JPH05125598A - 連続電気錫めつき設備 - Google Patents
連続電気錫めつき設備Info
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- JPH05125598A JPH05125598A JP28606991A JP28606991A JPH05125598A JP H05125598 A JPH05125598 A JP H05125598A JP 28606991 A JP28606991 A JP 28606991A JP 28606991 A JP28606991 A JP 28606991A JP H05125598 A JPH05125598 A JP H05125598A
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- plating liquid
- plating solution
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メタンスルホン酸浴を用いて不溶性アノード
システムにより鋼帯に連続的に錫めっきを行っても安定
して品質の優れた錫めっき鋼板が得られる連続電気めっ
き設備の提供。 【構成】 不溶性陽極を備え、酸化防止剤を含有するめ
っき液を用いて鋼帯に連続して電気錫めっきを施す電気
めっき槽、めっき液の貯留槽、該電気めっき槽と該貯留
槽を結ぶめっき液循環経路、該循環経路に活性炭を吸着
剤とする酸化防止剤の酸化体の吸着装置を設け更に前記
めっき液の貯溜槽ないしは前記めっき液循環経路に酸化
防止剤の供給装置を設けてなる連続電気錫めっき設備。
システムにより鋼帯に連続的に錫めっきを行っても安定
して品質の優れた錫めっき鋼板が得られる連続電気めっ
き設備の提供。 【構成】 不溶性陽極を備え、酸化防止剤を含有するめ
っき液を用いて鋼帯に連続して電気錫めっきを施す電気
めっき槽、めっき液の貯留槽、該電気めっき槽と該貯留
槽を結ぶめっき液循環経路、該循環経路に活性炭を吸着
剤とする酸化防止剤の酸化体の吸着装置を設け更に前記
めっき液の貯溜槽ないしは前記めっき液循環経路に酸化
防止剤の供給装置を設けてなる連続電気錫めっき設備。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼板へ連続的に電気錫め
っきを行う際に使用される電気錫めっき設備に関する。
っきを行う際に使用される電気錫めっき設備に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯に連続的に電解めっきを施して、錫
めっき鋼板(ぶりき)を製造する錫めっき浴としては、
ハロゲン浴、フェロスタン浴、およびメタンスルフォン
酸浴等が知られており、長年にわたり生産の実績をあげ
ている。元来これらのめっき浴は可溶性のアノード、す
なわち錫の鋳造品を用いていたが、実際の操業において
はこの可溶性錫アノードの交換作業が、多くの労力を要
して、コストアップと生産性低下の一因となっていた。
そこで近年、これらの錫電気めっきラインの生産効率向
上の手段として、電解めっき設備のアノードを不溶性ア
ノードにすることが効果的であるとの認識が広がり、実
際にそれを実施した例も報告されている。
めっき鋼板(ぶりき)を製造する錫めっき浴としては、
ハロゲン浴、フェロスタン浴、およびメタンスルフォン
酸浴等が知られており、長年にわたり生産の実績をあげ
ている。元来これらのめっき浴は可溶性のアノード、す
なわち錫の鋳造品を用いていたが、実際の操業において
はこの可溶性錫アノードの交換作業が、多くの労力を要
して、コストアップと生産性低下の一因となっていた。
そこで近年、これらの錫電気めっきラインの生産効率向
上の手段として、電解めっき設備のアノードを不溶性ア
ノードにすることが効果的であるとの認識が広がり、実
際にそれを実施した例も報告されている。
【0003】現在実用化されている不溶性アノードを用
いた錫めっきプロセスは、フェノールスルフォン酸(P
SA)を支持電解質としたフェロスタン浴によるもので
あるが、この浴の場合はPSA自体が第一錫イオン(S
n2+)の酸化抑制機能をもつために、特に酸化防止剤の
添加は行わなくても、一定の品質のめっきが得られる。
しかし、PSAは毒性をもつ物質であり、近年のフェノ
ール類への環境規制の強化傾向から、社会的にその操業
