JPH05125993A - ジエツトエンジンの二次元推力変向ノズル - Google Patents

ジエツトエンジンの二次元推力変向ノズル

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JPH05125993A
JPH05125993A JP31318791A JP31318791A JPH05125993A JP H05125993 A JPH05125993 A JP H05125993A JP 31318791 A JP31318791 A JP 31318791A JP 31318791 A JP31318791 A JP 31318791A JP H05125993 A JPH05125993 A JP H05125993A
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JP
Japan
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flap
movable
bellows
pressure
side plate
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JP31318791A
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English (en)
Inventor
Takeshi Jinnai
毅 陣内
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Eagle Ii G & G Earosupeesu Kk
Original Assignee
Eagle Ii G & G Earosupeesu Kk
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 推力を得るための燃焼ガスが排出の方向以外
へ大量に漏れるのを長期間確実に防止する構造とする。 【構成】 側板20,20をノズル本体10に対して非
固定とし、この側板20,20の可動フラップ30と反
対側の面に、一端が固定され内部に圧力が導入されたベ
ローズ40の自由端を封着し、側板20の対向面21と
可動フラップ30の左右両端面を接触させる。また、こ
の場合、ベローズ40内に導入する圧力は、エンジン内
部で発生した圧縮機内圧力もしくは排気圧力とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機のジェットエン
ジンの推力ノズルであって、とくに、推力の方向を二次
元方向に可変とした推力変向ノズルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、航空機のジェットエンジンには、
図5に概略構造を示すような二次元推力変向ノズルが採
用されているものがある。
【0003】二次元推力変向ノズルは、ジェットエンジ
ンのノズル本体1の後端部に、互いに対向する左右一対
の側板2,2と、この側板2,2の間にあって上下に対
向する一対の可動フラップ3,3が設けられた構造を有
し、これら側板2,2と可動フラップ3,3で囲まれた
排気口から高圧の燃焼ガスを機体後方へ排出するもので
ある。可動フラップ3は、ヒンジ部aを介してノズル本
体1に揺動自在に連結された第一フラップ3Aと、第一
フラップ3Aの自由端にヒンジ部bを介して揺動自在に
連結された第二フラップ3Bとからなり、この可動フラ
ップ3を上下に角変位させることによって推力の方向を
可変にしている。
【0004】側板2と可動フラップ3の間の隙間は、推
力を得るための燃焼ガスが大量に漏れることのないよう
にシールされており、そのシール手段としては、従来、
図6に示すように、可動フラップ3(第一フラップ3A
及び第二フラップ3B)の左右両端面3aに沿って形成
した溝3bに、金属シール部材4を収容し、このシール
部材4を波形に繰り返し屈曲した形状の板バネ4a,4
bで側板2の対向面2a及び可動フラップ3の溝3b内
側面の双方に弾性的に密接させてなるもの、あるいは図
7に示すように、可動フラップ3の左右両端に板バネ状
のシール部材5を固定し、このシール部材5を側板2の
対向面2aに弾性的に密接させてなるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、側板
2,2と可動フラップ3,3で囲まれた排気口から排出
