JPH05117814A - 12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法 - Google Patents
12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法Info
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- JPH05117814A JPH05117814A JP27566291A JP27566291A JPH05117814A JP H05117814 A JPH05117814 A JP H05117814A JP 27566291 A JP27566291 A JP 27566291A JP 27566291 A JP27566291 A JP 27566291A JP H05117814 A JPH05117814 A JP H05117814A
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 蒸気タービン、ガスタービン用部材として有
用な12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法に関す
る。 【構成】 重量%で、C:0.1〜0.2%、Si:
0.3%以下、Mn:0.1〜1.5%、Ni:0.1
〜1.5%、Cr:9〜13%、V:0.1〜0.3
%、Nb:0.01〜0.2%又はTa:0.05%以
下、N:0.01〜0.1%、Al:0.02%以下、
Mo:0.5%未満、W:0.9〜3%を含有し、残部
Feおよび付随的不純物よりなり、かつMoおよびWの
含有量〔Mo〕、〔W〕が下記式、0.75≦1/2
〔W〕+〔Mo〕、3≦〔W〕/〔Mo〕をそれぞれ満
足する合金組成を有する12Cr系高強度耐熱鋼及びエ
レクトロスラグ再溶解および真空アーク溶解により上記
組成の鋼塊を鍛造成形した後、1000〜1150℃の
温度範囲に加熱後焼入れし、次いで550〜750℃の
温度範囲で焼戻し処理を行う12Cr系耐熱鋼の製造方
法。
用な12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法に関す
る。 【構成】 重量%で、C:0.1〜0.2%、Si:
0.3%以下、Mn:0.1〜1.5%、Ni:0.1
〜1.5%、Cr:9〜13%、V:0.1〜0.3
%、Nb:0.01〜0.2%又はTa:0.05%以
下、N:0.01〜0.1%、Al:0.02%以下、
Mo:0.5%未満、W:0.9〜3%を含有し、残部
Feおよび付随的不純物よりなり、かつMoおよびWの
含有量〔Mo〕、〔W〕が下記式、0.75≦1/2
〔W〕+〔Mo〕、3≦〔W〕/〔Mo〕をそれぞれ満
足する合金組成を有する12Cr系高強度耐熱鋼及びエ
レクトロスラグ再溶解および真空アーク溶解により上記
組成の鋼塊を鍛造成形した後、1000〜1150℃の
温度範囲に加熱後焼入れし、次いで550〜750℃の
温度範囲で焼戻し処理を行う12Cr系耐熱鋼の製造方
法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばボルト、ブレー
ド、弁棒および弁座等の蒸気タービン用部材、ガスター
ビン用部材として有用な12Cr系高強度耐熱鋼及びそ
の製造方法に関する。
ド、弁棒および弁座等の蒸気タービン用部材、ガスター
ビン用部材として有用な12Cr系高強度耐熱鋼及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸気タービンの高温用ボルトや高
温用のブレード等の部材としては、タイプ422等の1
2Cr系鋼が用いられているが、クリープ強度が十分と
は言えず、寸法の変更等設計的な対応や高価な超合金の
使用等が行なわれている。
温用のブレード等の部材としては、タイプ422等の1
2Cr系鋼が用いられているが、クリープ強度が十分と
は言えず、寸法の変更等設計的な対応や高価な超合金の
使用等が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑み、従来の12Cr系鋼の高温強度の不足を解決す
るため常温特性も安定した高温強度の優れた12Cr系
耐熱鋼及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
に鑑み、従来の12Cr系鋼の高温強度の不足を解決す
るため常温特性も安定した高温強度の優れた12Cr系
耐熱鋼及びその製造方法を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は従来の12Cr
系鋼の化学組成、溶解方法および熱処理方法等について
広範囲に実験検討した結果、高温のクリープ破断強度が
優れ、かつ延性および靱性も優れた12Cr系耐熱鋼を
見い出し、本発明を完成するに到った。
系鋼の化学組成、溶解方法および熱処理方法等について
広範囲に実験検討した結果、高温のクリープ破断強度が
優れ、かつ延性および靱性も優れた12Cr系耐熱鋼を
見い出し、本発明を完成するに到った。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)重量%で、C:0.1〜0.2%、Si:0.3
%以下、Mn:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜1.