が将来にわたって許容され得るか否か予断を許さない。
そこで現在注目されているのは、メタンスルフォン酸
(MSA)を支持電解質とした錫めっき液である。この
めっき液はベンゼン環を含まないため、環境に対する毒
性が比較的低く、廃液処理も簡便な施設で効果的に行な
えるため、大規模錫めっき設備に好適なプロセスとして
将来にわたり優位性を持つと考えられる。
いた錫めっきプロセスは、フェノールスルフォン酸(P
SA)を支持電解質としたフェロスタン浴によるもので
あるが、この浴の場合はPSA自体が第一錫イオン(S
n2+)の酸化抑制機能をもつために、特に酸化防止剤の
添加は行わなくても、一定の品質のめっきが得られる。
しかし、PSAは毒性をもつ物質であり、近年のフェノ
ール類への環境規制の強化傾向から、社会的にその操業
が将来にわたって許容され得るか否か予断を許さない。
そこで現在注目されているのは、メタンスルフォン酸
(MSA)を支持電解質とした錫めっき液である。この
めっき液はベンゼン環を含まないため、環境に対する毒
性が比較的低く、廃液処理も簡便な施設で効果的に行な
えるため、大規模錫めっき設備に好適なプロセスとして
将来にわたり優位性を持つと考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしMSA浴を用い
て不溶性アノードにより電解を行なう際には、めっき液
中のSn2+のSn4+への酸化を抑制するために、酸化防
止剤を添加する必要があり、このような酸化防止剤とし
て、たとえばカテコールスルフォン酸(CSA)等を添
加した場合には、電解によってアノード表面でCSAの
酸化がおこり、めっき液中にCSAの酸化体が濃縮さ
れ、更に光沢剤として添加される界面活性剤の酸化も生
起し、生成した酸化物が錫の電解析出結晶形態へ影響を
与えめっき鋼板の表面状態に大きなダメージを与える可
能性のあることを本発明者らは知見した。
て不溶性アノードにより電解を行なう際には、めっき液
中のSn2+のSn4+への酸化を抑制するために、酸化防
止剤を添加する必要があり、このような酸化防止剤とし
て、たとえばカテコールスルフォン酸(CSA)等を添
加した場合には、電解によってアノード表面でCSAの
酸化がおこり、めっき液中にCSAの酸化体が濃縮さ
れ、更に光沢剤として添加される界面活性剤の酸化も生
起し、生成した酸化物が錫の電解析出結晶形態へ影響を
与えめっき鋼板の表面状態に大きなダメージを与える可
能性のあることを本発明者らは知見した。
【0005】MSA浴は錫および錫鉛合金めっき浴とし
てすでに広く用いられているが、それは電子機器部品を
めっきするような、比較的小規模のバッチ処理式システ
ムについてであり、広幅鋼帯の大規模連続めっき設備に
商業的に応用された例はない。その理由は不溶性アノー
ドシステムとの組合せによって生じる添加剤の酸化物が
原因となってめっき品質の不安定化が生じるという本発
明者らの知見に基づけば理解できることである。
てすでに広く用いられているが、それは電子機器部品を
めっきするような、比較的小規模のバッチ処理式システ
ムについてであり、広幅鋼帯の大規模連続めっき設備に
商業的に応用された例はない。その理由は不溶性アノー
ドシステムとの組合せによって生じる添加剤の酸化物が
原因となってめっき品質の不安定化が生じるという本発
明者らの知見に基づけば理解できることである。
【0006】かくして本発明の目的はメタンスルホン酸
浴を用いて不溶性アノードシステムにより鋼帯に連続的
に錫めっきを行っても安定して品質の優れた錫めっき鋼
板が得られる連続電気めっき設備を提供することにあ
る。
浴を用いて不溶性アノードシステムにより鋼帯に連続的
に錫めっきを行っても安定して品質の優れた錫めっき鋼
板が得られる連続電気めっき設備を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に従え
ば、不溶性陽極を備え、酸化防止剤を含有するめっき液
を用いて鋼帯に連続して電気錫めっきを施す電気めっき
槽、めっき液の貯留槽、該電気めっき槽と該貯留槽を結
ぶめっき液循環経路、該循環経路に活性炭を吸着剤とす
る酸化防止剤の酸化体の吸着装置を設け更に前記めっき
液の貯溜槽ないしは前記めっき液循環経路に酸化防止剤
の供給装置を設けてなる連続電気錫めっき設備が提供さ
れる。
ば、不溶性陽極を備え、酸化防止剤を含有するめっき液