される燃焼ガスは約 800〜 1,000℃の高温であり、上記
従来構造によると、側板2と可動フラップ3の間のシー
ル部材4及びこれを付勢する板バネ4a,4b、あるい
はシール部材5が上記燃焼ガスに直接曝される。このた
め、高温によって板バネ4a,4bあるいは板バネ状シ
ール部材5を構成する材料の降伏点が経時的に低下して
しまい、すなわち弾性応力限度が低下して塑性変形が起
こりやすくなるので、シール部材4あるいは5の密接性
が損なわれて隙間を生じ、燃焼ガスに対するシール性が
早期に低下する問題があった。
【0006】また、可動フラップ3のヒンジ部a,bに
おける左右両端では、図6及び図7のような構造のシー
ル手段を設けることが技術的に困難であった。しかも、
推力変向に際しては、可動フラップ3が上下に大きく変
位するのに伴って、シール部材4あるいは5が側板2と
摺動するが、このシール部材4,5は付勢力の方向性に
よって、摺動の際に傾斜したり、偏摩耗が生じたりする
ので、シール性に悪影響を及ぼしていた。
【0007】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、推力を得るため
の燃焼ガスが排出の方向以外へ大量に漏れるのを長期間
確実に防止しうる構造とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ノズル本体の後端部に、互いに対向する
左右一対の静止した側板と、両側板の間にあって上下に
対向する一対の揺動自在な可動フラップを設けた推力変
向ノズルにおいて、側板をノズル本体に対して非固定と
し、この側板の可動フラップと反対側の面に、一端が固
定され内部に圧力が導入されたベローズの自由端を封着
し、側板の対向面を可動フラップの左右両端面に接触さ
せてなる構成としたものである。また、この場合、ベロ
ーズ内に導入する圧力は、エンジン内部で発生した圧縮
機内圧力もしくは排気圧力とすることができる。
【0009】
【作用】上記構成によると、両側板は、内部に圧力が導
入されたベローズによって左右両側から付勢されるの
で、この両側板の互いの対向面が可動フラップの左右両
端面に適当な荷重で密接し、ノズル本体側から排出され
る燃焼ガスの排出方向以外への漏れを阻止する。このと
き、前記ベローズは、可動フラップの外側に位置してい
ることから、高温の燃焼ガスには直接曝されない。ま
た、ベローズ内にはエンジン内部で発生した圧縮機内圧
力もしくは排気圧力を導入することによって、可動フラ
ップに対する両側板の密接荷重を、両側板を可動フラッ
プから開く方向に作用する燃焼ガスの圧力に常に拮抗さ
せることができる。
【0010】
【実施例】図1及び図2は、本発明の第一の実施例を示
すもので、10はジェットエンジンのノズル本体、2
0,20はノズル本体10の後端部に左右に対向して非
固定状態に配置された一対の側板、30,30はこの側
板20,20の間で上下に対向する一対の可動フラップ
である。各可動フラップ30は、ヒンジ部30aを介し
てノズル本体1に揺動自在に連結された第一フラップ3
1と、第一フラップ31の自由端にヒンジ部30bを介
して揺動自在に連結された第二フラップ32とを備えて
いる。
【0011】40,40は、蛇腹状の壁面が側板20,
20の外縁と相似する形状をなす伸縮自在な一対の金属
ベローズで、このベローズ40,40は、その固定端
が、ノズル本体10の後端部の左右両側に溶接等の手段
によって一体化された一対の支持板50,50にそれぞ
れ封着される一方、その自由端が、前記側板20,20
の外側面すなわち可動フラップ30,30と反対側の面
に封着されている。60はジェットエンジンの図示しな
い圧縮器またはノズル本体10内から延びる導圧チュー
ブで、各支持板50に設けた導圧孔51を通じて各ベロ
ーズ40の内部41に連通している。また、側板20,
20の互いの対向面21,21と、この面21に接触す
る各可動フラップ30の第一フラップ31及び第二フラ
ップ32の左右両端面は、きわめて平滑に仕上げられて
いる。
【0012】上記構成において、図示しないエンジンの
燃焼器側からの高温・高圧の燃焼ガスは、これら側板2
0,20と可動フラップ30,30で囲まれた排気口7
0から後方へ高速排出され、これによる推力の方向は、
可動フラップ30,30を図示しない駆動機構で上下に
角変位させることによって変向される。
【0013】それぞれベローズ40を介して支持板50
に弾性的に支持された両側板20,20は、ベローズ4
0の内部41に導入された圧力によって外側から付勢さ