5%、Cr:9〜13%、V:0.1〜0.3%、N
b:0.01〜0.2%又はTa:0.05%以下、
N:0.01〜0.1%、Al:0.02%以下、M
o:0.5%未満、W:0.9〜3%を含有し、残部F
eおよび付随的不純物よりなり、かつMoおよびWの含
有量〔Mo〕、〔W〕が下記式 0.75≦1/2〔W〕+〔Mo〕 3 ≦ 〔W〕/〔Mo〕 をそれぞれ満足する合金組成を有する12Cr系高強度
耐熱鋼。
%以下、Mn:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜1.
5%、Cr:9〜13%、V:0.1〜0.3%、N
b:0.01〜0.2%又はTa:0.05%以下、
N:0.01〜0.1%、Al:0.02%以下、M
o:0.5%未満、W:0.9〜3%を含有し、残部F
eおよび付随的不純物よりなり、かつMoおよびWの含
有量〔Mo〕、〔W〕が下記式 0.75≦1/2〔W〕+〔Mo〕 3 ≦ 〔W〕/〔Mo〕 をそれぞれ満足する合金組成を有する12Cr系高強度
耐熱鋼。
【0006】(2)エレクトロスラグ再溶解および真空
アーク溶解により請求項1の組成の鋼塊を鍛造成形した
後、1000〜1150℃の温度範囲に加熱後焼入れ
し、次いで550〜750℃の温度範囲で焼戻し処理を
行うことを特徴とする12Cr系耐熱鋼の製造方法。で
ある。
アーク溶解により請求項1の組成の鋼塊を鍛造成形した
後、1000〜1150℃の温度範囲に加熱後焼入れ
し、次いで550〜750℃の温度範囲で焼戻し処理を
行うことを特徴とする12Cr系耐熱鋼の製造方法。で
ある。
【0007】
【作用】本発明の12Cr系耐熱鋼は電気炉等で特定の
合金組成になるように原料を溶解精錬後鋼塊をつくり、
その後エレクトロスラグ再溶解あるいは真空アーク溶解
を行なって、偏析の少ない均質で清浄な鋼塊を得、次に
この鋼塊を1000℃〜1200℃に加熱して熱間加工
を行い各部品の素体としたのち、1000℃〜1150
℃で加熱後焼入れし、次いで、油中焼入れ等を施し、次
に550℃〜750℃で焼戻し熱処理を行う。
合金組成になるように原料を溶解精錬後鋼塊をつくり、
その後エレクトロスラグ再溶解あるいは真空アーク溶解
を行なって、偏析の少ない均質で清浄な鋼塊を得、次に
この鋼塊を1000℃〜1200℃に加熱して熱間加工
を行い各部品の素体としたのち、1000℃〜1150
℃で加熱後焼入れし、次いで、油中焼入れ等を施し、次
に550℃〜750℃で焼戻し熱処理を行う。
【0008】つぎに本発明の合金組成の限定理由につい
て述べる。
て述べる。
【0009】(1)Cを0.1〜0.2%とした理由
(%は以下、重量%を意味する) Cは材料強度や常温の靱性を著しく変動させる元素であ
り、引張強さやクリープ破断強さを確保するために必要
な元素である。Cが0.1%未満ではδ−フェライトが
生成し所要の特性が得られず、他方、0.2%を越えて
添加すると常温での靱性が低下するだけでなく、550
℃以上の温度範囲で使用されると炭化物の凝集粗大化が
著しくなり、長時間のクリープ破断強度の低下が生じる
ためこの範囲とした。
(%は以下、重量%を意味する) Cは材料強度や常温の靱性を著しく変動させる元素であ
り、引張強さやクリープ破断強さを確保するために必要
な元素である。Cが0.1%未満ではδ−フェライトが
生成し所要の特性が得られず、他方、0.2%を越えて
添加すると常温での靱性が低下するだけでなく、550
℃以上の温度範囲で使用されると炭化物の凝集粗大化が
著しくなり、長時間のクリープ破断強度の低下が生じる
ためこの範囲とした。
【0010】またCおよびNの含有量の合計の最適範囲
は0.13〜0.23%である。
は0.13〜0.23%である。
【0011】(2)Siを0.3%以下とした理由 Siは従来から脱酸剤として使用されているが、多量の
