにより生じる不具合について説明
する。今、コイル35と鉄心36を冷却する流路に流れるS
6 ガス流量をW1、コイル35とケーシング34間の空間
に流れるSF6 ガスの流量をW2とすると、外部冷却器
33にはW1+W2のSF6 ガスが流れるため、外部冷却
器33での圧力損失の増加を防ぐには、外部冷却器33を設
置スペースが大きくなるように増設し、循環流量が減少
しないようにしなければならない。さらに、W1を大き
くするために、コイル35と鉄心36を冷却するための流路
断面積を大きくしなければならない。
【0023】以上より、従来の変圧器1ではコイル35と
ケーシング34間の空間にSF6 ガスが流れるため、外部
冷却器33の設置スペースやコイル35と鉄心36との空間が
大きくなり、変圧器31のコストや大きさが増加してしま
う。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来(従
来例1〜従来例3)のガス絶縁電気機器においては、各
々のヘッダと放熱用のパネルとの流路断面積や外形寸法
等あるいは各ヘッダの外形寸法等の兼合いからガス絶縁
電気機器の大きさを小さく最適なものとすることが困難
であるとあった。また、従来(従来例4)の自冷式電気
機器においては絶縁性の冷却媒体の流れに不都合があ
り、電気機器をコンパクトに形成することができないと
いった問題点があった。
【0025】本発明は、上記事情に鑑みて成されたもの
でその目的とするところは、ガス絶縁電気機器の大きさ
を小さく最適なものとし、コンパクトで低定価化が実現
されたガス絶縁電気機器を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では以下のクレームに示す複数の発明を提供す
る。 (1)収容空間と;当該収容空間に収容された絶縁対象
電気要素と;前記収容空間に充填された高耐電圧絶縁ガ
スと;を含む電気機器本体と/一開口部側が前記電気機
器本体に接続され且つ長尺方向に沿って複数のダクトが
形成され且つ所定の流路断面積を有するものであって前
記高耐電圧絶縁ガスを前記電気機器本体から導入するた
めのガス導入用筒体;一開口部側が前記電気機器本体に
接続され且つ長尺方向に沿って複数のダクトが形成され
且つ所定の流路断面積を有するものであって前記高耐電
圧絶縁ガスを前記電気機器本体から導出するためのガス
導入用筒体;パネル状であり、長尺方向に沿って所定の
流路断面積を有するガス流路が形成されたものであって
前記高耐電圧絶縁ガスを前記ガス導入用筒体から導入し
且つ該導入した前記高耐電圧絶縁ガスを放熱により冷却
し且つ該冷却された前記高耐電圧絶縁ガスを前記ガス導
出用筒体に導出するためのガス放熱用筒体;前記ガス放
熱用筒体と前記ガス導入用筒体との接続部分及び前記ガ
ス放熱用筒体と前記ガス導出用筒体との接続部分のうち
の少なくとも一方に介在され且つ前記高耐電圧絶縁ガス
を通流するものであって前記ガス放熱用筒体の端部から
前記接続部に向かって厚さが漸次増大し、流路断面形状
が徐々に変化する流路を有する連結部からなる;前記高
耐電圧絶縁ガスを冷却するための冷却器と/からなるガ
ス絶縁電気機器。 (2)前記ダクトは四角形、楕円形、菱形またはこれら
の3つの中間的形状であり、且つその断面積をその長辺
で割った値が16mm〜45mmであるクレーム1のガス絶縁電
気機器。 (3)前記連結部の流路は、前記変圧器本体に近い側と
前記変圧器本体に遠い側とに傾斜した部材を有すること
により、前記ガス放熱用筒体の端部から前記接続部に向
かって流路断面積が漸次増大するものであるクレーム1
のガス絶縁電気機器。 (4)前記連結部の流路は、前記変圧器本体に近い側の
みに傾斜した部材を有することにより、前記ガス放熱用
筒体の端部から前記接続部に向かって流路断面積が漸次
増大するものであるクレーム1のガス絶縁電気機器。 (5)前記ガス導入用筒体の流路断面積は、長尺方向に
沿って変化しているものであるクレーム1のガス絶縁電
気機器。 (6)前記ガス導出用筒体の流路断面積は、長尺方向に
沿って変化しているものであるクレーム1のガス絶縁電
気機器。 (7)前記ガス放熱用筒体は、流路断面積の異なる複数
のものからなるクレーム1のガス絶縁電気機器。 (8)前記ガス放熱用筒体は、相互の間隔が不均等に配
置されてなるクレーム1のガス絶縁電気機器。 (9)前記ガス放熱用筒体は、その断面形状が、複数の
略菱形あるいは四角形を含むものであるクレーム1のガ
ス絶縁電気機器。 (10)前記電気機器本体は、前記収容空間に、前記高耐
電圧絶縁ガスを冷却するための冷却手段を設けたクレー
ム1のガス絶縁電気機器。 (11)収容空間と;当該収容空間に収容された絶縁対象
電気要素と;前記収容空間に充填された高耐電圧絶縁ガ
スと;を含む電気機器本体と/一開口部側が前記電気機
器本体に接続されて前記高耐電圧絶縁ガスを前記電気機
器本体から導入するためのガス導入用筒体;一開口部側
が前記電気機器本体に接続されて前記高耐電圧絶縁ガス
を前記電気機器本体に導出するためのガス導出用筒体;
パネル状であり、長尺方向に沿って所定の流路断面積を
有するガス流路が形成されたものであって前記高耐電圧
絶縁ガスを前記ガス導入用筒体から導入し且つ該導入し
た前記高耐電圧絶縁ガスを放熱により冷却し且つ該冷却
された前記高耐電圧絶縁ガスを前記ガス導出用筒体に導
出するためのガス放熱用筒体;前記ガス導入用筒体ある
いは前記ガス導出用筒体の少なくとも一方に、流路断面
積が漸次増大する流路を有する流路断面積の変化部から
なる;前記高耐電圧絶縁ガスを冷却するための冷却器と
/からなるガス絶縁電気機器。 (12)収容空間と;当該収容空間に収容された絶縁対象
電気要素と;前記収容空間に充填された高耐電圧絶縁ガ
スと;を含む電気機器本体と/パネル状であり、長尺方
向に沿って所定の流路断面積を有するガス流路が形成さ
れたガス放熱用筒体;一開口部側が前記電気機器本体に
接続され前記ガス放熱用筒体の長尺方向の一端部近傍に
挿入され且つ前記ガス放熱用筒体と交差する部分にダク
トが形成されたものであって前記高耐電圧絶縁ガスを前
記電気機器本体から導入するためのガス導入用筒体;一
開口部側が前記電気機器本体に接続され前記ガス放熱用
筒体の長尺方向の他端部近傍に挿入され且つ前記ガス放
熱用筒体と交差する部分にダクトが形成されたものであ
って前記高耐電圧絶縁ガスを電気電気機器本体に導出す
るためのガス導出用筒体からなる;前記高耐電圧絶縁ガ
スを冷却するための冷却器と/からなるガス絶縁電気機
器において、前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒
体のうち少なくとも一方における前記ガス放熱用筒体の
短尺方向における前記ガス導入用筒体あるいはガス導出
用筒体の外形寸法は、前記ガス放熱用筒体の幅寸法の0.
