JPH05128965A - エミツタ部作製方法および装置ならびに集束イオンビーム装置 - Google Patents

エミツタ部作製方法および装置ならびに集束イオンビーム装置

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JPH05128965A
JPH05128965A JP28853291A JP28853291A JPH05128965A JP H05128965 A JPH05128965 A JP H05128965A JP 28853291 A JP28853291 A JP 28853291A JP 28853291 A JP28853291 A JP 28853291A JP H05128965 A JPH05128965 A JP H05128965A
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JP
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emitter
ionic material
manufacturing apparatus
reservoir
needle
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Application number
JP28853291A
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English (en)
Inventor
Kaoru Umemura
馨 梅村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】集束イオンビーム装置の絶縁破壊や真空悪化が
生ずるのを防止し、長時間連続してイオンを放出し、イ
オンビームを安定させ、一度の真空引き作業で複数個の
エミッタ部を作製し、液体金属イオン源を搭載した集束
イオンビーム装置を長時間、高安定に動作させる。 【構成】集束レンズ系を含まない真空容器10内に保持
されたエミッタ部1のニードル101、リザーバ102
を加熱手段3により高温加熱クリーニングしたのち、液
体イオン材料7を注入手段4によりリザーバ102に供
給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体製造工程におけ
るマスクの製作、修正、配線修正、マスクレスイオン注
入、イオン露光、イオンエッチング、デポジション、デ
バイス移植、または分析の分野における試料の断面切出
し、微小領域の二次イオン質量分析等に用いられる集束
イオンビーム(FIB)を形成するための液体金属イオ
ン源(Liquid Metal Ion Source)のエミッタ部の作製
方法および装置ならびに集束イオンビーム装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】まず、液体金属イオン源について、その
動作原理を説明する。液体金属イオン源は、たとえば論
文集ジャーナル・オヴ・ヴァキューム・サイエンス・ア
ンド・テクノロジー、第A2巻、(1984年)第13
65頁から第1369頁(Journal of Vacuum Science
and Technology, A2, (1984) 1365-1369)に記載の
『デヴェロップメント・オヴ・ボロン・リキッド−メタ
ル−イオン・ソース(Development of boron liquid-me
tal-ion source)』と題した論文中(公知例1)でイシ
タニ(T.Ishitani)らが示しているように、次のような
概略構成になっている。
【0003】すなわち、図9に示したように、真空容器
26内に設けられかつ電源27a、27b、27cに接
続されたヒータ22がイオン化すべきイオン材料21を
溶融状態で保持している。この状態で、引出電極25が
ニードル(針状電極)24の先端に高電界を集中させる
と、ニードル24の先端からイオン材料21のイオン2
3が引き出される。
【0004】なお、イオン材料21を溶融状態で保持す
るための手段としては、イオン材料21を保持する部分
を通電によって加熱する抵抗加熱方式や、ニードル24
の先端近傍を電子衝撃によって加熱する方式、さらには
イオン材料の溜め部(リザーバとも呼ばれる)のまわり
にヒータを巻き付け、そのヒータの熱によってイオン材
料を溶融状態にする方式など種々の方式があるが、液体
金属イオン源の基本構成としては大きな相違はない。
【0005】ここで、このような液体金属イオン源にお
いて、実質的にイオン放出部となるニードル24、イオ
ン材料21を溶融状態で保持するためのヒータ22、も
しくはイオン材料21を多く貯留するためのリザーバを
含めてエミッタ部と称することにする。
【0006】一般に用いられるエミッタ部は、図10
(a)に示すように、絶縁物製の座30に2本の電流導入
端子31が設けられ、電流導入端子31に金属細線32
が設けられ、金属細線32の中央部にニードル33が点
状溶接されている(ヘアピンタイプエミッタ部)。この
ような場合、金属細線32は液体イオン材料34を貯溜
するリザーバであり、2本の電流導入端子31間に電流
を通電することによりヒータをも兼ねている。また、図
10(b)に示すように、ニードル33が液体イオン材料
34をさらに多く貯溜させるためのリザーバ35を貫通
しているタイプのものもよく見られる(リザーバタイプ
エミッタ部)。いずれのタイプのエミッタ部も液体金属
イオン源本体にエミッタ部が一体となって着脱でき、イ
オン材料の枯渇やニードルの破損等の場合、エミッタ部
は一体で交換され、いわゆるカートリッジタイプになっ
ている。
【0007】さて、このようなエミッタ部を作製する方
法として、エイ・ワグナ(A. Wagner)がジャーナル・オブ
・ヴァキューム・サイエンス・アンド・テクノロジーなる論
文集、第16巻、第1871頁から第1874頁(19
79年)(Journal of Vacuum Science and Technolog
y, vol. 16, (1979) 1871-1874)において、『リクィッ
ド・ゴールド・アイオン・ソース(Liquid Gold Ion Sourc
e)』と題する論文に紹介している(公知例2)。本論
文によると、図11に示すように、真空容器内でヘアピ
ンタイプのエミッタ部40と空間的に離間して下方に設
置した傍熱加熱できるルツボ41内に予め液体イオン材
料34を予め貯溜しておき、ルツボ41をヒータ43に
より加熱して液体イオン材料34を溶融させ、液状(液
体金属)にしておく。そして、エミッタ部40を降下さ
せ浸漬し、液体イオン材料34をエミッタ部40に付着
させた後、エミッタ部40を引き上げる。以下、この方
法をここでは浸漬(dipping)法と呼ぶことにする。浸
漬法は図10(a)に示したヘアピンタイプエミッタ部ば
かりでなく、図10(b)に示したリザーバタイプエミッ
タ部についても行なわれ、広く一般に用いられている。
【0008】ところで、イオン源にイオン材料を導入す
る装置の公知例として次の5件が開示されている。
【0009】つまり、『液体金属イオン源』と題する特
開昭58−210854号公報(公知例3)には、イオ
ン源の長寿命を目指して、図12に示すように、イオン
