JPH05125994A - ロケツト用レストリクタ材 - Google Patents

ロケツト用レストリクタ材

Info

Publication number
JPH05125994A
JPH05125994A JP28795691A JP28795691A JPH05125994A JP H05125994 A JPH05125994 A JP H05125994A JP 28795691 A JP28795691 A JP 28795691A JP 28795691 A JP28795691 A JP 28795691A JP H05125994 A JPH05125994 A JP H05125994A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
restrictor
fiber
fibers
heat
combustion gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28795691A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Narui
洋二 成井
Hideki Machida
秀樹 町田
Arao Umeda
荒夫 梅田
Katsuyoshi Fujiwara
勝良 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
NOF Corp
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Nippon Oil and Fats Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd, Nippon Oil and Fats Co Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP28795691A priority Critical patent/JPH05125994A/ja
Publication of JPH05125994A publication Critical patent/JPH05125994A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 レストリクタのゴム基材中に長さ10mm以下の
耐熱性繊維を1vol を越え、40 vol%未満配合し、繊維
の配向方向が燃焼ガスの流れ方向と平行である繊維配向
率をHx、燃焼ガスの流れ方向と直角である繊維配向率を
Hy、燃焼ガスの流れ方向と垂直(ゴムの厚さ方向)であ
る繊維配向率をHzとしたとき、Hz>Hxで且つHz>Hyであ
ることを特徴とするロケット用レストリクタ材。 【効果】 耐熱性繊維がゴム基材中に厚さ方向に主配向
されていることにより、耐アブレーション性が向上し、
伸びが大きい為加工性に優れ、また、耐アブレーション
性が優れていることから配合繊維量を少なくすることが
でき、軽量化等が大幅に改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性及び加工性に優
れ、且つ断熱性に富んだロケットモータ用レストリクタ
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に固体ロケットモータは、図2に示
すようにモータケース1、レストリクタ2、及び推進薬
3から成っている。
【0003】ロケット用レストリクタ、特に固体ロケッ
ト推進薬用レストリクタは、固体推進薬グレインの表面
を覆い、ロケットモータを保護しつつ、推進薬の燃焼形
態を保持する機能を有する。また、固体推進薬は、各種
要求性能に応じて様々な燃焼形態を有し、例えば、長時
間推進力が必要な場合には端面燃焼形態を、短時間に大
きな推力が必要な場合は内面燃焼形態を採る。また、そ
れ以外にも所要に応じて内端面燃焼、全面燃焼形態も採
用される場合がある。その際に、推進薬の高温の燃焼ガ
スに対してモータケースを保護するために使用され、且
つ推進薬面を被覆して燃焼形態を確保することがレスト
リクタの役割である。
【0004】レストリクタとして要求される要件は、
(1) 耐熱性に優れていること、(2) 推進薬と強靭に接着
すること、(3) 燃焼中、発生する煙の少ないこと、(4)
推進薬に対して化学的に安定なこと、(5) 低比重で機械
的強度の優れていること、(5)加工性に優れているこ
と、(6) 原材料の入手、価格及び公害面の心配のないこ
と等である。
【0005】この中でも特に重要であるのは、耐熱性即
ち耐アブレーション性に優れていることである。耐アブ