36倍以下に設定され、且つ前記ガス導入用筒体あるいは
ガス導出用筒体の流路断面積は、前記ガス放熱用筒体の
短尺方向の寸法の0.25倍を直径としたときの円の面積以
上に設定されているガス絶縁電気機器。 (13)前記電気機器本体は、前記収容空間に、前記高耐
電圧絶縁ガスを冷却するための冷却手段を設けたクレー
ム12のガス絶縁電気機器。 (14)前記ガス放熱用筒体は、流路断面積の異なる複数
のものからなるクレーム14,15,16,17のいずれかのガ
ス絶縁電気機器。 (15)前記ガス放熱用筒体は、相互の間隔が不均等に配
置されてなるクレーム12のガス絶縁電気機器。 (16)前記ガス放熱用筒体は、その断面形状が、複数の
略菱形あるいは四角形を含むものであるクレーム12のガ
ス絶縁電気機器。 (17)収容空間と;当該収容空間に収容された絶縁対象
電気要素と;前記収容空間に充填された高耐電圧絶縁ガ
スと;を含む電気機器本体と/パネル状であり、長尺方
向に沿って所定の流路断面積を有するガス流路が形成さ
れたガス放熱用筒体;一開口部側が前記電気機器本体に
接続され前記ガス放熱用筒体の長尺方向の一端部近傍に
挿入され且つ前記ガス放熱用筒体と交差する部分にダク
トが形成されたものであって前記高耐電圧絶縁ガスを前
記電気機器本体から導入するためのガス導入用筒体;一
開口部側が前記電気機器本体に接続され前記ガス放熱用
筒体の長尺方向の他端部近傍に挿入され且つ前記ガス放
熱用筒体と交差する部分にダクトが形成されたものであ
って前記高耐電圧絶縁ガスを前記電気機器本体に導出す
るためのガス導出用筒体からなる;前記高耐電圧絶縁ガ
スを冷却するための冷却器と/からなるガス絶縁電気機
器において、前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒
体のうち少なくとも一方は、前記ガス放熱用筒体の短尺
方向の端部近傍に配置されているガス絶縁電気機器。 (18)前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒体のう
ち少なくとも一方は、その一部が前記ガス放熱用筒体か
ら外部へ露出して配置されているクレーム17のガス絶縁
電気機器。 (19)前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒体のう
ち少なくとも一方は、その一部が前記ガス放熱用筒体か
ら外部へ露出して配置されているクレーム17のガス絶縁
電気機器。 (20)前記電気機器本体は、前記収容空間に、前記高耐
電圧絶縁ガスを冷却するための冷却手段を設けたクレー
ム17のガス絶縁電気機器。 (21)収容空間と;当該収容空間に収容された絶縁対象
電気要素と;前記収容空間に充填された高耐電圧絶縁ガ
スと;を含む電気機器本体と/パネル状であり、長尺方
向に沿って所定の流路断面積を有するガス流路が形成さ
れたガス放熱用筒体;一開口部側が前記電気機器本体に
接続され前記ガス放熱用筒体の長尺方向の一端部近傍に
挿入され且つ前記ガス放熱用筒体と交差する部分にダク
トが形成されたものであって前記高耐電圧絶縁ガスを前
記電気機器本体から導入するためのガス導入用筒体;一
開口部側が前記電気機器本体に接続され前記ガス放熱用
筒体の長尺方向の他端部近傍に挿入され且つ前記ガス放
熱用筒体と交差する部分にダクトが形成されたものであ
って前記高耐電圧絶縁ガスを前記電気機器本体に導出す
るためのガス導出用筒体からなる;前記高耐電圧絶縁ガ
スを冷却するための冷却器と/からなるガス絶縁電気機
器において、前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒
体のうち少なくとも一方の断面形状は、前記ガス放熱用
筒体の外部を上昇流となって通流する周囲空気の流れに
対して通流抵抗が小さくなる形状に設定されているガス
絶縁電気機器。 (22)前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒体のう
ち少なくとも一方は、その一部が前記ガス放熱用筒体か
ら外部へ露出して配置されているクレーム21のガス絶縁
電気機器。 (23)前記ガス導入用筒体及び前記ガス導出用筒体のう
ち少なくとも一方は、その一部が前記ガス放熱用筒体か
ら外部へ露出して配置されているクレーム21のガス絶縁
電気機器。 (24)前記電気機器本体は、前記収容空間に、前記高耐
電圧絶縁ガスを冷却するための冷却手段を設けたクレー
ム21のガス絶縁電気機器。 (25)電気機器本体内部に収納された電気要素を冷却す
るための絶縁冷却媒体が前記電気機器本体内部と外部に
設けられた外部冷却器との間を自然循環する自冷式の電
気機器において、前記電気機器本体のケーシングと前記
電気要素との間を通流する前記絶縁冷却媒体を冷却する
ための冷却手段を設けたことを特徴とする電気機器。
【0027】
【作用】以上のように構成された本発明においては、以
下のような作用が得られる。
【0028】第1および第2の発明において(課題を解
決するための手段に記載したクレーム1〜17に相当)
は、各々のヘッダ(ガス導入・導出用筒体)と放熱用パ
ネル(ガス放熱用筒体)との間の分岐・集合損失がガス
の流速の減少により小さくなり、絶縁ガスの循環流量が
増加して熱伝達率が向上する。また、ガス流路での流動
抵抗の減少およびパネル外面での加熱空気の対流の円滑
化が図られ、絶縁ガスの循環流量の増加が、空気側伝熱
性能の低下が少ない範囲でもって行われて熱伝達率が向
上し、放熱能力が増加することとなる。そして、絶縁油
より熱伝達能力が劣る絶縁ガスを冷却媒体として用いて
も、限られたスペースへの設置を可能とし、コンパクト
で低価格なものを実現できる。
【0029】また、第3の発明において(課題を解決す
るための手段に記載したクレーム18〜24に相当)は、各
々のヘッダ(ガス導入・導出用筒体)の直径を大きくし
ても、放熱用パネル(ガス放熱用筒体)の周囲の空気の
流れが各々のヘッダにほとんど、あるいはまったく邪魔
されずに円滑に対流する。したがって、空気側伝熱性能
と絶縁ガスの循環量が増加し、冷却器の放熱性能が向上
することになる。そして、絶縁油より熱伝達能力が劣る
絶縁ガスを冷却媒体として用いても、限られたスペース
への設置を可能とし、コンパクトで低価格なものを実現
できる。
【0030】また、第4の発明において(課題を解決す
るための手段に記載したクレーム25に相当)は、冷却手
段によりケーシングと絶縁対象電気要素との間を流通す
る冷却媒体は冷却されて、上昇流ではなく下降流にする
(外部冷却装置の冷却媒体下降流路を一部電気機器本体
内で賄う)ことができる。したがって、外部冷却器の設
置スペースおよび電気要素の冷却相対流路断面積を小さ
くすることができる。したがって、限られたスペースへ
の設置を可能とし、コンパクトで低価格なものを実現で
きる。
【0031】
【実施例】以下図面を参照して本発明のガス絶縁電気機
器として、ガス絶縁変圧器を例にとり説明するが、本発
明はガス絶縁変圧器に限定されるものではない。 (第1の発明)[実施例1−1]まず、第1の発明の実
施例1−1である自冷式ガス絶縁変圧器を、図1〜図7
を参照して説明する。図1に示すように、自冷式ガス絶
縁変圧器100 は、変圧器本体112 と、冷却器114 とから
なる。変圧器本体112 の主要素は、ケーシング112Aと、
このケーシング112A内に絶縁状態で設置されるコイル11
2B及び鉄心112Cとである。また、変圧器本体112 と冷却
器114との内部には、高耐電圧絶縁ガスであるSF6
ス16が充填されている。
【0032】次に、冷却器114 を、図1〜図3を参照し
て詳細に説明する。すなわち、上部に位置するガス導入
用筒体としてのヘッダ114Aと下部に位置するガス導出用
筒体としてのヘッダ114Aとの間に、全体が略同厚に形成
された複数のガス放熱用筒体としてのパネル114Bが、そ
の長尺方向両端に連結部114Cを介して、互いに離間する
ように並設されている。
【0033】なお、上部に位置するヘッダ114A及び下部
に置かれるヘッダ114Aは同形状である。ヘッダ114Aは、
断面形状が略半長円形の流路形成体114A1 と、この流路
形成体114A1 に固着されるパネル連結体114A2 とからな
り、全体として短尺方向寸法すなわち幅寸法が約170mm
の筒体である。パネル連結体114A2 には、長尺方向に沿
って後述するダクト114C1 に対応した穴が複数形成され
ている。
【0034】また、複数のパネル114Bは、短尺方向寸法
すなわち幅寸法が約460mm の薄厚の箱体である。
【0035】さらに、連結部114Cは、上部に位置するヘ
ッダ114A及び下部に位置するヘッダ114Aの対向面側に取
付けられ、複数のパネル114Bにおける絶縁ガス16の分岐
branch・合流confluenceを司る。つまり、連結部114C
は、SF6 ガス16のための漏斗funnelとして機能する。
そして、上部に位置するヘッダ114Aには複数のパネル11
4Bに対応して複数の連結部114Cが取付けられ、また下部
に位置するヘッダ114Aにも複数のパネル114Bに対応して
複数の連結部114Cが取付けられている。これら複数の連
結部114Cはいずれも同形状である。
【0036】ここで、各連結部114Cは、図3に示すよう
に、パネル114Bの短尺方向(厚さ方向)に沿う寸法aと
パネル114Bの長尺方向(幅方向)に沿う寸法bとで規定
され且つ流路断面積に相当する面積a×bなるダクト11
4C1 が形成された長方形状のヘッダ取付け板114C2 と、
2つの大台形板114C3-1 ,114C3-2 と、2つの小台形板
114C4-1 ,114C4-2 とからなる略箱体である。
【0037】上記における大台形板114C3-1 と大台形板
114C3-2 とは対向し、小台形板114C4-1 と小台形板114C
4-2 とは対向している。対向した大台形板114C3-1 ,11
4C3-2 の短辺側はヘッダ取付け板の長辺に固定され、同