材料の溜め部60の他にイオン材料貯蔵部61を設け
て、溜め部60のイオン材料62が少なくなってきたと
きに、そのつどイオン材料貯蔵部61からイオン材料6
2を補給し、寿命の延命化を狙っている。つまり、イオ
ン材料貯蔵部61はエミッタ部と一体化されて液体金属
イオン源63を構成し、集束イオンビーム装置64に液
体金属イオン源63が設置されている。
【0010】また、『液体金属イオン源』と題する特開
昭59−209715号公報(公知例4)には、イオン
材料の溜め部にイオン材料を液体の状態で導入するため
に、図13に示すようなイオン材料貯蔵部70と溜め部
71との間に加熱部72を設けた装置が開示されてい
る。本装置の場合も、イオン材料貯蔵部70はエミッタ
部73と組み合わされて液体金属イオン源74を構成
し、この組合せで集束イオンビーム装置75に搭載され
ている。
【0011】このように、公知例3、4の発明は集束イ
オンビーム装置を対象としているのに対して、この発明
はエミッタ部のみを作成する装置を対象としているので
あり、公知例3、4の発明とこの発明とは対象において
全く相違している。
【0012】さらに、エミッタ部作成方法の公知例とし
て、特開昭61−104540号公報(公知例5)、特
開昭61−104541号公報(公知例6)、実開昭6
1−76668号公報(公知例7)が挙げられるが、こ
れらは基本的に公知例2の浸漬法と同等である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、浸漬法
は以下のような問題点を有していた。ここでは、液体金
属イオン源を長寿命動作させる目的で使用されるリザー
バタイプの液体金属イオン源の場合について説明する。
【0014】 図14(a)に示すように、リザーバ3
5に液体イオン材料34を充填するために、リザーバ3
5、ニードル33の組合せによるエミッタ部50を液体
イオン材料34に浸漬させると、図14(b)に示すよう
に、リザーバ35の外面(液体イオン材料34が溜され
る側に対する外側の面)にも液体イオン材料34が多く
付着する。このようなエミッタ部50を有する液体金属
イオン源を集束イオンビーム装置に装着して用いると、
液体イオン材料34が真空部に接する面積が多いため、
液体イオン材料34が余分に蒸発してしまい、リザーバ
35を採用して長寿命化を目指したものの、その効果が
半減する。また、蒸発物が液体金属イオン源や集束イオ
ンビーム装置内の他の部材に付着、汚染し、絶縁破壊や
真空悪化という問題を引き起こす。
【0015】 浸漬法によりリザーバ35に液体イオ
ン材料34を充填すると、図14(c)に示すように、リ
ザーバ35の外面に付着した液体イオン材料34がニー
ドル33の先端まで伝って流れ、その結果ニードル33
の先端では液体イオン材料34の供給過剰状態となり、
安定イオン放出に必要な安定したテーラーコーンの形成
を阻害し、イオン放出が不安定になったり、停止すると
いう致命的問題を引き起こす。
【0016】 浸漬法によると、ニードル33の表面
を酸化物などの被膜が被っているときには、長時間安定
してイオンが放出し続けることができない。すなわち、
図15(a)、(b)に示すように、表面が清浄化されてお
らず、酸化物などの被膜82が被っているニードル33
を表面が清浄な液体イオン材料34に浸漬し始め、図1
5(c)に示すように、ある程度の深さまでニードル33
を液体イオン材料34に浸漬したのち、図15(d)、
(e)に示すように、ニードル33を引き上げていくと、
液体イオン材料34はニードル33にはほとんど濡れ
ず、液体イオン材料34が所々にしかも僅かに付着する
程度にしか濡れない。このような濡れの悪さでは、たと
えリザーバ35を貫通してニードル33が設置され、液
体イオン材料34を充填しても、液体イオン材料34が
連続的にニードル33の先端まで到達しない。つまり、
図16(a)に示すように、仮にニードル33の先端に液
体イオン材料34が僅かに付着していても、イオンは連
続的に放出せず、先端に付着した僅かな液体イオン材料
34のみが寄与し、図16(b)に示すように、一時イオ
ン86が放出されても、図16(c)に示すように、イオ
ン86の放出は中断する。つまり、液体金属イオン源に
おいて、ニードル33の表面が酸化物などの被膜82に
被われて、液体イオン材料34とニードル33もしくは
リザーバ35とが濡れが良くない場合には、液体イオン
材料34がニードル33の先端まで安定して供給され
ず、延いてはイオン86の放出の途切れとなる。このよ
うに、長時間連続してイオン86を放出し続けることが
イオンビーム装置における液体金属イオン源に課せられ
る使命にもかかわず、イオン放出の中断はイオン源とし
て致命的な動作となる。
【0017】 ルツボ41内でイオン材料を溶融させ
ると、液体イオン材料の表面には酸化物やスラグなど不
純物が浮遊する。そこにエミッタ部50を浸漬させる
と、図14(d)に示すように、不純物91がエミッタ部
50表面に付着し、そのエミッタ部50を液体金属イオ
ン源に装着してイオン放出させた場合、安定イオン放出
に必要な安定したテーラーコーンの形成を阻害し、安定
イオン放出を阻害させるという問題点を引き起こす。す
なわち、イオン材料34を溶融させると、図17(a)に
示すように、液体イオン材料34の表面は不純物91や
酸化物92が浮遊している。たとえば、液体金属イオン
源のイオン材料として良く用いられるガリウムを大気中
に放置すると、本来銀白色で輝きのあるガリウム表面は
次第に酸化され輝きを失った灰色の薄膜で被われる。た
とえ、この酸化膜92を注意深く取り除き、真空装置内
に持ち込んで超高真空状態にしても、真空排気過程で残
留ガスの酸素と反応して灰色薄膜の酸化膜92が形成さ
れる。このような状態で、図17(b)に示すように、清
浄表面を有するニードル33を浸漬させ、図17(c)に
示すように、酸化膜92を突き破り純粋な液体イオン材
料34に達したのち、図17(d)に示すように、ニード
ル33を引き上げていくと、図17(e)に示すように、
酸化膜92はニードル33の上昇と共に引き上げられ、
ニードル33の表面に付着する。したがって、液体イオ
ン材料34に一度浸漬したニードル33を引き上げる
と、ニードル33の表面は液体イオン材料34の酸化膜
92および液体イオン材料34に混入している不純物9
1で被われてしまう。そして、図18(a)に示すよう
に、ニードル33の表面が不純物を含まない液体イオン
材料34で被われている理想的なエミッタ部50の場合
には、テーラーコーン96はニードル33の先端で軸9
5方向に向かって形成され、軸対称にイオン97が放出
される。一方、図18(b)に示すように、液体イオン材
料34の表面に酸化膜92や不純物91などのスラグが
浮遊する場合には、スラグがテーラーコーン96の形成
を阻害したり、テーラーコーン96の形成位置をニード
ル33の先端から遠ざけたりするため、イオン放出の途
切れや、放出イオン97が適正であるべき軸95上を通
らないという問題を引き起こす。つまり、ニードル33
の表面に液体イオン材料34の酸化物92や不純物91
が付着すると、上述したようにニードル33の先端に安
定したテーラーコーン96が形成しにくくなり、延いて
はイオンビームの安定性に大きく悪影響を与えることに
なる。
【0018】 これまでの浸漬法によると、エミッタ