を用いて鋼帯に連続して電気錫めっきを施す電気めっき
槽、めっき液の貯留槽、該電気めっき槽と該貯留槽を結
ぶめっき液循環経路、該循環経路に活性炭を吸着剤とす
る酸化防止剤の酸化体の吸着装置を設け更に前記めっき
液の貯溜槽ないしは前記めっき液循環経路に酸化防止剤
の供給装置を設けてなる連続電気錫めっき設備が提供さ
れる。
【0008】連続的な使用によって不純物溶解量が増大
した結果めっき品質が劣化しためっき浴を再生するため
に、めっき浴と吸着剤を接触させて、めっき液中の特定
成分を吸着により固定除去した上でめっき液の再利用を
図る方法は、広く行われている。その一つに活性炭を用
いて、有機物を物理吸着させる方法があり、小規模なめ
っき設備では、多くの実用例がある。ただし、鋼帯めっ
き設備のような大規模な電気錫めっき鋼板の製造設備で
はその例はなかった。これは従来の可溶性アノードで
は、アノード酸化の問題が生じなかったこと、また実用
化されたフェロスタン浴不溶性アノード法では、特に添
加物の酸化が問題にならなかったためである。しかし、
上述のようにメタンスルホン酸を支持電解質として用い
て、不溶性アノードを備えた設備で連続的な電解操作を
行う場合には、めっき品質保持のための浴中有機物酸化
体の除去が不可欠である。24時間操業が前提となる大
規模連続めっき装置の場合、設備の連続稼動が大前提で
あるため、通常小規模なめっき設備で行われるような、
バッチ式の活性炭投入処理は適用できない。また対象と
なるめっき液の量が極めて大量であるため、活性炭容量
と吸着反応時間により有機物の吸着量をコントロールす
る従来の処理方法は、有用成分である支持電解質の一部
も吸着により除去されてしまうため、経済効率上、その
大規模施設への適用は実用性に著しく欠けるものであっ
た。
した結果めっき品質が劣化しためっき浴を再生するため
に、めっき浴と吸着剤を接触させて、めっき液中の特定
成分を吸着により固定除去した上でめっき液の再利用を
図る方法は、広く行われている。その一つに活性炭を用
いて、有機物を物理吸着させる方法があり、小規模なめ
っき設備では、多くの実用例がある。ただし、鋼帯めっ
き設備のような大規模な電気錫めっき鋼板の製造設備で
はその例はなかった。これは従来の可溶性アノードで
は、アノード酸化の問題が生じなかったこと、また実用
化されたフェロスタン浴不溶性アノード法では、特に添
加物の酸化が問題にならなかったためである。しかし、
上述のようにメタンスルホン酸を支持電解質として用い
て、不溶性アノードを備えた設備で連続的な電解操作を
行う場合には、めっき品質保持のための浴中有機物酸化
体の除去が不可欠である。24時間操業が前提となる大
規模連続めっき装置の場合、設備の連続稼動が大前提で
あるため、通常小規模なめっき設備で行われるような、
バッチ式の活性炭投入処理は適用できない。また対象と
なるめっき液の量が極めて大量であるため、活性炭容量
と吸着反応時間により有機物の吸着量をコントロールす
る従来の処理方法は、有用成分である支持電解質の一部
も吸着により除去されてしまうため、経済効率上、その
大規模施設への適用は実用性に著しく欠けるものであっ
た。
【0009】以下本発明を詳述する。カーボン、フェラ
イト、酸化イリジウム被膜チタン基板あるいは白金被膜
チタン基板からなる不溶性陽極を備えた鋼帯の連続電気
めっき槽1は、鋼帯の表面に電解析出により錫めっきを
行うことのできるものであればその構造はいかなるもの
であっても良く、それ自体公知の連続めっき槽を用いる
ことができる。
イト、酸化イリジウム被膜チタン基板あるいは白金被膜
チタン基板からなる不溶性陽極を備えた鋼帯の連続電気
めっき槽1は、鋼帯の表面に電解析出により錫めっきを
行うことのできるものであればその構造はいかなるもの
であっても良く、それ自体公知の連続めっき槽を用いる
ことができる。
【0010】連続電気めっき槽1のめっき液は第一錫イ
オン、支持電解質としてメタンスルホン酸(MSA)、
界面活性剤、好ましくはノニオン系界面活性剤そして酸
化防止剤を含有する。酸化防止剤としては例えばカテコ
ール、レゾルシンピロガノール、フロログルシンなどの
多価フェノールのスルホン酸誘導体が用いられる。これ
らの酸化防止剤は電解めっきを行うことにより陽極にお
いて酸化され、例えばベンゾキノン型のスルホン酸、そ
の重合体などが生成する。この酸化物は蓄積することに
よって錫めっきの品質を不安定化させる原因となる物質
