JPH0512587A - 化学プラントの作動監視方法 - Google Patents

化学プラントの作動監視方法

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JPH0512587A
JPH0512587A JP3158662A JP15866291A JPH0512587A JP H0512587 A JPH0512587 A JP H0512587A JP 3158662 A JP3158662 A JP 3158662A JP 15866291 A JP15866291 A JP 15866291A JP H0512587 A JPH0512587 A JP H0512587A
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JP3158662A
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Kenichiro Kazahaya
謙一郎 風早
Akishige Minamida
章滋 南田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学プラントを構成する特定の機器の作動異
常を早期に検知する。 【構成】 上記特定の機器の作動異常を監視するための
第1の要素タグ、および当該機器の運転状態を特定する
少なくとも2種の第2の要素タグの、過去のデータを記
憶しておき、機器の作動状態の異常を判定する時点に検
出された、少なくとも2種の要素タグから、過去の、実
質的に同じと見做せる運転状態で運転されたときの第1
の要素タグデータが収集される。そして、収集した第1
の要素タグデータを統計計算処理して警報判別値が設定
される(S56)。第1の要素タグが、このように設定
した警報判別値により規定される許容範囲を逸脱すると
き(S57)、機器の作動が異常であると判定される
(S58)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化学プラントの蒸留
塔等の機器の作動状態の監視に好適に適用される、化学
プラントの作動監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化学プラントは、蒸留塔、反応器、熱交
換器等の多くの機器から構成されているが、このような
化学プラントを安全で、かつ、効率よく稼働させ、所要
の品質の製品を得るためには、分散計装システム(DC
S)を使用してプラントの運転状態を常に監視している
必要がある。
【0003】プラントの各機器が正常に作動しているか
否かを監視する方法として、例えば蒸留塔等の機器で
は、その内部の温度分布を監視する方法がある。蒸留塔
内で精製物質が重合を起こしたり、充填材の目詰まりが
生じると、蒸留塔内の温度分布が変化するので、温度分
布を監視することによって蒸留塔の異常を早期に発見す
ることができるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、蒸留塔等の
機器の温度分布は、その機器の運転状態、例えば負荷が
変化すると種々に変化し、その温度分布の許容される範
囲も運転状態により変化する。従来、蒸留塔等の機器の
温度分布を監視する場合、その温度分布の異常は、固定
された警報判別値により判別しようとするものであった
ので、運転状態に応じて変化する温度分布の異常を正確
に判定することができなかった。
【0005】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、蒸留塔等の機器の、運転状態に応じ
て変化する温度分布の異常を正確に判定できるように図
り、もってその機器の作動異常を早期に検知できるよう
に図った化学プラントの作動監視方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の化学プラントの作動監視方法は、化
学プラントを構成する特定の機器の作動異常を監視する
ための第1の要素タグを警報判別値と比較し、第1の要
素タグが前記警報判別値により規定される許容範囲を逸
脱するとき、当該機器の作動が異常であると判定する化
学プラントの作動監視方法において、前記第1の要素タ
グ、および前記機器の運転状態を特定する少なくとも2
種の第2の要素タグの、過去のデータをそれぞれ記憶し
ておき、前記機器の作動異常を判定する時点に検出され
た少なくとも2種の第2の要素タグと、この2種の第2
の要素タグの過去のデータとを比較して、実質的に同じ
と見做せる過去の運転状態を検索し、検索した過去の運
