JPH05123316A - Ｘ線ｃｔ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連続回転型Ｘ線ＣＴ装置において、少ない費
用で、回転側より固定側へのデータ転送の信頼性を向上
させる。 【構成】 Ｘ線発生装置とＸ線検出器とが搭載されてい
る回転枠にデータ処理装置をも取り付け、回転中にこの
データ処理装置で収集したデータの処理を行ない、回転
枠の静止時にデータ処理装置から上記処理済みのデータ
を固定側に転送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、Ｘ線ＣＴ装置に関
し、とくにＸ線発生装置とＸ線検出器とが連続的に回転
するタイプのＸ線ＣＴ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】連続回転型のＸ線ＣＴ装置では、Ｘ線発
生装置とＸ線検出器とが被写体の周囲を連続回転し、時
系列的な何枚もの断層像を高速に撮像することができ
る。この場合、Ｘ線発生装置とＸ線検出器とが連続的に
回転するため、通常のケーブルを用いてＸ線検出器から
の信号を外部（固定側）に取り出してデータ収集するわ
けには行かない。そこで、従来では、回転するＸ線検出
器からの信号を、スリップリングとブラシとのスライド
接触を通して、固定側に設置されたデータ収集装置に転
送するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スリッ
プリングとブラシとのスライド接触を用いて回転体から
固定側へ信号を取り出す場合には、そのスリップリング
とブラシとの間の磨耗によって粉塵等が発生し、導通が
妨げられ、データが正しく収集されないことがあるとい
う問題がある。その結果、最悪の場合には誤診の原因と
なる。これを避けるため、多大な費用を費やしてスリッ
プリングのメインテナンスを行なわざるを得ない。

【０００４】この発明は、上記に鑑み、費用負担が比較
的少ないながら、高い信頼性で、回転側より固定側への
データ転送を行なうことができる、Ｘ線ＣＴ装置を提供
することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明によるＸ線ＣＴ装置では、Ｘ線発生装置と
Ｘ線検出器とが搭載されている回転枠にデータ処理装置
をも取り付け、回転中にこのデータ処理装置で収集した
データの処理を行ない、回転枠の静止時に回転枠と固定
側との間のデータ伝送装置を介して上記処理済みのデー
タを固定側に取り出すことが特徴となっており、静止時
に回転側から固定側にデータ転送するので、比較的簡単
な構成でデータ転送の信頼性を高めることが容易であ
る。また、スリップリングのメインテナンスという労力
及び費用にかかる作業を行なう必要がなくなるので、費
用負担を軽減できる。さらに回転中もデータ処理を行な
うので患者スループットが低下することがない。

【０００６】

【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照しながら詳細に説明する。図１において、この発明の
一実施例にかかるＸ線ＣＴ装置は、ガントリ１と、コン
ソール２と、それらを接続するケーブル３とにより構成
される。ガントリ１では、固定枠１１に回転枠１２が取
り付けられている。この回転枠１２にはＸ線管１３、Ｘ
線検出器１４及びデータ処理装置１５が搭載されてお
り、これらが回転枠１２の回転とともに回転するように
なっている。ガントリ１内には図示しないが回転枠１２
を回転させるためのモーター等の回転駆動機構及びこれ
に電力を供給する電源装置などが収められている。この
ガントリ１の中央には貫通孔が設けられており、この孔
内にベッド天板１７にのせられた被写体（患者）１６が
挿入される。ベッド天板１７はＸ線吸収係数の小さなカ
ーボン等で作られている。

【０００７】Ｘ線管１３は被写体１６に向けてＸ線を照
射するものであり、高圧スリップリングを介して、ある
いは回転枠１２に搭載されたバッテリー及び高圧トラン
スにより、高電圧が供給される。

【０００８】被写体１６を透過したＸ線はＸ線検出器１
４に入射し、電圧又は電流信号に変換される。このＸ線
検出器１４はたとえばＸｅガスによる電離箱方式で構成
されたものや、半導体で構成されたものなどからなる。

【０００９】データ処理装置１５は、Ｘ線検出器１４の
電圧または電流信号よりデータを収集し、処理するもの
であり、たとえば逆投影アルゴリズムによって画像再構
成処理を行なう。このようなデータ処理装置１５は従来
はコンソール２側に装着されているが、これを小型化
し、コンソール２でなくてガントリ１内の回転枠１２に
搭載することとしたものである。これらデータ処理装置
１５等の電源は、回転枠１２に搭載したバッテリーなど
から供給する。