である。
オン、支持電解質としてメタンスルホン酸(MSA)、
界面活性剤、好ましくはノニオン系界面活性剤そして酸
化防止剤を含有する。酸化防止剤としては例えばカテコ
ール、レゾルシンピロガノール、フロログルシンなどの
多価フェノールのスルホン酸誘導体が用いられる。これ
らの酸化防止剤は電解めっきを行うことにより陽極にお
いて酸化され、例えばベンゾキノン型のスルホン酸、そ
の重合体などが生成する。この酸化物は蓄積することに
よって錫めっきの品質を不安定化させる原因となる物質
である。
【0011】また、界面活性剤も陽極で酸化され蓄積す
るとやはり同様な問題が生じる。
るとやはり同様な問題が生じる。
【0012】このような酸化物を含むめっき液は活性炭
を内蔵する吸着装置2で処理されて酸化物が活性炭に吸
着除去される。吸着装置はそれ自体公知の構造、例えば
活性炭を固定層とした構造のもの、活性炭をめっき液に
混合して吸着を行い、ろ過により固液分離する構造のも
の、その他移動層方式の構造のものいずれの形式であっ
ても良い。
を内蔵する吸着装置2で処理されて酸化物が活性炭に吸
着除去される。吸着装置はそれ自体公知の構造、例えば
活性炭を固定層とした構造のもの、活性炭をめっき液に
混合して吸着を行い、ろ過により固液分離する構造のも
の、その他移動層方式の構造のものいずれの形式であっ
ても良い。
【0013】活性炭は、吸着孔の直径分布曲線上の0.
5〜50nmの範囲に容積率ピークのあるものが好まし
い。これは酸化重合して分子量の大きくなった酸化防止
剤の酸化体を効果的に捕集し、分子量のより小さいメタ
ンスルホン酸などの支持電解質や金属イオン等の有用成
分は捕集されずに再びめっき槽へ循環させるのに好適で
あるという理由による。
5〜50nmの範囲に容積率ピークのあるものが好まし
い。これは酸化重合して分子量の大きくなった酸化防止
剤の酸化体を効果的に捕集し、分子量のより小さいメタ
ンスルホン酸などの支持電解質や金属イオン等の有用成
分は捕集されずに再びめっき槽へ循環させるのに好適で
あるという理由による。
【0014】このような吸着装置は図1では連続電気め
っき槽1からめっき液貯留槽4へとめっき液が送られる
経路の中間に設置されているが、めっき液貯留槽4から
連続電気めっき槽1へのめっき液の経路の中間に設置し
ても良い。
っき槽1からめっき液貯留槽4へとめっき液が送られる
経路の中間に設置されているが、めっき液貯留槽4から
連続電気めっき槽1へのめっき液の経路の中間に設置し
ても良い。
【0015】また、吸着処理はめっきの操作と共に常時
連続的に行ってもよいし、また間欠的に行うこともでき
る。
連続的に行ってもよいし、また間欠的に行うこともでき
る。
【0016】酸化防止剤の供給装置3は、吸着装置2に
おいて活性炭によって不可避的に吸着され系外へ除去さ
れたことにより更には陽極酸化により、その量が減少し
た酸化防止剤の濃度を補償する目的のためにある。その
設置場所はめっき液の貯溜槽あるいはめっき液循環経路
であるが、吸着装置より後に設置されることが好まし
い。
おいて活性炭によって不可避的に吸着され系外へ除去さ
れたことにより更には陽極酸化により、その量が減少し
た酸化防止剤の濃度を補償する目的のためにある。その
設置場所はめっき液の貯溜槽あるいはめっき液循環経路
であるが、吸着装置より後に設置されることが好まし
い。
【0017】供給装置3はめっき液に酸化防止剤を添加
し得る機能があれば良く、例えばめっき液と酸化防止剤
が均一に混合するような混合槽であっても良いし、めっ
き液が循環するパイプにパイプを接続してそのパイプを
通じて酸化防止剤の水溶液をめっき液に混合するような
単純な装置であっても良い。
し得る機能があれば良く、例えばめっき液と酸化防止剤
が均一に混合するような混合槽であっても良いし、めっ
き液が循環するパイプにパイプを接続してそのパイプを
通じて酸化防止剤の水溶液をめっき液に混合するような
単純な装置であっても良い。
【0018】また、界面活性剤もその種類によっては活
性炭処理により吸着除去されることがあり、そのような
場合電解めっき槽での濃度を保つ目的で界面活性剤を混
合する装置をめっき液循環経路に設けることができる。
性炭処理により吸着除去されることがあり、そのような
場合電解めっき槽での濃度を保つ目的で界面活性剤を混
合する装置をめっき液循環経路に設けることができる。