転状態から、実質的に同じと見做せる運転状態で運転さ
れたときの過去の第1の要素タグデータを収集し、収集
した第1の要素タグデータを統計計算処理して前記警報
判別値を設定することを特徴とするものである。
【0007】
【作用】第1の要素タグ、例えば蒸留塔等の機器の温度
分布は、運転状態に応じて変化するのであるから、過去
の、実質的に同じと見做せる運転状態で運転されている
ときの温度分布のデータは、機器が正常に運転されてい
る限り、統計的に強い相関があると考えられる。そこ
で、これらのデータを統計計算処理して、具体的には、
例えばデータの平均値と標準偏差を求め、平均値と標準
偏差とから警報判別値を設定し、この警報判別値と現在
の温度分布とを比較すると、統計的に現在の温度分布の
異常が判定できる。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は、化学工場(X製造所)の化学プラ
ントの運転を制御するコンピータシステムの全体構成を
示すものであり、各プラントは分散計装システム(DC
S)1〜Nによりそれぞれ運転操作される。各DCS1
〜Nには、流量計、温度計、圧力計、液面計等の多数の
計器類、流体の移送や流量を制御するポンプ類やコント
ロールバルブ類が接続されている。これらの計器類、ポ
ンプ類、コントロールバルブ類等を要素タグと定義する
ことにし、各要素タグにはタグ名が付されている。各D
CSには表示手段としてのCRTディスプレ装置10が
接続されている。
【0009】各DCSには、ホストコンピユータ(MC
P)30とデータの送受信を行なうための支援コンピュ
ータ(CP)1a〜Naがそれぞれ接続されており、こ
れらの支援コンピュータは、バスライン20を介してホ
ストコンピュータ30と接続されている。ホストコンピ
ュータ30には、後述するタワー温度分布監視プログラ
ム等を記憶する記憶装置30aが内蔵されると共に、表
示手段としてのCRTディスプレ装置32が接続されて
いる。そして、上述した支援コンピュータ1a〜Naお
よびホストコンピュータ30によりFAコンピュータを
構築している。本発明のタワー温度分布監視方法は、主
としてこのFAコンピュータにより実行されることにな
る。なお、各DCS1〜Nとホストコンピュータ30間
のデータの授受は、バスライン20を介して公知の伝送
方式、例えば、CSMA/CD方式により行なわれる。
【0010】図2は、上述したDCSおよびFAコンピ
ュータにより運転制御されるX製造所の化学プラントの
構成を示す。X製造所には、プラントA,プラントB・
・・等多数のプラントが同時に稼働しており、プラント
Aは、反応系の設備R10、精製系の設備P20、廃ガ
ス処理系の設備W30、蒸気の供給等を行なうユーティ
リティ系の設備U40から構成されている。そして、プ
ラントAは、これら反応系設備R10、精製系設備P2
0等の設備の集合体としての構造タグPLANTAを形
成する。以下同様に、プラントBについても反応系、精
製系等の設備から構成され、これらの設備の集合体して
構造タグPLANTBを形成する。
【0011】プラントAの反応系設備R10は、反応器
REC100、熱交換器EX100等の多数の機器から
構成され、反応系設備は、これらの機器の集合体として
構造タグR10を形成している。反応器REC100に
は、温度計T100、圧力計P100、流量計F10
0、液面計L100等の計器類が付設されており、これ
らの計器は温度検出信号等をDCSに供給している。そ
して、これらの計器類は前述した通りそれぞれ要素タグ
を形成している。また、熱交換器EX100には、温度
計T110、圧力計P110、流量計F110、液面計
L110等の計器類が付設されており、温度検出信号等
をDCSに供給している。そして、これらの計器類も前
述した通りそれぞれ要素タグを形成している。
【0012】プラントAの精製系設備P20は、蒸留塔
TWR200、熱交換器EX200等の多数の機器から
構成され、精製系設備は、これらの機器の集合体として
構造タグP20を形成している。蒸留塔TWR200に
は、温度計T200、圧力計P200、流量計F20
0、液面計L200等の計器類が付設されており、これ
らの計器は温度検出信号等をDCSに供給している。そ
して、これらの計器類は前述した通りそれぞれ要素タグ
を形成している。また同様に、熱交換器EX200に
は、温度計T210、圧力計P210、流量計F21
0、液面計L210等の計器類が付設されており、温度
検出信号等をDCSに供給している。そして、これらの
計器類も前述した通りそれぞれ要素タグを形成してい
る。
【0013】同様に、廃ガス処理系設備W30およびユ