れ、その互いの対向面21,21が可動フラップ30,
30(第一フラップ31及び第二フラップ32)の左右
両端面に密接している。前記排気口70における燃焼ガ
スの圧力は、側板20,20を可動フラップ30,30
から離してベローズ40,40を圧縮させる方向に作用
するが、エンジン内部で発生してベローズ40の内部4
1に導入された圧力は、エンジンの出力に比例するた
め、可動フラップ30に対する側板20の押し付け荷重
を、前記排気口70における燃焼ガスの圧力に常に拮抗
させ、漏れの発生を微量に抑えることができる。また、
排気口70における圧力は、大気中への開放によってノ
ズル本体10内に比較して大幅に降下しており、したが
って、ベローズ40内へのエンジン内圧力の導入によっ
て、側板20と可動フラップ30の間の密接度を十分な
ものにすることができる。
【0014】また、この構成によると、可動フラップ3
0の第一フラップ31及び第二フラップ32の左右両端
面にそれぞれシール部材を取り付ける場合と異なり、前
記両端面の全面が側板20の対向面21と接触するの
で、ヒンジ部30a,30bの左右両端部においても、
前記対向面21との間に大きな隙間が形成されることが
ない。
【0015】次に、図3は、本発明の第二の実施例とし
て、並列した複数のベローズ40A〜40Fを介して各
側板20を支持板50に取り付けたもので、これらベロ
ーズ40A〜40Fのそれぞれの内部にエンジンの内部
圧力を導入する。このとき、図示しない弁装置等によっ
て、各ベローズ40A〜40F単位での導入圧力を可変
とすることによって、排気口70における排気圧力の微
小変化や可動フラップ30,30の角変位による圧力分
布の変動に対応して、側板20の押し付け荷重分布を制
御することができる。
【0016】なお、上記各実施例において、各側板20
の対向面21と摺接する各可動フラップ30の第一フラ
ップ31及び第二フラップ32の左右両端面には、図4
に第三の実施例として示すように、外郭に沿った突条
(シールランド)33を突設し、この突条33の平滑な
先端面を側板20に接触させることによって、シール性
を向上させることができる。
【0017】また、排気口70の燃焼ガスが第一フラッ
プ31と第二フラップ32の間のヒンジ部30bを貫通
して漏れるのを防止するため、ヒンジ部30bの片側を
金属製薄板を積層した撓み板80で覆い、この撓み板8
0を、第一フラップ31及び第二フラップ32のうちの
一方にホルダ81で固定し、他方にスプリングホルダ8
2で支持した板バネ83によって密接させる構成とする
ことも有効である。この場合、撓み板80の左右両端縁
は、第一フラップ31及び第二フラップ32の左右両端
面と面一にして側板20と接触させる。また、ノズル本
体10の後端部と第一フラップ31の間のヒンジ部30
aにも、同様の構成を付加することができる。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るジェットエンジンの二次元推力変向ノズルによる
と、左右一対の側板は、内部に圧力が導入されたベロー
ズによって両側から付勢されるので、両側板の互いの対
向面が可動フラップの左右両端面に適当な荷重で密接
し、また、ベローズ内にはエンジン内部で発生した圧力
を導入することによって、可動フラップに対する側板の
密接荷重が、ノズルからの排気圧力に常に拮抗するの
で、燃焼ガスに対する優れたシール性を奏するものであ
る。また、前記ベローズは、側板と可動フラップの密接
力をその材料自体の弾性に依存して付与するものではな
く、内部に導入された圧力によって付与するものであっ
て、しかも、高温の燃焼ガスには直接曝されないので、
熱による弾性限度の低下によって前記密接荷重が経時的
に損なわれることがないといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジェットエンジンの二次元推力変
向ノズルの第一の実施例の概略構造を示す斜視図であ
る。
【図2】同じく側板をベローズとの関係において示す側
面図である。
【図3】本発明に係るジェットエンジンの二次元推力変
向ノズルの第二の実施例として、側板をベローズとの関
係において示す側面図である。
【図4】本発明に係るジェットエンジンの二次元推力変
向ノズルの第三の実施例として、可動フラップ側のシー
ル構造を示す部分的な斜視図である。
【図5】従来のジェットエンジンの二次元推力変向ノズ
ルの概略構造を示す斜視図である。
【図6】同じく側板と可動フラップのシール構造の一例