部の作成される個数は、真空引きなどに多大の時間を要
するにもかかわらず、一度の真空引きで高々一個しか作
製することができず、作業効率が悪かった。
【0019】この発明は上述の課題を解決するためにな
されたもので、この発明の一つの目的は、集束イオンビ
ーム装置の絶縁破壊や真空悪化が生ずることがないエミ
ッタ部作製方法、装置を提供することである。
【0020】この発明の別の目的は、長時間連続してイ
オンを放出し続けることができるエミッタ部作製方法、
装置を提供することである。
【0021】また、この発明の他の目的は、イオンビー
ムを安定させることができるエミッタ部作製方法、装置
を提供することである。
【0022】また、この発明の他の目的は、一度の真空
引き作業で複数個のエミッタ部が作製できるエミッタ部
作製方法、装置を提供することである。
【0023】さらに、この発明の他の目的は、長時間、
高安定にイオンを放出することができる液体金属イオン
源のエミッタ部を提供することであり、この発明のさら
に他の目的は、液体金属イオン源を搭載した集束イオン
ビーム装置を長時間、高安定に動作させることである。
【0024】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
には、この発明においては、ニードルとリザーバとを有
するエミッタ部を作製する方法において、集束レンズ系
を含まない真空容器内に保持された上記エミッタ部の上
記ニードル、上記リザーバを高温加熱クリーニングした
のち、イオン材料を上記リザーバの上方から上記リザー
バに供給する。
【0025】この場合、液体イオン材料を上記リザーバ
に注入してもよい。
【0026】また、固体イオン材料を上記リザーバに投
入してもよい。
【0027】また、上記真空容器内に複数の上記エミッ
タ部を保持し、複数の上記エミッタ部について同時にま
たは順次に上記高温加熱クリーニングを行なったのち、
複数の上記エミッタ部について同時にまたは順次に上記
リザーバへの上記イオン材料の供給を行なってもよい。
【0028】また、上記リザーバへの上記イオン材料の
供給を行なったのち、複数の上記エミッタ部から同時に
または順次にイオンを引き出してもよい。
【0029】また、電子衝撃によって上記高温加熱クリ
ーニングを行なってもよい。
【0030】また、通電抵抗加熱によって上記高温加熱
クリーニングを行なってもよい。
【0031】また、上記真空容器内の走査型電子顕微鏡
または光学顕微鏡による上記ニードルの先端での上記イ
オン材料の濡れ状態観察を行ない、上記エミッタ部から
イオンを引き出す引出電極を設け、上記引出電極の下流
側にイオン電流検出器、蛍光板および上記蛍光板を観察
するための観察手段の少なくとも一方を設け、上記エミ
ッタ部から引き出されたイオンの全放出イオン電流信
号、上記イオン電流検出器に流入するイオン電流信号、
上記蛍光板上の蛍光パターン信号変化のうちのいずれか
を検出して、エミッタ部の良し悪しを判断してもよい。
【0032】また、この発明においては、ニードルとリ
ザーバとを有するエミッタ部を作製する装置において、
集束レンズ系を含まない真空容器と、上記真空容器内に
設けられかつ上記エミッタ部を保持する少なくとも1個
の保持手段と、少なくとも1個の上記エミッタ部を高温
加熱クリーニングする加熱手段と、イオン材料を上記リ
ザーバの上方から上記リザーバに供給する供給手段とを
設ける。
【0033】この場合、上記供給手段を液体イオン材料
を上記リザーバに注ぎ込む注入手段としてもよい。
【0034】また、上記供給手段を固体イオン材料を上
記リザーバに投入する投入手段としてもよい。
【0035】また、上記保持手段を可動基板としてもよ
い。
【0036】この場合、上記可動基板を可動方向に長い
短冊状板としてもよい。
【0037】また、上記可動基板を回転円板とし、上記
回転円板上に複数個の上記エミッタ部を上記回転円板の
中心に対してほぼ同一半径上に配置してもよい。
【0038】また、上記可動基板を複数個の上記エミッ
タ部を設置したまま上記真空容器内に着脱できるように
してもよい。
【0039】また、上記エミッタ部からイオンを引き出
す引出電極を設けてもよい。
【0040】また、上記加熱手段を上記エミッタ部に対
して相対的に移動可能としてもよい。
【0041】また、上記注入手段の先端をキャピラリと
してもよい。
【0042】また、上記注入手段に上記イオン材料の注
入、停止を制御する制御手段を設けてもよい。
【0043】また、上記注入手段を上記エミッタ部と空
間的に離間して設けてもよい。
【0044】また、上記注入手段が上記エミッタ部に対
し相対的に移動できるようにしてもよい。
【0045】また、上記注入手段に上記液体イオン材料
の加熱手段を設けてもよい。
【0046】また、上記注入手段として上記液体イオン
材料を保持する貯蔵部および上記液体イオン材料を上記
貯蔵部から流出させるための貯蔵部傾斜手段を有するも
のを用いてもよい。
【0047】また、上記貯蔵部傾斜手段から流出した上
記液体イオン材料を上記エミッタ部へ導き注入させるた
めの注ぎ口を設けてもよい。
【0048】また、上記エミッタ部にイオン材料を、A
s、Au、B、Be、Ga、Ge、In、P、Pd、Pt、S
i、Snのうちの少なくとも一元素としてもよい。
【0049】また、上記ニードルをその軸方向に微動可
能としてもよい。
【0050】また、上記引出電極の下流側にイオン電流
検出器を設けてもよい。
【0051】また、上記引出電極の下流側に蛍光板と上
記蛍光板を観察するための観察手段とを設けてもよい。
【0052】また、上記真空容器に上記ニードルの先端
を観察するための走査型電子顕微鏡を設けてもよい。
【0053】また、上記引出電極を上記ニードルの軸と
直角の方向に移動可能としてもよい。
【0054】また、上記真空容器内の真空度を1×10
~7Torr以上としてもよい。
【0055】また、上記引出電極に印加される電圧信
号、上記エミッタ部から放出される全放出イオン電流信
号、上記イオン電流検出器に流入するイオン電流信号、
上記蛍光板上の蛍光パターン情報のうちのいずれかを取
り込む計算器を設けてもよい。
【0056】また、上記真空容器に上記ニードルの先端
を観察するための窓を設けてもよい。
【0057】また、上記真空容器内に上記ニードルの先
端近傍に光を照射するための照明器を設けてもよい。
【0058】また、この発明の集束イオンビーム装置に
おいては、上記のエミッタ部作製方法または上記のエミ
ッタ部作製装置を用いて作製された上記エミッタ部を有
する液体金属イオン源と、イオンビーム集束レンズ系
と、偏向系と、試料台と、二次電子検出器とを設ける。
【0059】この場合、上記集束イオンビーム装置によ
り半導体素子等の局所マイクロ加工を行なってもよい。
【0060】また、上記集束イオンビーム装置を半導体
素子製造のマスク修正装置、配線修正装置もしくは試料
断面切り出し装置、デバイス移植装置のいずれかまたは
これらの複合装置として使用してもよい。
【0061】また、上記集束イオンビーム装置を二次イ
オン質量分析部を有した二次イオン質量分析計として使
用してもよい。
【0062】また、上記集束イオンビーム装置を局所イ
オン注入装置、イオン露光装置のいずれかとして使用し
てもよい。
【0063】また、上記エミッタ部を複数個搭載した可
動基板を用いる上記のエミッタ部作製方法または上記の