ーティリティU40も多数の機器の集合体で形成され、
各機器には温度計等の要素タグが付設されている。ま
た、プラントBも反応系、精製系等の多数の設備から構
成され、各設備はそれぞれ多数の機器から構成されてい
る。そして、各機器には多数の要素タグが付設されてい
る。
【0014】このように、X製造所F1のプラント群の
それぞれが階層構造に区分けされ、上位の階層からプラ
ント、設備、機器の順序で階層化されて表現される。す
なわち、最下位の階層に属する各機器には多数の要素タ
グが付設されており、これらの機器の集合体により一つ
の設備が構成され、「R10」等の構造タグ名が付され
る。そして、設備の集合体により一つのプラントが構成
され、「PLANTB」等の構造タグ名が付される。さ
らに、プラントの集合体によりX製造所が構成され、
「F1」の構造タグ名が付されるのである。
【0015】この階層構造の関係は、ホストコンピュー
タ30に次表に示されるようなデータファイルとして記
憶されている。
【0016】
【表1】
【0017】ある階層の構造タグ、例えば、反応系設備
R10に関し、それより上位の階層の構造タグ(親タ
グ)PLANTAおよびそれより下位の階層に属する構
造タグ(子タグ)REC100,EX100,・・・が
それぞれ関連付けてホストコンピュータ30の記憶装置
30aに記憶されることになる。FAコンピュータの各
支援コンピュータ1a〜Naは、対応する各DCSを介
して要素タグが検出する各構造タグの状態量(温度、圧
力、流量等)を所定サンプリング周期(例えば、1分
毎)に読み込み、これらをバスライン20を介してホス
トコンピュータ30に送信する。支援コンピュータ1a
〜Naが収集する、プラントのその時々の状態を示す生
データとしては、PV値(指示値)、SV値(設定
値)、MV値(出力値)、SM値(積算値)等がある。
一方、ホストコンピュータ30は、受信する生データを
記憶装置30aに時系列的に記憶すると共に、これらの
データ(プロセスデータ)に基づいて各種プラント管理
データに加工して記憶装置30aに保存する。プラント
管理データファイル群には、例えば、時間平均値、最大
・最小値、標準偏差、熱交換器伝熱係数の変化、タワー
圧力損失の変化等が含まれる。
【0018】次に、図3ないし図5に示すフローチャー
トを参照しながら、ホストコンピュータ30のCRT表
示装置32がタワー温度分布(第1の要素タグ)を監視
する手順を説明する。図3ないし図5に示される温度分
布監視プログラムは所定の周期(例えば、1時間)毎に
実行されるもので、先ず、ホストコンピュータ30は、
図3のステップS40において、監視対象の構造タグ
を、記憶装置30aに記憶されている階層タグ管理ファ
イルから読み込む。表2は、記憶されている階層タグ管
理ファイルの内容を示すもので、このファイルには、各
階層の構造タグが、運転者等が必要とするプラント運転
情報に基づいて機能別に分類され、しかも、各構造タグ
に対して所要の要素タグが割り付けて記憶されている。
【0019】
【表2】
【0020】表2において、機能モード「プロセス一
覧」は、各構造タグに割り付けられた要素タグのプロセ
スデータをCRT表示装置に表示させるためのものであ
る。機能モード「プロセス一覧」の各構造タグ、例えば
構造タグ「PLANTA」に対して、この階層レベルで
運転者等が必要とするプラント運転情報である、例え
ば、原料タンクの貯蔵量AQ400、製品タンクの貯蔵
量AQ404、安全管理上最も重要である反応器REC
100の容器内温度T100、・・・といった要素タグ
が割り付けられ、この構造タグ「PLANTA」および
機能モード「プロセス一覧」が選択されるとこれらの要
素タグのタグ値がCRT表示装置に表示されるようにな
っている。同様に、構造タグ「TWR200」に対して
は、蒸留塔TWR200に付設される要素タグである蒸
留塔温度T200、圧力P200、流量F200等が割
り付けられる。このとき、蒸留塔の運転監視上、これに
関連する他のユニットの運転状況も同時に監視する必要
がある場合には、そのような要素タグも割り付けること
も可能であり、表2の例では、熱交換器EX200の温
度T210が構造タグ「TWR200」に対して割り付
けられている。
【0021】機能モード「警報の適正化」には、監視し
なけれならないタグの警報判別値を運転状態に応じた適
正値に設定するもので、階層タグ管理ファイルには、運
転状態に応じて設定し直す必要のある構造タグ、および
それに割り付けられた要素タグが示され、スタートアッ
プ、シャットダウンする単位の構造タグ毎に要素タグが
割り付けられる。