長辺側はパネル114Bの長辺に固定されている。対向した
小台形板114C4-1 ,114C4-2 の長辺側はヘッダ取付け板
の短辺に固定され、同短辺側はパネル114Bの短辺に固定
さえている。
【0038】このような連結部114Cは、逆さにした漏斗
として理解することができる。そして、この連結部114C
の厚さは、パネル114B側に接近するほど漸次小さくなっ
ており、連結部114Cの幅は、パネル114B側に接近するほ
ど漸次大きくなっている。
【0039】また連結部114Cのダクト114C1 の面積は大
きく形成されているので、ヘッダ114Aから流入するSF
6 ガス16を、大きい開口面積(流路断面積)を有するダ
クト114C1 を通してパネル114Bに流すことができ、ま
た、パネル114Bから流出するSF6 ガス16を、大きい開
口面積(流路断面積)を有するダクト114C1 を通してヘ
ッダ114Aに流すことができる。
【0040】上部に位置するヘッダ114A及び下部に位置
するヘッダ114Aの一開口部には、フランジ114D1 ,114D
2 が取付けられている。このフランジ114D1 ,114D2
は、接続管114Eを介して変圧器本体112 に接続されてい
る。これにより、変圧器本体112 の内部空間は、上部に
位置するヘッダ114Aの内部空間と下部に位置するヘッダ
114Aの内部空間に通じている。上部に位置するヘッダ11
4A及び下部に位置するヘッダ114Aの他開口部は閉塞され
ている。
【0041】また、パネル114Bには内部にはその長尺方
向に伸長した空間が形成されている。この複数のパネル
114Bの内部空間は、上部に位置するヘッダ114Aの内部空
間と下部に位置するヘッダ114Aの内部空間とにそれぞれ
通じている。従って、相互に通じあっている変圧器本体
112 の内部空間と上部に位置するヘッダ114Aの内部空間
と下部に位置するヘッダ114Aの内部空間と複数のパネル
114Bの内部空間より、閉じたガス通流路が形成されてい
ることになる。
【0042】また、閉じたガス通流路に充填されたSF
6 ガス16は、前記閉じたガス通流路を自然循環して、主
にパネル114Bで放熱することにより、変圧器本体と冷却
器114 の内部空間とを冷却する。すなわち、SF6 ガス
16の自然循環は次のようになっている。SF6 ガス16
は、変圧器本体内部から上部に位置するヘッダ114Aの流
路118A1 に流れ、各パネル114Bに分岐する。
【0043】そしてSF6 ガス16は、各パネル114Bの流
路118Bを垂直下方向に流れ、さらに各パネル114Bの流路
118BからのSF6 ガス16の流れは、下部に位置するヘッ
ダ114Aの流路118A2 に合流する。この合流したSF6
ス16は、変圧器本体112 の内部に戻る。この場合、SF
6 ガス16がパネル114Bの流路118Bを流れるときに、パネ
ル114Bの周囲の空気が加熱されて対流を起すことによ
り、主として放熱が行われる。
【0044】一方、複数のパネル114Bを上部に位置する
ヘッダ114A,下部に位置するヘッダ114Aの間に設けた冷
却器114 と変圧器本体112 の空間にSF6 ガスを流量を
一定にして循環させた場合には、上部に位置するヘッダ
114A,下部に位置するヘッダ114Aの流路断面積とダクト
114C1 の流路断面積の比を横軸に、SF6 ガス16をパネ
ル114Bに分岐したり下部に位置するヘッダ114Aに合流さ
せるときの分岐損失と合流損失の和を縦軸にとると図4
に示す通りとなる。
【0045】そして、これから明らかなように、ダクト
114C1 の流路断面積に対するヘッダ114Aの流路断面積に
比が小さくなる、すなわちダクト114C1 の流路断面積が
大きくなると損失の和は急激に小さなものとなる。
【0046】このため上記実施例のように連結部114Cの
厚さを、パネル114B側に接近するほど漸次小さくし、連
結部114Cの幅を、パネル114B側に接近するほど漸次大き
くしているので、分岐,合流部分でのダクト114C1 にお
ける流路断面積に対するヘッダ114Aの流路断面積の比が
小さくなり、分岐損失及び合流損失が減少し、自然循環
するSF6 ガスの流量が増加する。
【0047】そして、分岐損失及び合流損失が減少する
ことで、各パネル114Bの流路118Bでの流量はアンバラン
スなものとならず均一になり、流れは層流とならずに乱
流となって流れる。またSF6 ガスの循環流量が増加す
ることによって熱伝達率が高くなり、パネル114Bの一つ
当りの放熱能力が大幅に向上する。
【0048】また、これによってガス絶縁変圧器の全体
をコンパクトなものとすることができ、限られたスペー
スへの設置等を可能にすると共に低価格化を実現するこ
とができる。以上の説明は、ヘッダ114Aの幅が約170mm
,パネル114Bの幅が約460mmのものについて説明した
が、これ以外の寸法のものに対しても同様の作用・効果
が得られる。
【0049】次に、図5〜図7を参照して適切なダクト
形状について説明する。すなわち、上述した実施例にお
いては、ダクト114C1 は、図5(a) に示すように、パネ
ル114Bの短尺方向(厚さ方向)に沿う寸法aとパネル11
4Bの長尺方向(幅方向)に沿う寸法bとで規定され且つ
流路断面積に相当する面積a×bなる長方形状であるか
または、図5(b) に示されるように同様の寸法aと寸法
bとで規定されるだ円形である。
【0050】また、図6に示すように、短尺方向(厚さ
方向)の対向線寸法a´と長尺方向(幅方向)の対向線
寸法b´とで規定される菱形状のダクト114C1'を採用す
ることができる。またさらに、長方形,だ円形,菱形状
の中間的形状でもよい。
【0051】図5(a) の長方形状のダクト114C1 におい
ては、寸法aを小さくし且つダクト114C1 の開口面積
(流路断面積)を大きくした場合は、ダクト114C1 の周
囲寸法も大きくなるので、結局損失は大きくなる。逆に
寸法aを大きくし過ぎると、ダクト114C1 近傍における
渦による損失は、寸法aが小さい場合よりも大きくな
り、やはり損失は大きくなる。
【0052】発明者は、上記寸法a,a´と圧力損失と
の関係を解析し、図7に示す特性図を得た。この特性図
から、長方形状のダクト114C1 の場合、寸法aの最適値
は、16mm≦a≦45mmであり、菱形のダクト114C1'の場
合、寸法a´の最適値は、18mm≦a´≦40mmであり、他
の形状の短尺方向の最適値は長方形状と菱形の間、つま
り最小値は16mm〜18mmまた、最大値は40mm〜45mmである
ことを認識した。
【0053】さらに、ダクト114C1 ,114C1'やa,a´
は、変圧器本体に接続されるフランジ114D1 ,114D2 に
近い方のダクト114C1 ,114C1'の流路断面積を大きくし
た方が良く、a,a´は逆にフランジ114D1 ,114D2 に
遠い方を大きくしてもよい。 [実施例1−2]次に、図8を参照して第1の発明の実
施例1−2を説明する。尚、実施例1−2においては実
施例1−1と同一の部位には同符号を付してその説明を
省略する。すなわち、実施例1−2は、連結部114C' の
みが第1実施例と相違する。
【0054】実施例1−2における連結部114C' は、パ
ネル114Bの厚さ方向の傾斜を、変圧器本体に近い側のみ
に形成している。
【0055】このような実施例1−2においても,SF
6 ガスは変圧器本体の内部空間と冷却器114-1 の内部空
間とを、自然循環しながら、主としてパネル114Bで放熱
させることで変圧器の冷却を行う。この場合、連結部11
4C' の流路断面積は変圧器本体に近い側のみ変化するよ
うに構成されているものの、第1の実施例と同様の作
用,効果を有する。
【0056】さらに、上,下部に位置するヘッダ114Aの
近傍にあってはパネル114Bの厚さの増大が片面側しかな
いために、パネル114Bの外面側に形成される空気側流路
は、大きく形成されることとなり、空気流速が増加して
空気側熱伝達率が大きくなる。
【0057】尚、上記の実施例1−1と1−2では、全
てのパネル114Bの入口部と出口部とに、流路断面積を変
化させるための連結部114C又は114C' を設けてあるが、
流速が比較的遅い変圧器本体に遠い側のパネル114Bに
は、連結部114C又は114C' を設けなくてもよい。
【0058】また、上記の実施例1−1と1−2では、
全ての連結部114C又は114C' は同一形状であるが、流速
が比較的遅い変圧器本体に遠い側ではパネル厚みの変化
割合を変圧器本体に近い側でのパネル厚みの変化割合よ
り小さくしてもよい。
【0059】また、連結部114Cはパネル114Bを拡大して
もよい。 [実施例1−3]次に、図9と図10を参照して第1の発
明の実施例1−3を説明する。尚、実施例1−3におい
ては実施例1−1と同一の部位には同符号を付し、その
説明は省略する。すなわち、実施例1−3は、ヘッダ11
4A'のみが第1実施例と相違する。
【0060】実施例1−3におけるヘッダ114A' は、流
路断面積を変化させるため、変圧器本体に近い側は太
く、変圧器本体に遠い側は細く形成されている。すなわ
ち、ヘッダ114A' は、変圧器本体に近い側は太い径を有
する大径部114A' aと、変圧器本体に遠い側は細い径を
有する小径部114A'bと、大径部114A'aと小径部114A'bと
接続する接続部114A'cとからなる。
【0061】このような構成の実施例1−3において
も、SF6 ガスは変圧器本体と冷却器114-2 の流路を自
然循環し、主としてパネル114Bで放熱させることで変圧
器の冷却は行われる。
【0062】このような構成の実施例1−3によると、
実施例1−1と同様の作用,効果が得られると共に、流
路断面積が変化するヘッダ114A' を設けているので、次
のような効果がある。すなわち、ヘッダ114A' は、ガス
量が多く且つ流速が速い変圧器本体い近い側は大径部11
4A' としているので、ガス量及び流速の増加に対処する
ことができる。このため、分岐損失及び合流損失を減少