添加は靱性を低下させる。低Si化により偏析が少なく
なり長時間使用後の靱性の低下が小さいので、最高を
0.3%としたが少ないほど望ましい。
添加は靱性を低下させる。低Si化により偏析が少なく
なり長時間使用後の靱性の低下が小さいので、最高を
0.3%としたが少ないほど望ましい。
【0012】(3)Mnを0.1〜1.5%とした理由 Mnは脱酸剤として添加されるが、0.1%未満では不
十分で効果が少なく、また1.5%を越えて添加すると
クリープ破断強さが低下するためこの範囲とした。
十分で効果が少なく、また1.5%を越えて添加すると
クリープ破断強さが低下するためこの範囲とした。
【0013】(4)Niを0.1〜1.5%とした理由 Niは焼入れ性および常温における靱性を向上させ、ま
たδ−フェライトの成生を抑えるために必要な元素であ
るが、0.1%未満ではその効果が乏しく1.5%を越
えて添加するとクリープ破断強度を低下させるのでこの
範囲にした。
たδ−フェライトの成生を抑えるために必要な元素であ
るが、0.1%未満ではその効果が乏しく1.5%を越
えて添加するとクリープ破断強度を低下させるのでこの
範囲にした。
【0014】(5)Crを9〜13%とした理由 Crは機械的性質を得るために必要な元素で、また耐酸
化性と耐食性を向上させるが、9%未満では蒸気に対す
る充分な耐食性およびクリープ破断強度が得られず、ま
た13%以上含有されるとδ−フェライトが成生しクリ
ープ破断強度の低下や疲労強度が低下することから、こ
の範囲にした。
化性と耐食性を向上させるが、9%未満では蒸気に対す
る充分な耐食性およびクリープ破断強度が得られず、ま
た13%以上含有されるとδ−フェライトが成生しクリ
ープ破断強度の低下や疲労強度が低下することから、こ
の範囲にした。
【0015】(6)Moを0.5%未満、Wを0.9〜
3%とした理由 本発明鋼の優れた高温クリープ破断特性は多量のWの添
加によって確保される。MoとWは周期律表において、
ともにVI−B族の元素であり、炭化物生成元素として
ほぼ同じような挙動を示す。今、Wの原子量がMoの原
子量の約2倍であることから、MoおよびWの含有量を
等価のMo含有量に換算した値をMo当量とする。すな
わち、Mo含有量を〔Mo〕とし、W含有量を〔W〕と
するとMo当量=1/2〔W〕+〔Mo〕であり、Mo
当量0.75%以下では長時間クリープ破断強度が低く
なる。
3%とした理由 本発明鋼の優れた高温クリープ破断特性は多量のWの添
加によって確保される。MoとWは周期律表において、
ともにVI−B族の元素であり、炭化物生成元素として
ほぼ同じような挙動を示す。今、Wの原子量がMoの原
子量の約2倍であることから、MoおよびWの含有量を
等価のMo含有量に換算した値をMo当量とする。すな
わち、Mo含有量を〔Mo〕とし、W含有量を〔W〕と
するとMo当量=1/2〔W〕+〔Mo〕であり、Mo
当量0.75%以下では長時間クリープ破断強度が低く
なる。
【0016】本発明の特徴は、同一のMo当量において
も、Wの含有量〔W〕をMoの含有量〔Mo〕より多く
することによって、高温長時間のクリープ破断強度を上
昇させたことである。具体的には、〔W〕/〔Mo〕を
3以上とし、クリープ破断強度を上昇させた。
も、Wの含有量〔W〕をMoの含有量〔Mo〕より多く
することによって、高温長時間のクリープ破断強度を上
昇させたことである。具体的には、〔W〕/〔Mo〕を
3以上とし、クリープ破断強度を上昇させた。
【0017】これはWがMoとほぼ同一の挙動は示す
が、Moよりは溶融点が高いことからもわかるように、
高温でより安定であることを利用したのである。
が、Moよりは溶融点が高いことからもわかるように、
高温でより安定であることを利用したのである。
【0018】Wが0.9%未満では、高温強度が低く、