【0022】警報判別値として固定値を使用するとすれ
ば、次のような不都合が生じる。すなわち、ある機器に
異常が発生して、その異常を検出した要素タグのタグ値
が判別値(閾値)を超えたとき、DCSはアラームを発
報すると共に、その異常がプラントの安全運転上支障が
あるものであると判断すると、プラントをノーマル運転
からシャットダウン(S/D)に移行させる。このと
き、シャットダウンされた機器に付設される他の要素タ
グのタグ値も判別値を超えて一斉にアラームを発報して
しまい、異常発生箇所を正確に把握することができな
い。このような不都合を回避するために、ホストコンピ
ュータ30は、構造タグの運転状態に応じて異常判別値
を適正な値に設定し、これをDCSに供給することによ
り、警報の適正化を図るのである。
【0023】表2の機能モード「タワー温度監視」に
は、本発明に係る化学プラントの作動監視方法により監
視される構造タグ、およびそれに割り付けられた要素タ
グが示されている。このように、各構造タグに対して所
要の要素タグを割り付けることにより、それらが属して
いる階層レベルでの運転情報を階層構造に管理すること
ができ(階層タグ管理)、しかもその運転情報を機能モ
ード別に分類して記憶することによって、機能階層構造
を構成させることができ、これによりタグを機能別にグ
ループ化してデータサービスを行なう範囲を規定してい
る。
【0024】この実施例において、読み込むべき構造タ
グ名は、表2の機能モード「タワー温度監視」に要素タ
グが割り付けられている構造タグ「TWR200」であ
る。従って、ホストコンピュータ30は記憶装置30a
に記憶されている階層タグ管理ファイルから構造タグ
「TWR200」を読み込む。次に、監視対象の構造タ
グの運転モードを表3に示す運転モード記憶ファイルか
ら読み込み(ステップS41)、運転モードがノーマル
(NOR)であるか否かを判別する(ステップS4
2)。
【0025】
【表3】
【0026】表3は、ホストコンピュータ30の記憶装
置30aに記憶される運転モード記憶ファイルの内容を
示すもので、図示しない運転モード判別ルーチンの実行
により、構造タグの運転モード判定に必要なタグデータ
に基づいて現在の運転モードを判定し、判定した現在の
運転モードと運転モード記憶ファイルに記憶されている
運転モードと比較し、運転モードが移行したか否かを判
別し、運転モードの移行が検出されると、検出された新
しい運転モードに順次書き替えられて記憶される。
【0027】ノーマル状態で運転されている場合にの
み、蒸留塔TWR200の温度分布監視が可能であり、
ノーマル運転以外の運転時には、後述する図5のステッ
プS59において、対象とする全構造タグの温度分布の
チェックを完了したか否かを判別したあと、当該ルーチ
ンを終了することになる。ステップS42における判別
結果が肯定の場合には、対象の構造タグに割り付けられ
た要素タグを、前述の階層タグ管理ファイル(表2)か
ら読み込む(ステップS43)。実施例の場合、読み込
む要素タグは「T200」、「T201」、「T20
2」等である。そして、プログラム変数値nおよびmを
それぞれの初期値である値1および値0に設定しておく
(ステップS44)。次に、ホストコンピュータ30の
記憶装置30aに記憶されているプロセスデータファイ
ルから、読み込んだ各要素タグの現在データ値およびn
時間前のデータ値を読み込む(図4のステップS4
6)。このとき、読み込むプロセスデータには、各タグ
の瞬時データ(現在値およびn時間前の値)の他に、蒸
留塔TWR200の運転状態を特定する所定の要素タグ
(第2の要素タグ)、例えば、塔内真空値、フィード
量、還流量、および蒸気量の現在値およびn時間前の値
が含まれる。そして、ステップS47においてプログラ
ム変数nの値を1だけインクリメントした後、ステップ
S48に進む。
【0028】ステップS48では、変数値nが所定値X
N(例えば、500)より大であるか否かを判別する。
ステップS48の判別結果が肯定の場合、500時間前
の過去のデータまで辿って同じ運転状態を探したにも拘
わらず、後述する統計計算に必要な所定個XMだけのデ
ータを収集することができず、収集したデータだけで後
述の統計計算を行なうことを決定するものである。ステ
ップS48の判別結果が否定の場合は、ステップS49
へ進む。
【0029】ステップS49では、現在の運転状態がn
時間前のそれと実質的に同じ状態にあるか否かを判別す
る。この判別は、現在と同じ運転状態で運転を行なった
過去のプロセスデータを集めるために行なうもので、こ
のステップにおいて上述の所定要素タグ値、すなわち、
塔内真空値、フィード量、還流量、および蒸気量の各デ