【0019】めっき液貯留槽4はそれ自体公知の構造の
ものを使用することができる。
ものを使用することができる。
【0020】吸着処理装置2および酸化防止剤の供給装
置3に必要に応じて加熱冷却等の機能を付与したり、あ
るいは浴性状の監視のための装置を付加することについ
ては、なんら制限を設けるものではない。また、めっき
液中にスラッジ等の比較的大きな固形物が含まれるよう
な場合には、めっき液循環経路の中に、望ましくは吸着
処理槽2の前に、ろ過処理設備を設けて、固形物の除去
を行うと、活性炭の寿命が延びるので、設備の維持管理
上好ましい。
置3に必要に応じて加熱冷却等の機能を付与したり、あ
るいは浴性状の監視のための装置を付加することについ
ては、なんら制限を設けるものではない。また、めっき
液中にスラッジ等の比較的大きな固形物が含まれるよう
な場合には、めっき液循環経路の中に、望ましくは吸着
処理槽2の前に、ろ過処理設備を設けて、固形物の除去
を行うと、活性炭の寿命が延びるので、設備の維持管理
上好ましい。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)メタンスルフォン酸30g/リットル、S
n2+30g/リットル、カテコールスルフォン酸1.0
g/リットル、非イオン系界面活性剤5g/リットルを
含むめっき液を用い、不溶性アノードにより電解を行う
電気めっきぶりき製造設備において、連続めっき操作を
28日間行った。めっき液の正味量は50m3 であり、
操業期間におけるめっき電流密度は平均30 A/dm2、電
解総量は4.2×10 10Cであった。操業期間中、電解
装置から貯留槽に通じる配管の途中に、活性炭細孔径が
0.5〜50nmの範囲に容積率ピークを持つ活性炭
6.6tを有効断面積5.1m2 のカラム内に充填した
吸着槽を設け、その中に毎時25m3 のめっき液を通し
た。それに平行して30分毎に吸着槽の処理済液排出口
でのめっき液中カテコールスルフォン酸濃度を測定し、
吸着槽に続けて設置された添加槽にて適宜添加してカテ
コールスルフォン酸濃度変動を±10%以内に管理し
た。設備始動時、始動後3日、7日、14日後および2
8日後のノーリフローぶりきのめっき品質と電解効率の
評価結果を表1に示す。表1で、スマッジ生成量は、試
料であるノーリフローぶりきのめっきままのSn付着量
に対して、試料表面を5C濾紙を用いて加圧力50g/mm
2 で擦過した後のSn付着量の百分率をとり、98%以
上を◎、95%以上を○、95%未満を×として判定し
たものである。また、裸耐食性は脱脂した試料を、温度
25℃、相対湿度50%の雰囲気と温度50℃、相対湿
度98%の雰囲気に各30分繰返し5日間おいた場合の
発錆状態を目視確認し、発錆のないものを◎、直径1m
m未満の点錆の発錆したものを○、それ以上の発錆を示
したものを×と評価した。
る。 (実施例1)メタンスルフォン酸30g/リットル、S
n2+30g/リットル、カテコールスルフォン酸1.0
g/リットル、非イオン系界面活性剤5g/リットルを
含むめっき液を用い、不溶性アノードにより電解を行う
電気めっきぶりき製造設備において、連続めっき操作を
28日間行った。めっき液の正味量は50m3 であり、
操業期間におけるめっき電流密度は平均30 A/dm2、電
解総量は4.2×10 10Cであった。操業期間中、電解
装置から貯留槽に通じる配管の途中に、活性炭細孔径が
0.5〜50nmの範囲に容積率ピークを持つ活性炭
6.6tを有効断面積5.1m2 のカラム内に充填した
吸着槽を設け、その中に毎時25m3 のめっき液を通し
た。それに平行して30分毎に吸着槽の処理済液排出口
でのめっき液中カテコールスルフォン酸濃度を測定し、
吸着槽に続けて設置された添加槽にて適宜添加してカテ
コールスルフォン酸濃度変動を±10%以内に管理し
た。設備始動時、始動後3日、7日、14日後および2
8日後のノーリフローぶりきのめっき品質と電解効率の
評価結果を表1に示す。表1で、スマッジ生成量は、試
料であるノーリフローぶりきのめっきままのSn付着量
に対して、試料表面を5C濾紙を用いて加圧力50g/mm
2 で擦過した後のSn付着量の百分率をとり、98%以
上を◎、95%以上を○、95%未満を×として判定し
たものである。また、裸耐食性は脱脂した試料を、温度
25℃、相対湿度50%の雰囲気と温度50℃、相対湿
度98%の雰囲気に各30分繰返し5日間おいた場合の
