JPH05128565A - 光デイスクのトラツキング制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 変化するトラッキングエラーのオフセットを
補償し、正確にトラッキングできる光ディスクのトラッ
キング制御装置の提供を目的とする。 【構成】 シーク動作時およびトラックジャンプ時、２
分割センサ１３からの２つのセンサ信号の直流成分の差
を電圧検出器１５，差動増幅器１６で求めトラッキング
エラーオフセット信号を検出し、このオフセット信号を
用いてトラッキングエラー補正器１７においてトラッキ
ングエラー信号を補正し補正後のトラッキングエラー信
号でアクチュエータを駆動してトラッキング制御を行う
構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクのトラッキ
ング制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の光ディスクのトラッキングサーボ
制御装置のブロック図を図６に示す。光ディスク装置は
光ディスク６１のトラックの直径１ミクロンほどのピッ
トに記録されたデータを再生あるいはそこに記録しなけ
ればならない。そのためにはレーザスポットをピットが
存在するトラックの振れに対して正確に追従させるよう
なトラッキングサーボ系を構成することが必要である。
一般にトラッキングサーボは次のような構成要素を持
つ。すなわち、レーザ反射光を電気信号に変換するセン
サ６３，センサの電気信号からトラッキングエラー信号
を生成する差動増幅器６４，トラッキングエラー信号に
含まれているオフセット成分を除去する演算器６５，修
正されたトラッキングエラー信号に位相進み遅れ補償等
の安定化補償を行なう補償演算器６６，トラッキングサ
ーボループの直流ゲインを調整する調整器６７，補償演
算器の出力信号に応じて光ピックアップ６２内のアクチ
ュエータを駆動するための電流を発生するパワーアンプ
６８である。

【０００３】トラッキングサーボ系はトラッキングエラ
ー信号が零になるように動作する。レーザスポットが目
標トラックに正しく追従しているときにトラッキングエ
ラーが零になることが保証されている場合は問題ない
が、次のような場合、レーザスポットが目標トラックに
正しく追従してもトラッキングエラー信号は零になら
ず、いくらかのオフセット値を持つことがある。１）レ
ーザスポットがトラックを斜めに横切って動作する場
合、２）光軸とトラッキングエラー検出センサの相対位
置が変化する場合、３）トラッキングエラー検出センサ
の取り付け位置誤差がある場合、４）ディスク面が光軸
の直交面から傾いている場合等である。これら４つの場
合、トラッキングサーボ系が正確にトラックに追従する
ことができないばかりかトラッキングが外れることもあ
る。トラッキングエラー信号に含まれているオフセット
成分を除去する演算器６５は上記の問題を解決するため
に用いられる。オフセット値は通常、試験的に検出した
トラッキングエラー信号から最適に固定された値６９と
してオフセット成分を除去する演算器６５に与えられ
る。また、４）の場合を原因とするオフセットの発生に
対し、ディスクのミラー面にレーザスポットを当て、そ
の反射光でディスクの傾きを検出しオフセットを検出す
る方法が実用化されているが、この方法では４）以外の
場合には対応できない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記のトラッキングエ
ラーのオフセット成分を除去する方法ではオフセット値
を固定された値としていた。しかし、前記１）のレーザ
スポットがトラックを斜めに横切って動作する場合で
は、トラックを横切る角度が一定でない場合はオフセッ
ト値はトラック位置によって変化する。前記２）の光軸
とトラッキングエラー検出センサの相対位置が変化する
場合も相対位置の変化量によってオフセット値が変化す
る。４）のディスク面が光軸の直交面から傾いている場
合も傾き角によってオフセット値は変化する。このよう
にオフセット成分を除去する演算器に与えるべきオフセ
ット値は刻一刻変化するため固定されたオフセット値を
用いる従来の方法では十分な補償ができないという問題
を有していた。