を部分的に拡大して示す断面図である。
【図7】同じく側板と可動フラップのシール構造の他の
例を部分的に拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ノズル本体 20 側板 21 対向面 30 可動フラップ 40,40A〜40F ベローズ 50 支持板 60 導圧チューブ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 可動排気ノズルのシール機構
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機のジェットエン
ジンの排気による推力の方向を二次元方向に可変とした
可動排気ノズルのシール機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、航空機のジェットエンジンには、
図5に概略構造を示すような可動排気ノズルが採用され
ているものがある。
【0003】可動排気ノズルは、ジェットエンジンのノ
ズル本体1の後端部に、互いに対向する左右一対の側板
2,2と、この側板2,2の間にあって上下に対向する
一対の可動フラップ3,3が設けられた構造を有し、こ
れら側板2,2と可動フラップ3,3で囲まれた排気口
から高圧の燃焼ガスを機体後方へ排出するものである。
可動フラップ3は、ヒンジ部aを介してノズル本体1に
揺動自在に連結された第一フラップ3Aと、第一フラッ
プ3Aの自由端にヒンジ部bを介して揺動自在に連結さ
れた第二フラップ3Bとからなり、この可動フラップ3
を上下に角変位させることによって推力の方向を可変に
している。
【0004】側板2と可動フラップ3の間の隙間は、推
力を得るための燃焼ガスが大量に漏れることのないよう
にシールされており、そのシール機構としては、従来、
図6に示すように、可動フラップ3(第一フラップ3A
及び第二フラップ3B)の左右両端面3aに沿って形成
した溝3bに、金属シール部材4を収容し、このシール
部材4を波形に繰り返し屈曲した形状の板バネ4a,4
bで側板2の対向面2a及び可動フラップ3の溝3b内
側面の双方に弾性的に密接させてなるもの、あるいは図
7に示すように、可動フラップ3の左右両端に板バネ状
のシール部材5を固定し、このシール部材5を側板2の
対向面2aに弾性的に密接させてなるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、側板
2,2と可動フラップ3,3で囲まれた排気口から排出
される燃焼ガスは約 800〜 1,000℃の高温であり、上記
従来のシール機構によると、側板2と可動フラップ3の
間のシール部材4及びこれを付勢する板バネ4a,4
b、あるいはシール部材5が上記燃焼ガスに直接曝され
る。このため、高温によって板バネ4a,4bあるいは
板バネ状シール部材5を構成する材料の降伏点が経時的
に低下してしまい、すなわち弾性応力限度が低下して塑
性変形が起こりやすくなるので、シール部材4あるいは
5の密接性が損なわれて隙間を生じ、燃焼ガスに対する
シール性が早期に低下する問題があった。
【0006】また、可動フラップ3のヒンジ部a,bに
おける左右両端では、図6及び図7のような構造のシー
ル機構を設けることが技術的に困難であった。しかも、
推力変向に際しては、可動フラップ3が上下に大きく変
位するのに伴って、シール部材4あるいは5が側板2と
摺動するが、このシール部材4,5は付勢力の方向性に
よって、摺動の際に傾斜したり、偏摩耗が生じたりする
ので、シール性に悪影響を及ぼしていた。
【0007】本発明は、上記のような問題に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、推力を得るため
の燃焼ガスが排出の方向以外へ大量に漏れるのを長期間
確実に防止しうるシール機構とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ノズル本体の後端部に、互いに対向する
左右一対の静止した側板と、両側板の間にあって上下に
対向する一対の揺動自在な可動フラップを設けた可動排
気ノズルにおいて、側板をノズル本体に対して非固定と
し、この側板の可動フラップと反対側の面に、一端が固
定され内部に圧力が導入されたベローズの自由端を封着
し、側板の対向面を可動フラップの左右両端面に接触さ
せてなる構成としたものである。また、この場合、ベロ
ーズ内に導入する圧力は、エンジン内部で発生した圧縮