また3%を越えると靱性が低下する。
また3%を越えると靱性が低下する。
【0019】一方、Moは0.5%以上では、Fe2 M
oやM6C(M:Fe,Cr,Mo,Wなどの金属)な
どの不安定な析出物が析出しやすくなり長時間クリープ
破断強度が低くなる。
oやM6C(M:Fe,Cr,Mo,Wなどの金属)な
どの不安定な析出物が析出しやすくなり長時間クリープ
破断強度が低くなる。
【0020】以上を総合して、Moの含有量は0.5%
未満、Wは0.9〜3%とし、1/2〔W〕+〔Mo〕
は0.75%以上、〔W〕/〔Mo〕は3以上とした。
未満、Wは0.9〜3%とし、1/2〔W〕+〔Mo〕
は0.75%以上、〔W〕/〔Mo〕は3以上とした。
【0021】(7)Vを0.1〜0.3%とした理由 VはVCやVN等の炭(窒)化物を形成し、マトリック
スを強化するとともに高温で使用中に析出してくるM23
C6 (M:上記と同じ)を微細にし、長時間クリープ破
断強度を著しく高める。0.1%未満ではその効果が十
分でなくクリープ破断強度が低く、0.3%を越えて添
加すると炭化物が凝集して粗大化し、またフェライト相
が生成するなどしてクリープ破断強度を低下させること
からこの範囲にした。
スを強化するとともに高温で使用中に析出してくるM23
C6 (M:上記と同じ)を微細にし、長時間クリープ破
断強度を著しく高める。0.1%未満ではその効果が十
分でなくクリープ破断強度が低く、0.3%を越えて添
加すると炭化物が凝集して粗大化し、またフェライト相
が生成するなどしてクリープ破断強度を低下させること
からこの範囲にした。
【0022】(8)Nbを0.01〜0.2%、又はT
aを0.05%以下とした理由 NbはVと同様に炭(窒)化物を形成し、クリープ破断
強度を著しく高める。0.01%未満ではこの効果が少
なく、十分なクリープ破断強度が得られない。一方、
0.2%を越えてNbを添加すると粗大な炭(窒)化物
を生成し靱性、靱性を低下させることからこの範囲とし
た。
aを0.05%以下とした理由 NbはVと同様に炭(窒)化物を形成し、クリープ破断
強度を著しく高める。0.01%未満ではこの効果が少
なく、十分なクリープ破断強度が得られない。一方、
0.2%を越えてNbを添加すると粗大な炭(窒)化物
を生成し靱性、靱性を低下させることからこの範囲とし
た。
【0023】TaはNbと同様の効果を示すが、0.0
5%を越えて添加すると、1150℃の焼入れ温度でも
マトリックスへの固溶ができず十分なクリープ破断強度
を行うことができないので、0.05%以下とした。
5%を越えて添加すると、1150℃の焼入れ温度でも
マトリックスへの固溶ができず十分なクリープ破断強度
を行うことができないので、0.05%以下とした。
【0024】(9)Nを0.01〜0.1%とした理由 Nはフェライト相の生成を抑えるとともにクリープ破断
強度を確保するために必要な元素である。0.01未満
ではその効果が小さく十分なクリープ破断強度が得られ
ない。一方、0.1%を越えて添加すると窒化物が粗大
化しクリープ破断強度低下させ、またピンホール等の材
料欠陥を発生させることからこの範囲としたが、NとC
の含有量の合計の最適範囲は前述したように、0.13
〜0.22%である。
強度を確保するために必要な元素である。0.01未満
ではその効果が小さく十分なクリープ破断強度が得られ
ない。一方、0.1%を越えて添加すると窒化物が粗大
化しクリープ破断強度低下させ、またピンホール等の材
料欠陥を発生させることからこの範囲としたが、NとC
の含有量の合計の最適範囲は前述したように、0.13
〜0.22%である。
【0025】(10)Alを0.02%以下とした理由 Alは鋼の脱酸剤および結晶粒微細化元素として使用さ
れるが0.02%を越えてAlを添加すると長時間のク
リープ破断強度を著しく低下されるので含有量は0.0