ータの、現在値およびn時間前の値の差の絶対値が、い
ずれもそれぞれの許容値より小であるか否かが判別され
る。
【0030】|現在値−n時間前の値|<所定許容値 4つの要素タグ値の判別が全て肯定であれば、現在の運
転状態とn時間前の運転状態とが実質的に同じであると
判定し、4つのパラメータ値の判別の一つでも否定であ
れば、同じ運転状態ではないと判定するのである。蒸留
塔は、その負荷状態等によって塔内の温度分布が微妙に
変化するので、運転状態が実質的に同じであると判定す
るためには、上述の4つの要素タグ値の判別が同時に成
立する必要がある。なお、運転状態を特定するに必要な
要素タグ値は、上述の実施例では4つの要素タグ値を必
要としたが、機器によっては4つ以下、あるいは以上で
あってもよく、一つの要素タグ値であってもよい。
【0031】ステップS49の判別結果が否定であれ
ば、再びステップS46を実行し、今度は(n+1)時
間前のプロセスデータを読み込み、現在の運転状態が
(n+1)時間前のそれと同じであるか否かを判別す
る。このようにして、現在の運転状態と同じ過去の運転
状態を過去のプロセスデータから検索し、同じ運転状態
が見つかるまでステップS46〜49を繰り返し実行す
る。そして、同じ運転状態が見つかると(ステップS4
9の判別結果が肯定)、ステップS50に進み、ステッ
プS46において読み込んだプロセスデータを統計計算
の対象として記憶すると共に、プログラム変数値mを値
1だけインクリメントする。この変数mは収集した過去
のプロセスデータの数を計数するためのものである。
【0032】次に、この収集した過去のプロセスデータ
の数mが所定個XM(例えば、10)に到達したか否か
を判別する(ステップS52)。すなわち、統計処理デ
ータとして所定個XM(10個)の過去のデータを集め
るのである。ステップS52の判別結果が肯定の場合に
は、後述するステップS56に進むが、否定の場合に
は、前述のステップS46に戻り、過去のデータの検索
を継続し、同じ運転状態のプロセスデータを求める。
【0033】図5のステップS56では、各要素タグの
上下限警報値PH,PLを、収集した過去のプロセスデ
ータから統計計算処理して設定する。ここに、上下限警
報値PH,PLは、 PH:(平均値)+j×σ PL:(平均値)−j×σ で示される値にそれぞれ設定される。平均値は、上述の
ようにして求めたXM個(10個)のデータの算術平均
であり、σはそれらのデータの標準偏差である。また、
定数jは、対象とする構造タグ(蒸留塔TWR200)
に最適な値、例えば、値5に設定される。
【0034】このようにして求めた上下限警報値PH,
PLを用いて各タグ値(T200等)が、これらの上下
限警報値PH,PLで規定される許容範囲内の値である
か否かを判別する(ステップS57)。各タグ値が許容
範囲内の値である場合には、なにもせずにステップS5
9に進む。一方、ステップS59の判別結果が否定の場
合、すなわち、対象とする構造タグに割り付けられた要
素タグのタグ値の一つでも、上下限警報値PH,PLで
規定される許容範囲を外れると、ステップS58に進ん
でアラームを発報する。アラームの発報としては、ブザ
ー等の警報音の奏鳴、CRT表示装置の画面の点滅、プ
リントアウト等の適宜な方法で行なわれる。アラームを
発報すると、ステップS59に進む。
【0035】ステップS59では、対象とする構造タグ
を全てチェックしたか否かを判別し、未だ全ての構造タ
グのチェックが終了していなければ、前述した図3のス
テップS41に戻り、ステップS41の各ステップが再
び実行される一方、全ての構造タグのチェックが完了し
ていると、当該ルーチンを終了することになる。このよ
うな方法により各タグの上下限警報値PH,PLを蒸留
塔の運転状態に応じた最適値に設定することができる。
そして、このように設定した上下限警報値PH,PLを
用いて、蒸留塔内の温度分布を監視するので、蒸留塔T
WR200の塔内での重合や詰まり等の異常を早期に発
見することができるようになる。
【0036】このタワー内温度分布監視プログラムにお
いて、読み込むべき構造タグや要素タグは、階層タグ管
理ファイル等の、ユーザが作成するデータファイルから
読み込まれるようになっている。従って、改修や増設で
プラント構成を変更した場合、図3ないし図5に示され
るプログラムを一切変更する必要がなく、階層タグ管理
ファイル、運転モード記憶ファイル等のデータファイル
に対し、追加、変更、削除する構造タグおよびそれに割
り付けられる要素タグに関するデータを追加、変更、削
除すればよいことになり、すなわち、階層タグ管理をす