レーション性とは、レストリクタが推進薬の高温(一般
的な推進薬では2000〜3500°K)高速の燃焼ガス流にあぶ
られた際のエロージョンの程度を示すことである。耐ア
ブレーション性が悪いと、推進薬燃焼中に推進薬外面を
保護するレストリクタが消失して、その燃焼形態を確保
できなくなる。燃焼形態が確保できなくなると、燃焼面
積の増加によるモータケース内圧力の増加により、モー
タケースが破裂する危険性がある。また、モータケース
内面を保護するレストリクタの消失により、高温の燃焼
ガスが直接モータケースに当り、モータケースを燃焼ガ
スに対して保護できなくなる。
【0006】従来、レストリクタとしては、耐アブレー
ション性向上用にアスベストを含むエラストマーが使用
されてきた。然し、公害問題の為、アスベストの使用が
制限され、将来的には使用が困難である。この為、各種
耐熱性繊維、特にアラミド繊維を用いたロケット用レス
トリクタが開発されてきた。このようなレストリクタと
しては、アラミド繊維をシート化し、そこに耐熱性のゴ
ムを被覆しロケット用レストリクタとして使用するもの
(特開平2-33457 号公報) 又は加工性を改善するべくEP
DM(エチレン‐プロピレン‐ジエン3元共重合体ゴム)
にNR(天然ゴム)及びNBR (アクリロニトリル‐ブタジ
エンゴム)を配合してベースゴムとし、そこにアラミド
繊維を多量(ゴム100 重量部に対して90〜120 重量部配
合) に配合したもの(特開平3-21596 号公報) が知られ
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、このよう
な従来のロケット推進薬用レストリクタ材では、次のよ
うな問題点がある。アラミド繊維をシート化しゴムを被
覆したものは、繊維とゴムとが均一になっていない為、
耐アブレーション性が部位により異なり、相対的に耐ア
ブレーション性が劣り、且つアラミド繊維のシートを基
材としている為、伸びがなく加工性が悪くなる欠点があ
った。また、ベースゴムに加工性の優れた他のゴム、例
えばNR、NBR 等を配合し、繊維を混入することは、耐ア
ブレーション性能の低下を招き、また繊維の配合量が多
くなることにより密度が高くなる欠点があった。また、
このように、高弾性、高強力繊維であるアラミド繊維を
レストリクタ材に使用する場合、繊維の剛性が高い為ゴ
ムが固くなり、加工性が著しく悪くなる欠点があった。
この為、繊維を多量に配合できないばかりでなく、ゴム
中の気泡及び亀裂等の発生原因ともなっていた。また、
短繊維の分散の如何により、部位のアブレーション性
能、物性も変化することから、短繊維の分散性即ち加工
性が極めて重要な問題となっている。
【0008】本発明の目的は、従来の欠点と問題点であ
る耐アブレーション性と加工性の両者を改良したロケッ
ト用レストリクタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱性繊維を
レストリクタ基材中に配合して成るロケット用レストリ
クタ材において、繊維の配向方向が燃焼ガスの流れ方向
と平行である繊維配向率をHx、燃焼ガスと直角である繊
維配向率をHy、燃焼ガスの流れ方向と垂直である繊維配
向率をHzとしたとき、Hz>Hxで且つHz>Hyであり、耐熱
性繊維を1容量%を越え、40容量%未満配合して成るこ
とを特徴とするロケット用レストリクタ材である。本発
明のロケット用レストリクタ材をロケットモータに装着
した時の断面図を図1に示す。図1においてレストリク
タ2はモータケース1に装着され、レストリクタ2中に
は耐熱性繊維4が燃焼ガスの流れ方向と垂直に配向し、
推進薬3が注型されている。なお、レストリクタ材と
は、従来インシュレーション、インシュレータ、インヒ
ビタ、又は燃焼抑制材と呼ばれるもののすべてを含む意
味である。
【0010】本発明において「Hz>Hxで且つHz>Hyであ
る」とは、ロケットモータにレストリクタ材を装着した
とき、HzがHx、Hyを越えるものである。即ち、Hzが34%
以上、好ましくは40%以上のものを云う。繊維主配向率
がHz<Hxで且つHz<Hyとなると、耐アブレーション性が
悪くなるばかりでなく、伸びが小さくなることから、加
工性も悪くなる。耐熱性繊維の各配向率は、短繊維が燃
焼ガスに対して、レストリクタシート平面方向で平行方
向(X方向)に配向している配向率をHx、平面方向で直
角方向(Y方向)に配向している配向率をHy、シート厚
み方向(Z方向)で垂直に配向している配向率をHzとす
る。本発明の耐熱性繊維の配向方向を図3に示す。
【0011】ここで、配向の割合は、例えば次の方法に
より確認することができる。まず、厚みが5mm以下の場