発錆状態を目視確認し、発錆のないものを◎、直径1m
m未満の点錆の発錆したものを○、それ以上の発錆を示
したものを×と評価した。
【0022】(実施例2)メタンスルフォン酸30g/
リットル、Sn2+30g/リットル、カテコールスルフ
ォン酸1.0g/リットル、非イオン系界面活性剤5g
/リットルを含むめっき液を用い、不溶性アノードによ
り電解を行う電気めっきぶりき製造設備において、連続
めっき操作を28日間行った。めっき液の正味量は50
m3 であり、操業期間におけるめっき電流密度は平均3
0 A/dm2、電解総量は4.2×10 10Cであった。操業
期間中7日毎に、めっき液を活性炭細孔径が0.5〜5
0nmの範囲に容積率ピークを持つ活性炭6.6tを有
効断面積5.1m2 のカラム内に充填した吸着槽を含む
環状流路に毎時25m3 の流量で4時間流した。その後
液中カテコールスルフォン酸濃度を測定し、貯溜槽内に
カテコールスルフォン酸を適宜投入し、その濃度変動を
±10%以内に管理した。設備始動時、始動後3日、7
日、14日後および28日後のノーリフローぶりきのめ
っき品質と電解効率の評価結果を表1に示す。評価方法
と判定基準は実施例1に準じた。
リットル、Sn2+30g/リットル、カテコールスルフ
ォン酸1.0g/リットル、非イオン系界面活性剤5g
/リットルを含むめっき液を用い、不溶性アノードによ
り電解を行う電気めっきぶりき製造設備において、連続
めっき操作を28日間行った。めっき液の正味量は50
m3 であり、操業期間におけるめっき電流密度は平均3
0 A/dm2、電解総量は4.2×10 10Cであった。操業
期間中7日毎に、めっき液を活性炭細孔径が0.5〜5
0nmの範囲に容積率ピークを持つ活性炭6.6tを有
効断面積5.1m2 のカラム内に充填した吸着槽を含む
環状流路に毎時25m3 の流量で4時間流した。その後
液中カテコールスルフォン酸濃度を測定し、貯溜槽内に
カテコールスルフォン酸を適宜投入し、その濃度変動を
±10%以内に管理した。設備始動時、始動後3日、7
日、14日後および28日後のノーリフローぶりきのめ
っき品質と電解効率の評価結果を表1に示す。評価方法
と判定基準は実施例1に準じた。
【0023】(比較例1)メタンスルフォン酸30g/
リットル、Sn2+30g/リットル、カテコールスルフ
ォン酸1.0g/リットル、非イオン系界面活性剤5g
/リットルを含むめっき液を用い、不溶性アノードによ
り電解を行う電気めっきぶりき製造設備において、連続
めっき操作を7日間行った。めっき液の正味量は50m
3 であり、操業期間におけるめっき電流密度は平均30
A/dm2、電解総量は1.0×1010Cであった。操業期
間中、30分毎にめっき液中カテコールスルフォン酸濃
度を測定し、濃度変動を±10%以内に管理した。設備
始動時、始動後3日後、および7日後のノーリフローぶ
りきのめっき品質と電解効率の評価結果を表1に示す。
評価方法と判定基準は実施例1に準じた。
リットル、Sn2+30g/リットル、カテコールスルフ
ォン酸1.0g/リットル、非イオン系界面活性剤5g
/リットルを含むめっき液を用い、不溶性アノードによ
り電解を行う電気めっきぶりき製造設備において、連続
めっき操作を7日間行った。めっき液の正味量は50m
3 であり、操業期間におけるめっき電流密度は平均30
A/dm2、電解総量は1.0×1010Cであった。操業期
間中、30分毎にめっき液中カテコールスルフォン酸濃
度を測定し、濃度変動を±10%以内に管理した。設備
始動時、始動後3日後、および7日後のノーリフローぶ
りきのめっき品質と電解効率の評価結果を表1に示す。
評価方法と判定基準は実施例1に準じた。
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の効果】本発明の設備により、従来アノード酸化
体の濃縮によりめっき品質が不安定であった、大規模連
続めっき設備におけるMSA系錫めっき浴の不溶性アノ
ード操業が、そのめっき品質と操業の安定性において飛
躍的に向上し、稼働率と歩留りの向上により製品のコス
トダウンが実現される。
体の濃縮によりめっき品質が不安定であった、大規模連
続めっき設備におけるMSA系錫めっき浴の不溶性アノ
ード操業が、そのめっき品質と操業の安定性において飛
躍的に向上し、稼働率と歩留りの向上により製品のコス