させることができ、自然循環するSF6 ガスの流量を増
加させることができる。また、各パネル114Bに流れるS
6 ガスの流量を均一にでき、熱伝達率が高くなり、パ
ネル114Bの一つ当りの放熱能力が大きくなって、冷却器
114-2 の大きさをよりコンパクトなものとすることがで
きる。
【0063】以上、実施例1−3においては、流路断面
積が変化するヘッダ114A' にパネル114Bの入口部及び出
口部にそれぞれ流路断面積を変化させる連結部を設けた
が、ヘッダ114A' が十分に大きくでき、その結果分岐損
失や集合損失が小さくなる場合は、連結部を設けなくて
も良い。
【0064】また、上記の実施例1−3では上、下部ヘ
ッダに変化部を設け、ヘッダの断面形状を変化させると
ともに、第1の実施例と同様にパネルの上、下部の厚み
を変化させているが、上、下部ヘッダの断面積が十分に
大きくSF6ガス速度が小さい場合は、分岐損失及び集
合損失も小さくなるので、パネルの上、下部の厚みを変
化させなくてもよい。
【0065】尚、上記の実施例1−1〜1−3では、パ
ネル114Bの上部や下部のヘッダ(114A,114A'a,114A'
b)における流路断面積を同一に構成しているが、異な
る流路断面積としてもよい。また、パネル114Bの入口部
及び出口部にそれぞれ流路断面積を変化させる連結部を
設けているが、必ずしも両方に設ける必要はなく、片側
だけでもよい。さらに流路断面積を変化させるヘッダ11
4A' についても同様に両方に設ける必要はなく、片側だ
けでもよい。この場合、一般に、合流損失よりも分岐損
失の方が大きいが、当該分岐損失を小さくするために、
上部側のみに流路断面積を変化させるヘッダ114A' を採
用することができる。
【0066】またさらに、上記の実施例1−1〜1−3
は、パネルを垂直に配設した場合について説明したが、
パネルを水平に配設したときも同様の効果を有すること
ができる。 [実施例1−4]次に、図11を参照して第1の発明の実
施例1−4を説明する。尚、実施例1−4においては実
施例1−3と同一の部位には同符号を付し、その説明は
省略する。すなわち、実施例1−4は、流路断面積が小
さいパネル114Bと流路断面積が大きいパネル114B' とを
使用している。
【0067】実施例1−4における流路断面積が大きい
パネル114B' は、変圧器本体に遠い側に配置し、流路断
面積が小さいパネル114Bは、変圧器本体に近い側に配置
する。
【0068】このよう構成の実施例1−4においても、
SF6 ガスは変圧器本体と冷却器114-2 の流路を自然循
環し、主としてパネル114Bで放熱させることで変圧器の
冷却は行われる。そして、実施例1−3と同様の作用,
効果が得られると共に、変圧器本体に遠い側のパネル11
4B'にて量を多くしてSF6 ガスを流すことができ、ま
た変圧器本体に遠い側のパネル114Bにて量を少なくして
SF6 ガスを流すことができる。
【0069】変圧器本体に遠い程、周囲空気の温度は低
いので、上記のように構成することにより、より放熱能
力は向上する。 [変形例1−1]次に、実施例1−1に対して、流路断
面積の異なるヘッダ、流路断面積の異なるパネル、配置
間隔を異ならせたパネルそれぞれを適用した場合の各種
変形例を、図12を参照して説明する。タイプAは、流路
断面積を変化させたヘッダ114A'と、同一の流路断面積
を有するパネル114Bと、変圧器本体に近い側と遠い側の
双方とに流路断面積を変化させた連結部114Cとを組合わ
せた冷却器である。なお、タイプAは第3実施例に相当
する。
【0070】タイプBは、流路断面積を変化させたヘッ
ダ114A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,11
4B' と、変圧器本体に近い側と遠い側との双方に流路断
面積を変化させた連結部114Cとを組合わせた冷却器であ
る。
【0071】タイプCは、流路断面積を変化させたヘッ
ダ114A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,11
4B' と、変圧器本体に近い側と遠い側との双方に流路断
面積を変化させた連結部114Cとを組合わせ、しかもパネ
ル114Bと、パネル114B' との配置間隔H1,H2を異ならせ
た冷却器である。タイプCは、第4実施例に相当する。
【0072】タイプDは、流路断面積が一定のヘッダ11
4Aと、同一の流路断面積を有するパネル114Bと、変圧器
本体に近い側と遠い側との双方に流路断面積を変化させ
た連結部114Cとを組合わせた冷却器である。なお、タイ
プDは第1実施例に相当する。
【0073】タイプEは、流路断面積が一定のヘッダ11
4A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,114B'
と、変圧器本体に近い側と遠い側との双方に流路断面積
を変化させた連結部114Cとを組合わせた冷却器である。
【0074】タイプFは、流路断面積が一定のヘッダ11
4A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,114B'
と、変圧器本体に近い側と遠い側との双方に流路断面積
を変化させた連結部114Cとを組合わせ、しかもパネル11
4Bと、パネル114B' との配置間隔H1,H2を異ならせた冷
却器である。 [変形例1−2]次に、実施例1−2に対して、流路断
面積の異なるヘッダ、流路断面積の異なるパネル、配置
間隔を異ならせたパネルそれぞれを適用した場合の各種
変形例を、図13を参照して説明する。タイプGは、流路
断面積を変化させたヘッダ114A'と、同一の流路断面積
を有するパネル114Bと、変圧器本体に近い側のみ流路断
面積を変化させた連結部114C' とを組合わせた冷却器で
ある。
【0075】タイプHは、流路断面積を変化させたヘッ
ダ114A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,11
4B' と、変圧器本体に近い側のみ流路断面積を変化させ
た連結部114C' とを組合わせた冷却器である。
【0076】タイプIは、流路断面積を変化させたヘッ
ダ114A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,11
4B' と、変圧器本体に近い側のみ流路断面積を変化させ
た連結部114C' とを組合わせ、しかもパネル114Bと、パ
ネル114B' との配置間隔H1,H2を異ならせた冷却器であ
る。
【0077】タイプJは、流路断面積が一定のヘッダ11
4Aと、同一の流路断面積を有するパネル114Bと、変圧器
本体に近い側のみ流路断面積を変化させた連結部114C'
とを組合わせた冷却器である。なお、タイプJは第2実
施例に相当する。
【0078】タイプKは、流路断面積が一定のヘッダ11
4A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,114B'
と、変圧器本体に近い側のみ流路断面積を変化させた連
結部114C' とを組合わせた冷却器である。
【0079】タイプLは、流路断面積が一定のヘッダ11
4A' と、異なる流路断面積を有するパネル114B,114B'
と、変圧器本体に近い側のみ流路断面積を変化させた連
結部114C' とを組合わせ、しかもパネル114Bと、パエン
ル114B' との配置間隔H1,H2を異ならせた冷却器であ
る。 (第2の発明)[実施例2−1]次に、図14〜図20を参
照して第2の発明の実施例2−1を説明する。すなわ
ち、図14に示される実施例2−1の冷却器120 は、図示
しない自冷式ガス絶縁変圧器の変圧器本体に接続され
る。そして、冷却器120 は、上部に位置する筒状のヘッ
ダ120A及び下部に位置する筒状のヘッダ120Aの長尺方向
に沿って、全体が略同厚に形成された複数のパネル120B
を、互いに離間するように並設している。これは図22を
参照することにより容易に理解することができる。
【0080】また、上部に位置するヘッダ120A及び下部
に位置するヘッダ120Aは、その長尺方向に沿ってダクト
120Cが複数個形成されている。図21を参照することによ
り、パネル120 及びダクト120Cの構造を明確に知ること
ができる。
【0081】ここで、ヘッダ120Aの外径x、yは、次の
ように設定されている。
【0082】x(又はy)<0.36z また、ヘッダ120Aの流路断面積qは、次のように設定さ
れている。
【0083】q>π/4(0.25z )2 但し、zはパネル120Bの幅寸法である。
【0084】上記において、両側にそれぞれ孔が形成さ
れ複数のパネル120Bを用意し、この複数のパネル120Bの
両側の孔に、上部に位置するヘッダ120A及び下部に位置
するヘッダ120Aを挿入する。複数のパネル120Bの両側の
孔の位置と、上部に位置するヘッダ120A及び下部に位置
するヘッダ120Aのダクト120Cの位置とを合わせて、溶接
等により複数のパネル120Bと上部に位置するヘッダ120A
及び下部に位置するヘッダ120Aとを固定する。上部に位
置するヘッダ120Aのダウト120Cと下部に位置するヘッダ
120Aのダクト120Cとは対向させる。上部に位置するヘッ
ダ120A及び下部に位置するヘッダ120Aのダクト120Cは、
複数のパネル120Bにおける絶縁ガスの16の分岐branch・
合流confluenceを司る。図17を参照することにより、ヘ
ッダ120Aとパネル120Bとの組立て手順を明確に知ること
ができる。
【0085】上部に位置するヘッダ120A及び下部に位置
するヘッダ120Aの一開口部には、フランジ120D1 ,120D
2 が取付けられている。このフランジ120D1 ,120D2
は、図示しない変圧器本体に接続されている。これによ
り、変圧器本体の内部空間は、上部に位置するヘッダ12
0Aの内部空間と下部に位置するヘッダ120Aの内部空間に