合はシートはそのまま、厚みが5mm以上の場合は5mm以
下にスライスしてから、径が30mmの打抜機にて打ち抜
く。打ち抜いた試料の長手方向と幅方向に線を引き、長
さを測定する。試料の長さ方向、幅方向の線上の端から
それぞれ5mmの位置に印を書き込み、厚さを測定する。
打ち抜いた試料の中心に1mm程度の穴を開け、針金を通
す。ゴムが膨潤し易い溶剤を容器に入れ、試料の付いた
針金を容器に試料が溶剤に完全に浸るように吊す。室温
で3日から7日浸漬し、線を引いた部分の長さと印を付
けた部分の厚さを測定する。長手方向をX方向、幅方向
をY方向、厚み方向をZ方向とし、膨潤の長さ(厚さ)
変化率として、変化率=〔膨潤後の長さ〕/〔膨潤前の
長さ〕−1とする。X,Y,Z方向の膨潤率は、AX=
〔X方向の変化率〕,AY=〔Y方向の変化率〕,AZ=
〔Z方向の変化率の平均値〕として表す。X,Y,Z方
向の配向率は、次の様にして求められる。 X方向の配向率(Hx)=(1/AX) /(1/AX+1/AY+1/AZ) Y方向の配向率(Hy)=(1/AY) /(1/AX+1/AY+1/AZ) Z方向の配向率(Hz)=(1/AZ) /(1/AX+1/AY+1/AZ) 以上の様にして、各方向の配向率が求められる。
【0012】本発明で用いる耐熱性繊維としては、250
℃で長時間耐える繊維で、例えばケブラー、ノーメック
ス(デュポン社製)、トワロン(エンカ社製)、テクノ
ーラ、コーネックス(帝人社製)、フェノール繊維(商
品名カイノール、日本カイノール社製)等の有機繊維、
炭素繊維(商品名トレカMLD-30、東レ社製) 、ガラス繊
維(日本ガラス社製)、チラノ繊維(宇部興産社製)等
の無機繊維があり、好ましくはケブラー、ノーメック
ス、トワロン、テクノーラ、コーネックス、チラノ繊維
である。
【0013】また、その繊維長は10mm以下、望ましくは
0.5 〜6mmである。短か過ぎると耐アブレーション性が
低下し、長過ぎると加工性の面で問題が生ずる。また、
レストリクタ基材中への配合割合は、推進薬の種類、燃
焼形態等により適時選択されるが、通常1容量%を越え
40容量%未満であり、好ましくは10〜20容量%である。
本発明に用いるレストリクタの基材としてのベースゴム
は、特に限定されるものではなく、従来から使用されて
いるベースゴムであり、NR、SBR (スチレン‐ブタジエ
ンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IR(イソプレンゴ
ム)、IIR (ブチルゴム)、NBR 、EPM (エチレン‐プ
ロピレンゴム)、EPDM、CSM (クロロスルフォン化ポリ
エチレンゴム)、H-NBR (水素化ニトリルゴム)、アク
リルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、Cl-EPM(塩素
化EPM)、EPDM/シリコーンゴム複合物又はシリコーン変
性EPDM(商品名、SEP 信越化学社製、JENIX 日本合成ゴ
ム社製) 等のゴムが使用でき、不飽和結合の少ないもの
が主として用いられる。
【0014】本発明は以上の成分の他に、一般にゴムに
使用されるステアリン酸、亜鉛華、及び難燃剤等の配合
薬品が通常通り配合でき、配合に当り何ら制約をうける
ものではない。
【0015】
【作用】通常、レストリクタが推進薬の高温の燃焼ガス
にあぶられると、表面が熱分解して炭化層を形成し、そ
の炭化層が表面を覆い熱を遮断して推進薬の燃焼形態を
確保し、モータケース等を熱より守る。然し、その炭化
層が高流速の燃焼ガスにより吹き飛んでしまうと、新し
いレストリクタ面が露出し、燃焼ガスによりさらに熱分
解が進み、最終的には消失してしまう。これに対し、本
発明のレストリクタ材では、耐熱性の繊維を配合した
為、炭化層が保持され、さらに耐熱性が向上する。ま
た、燃焼ガスと繊維の配向方向により耐アブレーション
性が変化することを考慮して、燃焼ガスとの関係におい
てZ方向に主配向させた為、耐アブレーション性が向上
する。これは、繊維がゴムの厚さ方向にあり、熱分解し
ていないゴム部分に長く埋設していることから、繊維が
抜けて炭化層が吹き飛ぶことがなくなることによる。
【0016】物性、特に長手方向モジュラスや破断伸び
は、加工性に大きく影響する。これは、例えば先のすぼ
まったレストリクタを加硫成型した場合、モジュラスが
高いと金型から取り出せず、また破断伸びが小さいと亀
裂が入ってしまう。一方、ゴムに短繊維を配合し、一方
向に配向させた場合、繊維の配向方向にはモジュラスが
著しく大きくなり、破断伸びが小さくなる。然し、繊維
の配向方向と直角及び垂直方向にはモジュラスと破断伸