トダウンが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示すフローチャート
である。
である。
1 連続電気めっき槽 2 吸着装置 3 酸化防止剤の供給装置 4 貯留槽
フロントページの続き (72)発明者 緒 方 一 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 森 戸 延 行 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内
Claims (2)
- 【請求項1】不溶性陽極を備え、酸化防止剤を含有する
めっき液を用いて鋼帯に連続して電気錫めっきを施す電
気めっき槽、めっき液の貯留槽、該電気めっき槽と該貯
留槽を結ぶめっき液循環経路、該循環経路に活性炭を吸
着剤とする酸化防止剤の酸化体の吸着装置を設け更に前
記めっき液の貯溜槽ないしは前記めっき液循環経路に酸
化防止剤の供給装置を設けてなる連続電気錫めっき設
備。 - 【請求項2】活性炭の吸着孔の直径分布が、0.5〜5
0nmの範囲に容積率ピークを有するものである請求項
1に記載の連続電気錫めっき設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28606991A JPH05125598A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 連続電気錫めつき設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28606991A JPH05125598A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 連続電気錫めつき設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05125598A true JPH05125598A (ja) | 1993-05-21 |
Family
ID=17699555
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28606991A Withdrawn JPH05125598A (ja) | 1991-10-31 | 1991-10-31 | 連続電気錫めつき設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05125598A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100351428C (zh) * | 2003-07-15 | 2007-11-28 | 天津英诺泰克科技发展有限公司 | 软性印刷电路板用化学锡溶液 |
JP2014189873A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Mitsubishi Materials Corp | Sn合金めっき方法及びSn合金めっき液のリサイクル方法、並びにこれらの装置 |
CN110029381A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-07-19 | 首钢集团有限公司 | 一种高镀锡量镀锡板的生产方法 |
-
1991
- 1991-10-31 JP JP28606991A patent/JPH05125598A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100351428C (zh) * | 2003-07-15 | 2007-11-28 | 天津英诺泰克科技发展有限公司 | 软性印刷电路板用化学锡溶液 |
JP2014189873A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Mitsubishi Materials Corp | Sn合金めっき方法及びSn合金めっき液のリサイクル方法、並びにこれらの装置 |
CN110029381A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-07-19 | 首钢集团有限公司 | 一种高镀锡量镀锡板的生产方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990107 |