通じている。上部に位置するヘッダ120A及び下部に位置
するヘッダ120Aの他開口部は閉塞されている。
【0086】また、パネル120Bには内部にはその長尺方
向に伸長した空間が形成されている。この複数のパネル
120Bの内部空間は、上部に位置するヘッダ120Aの内部空
間と下部に位置するヘッダ120Aの内部空間とにそれぞれ
通じている。
【0087】従って、相互に通じあっている変圧器本体
の内部空間と上部に位置するヘッダ120Aの内部空間と下
部に位置するヘッダ120Aの内部空間と複数のパネル120B
の内部空間とにより、閉じたガス通流路が形成されてい
ることになる。
【0088】また、閉じたガス通流路に充填されたSF
6 ガスは、前記閉じたガス通流路を自然循環して、主に
パネル120Bで放熱することにより、変圧器本体と冷却器
120の内部空間とを冷却する。すなわち、SF6 ガスの
自然循環は次のようなっている。SF6 ガスは、変圧器
本体内部から上部に位置するヘッダ120Aの流路122A1に
流れ、各パネル120Bに分岐する。
【0089】そして、SF6 ガスは、各パネル120Bの流
路122Bを垂直下方向に流れ、さらに各パネル120Bの流路
122BからのSF6 ガスの流れは、下部に位置するヘッダ
3の流路122A2 に合流する。この合流したSF6 ガス
は、変圧器本体内部に戻る。
【0090】上記において、SF6 ガスがパネル120Bの
流路122Bを流れるときに、パネル120Bの周囲の空気が加
熱されて対流を起すことにより、主として放熱が行わ
れ、また、パネル120Bの流路122Bでの流れが乱流turbul
ent flowであるときに放熱が効率よく行われる。
【0091】上述した実施例2−1においては、ヘッダ
120Aに関する寸法x,y,qが特徴であり、これら寸法
x,y,qは、以下の実験や確認に基づいて設定したも
のである。すなわち、ヘッダ120Aの外径寸法x(x=
y)を、図18における斜線の範囲内の約40mm〜200mm で
可変設定する。
【0092】ヘッダ120Aの肉厚を、実用上の強度の面か
ら2mm乃至8mmに設定する。
【0093】パネル120Bの幅zを、400mm としている。
【0094】以上のように寸法設定された冷却器120 に
あって、SF6 ガスを循環させることにより冷却動作を
行った。
【0095】そして先ず、自然循環によって冷却動作を
行った。その結果は、パネル120Bの幅zに対するヘッダ
120Aの外径x,yの割合を横軸にとり、SF6 ガスの循
環流量及びフランジ120D1 近傍におけるSF6 ガス温度
をそれぞれ縦軸にとって示す図24の通りとなった。これ
によると、上,下部に位置するヘッダ120Aの肉厚が2mm
の場合のSF6 ガスの循環流量A1 は、上,下部に位置
するヘッダ120Aの外径が増して流路断面積が大きくなる
と、ガス速度が遅くなり、分岐損失と合流損失が減少し
て増加する。また上,下部に位置するヘッダ120Aの肉厚
が8mmの場合のSF6 ガスの循環流量A2 も、上,下部
に位置するヘッダ120Aの外径が増して流路断面積が大き
くなると、ガス速度が遅くなり、分岐損失と合流損失が
減少して増加する。
【0096】一方、上,下部に位置するヘッダ120Aの外
径が増すことによって、ガスの循環流量が増加し、結局
熱伝達率も増加する。しかし、上,下部に位置するヘッ
ダ120Aの外径が大きくなり過ぎると、パネル120Bの周囲
の加熱された空気の対流が阻害され、空気側の熱伝達率
が悪くなり、結局放熱能力は劣化する。パネル120Bの放
熱能力は、パネル120Bの幅zに対する上,下部に位置す
るヘッダ120Aの外径x,yの割合が0.3 〜0.33となる近
傍で極小値をとる。
【0097】この放熱能力の考察は、図19に示すよう
に、パネル120Bの肉厚が2mmの場合のフランジ120D1 近
傍におけるSF6 ガス温度B1 と、肉厚が8mmの場合の
フランジ120D1 近傍におけるSF6 ガス温度B2 とで、
示される。
【0098】また、パネル120Bの幅が400mm 以外のもの
についても上述と同様の確認を行ったが、パネル120Bの
幅に対する上,下部に位置するヘッダ120Aの外径の割合
が0.3 〜0.36近傍で同じ様に極小値を取る結果であっ
た。
【0099】次に、上述の実験においてはSF6 ガスを
自然循環させて冷却動作を行った。その他、SF6 ガス
を循環させるためのブロアを、ガス流路中に挿入し、ブ
ロアの出力を定出力として強制的にSF6 ガスを循環さ
せて冷却動作を行った。
【0100】そして上述と同様に各値をとったところ図
20の通りとなった。これによると自然循環の場合と同じ
様に、上,下部に位置するヘッダ120Aの肉厚が2mmおよ
び8mmの場合のSF6 ガスの循環流量A3 ,A4 は、
上,下部に位置するヘッダ120Aの外径が増すことで流路
断面積が大きくなり、分岐損失と合流損失が減少して増
加する。
【0101】一方、流路断面積が大きくなりガスの循環
流量が増加して熱伝達率も増加するが、上,下部に位置
するヘッダ120Aの外径が大きくなり過ぎると、パネル12
0Bでの対流が阻害され、空気側の熱伝達率が悪くなり、
放熱能力は劣化する。
【0102】この状況は、図20により理解することがで
きる。すなわち、図20において、肉厚が2mmの場合のフ
ランジ120D1 近傍でのSF6 ガス温度B3 と、肉厚が8
mmの場合のフランジ120D1 近傍でのSF6 ガス温度B4
とを参照すると、パネル120Bの幅zに対する上,下部に
位置するヘッダ120Aの外径x,yの割合が0.31〜0.36近
傍で極小値をとっていることが理解される。
【0103】以上の得られる結果より、パネルの幅に対
する上,下部に位置するヘッダ120Aの外径の割合が0.36
よりも大きくなっても、SF6 ガスの循環流量は大きく
増加するものではない。逆に、パネルの幅に対する上,
下部に位置するヘッダの外径の割合が0.36よりも大きく
なると、冷却器120 の入口であるフランジ120D1 近傍に
おけるSF6 ガス温度は、大きく増加してしまう。
【0104】これら2つのことより、上,下部に位置す
るヘッダ120Aの外径をパネル120Bの幅に対して0.36以上
にすれば、0.36以下より冷却性能が低くなることは明ら
かである。しかし、例えば、図19において上,下部に位
置するヘッダ20A の外径の割合がパネル120Bの幅が0.2
の場合は、0.36よりSF6 ガス流量が低くなり、冷却器
入り口のSF6 ガス温度も高くなるので、冷却能力は低
くなる。
【0105】そこで、冷却能力を調べるもう1つの方法
として変圧器本体内部にあるコイル上部の表面温度を調
べた。当然、コイル上部の表面温度が低い方が冷却能力
は高いことになる。その結果、パネル120Bの幅に対する
内径の割合を0.25以上にすれば、上,下部に位置するヘ
ッダ120Aの外径の割合がパネル120Bの幅に対して0.36の
ときよりコイル上部の表面温度が低いことを確認した。
【0106】パネル120Bの幅に対する内径の割合が0.25
ということは、パネル120Bの幅が400mm で肉厚2mmの場
合、パネル120Bの幅に対する上,下部に位置するヘッダ
120Aの外径の割合が0.26であることを示している。ま
た、パネル120Bの幅に対する内径の割合が0.25というこ
とは、パネル120Bの幅が400mm で肉厚8mmの場合、パネ
ル120Bの幅に対する上,下部に位置するヘッダ120Aの外
径の割合が0.29であることを示している。
【0107】このためパネル120Bの幅に対するヘッダ12
0Aの外径の割合を0.36以下とし、パネル120Bの幅に対す
るヘッダ120Aの内径の割合を0.25以上とすることで、ガ
ス流路を大きく確保しながら外側空気の対流を阻害しな
いようにし、SF6 ガスの循環流量及び冷却器入口のS
6 ガス温度を、実用的に冷却性能を向上させるように
したものとすることができる。
【0108】このように本実施例においてもガス流路で
の流動抵抗の減少及びパネル120Bの外面での加熱空気の
対流が阻害されず、絶縁ガスの循環流量の増加が、空気
側伝熱性能の低下が少なくない範囲で行われる。そし
て、これにより、冷却器120 は、熱伝達率が向上し、放
熱能力が増加することとなる。そして絶縁油より熱伝達
能力が劣る絶縁ガスを冷却媒体として用いても、高い冷
却能力が得られるようにすることができる。これは、変
圧器を、限られたスペースへに設置することを可能とす
ると同時に、コンパクトで低価格なものにすることがで
きる。
【0109】尚、上記の実施例2−1においては上,下
部に位置するヘッダ120Aを同形の筒状のものについて説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、断
面形状が円形,楕円形,多角形等でも、また異形のもの
であってもよい。さらに上記の各実施例を組合わせて用
いてもよいことは言うまでもない。 [実施例2−2]次に実施例2−2を説明する。実施例
2−1は実施例2−1におけるパネル幅が400mm 以下の
場合に特に有効である。
【0110】ここで、ヘッダの外径x,yは次のように
設定されている。
【0111】x(又はy)<(0.36x(1+(400-z)/400))z また、ヘッダの流路断面積qは次のように設定されてい
る。
【0112】q>π/4x(0.25zx(1+(400-z)/400))2 但し、zはパネル幅の寸法である。
【0113】これらの寸法x,y,zは実施例2−1と
同様な実験を行い、確認に基づいて設定したものであ
る。
【0114】パネル幅が400mm の場合よりヘッダ外径が
大きいのは以下の理由による。
【0115】パネル間を流れる空気は、パネル最下端と
パネル周囲から流入する。よって、パネル幅が小さいほ
ど冷たい空気と熱交換することができる。また、パネル
幅が小さいほど交換熱量は少なくなるので、パネル間の
平均温度も低くなり、空気上昇速度は減少する。つま
り、パネル間の空気の流れは、パネル幅が小さいほどヘ