機内圧力もしくは排気圧力とすることができる。
【0009】
【作用】上記構成によると、両側板は、内部に圧力が導
入されたベローズによって左右両側から付勢されるの
で、この両側板の互いの対向面が可動フラップの左右両
端面に適当な荷重で密接し、ノズル本体側から排出され
る燃焼ガスの排出方向以外への漏れを阻止する。このと
き、前記ベローズは、可動フラップの外側に位置してい
ることから、高温の燃焼ガスには直接曝されない。ま
た、ベローズ内にはエンジン内部で発生した圧縮機内圧
力もしくは排気圧力を導入することによって、可動フラ
ップに対する両側板の密接荷重を、両側板を可動フラッ
プから開く方向に作用する燃焼ガスの圧力に常に拮抗さ
せることができる。
【0010】
【実施例】図1及び図2は、本発明の第一の実施例を示
すもので、10はジェットエンジンのノズル本体、2
0,20はノズル本体10の後端部に左右に対向して非
固定状態に配置された一対の側板、30,30はこの側
板20,20の間で上下に対向する一対の可動フラップ
である。各可動フラップ30は、ヒンジ部30aを介し
てノズル本体1に揺動自在に連結された第一フラップ3
1と、第一フラップ31の自由端にヒンジ部30bを介
して揺動自在に連結された第二フラップ32とを備えて
いる。
【0011】40,40は、蛇腹状の壁面が側板20,
20の外縁と相似する形状をなす伸縮自在な一対の金属
ベローズで、このベローズ40,40は、その固定端
が、ノズル本体10の後端部の左右両側に溶接等の手段
によって一体化された一対の支持板50,50にそれぞ
れ封着される一方、その自由端が、前記側板20,20
の外側面すなわち可動フラップ30,30と反対側の面
に封着されている。60はジェットエンジンの図示しな
い圧縮器またはノズル本体10内から延びる導圧チュー
ブで、各支持板50に設けた導圧孔51を通じて各ベロ
ーズ40の内部41に連通している。また、側板20,
20の互いの対向面21,21と、この面21に接触す
る各可動フラップ30の第一フラップ31及び第二フラ
ップ32の左右両端面は、きわめて平滑に仕上げられて
いる。
【0012】上記構成において、図示しないエンジンの
燃焼器側からの高温・高圧の燃焼ガスは、これら側板2
0,20と可動フラップ30,30で囲まれた排気口7
0から後方へ高速排出され、これによる推力の方向は、
可動フラップ30,30を図示しない駆動機構で上下に
角変位させることによって変向される。
【0013】それぞれベローズ40を介して支持板50
に弾性的に支持された両側板20,20は、ベローズ4
0の内部41に導入された圧力によって外側から付勢さ
れ、その互いの対向面21,21が可動フラップ30,
30(第一フラップ31及び第二フラップ32)の左右
両端面に密接している。前記排気口70における燃焼ガ
スの圧力は、側板20,20を可動フラップ30,30
から離してベローズ40,40を圧縮させる方向に作用
するが、エンジン内部で発生してベローズ40の内部4
1に導入された圧力は、エンジンの出力に比例するた
め、可動フラップ30に対する側板20の押し付け荷重
を、前記排気口70における燃焼ガスの圧力に常に拮抗
させ、漏れの発生を微量に抑えることができる。また、
排気口70における圧力は、大気中への開放によってノ
ズル本体10内に比較して大幅に降下しており、したが
って、ベローズ40内へのエンジン内圧力の導入によっ
て、側板20と可動フラップ30の間の密接度を十分な
ものにすることができる。
【0014】また、この構成によると、可動フラップ3
0の第一フラップ31及び第二フラップ32の左右両端
面にそれぞれシール部材を取り付ける場合と異なり、前
記両端面の全面が側板20の対向面21と接触するの
で、ヒンジ部30a,30bの左右両端部においても、
前記対向面21との間に大きな隙間が形成されることが
ない。
【0015】次に、図3は、本発明の第二の実施例とし
て、並列した複数のベローズ40A〜40Fを介して各
側板20を支持板50に取り付けたもので、これらベロ
ーズ40A〜40Fのそれぞれの内部にエンジンの内部
圧力を導入する。このとき、図示しない弁装置等によっ
て、各ベローズ40A〜40F単位での導入圧力を可変
とすることによって、排気口70における排気圧力の微
小変化や可動フラップ30,30の角変位による圧力分
布の変動に対応して、側板20の押し付け荷重分布を制
御することができる。
【0016】なお、上記各実施例において、各側板20
の対向面21と摺接する各可動フラップ30の第一フラ