びは殆ど影響を受けない。本発明のレストリクタでは、
繊維がZ方向に主配向している為、モジュラスが低く、
破断伸びが大きくなる。即ち加工性が著しく向上する。
一方、インシュレーションとしてロケットモータに未加
硫の状態で施工する場合においても、ゴム同士を張り付
ける際に、間に気泡等が混入せずに施工を行い易い。
【0017】本発明に用いるレストリクタは、例えば次
のように製造する。弾性体シート内に短繊維群をシート
長手方向に配向埋設せしめた(カレンダーロールにて圧
延する等公知の方法で製作できる)シートを、シート幅
方向にシート面に対して直角に裁断して帯状小片群を形
成し、帯状小片の裁断面をそれぞれ上下両面に位置せし
めて、隣接する帯状小片の側面同志を接合させて成る未
加硫ゴムシートを素材とし、レストリクタ金型に成形装
着した後、加圧、加熱を行なって製造することができ
る。
【0018】前述のようにして製造されるレストリクタ
は、例えば予め推進薬形状に加硫成形したレストリクタ
に、推進薬スラリーを注型して所定の燃焼形態になるよ
うにして、固体ロケット推進薬が製造される。本発明の
レストリクタ材は、高流速での耐アブレーション性に優
れていることから、ラムジェット、ダクテッドロケット
等の2次燃焼室のインシュレーション材としても有用で
ある。
【0019】本発明で対象とする固体ロケット推進薬
は、ダブルベース推進薬、コンポジットモディファイド
ダブルベース推進薬、コンポジットダブルベース推進
薬、コンポジット推進薬等従来から知られているもの総
てを包含する。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例につき更に詳細に説明す
る。以下の実施例に用いた配合を表1に示す。実施例1 EPDM(商品名EPT-3045、三井石油化学社製) 75重量部と
NR25重量部にステアリン酸、酸化亜鉛、難燃剤、カーボ
ンブラック、プロセスオイル、老化防止剤、加硫剤等を
配合したゴムをマトリックスゴムとし、耐熱性繊維であ
るケブラー293mmカット品(Du Pont社製) を10容量%に
なるように配合して、KOBE-FARREL BR型バンバリーミキ
サー(容量1.7l、神戸製鋼社製) で混練し、次のような
方法でレストリクタを製作した。シート長手方向にケブ
ラー短繊維を配向埋設せしめたシートを、シート幅方向
にシート面に対して垂直方向に裁断して帯状小片群を形
成し、帯状小片の裁断面をそれぞれ上下両面に位置せし
めて隣接する帯状小片の側面同士を接合させて成る未加
硫ゴムシートを素材とし、レストリクタ金型に成形装着
した後、加圧(10kgf/cm2)加熱(160℃) を30分間行なっ
てレストリクタ材を作成した。以上のようにして製造し
たレストリクタを用いて、下記の方法で耐アブレーショ
ン性試験、短繊維の分散度、亀裂、物性の測定を行なっ
た。 (耐アブレーション性試験)耐アブレーション性試験
は、図4に示すようなアブレーション測定モーター5を
使用し、アブレーションレートを測定し、ダブルベース
系推進薬(一般的なダブルベース推進薬)を用いて、ガ
ス流速50m/sec における実施例1の結果を100として各
試料のアブレーションレートの比を示している。従っ
て、値の小さい方が耐アブレーション性が良く、レスト
リクタとした場合に吹き飛び難いことを示す。 (物性試験)物性試験は、JIS K6301 に準じシート長手
方向における引張特性の測定を行なった。 (短繊維の分散度)短繊維の分散度は、目視によりφ1
mm以上の短繊維の未分散塊の多さで判定した。 (亀裂)シートを軟X線写真で撮り、亀裂の状態を目視
にて判定した。それぞれの試験結果、測定結果を表2〜
表3に示す。
【0021】比較例1 ケブラー短繊維の主配向をX方向(ケブラー短繊維をゴ
ム中に厚さ方向と平行であり、かつ燃焼ガスと平行な方
向)とした以外は、実施例1に準じてレストリクタを製
造し、それを用いて実施例1と同様な試験を行なった。
【0022】実施例2〜13、比較例2〜8 以下、実施例1、比較例1に準じて表2の様にレストリ
クタを製造し、実施例1、比較例1と同様な試験を行な
った。
【0023】実施例14 実施例1と同じレストリクタを製造し、コンポジット推
進薬を用いて耐アブレーション性をアブレーション測定
モータ5を使用して測定した。 (耐アブレーション性試験)コンポジット推進薬(一般
的なHTPB系推進薬) における耐アブレーション性につい
て、アブレーション測定モータ5を使用して測定し、実
施例15の結果を100として各試料のアブレーションレー
トの比を示している。
【0024】比較例9 以下、実施例14に準じて表3の様にレストリクタを製造