ッダの影響を受けにくくなるからである。 (第3の発明)[実施例3−1]図21及び図22を参照し
て第3の発明の実施例3−1を説明する。すなわち、図
21に示される実施例3−1の冷却器124 は、図示しない
自冷式ガス絶縁変圧器の変圧器本体に接続される。そし
て、冷却器124 は、上部に位置する筒状の2本のヘッダ
124A及び下部に位置する筒状の2本のヘッダ124Aの長尺
方向に沿って、全体が略同厚に形成された複数のパネル
124Bを、互いに離間するように並設している。
【0116】従って、上部に位置する筒状の2本のヘッ
ダ124A及び下部に位置する筒状の2本のヘッダ124Aは、
パネル124Bの長尺方向両端近傍に配置される。また上部
に位置する筒状の2本のヘッダ124A及び下部に位置する
筒状の2本のヘッダ124Aは、パネル124Bの短尺方向両端
近傍に配置される。
【0117】すなわち、上部に位置する筒状の2本のヘ
ッダ124A及び下部に位置する筒状の2本のヘッダ124A
は、パネル124Bのコーナ部近傍に配置されていることに
なる。これは、パネル124Bの幅方向の中間部に、ヘッダ
124Aを配置しないことを示している。
【0118】また、上部に位置する2本のヘッダ124A及
び下部に位置するヘッダ2本の124Aは、その長尺方向に
沿ってダクト124Cが複数個形成されている。
【0119】上部に位置する2本のヘッダ124A及び下部
に位置する2本のヘッダ124Aの一開口部には、フランジ
124D1 ,124D2 が取付けられている。このフランジ124D
1 ,124D2 は、図示しない変圧器本体に接続されてい
る。これにより、変圧器本体の内部空間は、上部に位置
する2本のヘッダ124Aの内部空間と下部に位置する2本
のヘッダ124Aの内部空間に通じている。上部に位置する
2本のヘッダ124A及び下部に位置する2本のヘッダ124A
の他開口部は閉塞されている。
【0120】また、パネル124Bには内部にはその長尺方
向に伸長した空間が形成されている。この複数のパネル
124Bの内部空間は、上部に位置する2本のヘッダ124Aの
内部空間と下部に位置する2本のヘッダ124Aの内部空間
とにそれぞれ通じている。
【0121】従って、相互に通じあっている変圧器本体
の内部空間と上部に位置する2本のヘッダ124Aの内部空
間と下部に位置する2本のヘッダ124Aの内部空間と複数
のパネル124Bの内部空間とにより、閉じたガス通流路が
形成されていることになる。
【0122】上部に位置する2本のヘッダ124Aのダクト
124Cと下部に位置する2本のヘッダ124Aのダクト124Cと
は対向させる。上部に位置する2本のヘッダ124A及び下
部に位置する2本のヘッダ124Aのダクト124Cは、複数の
パネル124Bにおける絶縁ガスの16の分岐branch・合流co
nfluenceを司る。
【0123】周知のように、パネル124Bの周囲空気126
は上方になるほど空気速度は速くなり、同じ高さでの周
囲空気速度分布は、パネル124Bの長尺方向中央部ほど速
くなっている。よって、一番空気速度の大きなパネル12
4Bの上部の中央を避けることにより、空気抵抗が減少
し、流れが円滑になる。
【0124】一方、パネル124Bの周囲空気温度は、パネ
ル124Bの中央部ほど高くなっており、ヘッダ124Aをパネ
ル124Bの中央部(幅方向の中間部)に連接しないことに
より、パネル124Bの下端から冷たい空気126 が供給され
やすくなるので、放熱能力が増大する。
【0125】すなわち、ヘッダ124Aをパネル124Bの端部
近傍に接続すれば、パネル124Bの周囲を流れる空気126
の対流を円滑にし、かつ、パネル124Bの下部に冷たい空
気を供給することができ、絶縁ガスの循環流量を低下さ
せずに空気側伝熱性能を増加するので、パネル1枚当た
りの放熱能力が大幅に向上し、限られたスペースへの設
置を可能とする同時に、コンパクトで低価格なものとす
ることができる。
【0126】なお、上記の実施例におけるヘッダ124Aの
断面形状は、円形,半円,長円形,四角形の任意の形状
でよい。さらに、図中に示したヘッダ124Aがパネル124B
の周囲空気の流れを邪魔する部分の長さV1,V2,U
1,U2は適宜変更して実施することができるものであ
る。 [実施例3−2]図23及び図24を参照して第3の発明の
実施例3−2を説明する。すなわち、図23に示される実
施例3−2の冷却器128は、図示しない自冷式ガス絶縁
変圧器の変圧器本体に接続される。そして、冷却器128
は、上部に位置する筒状の2本のヘッダ128A及び下部に
位置する筒状の2本のヘッダ128Aの長尺方向に沿って、
全体が略同厚に形成された複数のパネル128Bを、互いに
離間するように並設している。
【0127】ここで、ヘッダ128Aは、パネル128Bの幅方
向の中間部に配置しないものである。そして、パネル12
8Bの幅方向の両端からヘッダ128Aの一部が露出して配置
している。従って、上部に位置する筒状の2本のヘッダ
128A及び下部に位置する筒状の2本のヘッダ128Aは、パ
ネル128Bの長尺方向両端に配置される。また上部に位置
する筒状の2本のヘッダ128A及び下部に位置する筒状の
2本のヘッダ128Aは、パネル128Bの短尺方向両端に配置
される。
【0128】すなわち、上部に位置する筒状の2本のヘ
ッダ128A及び下部に位置する筒状の2本のヘッダ128A
は、パネル128Bのコーナ部に一部を露出して配置されて
いることになる。
【0129】また、上部に位置する2本のヘッダ128A及
び下部に位置するヘッダ2本の128Aは、その長尺方向に
沿ってダクト128Cが複数個形成されている。
【0130】以上のように構成した実施例3−2による
と、ヘッダ128Aの大きさや設置数を大きくしても、パネ
ル128Bの周囲空気は矢線矢印で示すように両ヘッダ128A
に殆ど邪魔されることがない。よって、実施例3−1以
上に空気側伝熱性能を絶縁ガスの循環流量を増加させる
ことができ、パネル1枚当たりの放熱能力が大幅に向上
させることができる。
【0131】なお、上記の実施例においては、ヘッダの
断面形状は、円形,半円,長円,四角,多角のいずれで
もよい。さらに、ヘッダ128Aがパネル128Bの周囲空気の
流れを邪魔する部分の長さW1,W2,Z1,Z2は適
宜変更して実施することができるものである。
【0132】またさらに、上記の実施例3−1と実施例
3−2においては、入口側(上部側)と出口側(下部
側)とにヘッダを2つずつ設けているが、パネルが十分
に長い場合は、従来のようにパネルの中央部下部に出口
ヘッダを1つだけ連続してもパネルの周囲空気の下流の
流れに与える影響は少ない。逆に、パネルが短い場合に
は、入口側のヘッダをパネルの中央部上部に一つだけ連
接してもパネルの周囲空気の流れに与える影響は少な
い。よって、場合によっては片方のヘッダを一つにして
も良く、一つにしたことにより、溶接工程やヘッダの一
端部を変圧器本体に取着する工程が減少し、より低価格
にすることができる。 [実施例3−3]次に図25及び図26を参照して第3の発
明の実施例3−3を説明する。すなわち、図25に示され
る実施例3−3の冷却器130 は、図示しない自冷式ガス
絶縁変圧器の変圧器本体に接続される。そして、冷却器
130 は、上部に位置する筒状のヘッダ130A及び下部に位
置する筒状のヘッダ130Aの長尺方向に沿って、全体が略
同厚に形成された複数のパネル130Bを、互いに離間する
ように並設している。
【0133】ここで、パネル130Bは平行な2つの短辺と
平行な2つの長辺を持つ平行四辺形である。パネル130B
は、その長辺を上下方向に沿って配置される。ヘッダ13
0Aは、パネル130Bの短辺方向の中間部に配置しないもの
である。そして、ヘッダ130Aは、パネル130Bの鋭角のコ
ーナ部にその一部が露出して配置している。
【0134】また、上部に位置するヘッダ130A及び下部
に位置するヘッダ2本の130Aは、その長尺方向に沿って
ダクト130Cが複数個形成されている。
【0135】以上のように構成した実施例3−3による
と、実施例3−2と同様に入口,出口のヘッダ130Aの大
きさを大きくしてもパネル130Bの周囲を流れる空気の対
流を殆ど邪魔することがなく、空気側伝熱性能と絶縁ガ
スの循環流量を増加させることができ、パネル1枚当た
りの放熱能力を大幅に向上させることができる。さら
に、ヘッダ数が第1の実施例より少ないので、溶接工程
やヘッダのダクト部130Cを変圧器本体に取着する工程が
減少し、より低価格にできる。
【0136】なお、上記の実施例においては、ヘッダの
断面形状は、円形,半円,長円,四角,多角のいずれで
もよい。さらに、入口,出口ヘッダ130Aがパネル130Bの
周囲空気の流れを邪魔する部分の長さW3,Z3は適宜
変更して実施することができるものである。 [実施例3−4]次に、図27を参照して第3の発明の実
施例3−4を説明する。すなわち、図27に示される実施
例3−4の冷却器132 は、パネル132Bだけが実施例3−
3と相違する。
【0137】すなわち、実施例3−4において、パネル
132Bの形状が長方形であれば、入口,出口のヘッダ132A
が接続されない鈍角のコーナ部ではSF6 ガスがうまく
流れないためパネル132Bの形状を平行四角形にした。
【0138】しかし、図27に示すようにパネル132Bの流
路にそれぞれガイド132Eを設けている。これは、パネル
132Bの流路における流れを円滑にする。これにより、パ
ネル132Bを、長方形や正方形または他の形状のものを採
用することができ、また、入口,出口のヘッダ132Aを、
ヘッダ132Aの上下の同じコーナ側に接続させても良い。 [実施例3−5]次に、図28及び図29を参照して第3の
発明の実施例3−5を説明する。すなわち、図28に示さ
れる実施例3−5の冷却器134 は、図示しない自冷式ガ
ス絶縁変圧器の変圧器本体に接続される。
【0139】そして、冷却器134 は、上部に位置する断