【０００５】本発明は上記問題を解決するもので、トラ
ッキングエラーオフセットが変化する場合においても正
確にトラッキングできる光ディスクのトラッキング制御
装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、光ディスク盤面上に光を照射する光ピッ
クアップと、光ピックアップからの光信号を電気信号に
変換する２分割センサと、２分割センサからの２つのセ
ンサ信号からトラッキングエラー信号を得るトラッキン
グエラー検出器と、シーク動作時およびトラックジャン
プ時に起こる２つの前記センサ信号の直流電圧成分を検
出する電圧検出器と、２つのセンサ信号直流電圧成分の
差からトラッキングエラーオフセットを得るオフセット
検出器と、オフセット検出器から得たトラッキングエラ
ーオフセットをトラッキングエラーから減算するトラッ
キングエラー補正器と、補正されたトラッキングエラー
信号を受けてアクチュエータ駆動信号を作り光ピックア
ップのトラッキング制御を行なうトラッキングサーボ制
御部を備える。

【０００７】

【作用】本発明は上記した構成によって、トラッキング
制御時においてトラッキングエラーのオフセットがトラ
ック位置において変化する場合でも正確なトラッキング
サーボ動作を行なう。

【０００８】

【実施例】

（実施例１）以下、本発明の第１の実施例について述べ
る。図１はトラッキングエラーオフセット検出器周辺の
ブロック図であり、図２は各部の動作波形を示す。

【０００９】光ピックアップ１２は光ディスク１１のト
ラックのピットにレーザ光を照射する。光ディスクから
のレーザ反射光を２分割したホトダイオードからなる２
分割センサ１３によって電気信号に変換する。そして差
動増幅器１４は２分割センサ１３からの２つのセンサ信
号１ａ，１ｂ信号の差をとりトラッキングエラー信号を
生成する。通常オフセットがない場合、シーク動作時お
よびトラックジャンプ動作時の２つのセンサ信号１ａ，
１ｂは、同じ量の直流電圧成分を持つ逆位相の正弦波と
なり、差動増幅器１４から得られる補正前トラッキング
エラー信号は１ｃのような直流成分が零の正弦波とな
る。しかし前記１）〜４）のような要因が生じた場合、
センサ信号はそれぞれＶａ，Ｖｂの異なった量の直流電
圧成分を持つ逆位相の正弦波となり、差動増幅器１４か
ら得られる補正前トラッキングエラー信号は直流電圧成
分Ｖｃのオフセットを持った正弦波となる。そこでセン
サ信号１ａ，１ｂの直流電圧成分または低周波ＡＣ成分
Ｖａ，Ｖｂを電圧検出器１５によって得る。ここでの電
圧検出器１５による検出方法を図３，図４に示す。シー
ク動作時およびトラックジャンプ動作時、微分器３１は
センサ信号１ａの微分波形３ａを生成する。さらに３２
が積分器の場合は前記微分波形３ａの積分波形３ｂを得
る。また３２が微分器の場合は前記微分波形３ａの微分
波形３ｂ′を得る。タイミング信号発生器３３は前記波
形３ｂ，３ｂ′の零クロス点でタイミング信号３ｃを生
成しサンプルホールド回路３４を動作させる。サンプル
ホールド回路３４はタイミング信号３ｃをトリガとして
センサ信号１ａをホールドし直流電圧成分Ｖａを検出す
る。またセンサ信号１ｂに対しても同様の構成によって
直流電圧成分Ｖｂを検出する。

【００１０】そして、この直流電圧Ｖａ，Ｖｂの差を差
動増幅器１６によって得てトラッキングエラーオフセッ
トＶｃを検出する。このトラッキングエラーオフセット
Ｖｃと補正前トラッキングエラー信号１ｃの差をトラッ
キングエラー補正器１７によってとり、トラッキングエ
ラーオフセットＶｃが零のトラッキングエラー信号１ｄ
を得る。それから補償演算器によってトラッキングエラ
ー信号１ｄに位相進み遅れ補償等の安定化補償を行な
い、トラッキングサーボループの直流ゲインを調整し、
補償演算器の出力信号に応じてアクチュエータを駆動
し、レーザスポットが目標トラックに正しく追従するよ
うに働く。

【００１１】このように本発明の第１の実施例によれ
ば、電圧検出器１５と差動増幅器１６を用いてオフセッ
トを求め、トラッキングエラー補正器１７においてオフ
セットを含むトラッキングエラー信号からオフセットを
除去しているので、正確なトラッキングサーボ動作が得
られる。