し、実施例14と同様な試験を行なった。それぞれの試験
結果と測定結果を表4に示す。
【0025】実施例15 実施例1と同じレストリクタを製造し、高流速における
耐アブレーション性を図5に示すアブレーション測定モ
ータ9を使用して測定した。 (耐アブレーション性試験)高流速における耐アブレー
ション性を図5に示すアブレーション測定モータ2を使
用して測定した。実施例1における結果を100 として各
試料のアブレーションレートの比を示している。
【0026】比較例10 以下、実施例15に準じて表4の様にレストリクタを製造
し、実施例15と同様な試験を行なった。それぞれの試験
結果、測定結果を表5に示す。
【0027】
【表1】 表1は、実施例に用いた配合を示す。
【0028】
【表2】
【表3】 表2と表3は、実施例の評価結果を示す。
【0029】
【表4】
【表5】 表4と表5は、実施例の評価結果を示す。
【0030】実施例1、比較例1、比較例2から判る通
り、耐熱性繊維をZ方向に主配向したレストリクタは耐
アブレーション性が極めて優れていることが認められる
が、適量以上に耐熱性繊維を増量しても短繊維の分散が
悪くなる為、耐アブレーション性は向上せず、逆にやや
悪くなる方向になる。
【0031】実施例1、実施例2、実施例3、比較例
3、比較例4から判る通り、耐熱性繊維をZ方向に主配
向させた場合にも、短繊維の量が少な過ぎると耐アブレ
ーション性に対する効果は得られず、短繊維の量が多過
ぎると短繊維の分散が悪くなり、シートに亀裂が生じ、
結果として耐アブレーション性を悪くする。従って、耐
熱性短繊維の配合量は1容量%を越え40容量%未満が良
い。
【0032】実施例1、実施例5、実施例6、実施例
7、比較例5、比較例1から判る通り、耐アブレーショ
ン性は、短繊維の配向はX方向(平面方向)に主配向し
ているものとランダム配向が悪く、Z方向に主配向して
いるものが優れた結果となる。また、Z方向の配向率
は、配合率が大きいものほど耐アブレーション性が優
れ、平面方向よりも少しでもZ方向に主配向したもの
は、従来のランダム配向や平面方向に主配向したものよ
り著しく優れ、レストリクタとして優れたものができ
る。
【0033】実施例8と比較例6、実施例9と比較例
7、実施例10と比較例8で判る通り、耐熱性繊維の種類
はケブラーに限らず、種々の有機繊維、無機繊維、ま
た、炭素繊維でも、厚み方向における効果は適用でき
る。実施例4、実施例11、実施例12、実施例13から判る
通り、ベースポリマーはEPDMだけでなく、シリコーンゴ
ム、CR、H-NBR 等のあらゆるポリマーに適用可能であ
る。
【0034】実施例14、比較例9から判る通り、コンポ
ジット推進薬を使用した場合にも、耐アブレーション性
はZ方向に主配向したものが優れている。
【0035】実施例15、比較例10から判る通り、高流速
における耐アブレーション性も、Z方向に主配向したも
のが優れている。
【0036】また、上記実施例、比較例から明らかなよ
うに、短繊維の配合量を増量するとシートのモジュラス
が高くなり、加工が困難になるだけでなく、破断伸び(E
B)が小さくなり、複雑な形状のレストリクタが製造でき
なくなる。然し、Z方向に主配向したものであれば、短
繊維が比較的小量で使用でき、短繊維を増量してもモジ
ュラスの増大が少なく、破断伸びの低下も少ない為、加
工に対しても極めて優れたレストリクタが得られる。
【0037】
【発明の効果】本発明のロケット用レストリクタ材は、
耐熱性の繊維を配合している為、炭化層を保持し、さら
に耐熱性が向上する。また、繊維をゴム中でZ方向に主
配向させることにより、熱分解していないゴム部分に長
く埋設し、繊維が抜けて炭化層が吹き飛ぶことがなくな
る。従って、耐アブレーション性が向上する。また、ゴ
ムに短繊維を配合し、一方向に配向させた場合、繊維の
配向方向にはモジュラスが著しく大きくなり破断伸びが
小さくなるが、繊維の配向方向と直角及び垂直方向には
モジュラスと破断伸びは殆ど影響を受けない。従って、
本発明のロケット用レストリクタ材は、繊維がZ方向に
主配向している為、モジュラスが低く、破断伸びが大き
くなる。即ち、加工性に優れ、また、物性の向上とそれ
に伴う大幅な軽量化が達成される。
【0038】以上、詳細に説明した通り、本発明のレス
トリクタ材は、耐熱性繊維をZ方向に主配向することに
より、耐熱性、物性に優れ、ロケット用レストリクタ材
として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐熱性繊維の配向の説明図であ
る。
【図2】ロケットモータの説明図である。
【図3】耐熱性繊維の配向方向の説明図である。