エミッタ部作製装置を用いて作成した上記エミッタ部
を、上記可動基板とともに搭載してもよい。
【0064】
【作用】この発明のエミッタ部作製方法、エミッタ部作
製装置、集束イオンビーム装置においては、エミッタ部
のニードル、リザーバの高温加熱クリーニングを行なう
から、ニードル、リザーバの表面の炭素や酸化物などコ
ンタミネーションが焼き出され、清浄金属表面となり、
このような清浄金属表面には多くの純粋イオン材料は非
常に良く濡れる。また、イオン材料をリザーバの上方か
らリザーバに供給するから、ニードルに酸化物などのス
ラグが付着することがないので、ニードルの先端に安定
したテーラーコーンが形成されるとともに、イオン材料
がリザーバの外面に付着することがないから、イオン材
料の余分な蒸発を抑制することができ、しかもイオン源
部材への蒸発物の付着、汚染を押えることができる。
【0065】また、真空容器内に複数のエミッタ部を保
持し、複数のエミッタ部について同時にまたは順次に高
温加熱クリーニングを行なったのち、複数のエミッタ部
について同時にまたは順次にリザーバへのイオン材料の
供給を行なえば、効率よくエミッタ部を作成することが
できる。
【0066】また、リザーバへのイオン材料の供給を行
なったのち、複数のエミッタ部から同時にまたは順次に
イオンを引き出せば、エミッタ部を検査することができ
る。
【0067】また、真空容器内の走査型電子顕微鏡また
は光学顕微鏡によるニードルの先端でのイオン材料の濡
れ状態観察を行ない、エミッタ部からイオンを引き出す
引出電極を設け、引出電極の下流側にイオン電流検出
器、蛍光板および蛍光板を観察するための観察手段の少
なくとも一方を設け、エミッタ部から引き出されたイオ
ンの全放出イオン電流信号、イオン電流検出器に流入す
るイオン電流信号、蛍光板上の蛍光パターン信号変化の
うちのいずれかを検出して、エミッタ部の良し悪しを判
断すれば、エミッタ部を検査することができる。
【0068】また、保持手段を可動基板とすれば、順次
に高温加熱クリーニング、リザーバへのイオン材料の注
入を行なうことができるから、効率よくエミッタ部を作
成することができる。
【0069】また、可動基板に複数個のエミッタ部を設
置したまま真空容器内に着脱できるようにすれば、効率
よくエミッタ部を作成することができる。
【0070】また、エミッタ部からイオンを引き出す引
出電極を設ければ、エミッタ部を検査することができ
る。
【0071】また、注入手段の先端をキャピラリとすれ
ば、イオン材料の表面に酸化物が付着しない。
【0072】また、ニードルをその軸方向に微動可能と
すれば、イオン材料の濡れ方を改善することができる。
【0073】また、引出電極の下流側にイオン電流検出
器を設ければ、エミッタ部を検査することができる。
【0074】また、引出電極の下流側に蛍光板と蛍光板
を観察するための観察手段とを設ければ、エミッタ部を
検査することができる。
【0075】また、真空容器にニードルの先端を観察す
るための走査型電子顕微鏡を設ければ、エミッタ部を検
査することができる。
【0076】また、真空容器内の真空度を1×10~7To
rr以上とすれば、高温加熱クリーニングを行なったとき
に、ニードルに再び残留ガスが付着することがない。
【0077】また、引出電極に印加される電圧信号、エ
ミッタ部から放出される全放出イオン電流信号、イオン
電流検出器に流入するイオン電流信号、蛍光板上の蛍光
パターン情報のうちのいずれかを取り込む計算器を設け
れば、エミッタ部を検査することができる。
【0078】また、真空容器にニードルの先端を観察す
るための窓を設ければ、エミッタ部を検査することがで
きる。
【0079】また、真空容器内にニードルの先端近傍に
光を照射するための照明器を設ければ、エミッタ部を検
査することができる。
【0080】また、エミッタ部を複数個搭載した可動基
板を用いるエミッタ部作製方法またはエミッタ部作製装
置を用いて作成したエミッタ部を、可動基板とともに搭
載すれば、集束イオンビーム装置内に容易にエミッタ部
を設置することができる。
【0081】
【実施例】
(実施例1)本実施例はこの発明の最も簡単な構成であ
り、エミッタ部を1個保持でき、一度の真空排気作業で
エミッタ部を1個作成できるエミッタ部作成装置であ
る。図1は全体の概略構成を示す図である。集束レンズ
系を含まない真空容器10内に保持手段2が設けられて
おり、保持手段2にエミッタ部1が保持されている。エ
ミッタ部1の近傍に加熱手段3が設けられており、真空
容器10に液体イオン材料(液体金属)7をエミッタ部
1に注入する注入手段4が取り付けられている。真空容
器10に観察用窓8が設けられており、真空容器10に
真空排気手段9が接続されている。以下、各部について
詳述する。
【0082】(i) エミッタ部 図2に示されるように、エミッタ部1は少なくとも液体
イオン材料7を溶融状態で保持するリザーバ102と、
液体イオン材料7のイオンを高電界によって放出させる
ために高電界を集中させるためのニードル(針状電極)
101とからなり、リザーバ102、ニードル101は
絶縁座103に保持されている。
【0083】エミッタ部1はエミッタ部1との接触面が
熱的・電気的絶縁材料から構成されている保持手段2に
装着され、真空容器10内に設置されている。
【0084】なお、ニードル101をその軸方向に微動
可能としてもよい。
【0085】(ii) 保持手段 保持手段2はエミッタ部1を設置するためのもので、必
要に応じエミッタ部1を着脱することができる構造であ
る。本実施例では、絶縁座103を保持手段2内に極端
な隙間を作ることなく挿入することができる。また、保
持手段2はエミッタ部1とは熱的、電気的に絶縁される
材料から形成されている。
【0086】(iii) 加熱手段 エミッタ部1のニードル101、リザーバ102の高温
加熱クリーニングは電子衝撃によって達成できる。本実
施例では、図3(a)、(b)に示すように、加熱手段3は
フィラメント構造であり、2本の直径1mmのモリブデ
ン支柱121が絶縁碍子120を貫通しており、2本の
モリブデン支柱121は互いに約10mm隔てられてお
り、2本のモリブデン支柱121に直径0.1mmのタ
ングステン線122を橋渡している。絶縁碍子120が
可動体123に固定されている。エミッタ部1の焼出し
が必要のない場合には、可動体123を用いて加熱手段
3はエミッタ部1から遠ざけられる。可動体123の駆
動には直線導入機を用いている。
【0087】そして、高温加熱クリーニング時に、真空
容器10内の真空度を1×10~7Torr以上とし、タング
ステン線122をエミッタ部1に近づけ、タングステン
線122に加熱電流を流しつつ、エミッタ部1に対し負
の電位を印加していく。なお、図1では電源や結線状態
は示していない。約10Wの電力でタングステン線12
2は白熱し、エミッタ部1(接地電位)に対して−3k
Vの電位差を与えると、エミッタ部1の金属部、少なく
ともニードル101、リザーバ102は熱電子に叩か
れ、赤熱し始める。ニードル101、リザーバ102を
約900℃の状態で約2分間放置した。この操作によ
り、少なくともニードル101、リザーバ102は焼出
され、ニードル101、リザーバ102の表面は清浄化
される。
【0088】加熱方法は、この他にもリザーバ102の
両端の電流導入端子間に通電し、抵抗加熱で赤熱させる