ップ31及び第二フラップ32の左右両端面には、図4
に第三の実施例として示すように、外郭に沿った突条
(シールランド)33を突設し、この突条33の平滑な
先端面を側板20に接触させることによって、シール性
を向上させることができる。
【0017】また、排気口70の燃焼ガスが第一フラッ
プ31と第二フラップ32の間のヒンジ部30bを貫通
して漏れるのを防止するため、ヒンジ部30bの片側を
金属製薄板を積層した撓み板80で覆い、この撓み板8
0を、第一フラップ31及び第二フラップ32のうちの
一方にホルダ81で固定し、他方にスプリングホルダ8
2で支持した板バネ83によって密接させる構成とする
ことも有効である。この場合、撓み板80の左右両端縁
は、第一フラップ31及び第二フラップ32の左右両端
面と面一にして側板21と接触させる。また、ノズル本
体10の後端部と第一フラップ31の間のヒンジ部30
aにも、同様の構成を付加することができる。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る可動排気ノズルのシール機構によると、左右一対
の側板は、内部に圧力が導入されたベローズによって両
側から付勢されるので、両側板の互いの対向面が可動フ
ラップの左右両端面に適当な荷重で密接し、また、ベロ
ーズ内にはエンジン内部で発生した圧力を導入すること
によって、可動フラップに対する側板の密接荷重が、ノ
ズルからの排気圧力に常に拮抗するので、燃焼ガスに対
する優れたシール性を奏するものである。また、前記ベ
ローズは、側板と可動フラップの密接力をその材料自体
の弾性に依存して付与するものではなく、内部に導入さ
れた圧力によって付与するものであって、しかも、高温
の燃焼ガスには直接曝されないので、熱による弾性限度
の低下によって前記密接荷重が経時的に損なわれること
がないといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可動排気ノズルのシール機構の第
一の実施例の概略構造を示す斜視図である。
【図2】同じく側板をベローズとの関係において示す側
面図である。
【図3】本発明に係る可動排気ノズルのシール機構の第
二の実施例として、側板をベローズとの関係において示
す側面図である。
【図4】本発明に係る可動排気ノズルのシール機構の第
三の実施例として、可動フラップ側のシール構造を示す
部分的な斜視図である。
【図5】従来の可動排気ノズルのシール機構の概略構造
を示す斜視図である。
【図6】同じく側板と可動フラップのシール構造の一例
を部分的に拡大して示す断面図である。
【図7】同じく側板と可動フラップのシール構造の他の
例を部分的に拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】 10 ノズル本体 20 側板 21 対向面 30 可動フラップ 40,40A〜40F ベローズ 50 支持板 60 導圧チューブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体の後端部に、互いに対向する
    左右一対の静止した側板と、両側板の間にあって上下に
    対向する一対の揺動自在な可動フラップを設けた推力変
    向ノズルにおいて、側板をノズル本体に対して非固定と
    し、この側板の可動フラップと反対側の面に、一端が固
    定されて内部に圧力が導入されたベローズの自由端を封
    着し、側板の対向面を可動フラップの左右両端面に接触
    させてなることを特徴とするジェットエンジンの二次元
    推力変向ノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、ベローズ内に
    導入する圧力が、エンジン内部で発生した圧縮機内圧力
    もしくは排気圧力であることを特徴とするジェットエン
    ジンの二次元推力変向ノズル。
JP31318791A 1991-11-01 1991-11-01 ジエツトエンジンの二次元推力変向ノズル Withdrawn JPH05125993A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109677624A (zh) * 2017-10-19 2019-04-26 波音公司 用于飞机系统中的可变几何间隙的密封系统

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