【図4】アブレーション測定モータ9の説明図である。
【図5】アブレーション測定モータ5の説明図である。
【符号の説明】
1 モータケース 2 レストリクタ 3 推進薬 4 耐熱性繊維 5,9 アブレーション測定モータ 6 イグナイタ 7 ノズル 8 圧力取り出し口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 勝良 大阪府和泉市池田下町1844

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性繊維をレストリクタ基材中に配合
    して成るロケット用レストリクタ材において、繊維の配
    向方向が燃焼ガスの流れ方向と平行である繊維配向率を
    Hx、燃焼ガスの流れ方向と直角である繊維配向率をHy、
    燃焼ガスの流れ方向と垂直である繊維配向率をHzとした
    とき、Hz>Hxで且つHz>Hyであり、耐熱性繊維を1容量
    %を越え、40容量%未満配合して成ることを特徴とする
    ロケット用レストリクタ材。
JP28795691A 1991-11-01 1991-11-01 ロケツト用レストリクタ材 Pending JPH05125994A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28795691A JPH05125994A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 ロケツト用レストリクタ材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28795691A JPH05125994A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 ロケツト用レストリクタ材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05125994A true JPH05125994A (ja) 1993-05-21

Family

ID=17723924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28795691A Pending JPH05125994A (ja) 1991-11-01 1991-11-01 ロケツト用レストリクタ材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05125994A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006096800A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Ihi Aerospace Co Ltd インシュレーション材
JP2006095733A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Ihi Aerospace Co Ltd インシュレーション用多層シート材
JP2006111750A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Ihi Aerospace Co Ltd インシュレーション材及びその製造方法
EP2439394A1 (en) * 2010-10-11 2012-04-11 Nammo Raufoss AS Improved thermal insulation of rocket engines
JP2018100613A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 日油株式会社 隔膜、及びそれを用いたマルチパルスロケットモータ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006096800A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Ihi Aerospace Co Ltd インシュレーション材
JP2006095733A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Ihi Aerospace Co Ltd インシュレーション用多層シート材
JP2006111750A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Ihi Aerospace Co Ltd インシュレーション材及びその製造方法