ればよいことになり、この温度分布監視支援プログラム
の変更が容易になる。
【0037】なお、各サイトのDCSにおいて、上述し
たタワー温度分布データおよびそれを監視する警報判別
値をDCS側のCRT表示装置10に表示することも可
能であり、この場合、DCS側のCRT表示装置10に
表示させる警報判別値は、上述した通り統計計算により
設定されたものをホストコンピュータ30からバスライ
ン20および支援コンピュータ1a〜Naを介して各D
CSに伝送されることになる。
【0038】上述の実施例では、タワー温度分布(第1
の要素タグ)を監視することにより蒸留塔TWR200
の作動異常を検出するものを例に説明したが、本発明は
この実施例に限定されることはなく、第1の要素タグと
して、圧力、流量、濃度等であってもよく、プラントを
構成する機器の作動異常の監視に広く適用できる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
化学プラントの作動監視方法に依れば、化学プラントを
構成する特定の機器の作動異常を監視するための第1の
要素タグ、および前記機器の運転状態を特定する少なく
とも2種の第2の要素タグの、過去のデータをそれぞれ
記憶しておき、前記機器の作動異常を判定する時点に検
出された少なくとも2種の第2の要素タグと、この2種
の要素タグの過去のデータとを比較して、実質的に同じ
と見做せる過去の運転状態を検索し、検索した過去の運
転状態から、実質的に同じと見做せる運転状態で運転さ
れたときの過去の第1の要素タグデータを収集し、収集
した第1の要素タグデータを統計計算処理して、第1の
要素タグの警報判別値を設定することを特徴とするもの
である。
【0040】従って、蒸留塔等の機器の、運転状態に応
じて変化する第1の要素タグの異常を正確に判定できる
ようになり、もってその機器の作動異常を早期に検知す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作動監視方法を実施し、化学プラント
の運転操作を制御するコンピュータシステムの概略構成
を示すブロック図である。
【図2】本発明の作動監視方法が適用される化学工場の
プラント構成を階層構造に区分けして示す構成図であ
る。
【図3】図1に示すFAコンピュータにより実行され
る、タワー温度分布監視ルーチンのフローチャートの一
部である。
【図4】同じく、タワー温度分布監視ルーチンのフロー
チャートの他の一部である。
【図5】同じく、タワー温度分布監視ルーチンのフロー
チャートの残余の部分である。
【符号の説明】
1〜N 分散計装システム(DCS) 1a〜Na 支援コンピュータ 10 CRT表示装置 20 バスライン 30 ホストコンピュータ 30a 記憶装置 32 CRT表示装置

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 化学プラントを構成する特定の機器の作
    動異常を監視するための第1の要素タグを警報判別値と
    比較し、第1の要素タグが前記警報判別値により規定さ
    れる許容範囲を逸脱するとき、当該機器の作動が異常で
    あると判定する化学プラントの作動監視方法において、
    (A)前記第1の要素タグ、および前記機器の運転状態
    を特定する少なくとも2種の第2の要素タグの、過去の
    データをそれぞれ記憶しておき、(B)前記機器の作動
    異常を判定する時点に検出された少なくとも2種の第2
    の要素タグと、この2種の第2の要素タグの過去のデー
    タとを比較して、実質的に同じと見做せる過去の運転状
    態を検索し、(C)検索した過去の運転状態から、実質
    的に同じと見做せる運転状態で運転されたときの過去の
    第1の要素タグデータを収集し、(D)収集した第1の
    要素タグデータを統計計算処理して前記警報判別値を設
    定する、ことを特徴とする化学プラントの作動監視方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106153099A (zh) * 2015-03-23 2016-11-23 东南大学 一种大范围的管塔安全实时检测系统的实现方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106153099A (zh) * 2015-03-23 2016-11-23 东南大学 一种大范围的管塔安全实时检测系统的实现方法
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