面楕円形状又は流線形形状のヘッダ134A及び下部に位置
する断面楕円形状又は流線形形状のヘッダ134Aの長尺方
向に沿って、全体が略同厚に形成された複数のパネル13
4Bを、互いに離間するように並設している。ヘッダ134A
は、その断面長手方向を、パネル134Bの長辺方向に一致
させて、パネル134B内に配置されている。また、ヘッダ
134Aは、パネル134Bの短辺方向の中間部に配置してい
る。
【0140】また、上部に位置するヘッダ134A及び下部
に位置するヘッダ2本の134Aは、その長尺方向に沿って
ダクト134Cが複数個形成されている。
【0141】このような構成の実施例3−5では、入
口,出口ヘッダ134Aは従来と同様にパネル134Bのほぼ中
央部に連接されている。このようにパネル134Bのほぼ中
央部に入口,出口ヘッダ134Aを連接しても入口,出口ヘ
ッダ134 の断面形状は楕円形状あるいは流線形形状であ
るため、パネル134Bの周囲空気の流れを阻害しにくく、
矢線矢印136 で示すように両ヘッダ134Aに殆ど邪魔され
ることがなく、冷却性能が向上する。
【0142】以上の実施例において、変圧器本体と冷却
器との間をSF6 ガスが自然循環するタイプについて説
明したが、SF6 ガスを強制的に循環させるタイプの変
圧器に本発明の冷却器を取付けても、パネル周囲を流れ
る空気を円滑に対流させることができ、コンパクトで低
価格なものにすることができる。
【0143】さらに、以上の実施例において、冷却器を
変圧器本体に直接取り付ける場合について説明したが、
本発明では、配管等を介して冷却器と変圧器本体とを連
結させるようにしてもよい。 [変形例3−1]次に、図30を参照して、実施例3−1
〜実施例3−5に対して、異なる流路断面積を有するヘ
ッダ、異なる流路断面積を有するパネル、配置間隔を異
ならせたパネル、それぞれを適用した場合の各種の変形
例を説明する。
【0144】タイプMは、流路断面積を変化させた筒状
のヘッダ138A' と、同一の流路断面積を有するパネル13
8Bとを組合わせた冷却器である。
【0145】タイプNは、流路断面積を変化させた筒状
のヘッダ138A' と、異なる流路断面積を有するパネル13
8B,138B' とを組合わせた冷却器である。
【0146】タイプOは、流路断面積を変化させた筒状
のヘッダ138A' と、異なる流路断面積を有するパネル13
8B,138B' とを組合わせ、しかもパネル138Bと、パネル
138B' との配置間隔H1,H2を異ならせた冷却器である。
【0147】タイプPは、流路断面積が変化しない筒状
のヘッダ138Aと、同一の流路断面積を有するパネル138B
とを組合わせた冷却器である。
【0148】タイプQは、流路断面積が変化しない筒状
のヘッダ138Aと、異なる流路断面積を有するパネル138
B,138B' とを組合わせた冷却器である。
【0149】タイプRは、流路断面積が変化しない筒状
のヘッダ138Aと、異なる流路断面積を有するパネル138
B,138B' とを組合わせ、しかもパネル138Bと、パネル1
38B'との配置間隔H1,H2を異ならせた冷却器である。
【0150】図30においては、実施例3−1〜実施例3
−5に示した各種のヘッド、各種のパネルを適用するこ
とができる。 (第4の発明)[実施例4−1]以上の第1〜第4の発
明はいずれも冷却器に関してであるが、次に、図1に示
した第1の発明によるガス絶縁変圧器と異なる第4の発
明によるガス絶縁変圧器の一実施例を、図31を参照して
説明する。
【0151】図31において、本発明のガス絶縁変圧器14
0 は、変圧器本体142 と冷却器144とで構成されてい
る。変圧器本体142 のケーシング142Aの内部には、コイ
ル142Bと鉄心142Cと複数の冷却筒142Dとが絶縁された状
態で収容されている。ここで、複数の冷却筒142Dは、ケ
ーシング142Aの内壁に配列されている。冷却器144 は、
ヘッダ144Aとパネル144Bとからなる。
【0152】また、変圧器本体142 及び冷却器144 の内
部には、SF6 ガス16が充填されており、SF6 ガス16
は変圧器140 の絶縁性能を維持するものとして用いられ
ると共に冷却媒体として用いられ、破線矢印146 や一点
鎖線矢印148 で示すように変圧器本体142 や冷却器144
の空間を自然循環する。すなわち、変圧器本体142 の内
部のコイル142Bや鉄心142Cから発生する熱を除去しなが
ら温められて上昇したSF6 ガスは、変圧器本体142 の
上部で二方向に分岐し、一方は冷却器144 に入って冷却
器144 で冷却されながら下方に流れ再び変圧器本体142
の内部に戻り、他方はコイル142Bとケーシング142Aの間
を下方に流れ、冷却筒142Dで冷却されて変圧器本体142
の下部で合流する。
【0153】上記実施例のように変圧器本体142 のケー
シング142Aとコイル142Bの間の空間に冷却等144Dを設け
ることにより、ケーシング142Aとコイル142Bとの間のS
6 ガスは上昇流でなく下降流になり、冷却器の冷却媒
体流路断面積及びコイル142Bや鉄心142Cの流路断面積を
小さくすることができ、限られたスペースへの設置を可
能とし、コンパクトで低価格なものを実現することがで
きる。
【0154】なお、上記の実施例においては、ケーシン
グ142Aとコイル142Bとの間のSF6 ガスを冷却するため
に冷却筒142Dを用いたが、ケーシング142Aとオイル142B
との間のSF6 ガスを冷却することができれば、冷却筒
142D以外の冷却手段を用いてもよい。また、ケーシング
142Aにフィン等を設けてケーシング142Aとコイル142Bと
の間のSF6 ガスを冷却してもよい。冷却筒142Dは、ケ
ーシング142Aの内壁の全て部位に配置しても良いし、ケ
ーシング142Aの内壁の一部の部位に配置しても良い。
【0155】また、以上の実施例は、入口ヘッダと出口
ヘッダとの間に複数枚のパネルを有するものを示した
が、パネルは少なくとも一枚あればよい。 [実施例4−2]次に、第4の発明によるガス絶縁変圧
器の実施例4−2を、図32及び図33を参照して説明す
る。
【0156】すなわち、本実施例のガス絶縁変圧器154
は、変圧器本体152 と、複数の冷却ユニットを有する冷
却器154 とから構成される。すなわち、冷却器154 は、
上部マニホールド管154Aと、下部マニホールド管154A
と、4つの冷却ユニット154-1,154-2 ,154-3 ,154-4
とからなる。4つの冷却ユニット154-1 ,154-2 ,154
-3 ,154-4 は、上部マニホールド管154Aと下部マニホ
ールド管154Aとに接続されている。
【0157】ここに、4つの冷却ユニット154-1 ,154-
2 ,154-3 ,154-4 は同一のものである。冷却ユニット
154-1 は、上部に位置する筒状のヘッダ154A1 及び下部
に位置する筒状のヘッダ154A1 の長尺方向に沿って、全
体が略同厚に形成された複数のパネル154Bを、互いに離
間するように並設している。冷却ユニット154-2 ,154-
3 ,154-4 も冷却ユニット154-1 と同様の構造である。
【0158】このように第4の発明が適用される冷却器
の数やパネルの数等は変圧器の容量に応じて適宜変更し
て用いることができるものである。
【0159】また、冷却媒体であるSF6 ガスを流す方
法は、上述のいずれの実施例においては重力方向の上方
から下方であるが、これに限定されることなく、ブロア
を儲けることにより、重力方向の下方から上方に流すよ
うにしてもよい。もちろん、水平方向にSF6 ガスを流
すようにしてもよい。この場合、パネルは水平に配設さ
れるだろう。
【0160】さらに、上記実施例においては、冷却媒体
としてSF6 ガスを用いた場合について説明したが、言
うまでもなく、冷却媒体が他の絶縁ガスまたは絶縁油等
の絶縁液の場合でも同様の効果がある。
【0161】またさらに、パネルは、図34に示すように
複数の菱形156Aが形成されたパネル156 、図35に示すよ
うに複数の四角形158Aが形成されたパネル158 、図36に
示すように単一の四角形160Aが形成されたパネル160 を
適宜使用することができる。 [変形例]なお,特に図34に示した複数の菱形156Aが形
成されたパネル156 は、菱形のくぼんだ部分の空気が垂
直方向に流れやすくなり、同じ高さのパネル156 間の平
均温度との温度差が大きくなる。
【0162】つまり、パネル156 近傍の空気温度が高く
なるため第2の発明に適用した時に特に有効となる。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば次の
ような効果が得られる。
【0164】第1および第2の発明によれば、ガス絶縁
電気機器の大きさを小さく最適なものとし、限られたス
ペースへの設置等を可能とするコンパクトで低価格なも
のを提供することができる。
【0165】第3の発明によれば空気側伝熱性能を低下
させずに絶縁冷却媒体の循環流量を増加させることがで
き、パネル一枚当たりの放熱能力が大幅に向上する。よ
って、限られたスペースへの設置等を可能とするコンパ
クトで低価格なものを提供することができる。
【0166】第4の発明によれば、外部冷却装置の冷却
媒体流路断面積および電気要素の冷却媒体流路断面積を
小さくすることができ、限られたスペースへの設置等を
可能とするコンパクトで低価格なものを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス絶縁電気機器の第1の発明に係
るガス変圧器の実施例1−1を示す正面図。
【図2】 図1におけるVII−VII矢視方向の断面
図。
【図3】 図1におけるVIII−VIII矢視方向の
断面図。
【図4】 実施例1−1おけるヘッダの流路断面積とパ
ネルの流路断面積との比に対するガス流れの損失を示す
特性図。
【図5】 ヘッダのダクト形状の一例を示す平面図。