JP4587767B2 (ja) * 2004-10-15 2010-11-24 株式会社Ihiエアロスペース インシュレーション材及びその製造方法
EP2439394A1 (en) * 2010-10-11 2012-04-11 Nammo Raufoss AS Improved thermal insulation of rocket engines
WO2012049150A1 (en) * 2010-10-11 2012-04-19 Nammo Raufoss As Improved thermal insulation of rocket engines
JP2018100613A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 日油株式会社 隔膜、及びそれを用いたマルチパルスロケットモータ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4492779A (en) Aramid polymer and powder filler reinforced elastomeric composition for use as a rocket motor insulation
US3347047A (en) Elastomeric composition for use as rocket insulation
US7968620B2 (en) Rocket motors incorporating basalt fiber and nanoclay compositions and methods of insulating a rocket motor with the same
US4956397A (en) Insulating liner for solid rocket motor containing vulcanizable elastomer and a bond promoter which is a novolac epoxy or a resole treated cellulose
JP2002535812A (ja) 新規なepdmロケットモーター絶縁物
US7070705B2 (en) Fiber-reinforced rocket motor insulation
JPH05125994A (ja) ロケツト用レストリクタ材
US20070112091A1 (en) Low density rocket motor insulation
JP4490860B2 (ja) 目地材及びガスケット
JP4587767B2 (ja) インシュレーション材及びその製造方法
US3421970A (en) Elastomeric composition containing chromic oxide for use as rocket insulation
JP2020012043A (ja) インシュレーション材及びその製造方法
US7358314B2 (en) Polybenzoxazole-filled nitrile butadiene rubber compositions
US3562304A (en) Ablative composition of matter
Andrianov et al. Experimental study of the insulating effectiveness of silicone rubber composites by oxyacetylene ablation testing
JP2506448B2 (ja) ロケットモ―タケ―ス用インシュレ―ション材
JP2006096800A (ja) インシュレーション材
CN111320822A (zh) 一种橡胶热防护材料及其制备方法
JPH06345967A (ja) 耐熱材
US20040229989A1 (en) Elastomeric insulating composition for a solid propellant rocket motor
Mosa et al. Study the effect of different fillers on the performance of ethylene propylene diene monomer rubber‐based thermal shielding materials
JPH05106509A (ja) ロケツトエンジンのレストリクター組成物
JPH0233457A (ja) ロケットモータケース用インシュレーション材
AU689525B2 (en) Elastomeric compositions
JPH11181151A (ja) ゴム組成物