【００１２】（実施例２）第２の実施例として図５に示
すように差動増幅器５１は２つの前記センサ信号１ａ，
１ｂの差から補正前トラッキングエラー信号を得る。そ
して前記補正前トラッキングエラーの直流電圧成分また
は低周波ＡＣ成分を電圧検出器５２によって検出し、前
記直流電圧成分または低周波ＡＣ成分と前記補正前トラ
ッキングエラー信号の差をトラッキングエラー補正器５
３によって求め、トラッキングエラーオフセットを補償
したトラッキングエラー信号を得る。それから補償演算
器によってトラッキングエラー信号に位相進み遅れ補償
等の安定化補償を行ない、トラッキングサーボループの
直流ゲインを調整し、補償演算器の出力信号に応じてア
クチュエータを駆動し、レーザスポットが目標トラック
に正しく追従するように働く。

【００１３】このように本発明の第２の実施例によれ
ば、オフセットを電圧検出器５２で求め、トラッキング
補正器５３においてオフセットを含むトラッキングエラ
ー信号からオフセットを除去しているので、正確なトラ
ッキングサーボ動作が得られる。

【００１４】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
の光ディスクのトラッキング制御装置によれば、データ
信号の読み取り書き込みの際のＳＮ比が向上し、ピック
アップのレンズ，プリズム等に要求される高い位置精度
と工作精度を緩和し、コストを軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ディスクのトラッキング制御装置の
第１の実施例のトラッキングエラーオフセット検出器検
出器周辺のブロック図

【図２】図１の各部の動作波形

【図３】図１の電圧検出器周辺のブロック図

【図４】図３の各部の動作波形

【図５】本発明の第２の実施例のトラッキングエラーオ
フセット検出器周辺のブロック図

【図６】従来の光ディスクのトラッキングサーボ制御装
置のブロック図

【符号の説明】

１２ 光ピックアップ １３ ２分割センサ １４ 差動増幅器 １５ 電圧検出器 １６ 差動増幅器 １７ トラッキングエラー補正器 ３１ 微分器 ３２ 積分器または微分器 ３３ タイミング信号発生器 ３４ サンプルホールド回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末永 清幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 藤島 俊博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスク盤面上に光を照射する光ピッ
   クアップと、前記光ピックアップからの光信号を電気信
   号に変換する２分割センサと、前記２分割センサからの
   ２つのセンサ信号からトラッキングエラー信号を得るト
   ラッキングエラー検出器と、シーク動作時およびトラッ
   クジャンプ時にトラッキングエラーオフセットを得るト
   ラッキングエラーオフセット検出器と、前記トラッキン
   グエラーオフセットを前記トラッキングエラーから減算
   するトラッキングエラー補正器と、前記トラッキングエ
   ラー補正器からの補正されたトラッキングエラー信号を
   受けてアクチュエータ駆動信号を作り前記光ピックアッ
   プのトラッキング制御を行なうトラッキングサーボ制御
   部を備えた光ディスクのトラッキング制御装置。
2. 【請求項２】 トラッキングエラーオフセット検出器
   は、シーク動作時およびトラックジャンプ時に２つの前
   記センサ信号の直流電圧成分または低周波成分を検出す
   る電圧検出器と、２つの前記センサ信号の直流電圧成分
   または低周波成分の差をとる電圧差動器を備えた請求項
   １記載の光ディスクのトラッキング制御装置。
3. 【請求項３】 トラッキングエラーオフセット検出器
   は、シーク動作時およびトラックジャンプ時に前記トラ
   ッキングエラー検出器によって得られるエラー信号の直
   流電圧成分または低周波成分を検出する電圧検出器と、
   前記差信号から前記電圧検出器から得た直流電圧成分ま
   たは低周波ＡＣ成分を減算する電圧差動器を備えた請求
   項１記載の光ディスクのトラッキング制御装置。
4. 【請求項４】 電圧検出器はシーク動作時およびトラッ
   クジャンプ時、前記センサ信号または前記エラー信号の
   微分波形を得る微分器と、前記微分波形の積分波形を得
   る積分器または微分波形を得る微分器と、前記積分波形
   あるいは微分波形の零クロス点からサンプルホールドの
   タイミング信号を得るタイミング信号発生器と、前記タ
   イミング信号によって前記センサ信号の電圧成分をホー
   ルドするサンプルホールド回路を備えた請求項２または
   ３記載の光ディスクのトラッキング制御装置。