【００１０】回転枠１２の回転中、Ｘ線管１３がＸ線を
照射し、Ｘ線検出器１４が入射Ｘ線の電流又は電圧信号
への変換を行なうと、被写体１６の周囲の全方向からの
投影データを収集することができ、これをデータ処理装
置１５で処理して画像再構成を行なうことができる。回
転枠１２が連続的に回転した後、Ｘ線管１３の熱容量と
の関係で一定の冷却待ち時間を設ける必要から、Ｘ線曝
射が停止させられるとともに回転枠１２の回転が停止さ
せられて、回転枠１２は静止する。このような回転枠１
２の静止期間は上記のような冷却待ちの必要性からしば
しば生じる。このとき、図２で示すように固定枠１１に
設けたフォトカプラ１８と回転枠１２に設けたフォトカ
プラ１９とが対向するように静止させる。これらのフォ
トカプラ１８、１９はたとえば１６ビット並列型データ
転送装置、あるいは３２ビット並列型データ転送装置と
して構成される。そしてこれらの間で光信号の送受を行
なうことにより、上記の再構成画像のデータを回転側の
データ処理装置１５から固定側へと伝送する。

【００１１】そして、このデータはケーブル３を介して
コンソール２に送られる。コンソール２には画像表示装
置が備えられていて送られてきた画像データを表示する
ことができる。また、このコンソール２には画像データ
を記憶するための磁気ディスク装置や光ディスク装置な
ども備えられる。さらに、キーボード装置などの入力装
置が備えられ、その入力に応じて回転側への撮影指示等
も送り出される。

【００１２】すなわち、図３に示すように、回転枠１２
が指示待ちの状態となっている場合に、コンソール２か
ら回転側への撮影指示が出されると、回転枠１２が回転
するとともにＸ線が曝射され、データ収集が開始されて
撮影が行なわれるとともに、データ処理が行なわれる。
このときコンソール２の側では指示待ちの状態となって
おり、Ｘ線曝射が停止し、回転が停止すると、回転側か
らコンソール２側へ画像データ転送指示が出され、画像
データの受信の準備がなされる。そして画像データの転
送が行なわれ、それがコンソール２でストアされるとと
もに、表示される。

【００１３】なお、上記ではフォトカプラ１８、１９に
よりデータの伝送を行なっているが、静止時に金属片が
機械的に突出して他方の金属片と接触する構造のデータ
伝送装置などを用いることも可能である。また、上記で
は再構成後の画像データを転送しているが、再構成処理
前の生データを伝送するようにしてもよいことはもちろ
んである。

【００１４】

【発明の効果】以上実施例について説明したように、こ
の発明のＸ線ＣＴ装置によれば、静止時に回転側と固定
側との間でのデータ転送を行なうよう構成しているた
め、比較的簡単な構成でデータ転送の信頼性を高めるこ
とが容易である。また、スリップリングのメインテナン
スという労力及び費用にかかる作業を行なう必要がなく
なるので、費用負担を軽減できる。さらに回転枠はＸ線
管の冷却等のため一定の頻度で必ず停止させられ、その
静止期間を利用してデータ転送を行なうようにしている
ため、時間的なロスが生じることもない。回転枠が回転
し撮影が行なわれているときも同時に画像再構成処理を
行なうことができるので、一連の撮影が終了して静止し
たときただちに画像データを得ることができる。これら
により、全体として患者スループットが低下することが
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例のブロック図。

【図２】同実施例におけるデータ伝送装置の部分の概略
図。

【図３】動作を示すフローチャート。

【符号の説明】

１ ガントリ ２ コンソール ３ ケーブル １１ 固定枠 １２ 回転枠 １３ Ｘ線管 １４ Ｘ線検出器 １５ データ処理装置 １６ 被写体 １７ ベッド天板 １８、１９ フォトカプラ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転枠と、この回転枠に取り付けられた
   Ｘ線発生装置、Ｘ線検出器及びこのＸ線検出器の出力信
   号から収集したデータを処理するデータ処理装置と、回
   転枠の静止時に、上記のデータ処理装置で処理したデー
   タを回転側から固定側へと伝えるデータ伝送装置とを備
   えることを特徴とするＸ線ＣＴ装置。