方法も簡便でよい。
【0089】また、真空容器10の真空度は可能な限り
真空度がよいことが望まれるが、真空排気系9の構成の
経済的問題や真空排気時間などを勘案して、1×10~8
〜1×10~9Torr程度が望ましい。もちろん、それ以上
に真空度が良くても問題はない。
【0090】(iv) 注入手段 注入手段4はリザーバ102の容積に比べて遥かに多く
の液体イオン材料7を保持でき、必要に応じてエミッタ
部1のリザーバ102内に液体イオン材料7を導入する
ことができる。
【0091】本実施例では、図4に示すように、キャピ
ラリ160、ピストン164などから構成されるイオン
注入手段4を採用した。液体イオン材料7はAs、Au、
B、Be、Ga、Ge、In、P、Pd、Pt、Si、Snのう
ちの少なくとも一元素である。液体イオン材料7を押し
出すピストン164は内部にネジ165の切られた押し
棒166に連結されており、このネジ165は固定され
たモータ167からの回転力を回転治具168によって
直進運動に変換され、この直進力がピストン164に伝
わり、液体イオン材料7を押し出す。キャピラリ160
の先端とリザーバ102との位置調節は真空容器10と
カバー170とを連結するベローズ171によってでき
る。
【0092】そして、ピストン164を移動させること
により、液体イオン材料7はキャピラリ160の先端で
球体になり、ついには自重で液滴となり、リザーバ10
2内に落下する。具体的には、キャピラリ160から離
れ落下する液体イオン材料7の液滴の大きさは直径2m
m程度であり、約4.2mm3の体積を持つ。この量はリ
ザーバ102の容積と比較して少しの量であるが、液体
金属イオン源の寿命の観点から十二分な量である。たと
えば、全放出イオン電流を2μAで動作させたとき、こ
の約4mm3の液体イオン材料7たとえば溶融ガリウム
をイオン放出のみで消耗させるためには、液体金属イオ
ン源を連続運転させても約600日を要し、液体金属イ
オン源のユーザには十分な時間である。
【0093】なお、注入手段はここに示したピストンを
利用する方法に限らず、図5に示すように、先の細い注
ぎ口173を有する容器174であってもよい。この場
合、容器174を徐々に傾けることにより、液体イオン
材料7が注ぎ口173から適量注入される。容器174
内の液体イオン材料7の表面に浮遊する酸化物などのス
ラグは注ぎ口173の側面に付着し、注ぎ口173から
注入される液体イオン材料7の表面にはスラグは付着し
ない。容器174を傾ける方法は、容器174に固定さ
れた軸176を真空外から回転導入機を用いて回すなど
容易に考えられる。本方法は構成が非常に簡単であるこ
とが特徴である。
【0094】また、注入手段4に液体イオン材料7の加
熱手段を設けてもよい。
【0095】(v) 濡れ観察手段 液体イオン材料7をリザーバ102内に注入すると、ニ
ードル101の先端に液体イオン材料7が到達する。し
かし、このままではニードル101の先端が理想的に液
体イオン材料7によって理想的に濡れ被われたかが不明
であるため、ニードル101の先端を観察する。観察手
段は、リザーバ102の底部からニードル101の先端
が観察できる位置に観察窓8を設置し、真空容器10外
から実体顕微鏡(図示せず)によって観察するのが最も
簡便である。この場合、真空容器10内にニードル10
1の先端近傍に光を照射するための照明器を設けてもよ
い。
【0096】このエミッタ部作成装置においては、エミ
ッタ部1のニードル101、リザーバ102の高温加熱
クリーニングを行なうことができるから、ニードル10
1、リザーバ102の表面の炭素や酸化物などのコンタ
ミネーションが焼き出され、清浄金属表面となるので、
液体イオン材料7がニードル102に良く濡れるため、
長時間連続してイオンを放出し続けることができる。ま
た、高温加熱クリーニング時の真空容器10内の真空度
を1×10~7Torr以上としているから、ニードル101
に再び残留ガスが付着することがないので、より安定し
てイオンを放出し続けることができる。なお、ニードル
101をその軸方向に微動可能にすれば、液体イオン材
料7の濡れ方を改善することができるから、さらに長時
間安定してイオンを放出することができる。
【0097】また、キャピラリタイプの注入手段4から
液体イオン材料7を流出させると、液体イオン材料7の
表面には酸化物は付着しておらず、キャピラリ160の
先端に残留する。したがって、リザーバ102内に注入
される液体イオン材料7はほぼ純金属であるので、先に
行なったエミッタ部1、少なくともニードル101、リ
ザーバ102の高温加熱クリーニングにより、リザーバ
102の壁面、ニードル101の表面は清浄面となって
おり、液体イオン材料7の注入操作によりリザーバ10
2の壁面、ニードル101の表面と良くなじみ、ニード
ル101の先端に達する。したがって、ニードル101
の先端には不純物などスラグが付着しないため、テーラ
ーコーンが安定して形成され、安定した集束イオンビー
ムを形成することができる。さらに、液体イオン材料7
がリザーバ102の外面に付着することがないから、液
体イオン材料7の余分な蒸発を抑制することができるの
で、エミッタ部1を長時間使用することができ、しかも
イオン源部材への蒸発物の付着、汚染を押さえることが
できるので、絶縁破壊や真空悪化を防止することができ
る。
【0098】また、リザーバ102の底部からニードル
101の先端が観察できる位置に観察窓8を設置してい
るから、真空容器10外から実体顕微鏡によってニード
ル101の先端を観察することができるので、エミッタ
部1の信頼性が向上する。また、真空容器10内にニー
ドル101の先端近傍に光を照射するための照明器を設
ければ、より正確にニードル101の先端を観察するこ
とができるので、エミッタ部1の信頼性がさらに向上す
る。
【0099】(実施例2)本実施例は、エミッタ部を複
数個保持でき、一度の真空引き作業で複数個のエミッタ
部を作成できる装置の実施例である。以下、図6を用い
て説明する。
【0100】本実施例では、着脱可能な回転円板700
上に60°ピッチで6個のエミッタ部1を保持させた。
なお、図6ではエミッタ部1一個が搭載されていない状
態を示している。少なくともエミッタ部1と回転円板7
00との接触面は熱的、電気的絶縁材料から構成されて
いる。この回転円板700は回転軸に取り外しできるた
め、大気中で空のエミッタ部1を回転円板700に設置
し、そのまま真空容器10に持ち込むことができる。
【0101】このような複数個のエミッタ部1に対し
て、少なくともニードル101、リザーバ102の高温
加熱クリーニング(工程I)、液体イオン材料7の注入
(工程II)、エミッタ部1の先端部での濡れ確認(工程
III)、イオン放出の確認(工程IV)が全て、途中大気
に曝すことなく、真空下で行なうことができる。
【0102】本装置は、1個の回転円板700、6個の
エミッタ部1、エミッタ部1の先端部の観察手段として
の超小型走査型電子顕微鏡703、イオン放出手段すな
わち引出電極704および放出イオン電流検出器すなわ
ちファラデカップ705から構成される。引出電極70
4はニードル101の軸と直角の方向に移動可能であ
る。用いた液体イオン材料7はGa−In共晶合金(ガ
リウムとインジウムとをそれぞれ83.5重量%、16.