【図6】 ヘッダのダクト形状の他の例を示す平面図。
【図7】 ヘッダのダクトにおけるa寸法と圧力損失と
の関係を示す特性図。
【図8】 本発明のガス絶縁電気機器の第1の発明に係
るガス変圧器の要部である冷却器の実施例1−2を示す
正面図。
【図9】 本発明のガス絶縁電気機器の第1の発明に係
るガス変圧器の要部である冷却器の実施例1−3を示す
正面図。
【図10】 図9におけるXV−XV矢視方向の断面
図。
【図11】 本発明のガス絶縁電気機器の第1の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例1−4を示
す正面図。
【図12】 実施例1−1に対して異なる流路断面積を
有するヘッダ、異なる流路断面積を有するパネル、配置
間隔を異ならせたパネル、それぞれを適用した場合の各
種変形例を模式的に示す図。
【図13】 実施例1−2に対して異なる流路断面積を
有するヘッダ、異なる流路断面積を有するパネル、配置
間隔を異ならせたパネル、それぞれを適用した場合の各
種変形例を模式的に示す図。
【図14】 本発明のガス絶縁電気機器の第2の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例2−1を示
す正面図。
【図15】 図14におけるXX−XX矢視方向の断面
図。
【図16】 図14におけるXXI−XXI矢視方向の
断面図。
【図17】 図14に示す実施例2−1冷却器の製造過
程を模式的に示す斜視図。
【図18】 実施例2−1におけるヘッダと外径と肉厚
の関係を示す図。
【図19】 自然循環におけるガス循環流量と冷却器の
入口部でのガス温度を示す特性図。
【図20】 ブロアを用いたガス循環流量と冷却器の入
口部でのガス温度を示す特性図。
【図21】 本発明のガス絶縁電気機器の第3の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例3−1を示
す正面図。
【図22】 図21におけるXXVI−XXVI矢視方
向の断面図。
【図23】 本発明のガス絶縁電気機器の第3の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例3−2を示
す正面図。
【図24】 図23におけるXXIX−XXIX矢視方
向の断面図。
【図25】 本発明のガス絶縁電気機器の第3の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例3−3を示
す正面図。
【図26】 図25におけるXXXI−XXXI矢視方
向の断面図。
【図27】 本発明のガス絶縁電気機器の第3の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例3−4を示
す縦断面図。
【図28】 本発明のガス絶縁電気機器の第3の発明に
係るガス変圧器の要部である冷却器の実施例3−5を示
す正面図。
【図29】 図28におけるXXXIV−XXXIV矢
視方向の断面図。
【図30】 実施例3−1乃至実施例3−5に対して、
異なるヘッダの径、パネル断面積、パネル間隔を適用し
た場合の各種変形例を模式的に示す図。
【図31】 本発明の絶縁電気機器の第4の発明に係る
自冷式変圧器の実施例4−1の全体構造を示す図。
【図32】 本発明の絶縁電気機器の第4の発明に係る
自冷式変圧器の実施例4−2の全体構造を示す図。
【図33】 図32に示す自冷式変圧器の平面図。
【図34】 第4の発明に係る異なるパネルを示す概略
斜視図。
【図35】 第4の発明に係る異なるパネルを示す概略
斜視図。
【図36】 第4の発明に係る異なるパネルを示す概略
斜視図。
【図37】 従来のガス絶縁電気機器として典型的なガ
ス絶縁変圧器の第1の従来例を示す要部正面図。
【図38】 図37におけるV方向矢視の縦断面図。
【図39】 ガス絶縁変圧器の第2の従来例を示す要部
正面図。
【図40】 図39におけるX方向矢視の縦断面図。
【図41】 第3の従来例に係り、従来の自冷式変圧器
の基本構造を示す図。
【符号の説明】
16 SF6 ガス 100 ガス絶縁変圧器 112 変圧器本体 114 冷却器 114A ガス導入用ヘッダ,ガス導出用ヘッダ 114B 放熱用パネル 114C 連結部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】収容空間内に収容された絶縁対象電気要素
    および前記収容空間内に充填された絶縁ガスとを含む電
    気機器本体と、一開口部側が各々前記電気機器本体に連
    通するように接続されたガス導入用ヘッダおよびガス導
    出用ヘッダと、一開口部側が前記ガス導入用ヘッダに接
    続されるとともに他開口部側が前記ガス導出用ヘッダに
    接続され、前記絶縁ガスを前記ガス導入用ヘッダから内
    部に形成されたガス流路に導入し、流通させて放熱によ
    り冷却し、前記ガス導出用ヘッダに導出するための放熱
    用パネルとから構成されるガス絶縁電気機器において、 前記放熱用パネルと前記ガス導入用ヘッダあるいはガス
    導出用ヘッダとの接続部分の少なくとも一方に介在さ
    れ、前記放熱用パネルの端部から前記接続部分に向かっ
    て厚さが漸次増大し、流路断形状が徐々に変化する流路
    を有する連結部を設けるかあるいは、 前記ガス導入用ヘッダあるいはガス導出用ヘッダの少な
    くとも一方に、前記ヘッダの端部側から前記電気機器本
    体に近い側に向かって流路断面積が漸次増大する流路を
    有する断面積の変化部を形成したことを特徴とするガス
    絶縁電気機器。
  2. 【請求項2】収容空間内に収容された絶縁対象電気要素
    および前記収容空間内に充填された絶縁ガスとを含む電
    気機器本体と、一開口部側が各々前記電気機器本体に連
    通するように接続され、かつ長尺方向に沿って複数のダ
    クトが形成されたガス導入用ヘッダおよびガス導出用ヘ
    ッダと、一開口部側が前記ガス導入用ヘッダに接続され
    るとともに他開口部側が前記ガス導出用ヘッダに接続さ
    れ、前記絶縁ガスを前記ガス導入用ヘッダから内部に形
    成されたガス流路に導入し、流通させて放熱により冷却
    し、前記ガス導出用ヘッダに導出するための放熱用パネ
    ルとから構成されるガス絶縁電気機器において、 前記ガス導入用ヘッダおよび前記ガス導出用ヘッダのう
    ち少なくとも一方における前記放熱用パネルの短尺方向
    における前記ヘッダの外形寸法は、前記放熱用パネルの
    幅寸法の0.36倍以下に設定され、かつ前記ヘッダの
    流路断面積は、前記放熱用パネルの短尺方向の寸法の
    0.25倍を直径とした時の円の断面積以上に設定され
    ていることを特徴とするガス絶縁電気機器。
  3. 【請求項3】収容空間内に収容された絶縁対象電気要素
    および前記収容空間内に充填された絶縁ガスとを含む電
    気機器本体と、一開口部側が各々前記電気機器本体に連
    通するように接続されたガス導入用ヘッダおよびガス導
    出用ヘッダと、一開口部側が前記ガス導入用ヘッダに接
    続されるとともに他開口部側が前記ガス導出用ヘッダに
    接続され、前記絶縁ガスを前記ガス導入用ヘッダから内
    部に形成されたガス流路に導入し、流通させて放熱によ
    り冷却し、前記ガス導出用ヘッダに導出するための放熱
    用パネルとから構成されるガス絶縁電気機器において、 前記ガス導入用ヘッダあるいはガス導出用ヘッダの少な
    くとも一方の前記放熱用パネルへの接続位置を、前記放
    熱用パネルの短尺方向の端部近傍に設定してなることを
    特徴とするガス絶縁電気機器。
  4. 【請求項4】収容空間内に収容された絶縁対象電気要素
    および前記収容空間内に充填された絶縁ガスとを含む電
    気機器本体と、一開口部側が各々前記電気機器本体に連
    通するように接続されたガス導入用ヘッダおよびガス導
    出用ヘッダと、一開口部側が前記ガス導入用ヘッダに接
    続されるとともに他開口部側が前記ガス導出用ヘッダに
    接続され、前記絶縁ガスを前記ガス導入用ヘッダから内
    部に形成されたガス流路に導入し、流通させて放熱によ
    り冷却し、前記ガス導出用ヘッダに導出するための放熱
    用パネルとから構成されるガス絶縁電気機器において、 前記ガス導入用ヘッダあるいはガス導出用ヘッダの少な
    くとも一方の断面形状は、前記放熱用パネルの外部を上
    昇流となって通流する周囲空気の流れに対して通流抵抗
    が小さくなる液状に設定しなることを特徴とするガス絶
    縁電気機器。
  5. 【請求項5】電気機器本体内部に収納された電気要素を
    冷却するための絶縁冷却媒体が前記電気機器本体内部と
    外部に設けられた外部冷却器との間を自然循環する自冷
    式の電気機器において、 前記電気機器本体のケーシングと前記電気要素との間を
    通流する前記絶縁冷却媒体を冷却するための冷却手段を
    設けたことを特徴とするガス絶縁電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005214520A (ja) * 2004-01-29 2005-08-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 積層型蒸発器
KR100773026B1 (ko) * 2006-11-07 2007-11-02 권오경 변압기용 방열기
KR100773027B1 (ko) * 2006-11-07 2007-11-02 권오경 변압기용 방열기
CN103196306A (zh) * 2013-03-27 2013-07-10 瑞安市邦众汽车部件有限公司 新型汽车散热器

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