5重量%で構成された合金で、融点約15.7℃)であ
る。
【0103】真空排気後、まず回転円板700上に設置
された1個のエミッタ部1に対して、同時にまたは順次
に工程Iを施す。この工程Iは実施例1で述べた電子衝
撃加熱方式を用いた。エミッタ部1について所定の加熱
温度、加熱時間を満たしたことを確認したのち、同時に
または順次に液体イオン材料7を注入する。注入量は約
50mgであった。工程Iでニードル101、リザーバ
102ともに十分焼き出されているため、液体イオン材
料7はニードル101、リザーバ102に非常に良く濡
れる。この様子は、実施例1と同様、観察窓8を介して
光学顕微鏡で観察できる。しかし、実体顕微鏡の拡大倍
率は10倍程度で、それ以上だと対物レンズからニード
ル101までの距離(ワーキング距離)を非常に短くし
なければならず、エミッタ部1や真空容器10の大きさ
などの条件から考慮して、これ以上の高倍率は期待でき
ない。
【0104】そこで、より高倍率で同時にまたは順次に
エミッタ部1の先端部を観察する(工程III)ため、本
実施例では特願平2-110116号に記載の超小型走
査型電子顕微鏡703を設置した。超小型走査型電子顕
微鏡703は、その光学系が全て静電レンズで構成され
ているため、電子銃先端から試料面までの距離が約10
cmと非常に小さいのが特徴である。さらに、この超小
型走査型電子顕微鏡703は、ワーキング距離が約2m
mであるため、エミッタ部1の観察を行なわない時には
エミッタ部1から遠ざけて固定させるために、図7に示
すように、ベローズ機構706を用いてもよい。1番目
のエミッタ部1を観察したのち、回転円板700を60
°回転させ、隣の2番目のエミッタ部1を観察し、その
後順次エミッタ部1の観察を行ない、工程I、IIを完了
した6個のエミッタ部1全てについて工程IIIを行な
う。
【0105】つぎに、工程I〜IIIを完了した6個のエ
ミッタ部1に対して独立に電圧を印加する。エミッタ電
位を接地電位とし、エミッタ部1に+5〜+6kVの高
電圧を印加することでイオンは放出し始める。この時、
引出電極704の直下に設置されたファラデーカップ7
05で放出イオン電流をモニタし、また蛍光板(図示せ
ず)上のエミッションパターンを観察用窓8を通して観
察し、その安定性をチェックすることができる。
【0106】この装置では、ニードル102の先端での
液体イオン材料7の濡れや連続性に注目しているため、
この装置でのイオン放出時間は1〜2時間で十分とし
た。これらエミッタ部1を集束イオンビーム装置に搭載
する前に、ニードル101、リザーバ102と液体イオ
ン材料7とをさらに良く馴染ませるために、別の真空容
器で100時間程度の連続運転を行なった。
【0107】このような工程を経て、1ロット6個のエ
ミッタ部1の作成を完了させた。
【0108】(実施例3)本実施例は、図8に示したよ
うに直線移動できる短冊状板710をエミッタ部1の保
持手段とし、短冊状板710に6個のエミッタ部1を搭
載する。なお、図8では一個のエミッタ部1が搭載され
ていない様子を示している。本実施例は実施例2と同
様、一回の真空引き作業で複数個のエミッタ部1を作製
することができるが、エミッタ部1を保持する保持手段
が短冊状板710であるから、固体イオン材料の投入手
段712、エミッタ観察手段713、加熱手段714が
短冊状板710に対して直角方向からアクセスできるの
で、実施例2に比べて装置の縮小化が可能となる。ま
た、このエミッタ部作成装置における短冊状板710
は、エミッタ部1を複数個有するマルチ液体金属イオン
源/集束イオンビーム装置にそのまま搭載することがで
き、一個の液体金属イオン源が寿命に達すると、イオン
源室内を大気に曝すことなく次の液体金属イオン源を動
作させることができる。
【0109】リザーバ102に供給するイオン材料の形
態は、本実施例では固体について行なった。具体的に
は、一辺がほぼ2mmの立方体形状に切り出した金(A
u)とケイ素(Si)の合金(融点約370℃)であ
る。この場合、イオン材料の投入手段712には加熱手
段を設ける必要はなく、リザーバ102、ニードル10
1の高温加熱クリーニングの後、リザーバ102に投入
し、加熱手段714にてリザーバ102内の固体イオン
材料を融解させ、ニードル101に溶融金属を付着させ
た。本実施例のように、イオン材料が固体である場合、
予め大気中でリザーバ102にイオン材料を入れてお
き、これを真空内で溶融させる方法も考えられるが、上
述のAu−Si合金のように融点(約370℃)がリザ
ーバ102の高温加熱クリーニングの加熱温度(約10
00℃)より低い場合、高温加熱クリーニング時にイオ
ン材料が熱蒸発するから、高温加熱クリーニングを十分
に行なうことができず、リザーバ102、ニードル10
1の表面洗浄化がなされない。したがって、リザーバ1
02、ニードル101の高温加熱クリーニング後に固体
イオン材料を投入しなければならない。
【0110】(実施例4)本実施例では実施例2で使用
した回転円板700と類似した円板を用いてエミッタ部
の多量作成を実施した。円板には20個の液体イオン材
料が付着していないエミッタ部を搭載し、高温加熱クリ
ーニング工程、液体イオン材料の注入工程、エミッタ部
の先端の濡れ確認、イオン放出の確認工程を施して一回
の真空排気作業で20個のエミッタ部を作成した。高温
加熱クリーニング工程、液体イオン材料の注入工程、エ
ミッタ部の先端の濡れ確認工程は実施例1、2のいずれ
かに示した方法によった。ただし、本実施例では、イオ
ン放出の確認工程においては、引出電極の下流側に中心
に円孔を有する蛍光板と、その円孔の下流側にファラデ
ーカップを設置することで、ファラデーカップによる中
心軸上のイオン電流変動、蛍光板によるエミッションパ
ターン、全放出イオン電流の変動をモニタして、エミッ
タ部の良し悪しを総合判断した。ファラデーカップから
の電流信号および全放出イオン電流信号は計算機に入力
され、かつエミッションパターンは画像情報として計算
機に取り込まれ、パターンの揺らぎ、位置変動などを記
録する。これらの項目を、全エミッタ部について次々と
自動的にモニタして総合判断した。このようなシステム
によって、従来安定イオン放出の可能なエミッタ部の作
製にあたって人間による経験的判断や長時間にわたる観
測に頼っていたが、客観的に、正確にかつ迅速に判断で
きるという利点と、人間による作業を極力少なくした点
でエミッタ部作製作業の高効率化、高信頼化が実現し
た。
【0111】また、上述のエミッタ部作製方法またはエ
ミッタ部作製装置を用いて作製されたエミッタ部1を有
する液体金属イオン源と、イオンビーム集束レンズ系
と、偏向系と、試料台と、二次電子検出器とを有する集
束イオンビーム装置を使用して、半導体素子等の局所マ
イクロ加工を行なえば、長時間安定した集束イオンビー
ムを形成することができるから、信頼性あるマイクロ加
工を行なうことができる。また、上記の集束イオンビー
ム装置を半導体素子製造のマスク修正装置、配線修正装
置もしくは試料断面切り出し装置、デバイス移植装置の
いずれかまたはこれらの複合装置、局所イオン注入装
置、イオン露光装置として使用することができ、さらに
二次イオン質量分析部を設けて、二次イオン質量分析計
として使用することができる。また、エミッタ部1を複
数個搭載した保持手段を用いるエミッタ部作製方法また
はエミッタ部作製装置を用いて作成したエミッタ部を、
保持手段とともに集束イオンビーム装置に搭載すれば、
集束イオンビーム装置内に容易にエミッタ部1を設置す
ることができるから、集束イオンビームを用いた作業を
容易に行なうことができる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るエ
ミッタ部作製方法、エミッタ部作製装置、集束イオンビ
ーム装置においては、ニードル、リザーバの表面の炭素
や酸化物などコンタミネーションが焼き出され、清浄金
属表面となり、このような清浄金属表面には多くの純粋
イオン材料は非常に良く濡れるため、長時間連続してイ
オンを放出し続けることができる。また、ニードルに酸
化物などのスラグが付着することがないから、ニードル
の先端に安定したテーラーコーンが形成されるので、イ
オンビームを安定させることができるとともに、イオン
材料がリザーバの外面に付着することがないから、イオ
ン材料の余分な蒸発を抑制することができるので、エミ
ッタ部を長時間使用することができ、しかもイオン源部
材への蒸発物の付着、汚染を押えることができるため、
絶縁破壊や真空悪化を防止することができる。
【0113】また、真空容器内に複数のエミッタ部を保
持し、複数のエミッタ部について同時にまたは順次に高
温加熱クリーニングを行なったのち、複数のエミッタ部
について同時にまたは順次にリザーバへのイオン材料の
供給を行なえば、効率よくエミッタ部を作成することが
できるから、エミッタ部の製造コストを安価にすること
ができる。
【0114】また、リザーバへのイオン材料の供給を行
なったのち、複数のエミッタ部から同時にまたは順次に
イオンを引き出せば、エミッタ部を検査することができ
るから、エミッタ部の信頼性が向上する。
【0115】また、真空容器内の走査型電子顕微鏡また
は光学顕微鏡によるニードルの先端でのイオン材料の濡
れ状態観察を行ない、エミッタ部からイオンを引き出す
引出電極を設け、引出電極の下流側にイオン電流検出
器、蛍光板および蛍光板を観察するための観察手段の少
なくとも一方を設け、エミッタ部から引き出されたイオ
ンの全放出イオン電流信号、イオン電流検出器に流入す
るイオン電流信号、蛍光板上の蛍光パターン信号変化の
うちのいずれかを検出して、エミッタ部の良し悪しを判
断すれば、エミッタ部を検査することができるから、エ
ミッタ部の信頼性が向上する。
【0116】また、保持手段を可動基板とすれば、順次
に高温加熱クリーニング、リザーバへのイオン材料の注
入を行なうことができるから、効率よくエミッタ部を作
成することができるので、エミッタ部の製造コストを安
価にすることができる。
【0117】また、可動基板に複数個のエミッタ部を設
置したまま真空容器内に着脱できるようにすれば、効率
よくエミッタ部を作成することができるので、エミッタ
部の製造コストを安価にすることができる。
【0118】また、エミッタ部からイオンを引き出す引
出電極を設ければ、エミッタ部を検査することができる
から、エミッタ部の信頼性が向上する。
【0119】また、注入手段の先端をキャピラリとすれ
ば、イオン材料の表面に酸化物が付着しないから、ニー
ドルの先端に安定したテーラーコーンが形成されるの
で、イオンビームを安定性させることができる。
【0120】また、ニードルをその軸方向に微動可能と
すれば、イオン材料の濡れ方を改善することができるか
ら、長時間安定してイオンが放出し続けることができ
る。
【0121】また、引出電極の下流側にイオン電流検出
器を設ければ、エミッタ部を検査することができるか
ら、エミッタ部の信頼性が向上する。
【0122】また、引出電極の下流側に蛍光板と蛍光板
を観察するための観察手段とを設ければ、エミッタ部を
検査することができるから、エミッタ部の信頼性が向上
する。
【0123】また、真空容器にニードルの先端を観察す
るための走査型電子顕微鏡を設ければ、エミッタ部を検
査することができるから、エミッタ部の信頼性が向上す
る。
【0124】また、真空容器内の真空度を1×10~7To
rr以上とすれば、高温加熱クリーニングを行なったとき
に、ニードルに再び残留ガスが付着することがないか
ら、より安定してイオンが放出し続けることができる。
【0125】また、引出電極に印加される電圧信号、エ
ミッタ部から放出される全放出イオン電流信号、イオン
電流検出器に流入するイオン電流信号、蛍光板上の蛍光
パターン情報のうちのいずれかを取り込む計算器を設け
れば、エミッタ部を検査することができるから、エミッ
タ部の信頼性が向上する。
【0126】また、真空容器にニードルの先端を観察す
るための窓を設ければ、エミッタ部を検査することがで
きるから、エミッタ部の信頼性が向上する。
【0127】また、真空容器内にニードルの先端近傍に
光を照射するための照明器を設ければ、エミッタ部を検
査することができるから、エミッタ部の信頼性が向上す
る。
【0128】また、エミッタ部を複数個搭載した可動基
板を用いるエミッタ部作製方法またはエミッタ部作製装
置を用いて作成したエミッタ部を、可動基板とともに搭
載すれば、集束イオンビーム装置内に容易にエミッタ部
を設置することができるから、集束イオンビームを用い
た作業を容易に行なうことができる。
【0129】このように、この発明の効果は顕著であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るエミッタ部作製装置の概略構成
を示す断面図である。
【図2】図1に示したエミッタ部作製装置のイオン放出
部を示す断面図である。
【図3】図1に示したエミッタ部作製装置の加熱手段を
示す図である。
【図4】図1に示したエミッタ部作製装置のイオン材料
の注入手段を示す断面図である。
【図5】この発明に係る他のエミッタ部作製装置のイオ
ン材料の注入手段を示す概略斜視図である。
【図6】この発明に係る他のエミッタ部作製装置の一部
を示す概略斜視図である。
【図7】図6に示したエミッタ部作製装置のエミッタ部
先端観察部を示す断面図である。
【図8】この発明に係る他のエミッタ部作製装置の一部
を示す概略斜視図である。
【図9】液体金属イオン源の基本構成を示す説明図であ
る。
【図10】エミッタ部の基本構成を示す説明図である。
【図11】従来のエミッタ部作製方法の説明図である。
【図12】従来の集束イオンビーム装置を示す概略図で
ある。
【図13】従来の他の集束イオンビーム装置を示す概略
図である。
【図14】従来のエミッタ部作製方法における問題点を
説明する図である。
【図15】従来のエミッタ部作製方法における問題点を
説明する図である。
【図16】従来のエミッタ部作製方法における問題点を
説明する図である。
【図17】従来のエミッタ部作製方法における問題点を
説明する図である。
【図18】従来のエミッタ部作製方法における問題点を
説明する図である。
【符号の説明】
1…エミッタ部 2…保持手段 3…加熱手段 4…注入手段 7…液体イオン材料 8…観察用窓 9…真空排気系 10…真空容器 101…ニードル 102…リザーバ 700…回転円板 703…超小型走査型電子顕微鏡 704…引出電極 705…ファラデカップ 710…短冊状板 712…注入手段 713…観察手段 714…加熱手段

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニードルとリザーバとを有するエミッタ部
    を作製する方法において、集束レンズ系を含まない真空
    容器内に保持された上記エミッタ部の上記ニードル、上
    記リザーバを高温加熱クリーニングしたのち、イオン材
    料を上記リザーバの上方から上記リザーバに供給するこ
    とを特徴とするエミッタ部作製方法。
  2. 【請求項2】液体イオン材料を上記リザーバに注入する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエミッタ部作製方
    法。
  3. 【請求項3】固体イオン材料を上記リザーバに投入する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエミッタ部作製方
    法。
  4. 【請求項4】上記真空容器内に複数の上記エミッタ部を
    保持し、複数の上記エミッタ部について同時にまたは順
    次に上記高温加熱クリーニングしたのち、複数の上記エ
    ミッタ部について同時にまたは順次に上記リザーバへの
    上記イオン材料の供給を行なうことを特徴とする請求項
    1から請求項3のいずれかに記載のエミッタ部作製方
    法。
  5. 【請求項5】上記リザーバへの上記イオン材料の供給を
    行なったのち、複数の上記エミッタ部から同時にまたは
    順次にイオンを引き出すことを特徴とする請求項1から
    請求項4のいずれかに記載のエミッタ部作製方法。
  6. 【請求項6】電子衝撃によって上記高温加熱クリーニン
    グを行なうことを特徴とする請求項1から請求項5のい
    ずれかに記載のエミッタ部作製方法。
  7. 【請求項7】通電抵抗加熱によって上記高温加熱クリー
    ニングを行なうことを特徴とする請求項1から5のいず
    れかに記載のエミッタ部作製方法。
  8. 【請求項8】上記真空容器内の走査型電子顕微鏡または
    光学顕微鏡による上記ニードルの先端での上記イオン材
    料の濡れ状態観察を行ない、上記エミッタ部からイオン
    を引き出す引出電極を設け、上記引出電極の下流側にイ
    オン電流検出器、蛍光板および上記蛍光板を観察するた
    めの観察手段の少なくとも一方を設け、上記エミッタ部
    から引き出されたイオンの全放出イオン電流信号、上記
    イオン電流検出器に流入するイオン電流信号、上記蛍光
    板上の蛍光パターン信号変化のうちのいずれかを検出し
    て、上記エミッタ部の良し悪しを判断することを特徴と
    する請求項1から請求項7のいずれかに記載のエミッタ
    部作製方法。
  9. 【請求項9】ニードルとリザーバとを有するエミッタ部
    を作製する方法において、集束レンズ系を含まない真空
    容器と、上記真空容器内に設けられかつ上記エミッタ部
    を保持する少なくとも1個の保持手段と、少なくとも1
    個の上記エミッタ部を高温加熱クリーニングする加熱手
    段と、イオン材料を上記リザーバの上方から上記リザー
    バに供給する供給手段とを具備することを特徴とするエ
    ミッタ部作製装置。
  10. 【請求項10】上記供給手段が液体イオン材料を上記リ
    ザーバに注ぎ込む注入手段であることを特徴とする請求
    項9に記載のエミッタ部作製装置。
  11. 【請求項11】上記供給手段が固体イオン材料を上記リ
    ザーバに投入する投入手段であることを特徴とする請求
    項9に記載のエミッタ部作製装置。
  12. 【請求項12】上記保持手段が可動基板であることを特
    徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載のエ
    ミッタ部作製装置。
  13. 【請求項13】上記可動基板が可動方向に長い短冊状板
    であることを特徴とする請求項12に記載のエミッタ部
    作製装置。
  14. 【請求項14】上記可動基板が回転円板であり、上記回
    転円板上に上記複数個のエミッタ部が上記回転円板の中
    心に対してほぼ同一半径上に配置されていることを特徴
    とする請求項12に記載のエミッタ部作製装置。
  15. 【請求項15】上記可動基板に複数個の上記エミッタ部
    を設置したまま上記真空容器内に着脱できることを特徴
    とする請求項12から請求項14のいずれかに記載のエ
    ミッタ部作製装置。
  16. 【請求項16】上記エミッタ部からイオンを引き出す引
    出電極を具備することを特徴とする請求項9から請求項
    15のいずれかに記載のエミッタ部作製装置。
  17. 【請求項17】上記加熱手段が上記エミッタ部に対して
    相対的に移動可能であることを特徴とする請求項9から
    請求項16のいずれかに記載のエミッタ部作製装置。
  18. 【請求項18】上記注入手段の先端がキャピラリである
    ことを特徴とする請求項10、請求項12から請求項1
    7のいずれかに記載のエミッタ部作製装置。
  19. 【請求項19】上記注入手段が上記液体金属の注入、停
    止を制御する制御手段を有していることを特徴とする請
    求項10、請求項12から請求項18のいずれかに記載
    のエミッタ部作製装置。
  20. 【請求項20】上記注入手段が上記エミッタ部と空間的
    に離間して設けられていることを特徴とする請求項1
    0、請求項12から請求項19のいずれかに記載のエミ
    ッタ部作製装置。
  21. 【請求項21】上記注入手段が上記エミッタ部に対し相
    対的に移動できることを特徴とする請求項20に記載の
    エミッタ部作製装置。
  22. 【請求項22】上記注入手段が上記液体イオン材料の加
    熱手段を有していることを特徴とする請求項10、請求
    項12から請求項21のいずれかに記載のエミッタ部作
    製装置。
  23. 【請求項23】上記注入手段が上記液体イオン材料を保
    持する貯蔵部および上記液体イオン材料を上記貯蔵部か
    ら流出させるための貯蔵部傾斜手段を有することを特徴
    とする請求項10、請求項12から請求項17のいずれ
    かに記載のエミッタ部作製装置。
  24. 【請求項24】上記貯蔵部傾斜手段から流出した上記液
    体イオン材料を上記エミッタ部へ導き注入させるための
    注ぎ口を設けたことを特徴とする請求項23に記載のエ
    ミッタ部作製装置。
  25. 【請求項25】上記イオン材料がAs、Au、B、Be、
    Ga、Ge、In、P、Pd、Pt、Si、Snのうちの少な
    くとも一元素であることを特徴とする請求項9から請求
    項24のいずれかに記載のエミッタ部作製装置。
  26. 【請求項26】上記ニードルがその軸方向に微動可能で
    あることを特徴とする請求項9から請求項25のいずれ
    かに記載のエミッタ部作製装置。
  27. 【請求項27】上記引出電極の下流側にイオン電流検出
    器を有することを特徴とする請求項16に記載のエミッ
    タ部作製装置。
  28. 【請求項28】上記引出電極の下流側に蛍光板と上記蛍
    光板を観察するための観察手段とを有することを特徴と
    する請求項16に記載のエミッタ部作製装置。
  29. 【請求項29】上記真空容器が上記ニードルの先端を観
    察するための走査型電子顕微鏡を有していることを特徴
    とする請求項9から請求項28のいずれかに記載のエミ
    ッタ部作製装置。
  30. 【請求項30】上記引出電極が上記ニードルの軸と直角
    の方向に移動可能であることを特徴とする請求項9から
    請求項29のいずれかに記載のエミッタ部作製装置。
  31. 【請求項31】上記真空容器内の真空度が1×10~7To
    rr以上であることを特徴とする請求項9から請求項30
    のいずれかに記載のエミッタ部作製装置。
  32. 【請求項32】上記引出電極に印加される電圧信号、上
    記エミッタ部から放出される全放出イオン電流信号、上
    記イオン電流検出器に流入するイオン電流信号、上記蛍
    光板上の蛍光パターン情報のうちのいずれかを取り込む
    計算器を有することを特徴とする請求項27または請求
    項28に記載のエミッタ部作製装置。
  33. 【請求項33】上記真空容器が上記ニードルの先端を観
    察するための窓を有していることを特徴とする請求項9
    から請求項32のいずれかに記載のエミッタ部作製装
    置。
  34. 【請求項34】上記真空容器内に上記ニードルの先端近
    傍に光を照射するための照明器を有することを特徴とす
    る請求項29または請求項33に記載のエミッタ部作製
    装置。
  35. 【請求項35】請求項1から請求項34のいずれかに記
    載されたエミッタ部作製方法またはエミッタ部作製装置
    を用いて作製された上記エミッタ部を有する液体金属イ
    オン源と、イオンビーム集束レンズ系と、偏向系と、試
    料台と、二次電子検出器とを具備することを特徴とする
    集束イオンビーム装置。
  36. 【請求項36】半導体素子等の局所マイクロ加工を行な
    うことを特徴とする請求項35に記載の集束イオンビー
    ム装置。
  37. 【請求項37】半導体素子製造のマスク修正装置、配線
    修正装置もしくは試料断面切り出し装置、デバイス移植
    装置のいずれかまたはこれらの複合装置であることを特
    徴とする請求項36に記載の集束イオンビーム装置。
  38. 【請求項38】二次イオン質量分析部を有した二次イオ
    ン質量分析計であることを特徴とする請求項35に記載
    の集束イオンビーム装置。
  39. 【請求項39】局所イオン注入装置、イオン露光装置の
    いずれかであることを特徴とする請求項35に記載の集
    束イオンビーム装置。
  40. 【請求項40】上記エミッタ部を複数個搭載した可動基
    板を用いる請求項4、請求項5、請求項12から請求項
    15のいずれかに記載されたエミッタ部作製方法または
    エミッタ部作製装置を用いて作成した上記エミッタ部
    を、上記可動基板とともに搭載することを特徴とする請
    求項35から請求項39のいずれかに記載の集束イオン
    ビーム装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010533350A (ja) * 2007-07-09 2010-10-21 オルセー フィジックス マイクロメーターサイズのイオンエミッター源
JP2015068678A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 日本電子株式会社 質量分析装置

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