2%以下にした。
れるが0.02%を越えてAlを添加すると長時間のク
リープ破断強度を著しく低下されるので含有量は0.0
2%以下にした。
【0026】(11)焼入れ温度を1000〜1150
℃とした理由 1000℃未満では、特にNb等の添加元素が十分固溶
しないため、高温強度が不十分であり、1150℃を越
えると組織が粗大化する等により切欠弱化を生じる恐れ
があるからである。
℃とした理由 1000℃未満では、特にNb等の添加元素が十分固溶
しないため、高温強度が不十分であり、1150℃を越
えると組織が粗大化する等により切欠弱化を生じる恐れ
があるからである。
【0027】(12)焼戻し温度を550〜750℃と
した理由 550℃未満では靱性が不十分となり、750℃を越え
ると軟化が大きくなり、十分な強度が得られなくなるか
らである。
した理由 550℃未満では靱性が不十分となり、750℃を越え
ると軟化が大きくなり、十分な強度が得られなくなるか
らである。
【0028】以上述べたように、本発明鋼は各種高温ボ
ルトやタービンブレード、弁棒や弁座などにも用いるこ
とができる。さらに溶接性にも優れシュラウド等、各
種、耐熱用部材へも採用できる。
ルトやタービンブレード、弁棒や弁座などにも用いるこ
とができる。さらに溶接性にも優れシュラウド等、各
種、耐熱用部材へも採用できる。
【0029】
【実施例】表1に示す化学組成を有する試験材について
各種試験を実施した。
各種試験を実施した。
【表1】
【0030】本発明の実施例1,2,3,4および比較
例1は50kg真空溶解炉において鋼塊を溶製し、この
鋼塊を1200℃〜900℃の温度範囲において鍛伸
し、鍛造比5以上の棒材を得た。これらの試料を105
0℃〜1150℃の温度に加熱後油中に急冷する焼入れ
処理を行ない、その後引張強さが約100kgf/mm
2 になるよう660〜680℃の範囲で焼戻し処理を行
なった。
例1は50kg真空溶解炉において鋼塊を溶製し、この
鋼塊を1200℃〜900℃の温度範囲において鍛伸
し、鍛造比5以上の棒材を得た。これらの試料を105
0℃〜1150℃の温度に加熱後油中に急冷する焼入れ
処理を行ない、その後引張強さが約100kgf/mm
2 になるよう660〜680℃の範囲で焼戻し処理を行
なった。
【0031】比較例2,3は市販されたボルト等に使用
されているタイプ422である。比較例2は市販のメー
カ品を実施例1,4と同じ焼入れ処理を行ない690℃
で焼戻しを行なったものである。比較例3は1040℃
で焼入れ処理を行い、660℃で焼戻しを行ったもので
ある。
されているタイプ422である。比較例2は市販のメー
カ品を実施例1,4と同じ焼入れ処理を行ない690℃
で焼戻しを行なったものである。比較例3は1040℃
で焼入れ処理を行い、660℃で焼戻しを行ったもので
ある。
【0032】表2に、これらの試料の機械的性質、すな
わち常温における引張試験結果および2mmVノッチシ
ャルピー衝撃試験結果を示す。
わち常温における引張試験結果および2mmVノッチシ
ャルピー衝撃試験結果を示す。
【表2】
【0033】本発明材は目標どおりの強度を示してお
り、伸び、絞りも十分に大きい。また常温の衝撃値も満
足できる値を示し比較例2,3よりも大きい。
り、伸び、絞りも十分に大きい。また常温の衝撃値も満
足できる値を示し比較例2,3よりも大きい。
【0034】表3にクリープ破断試験結果を示す。本発
明材は比較例1,2,3に比べ相当に高いクリープ破断
強度を有しており、また、クリープ破断伸びや絞りも同
等以上である。
明材は比較例1,2,3に比べ相当に高いクリープ破断
強度を有しており、また、クリープ破断伸びや絞りも同
等以上である。
【表3】
【0035】図1にリラクセーション試験結果を示す。
ここでは実施例1と比較例3についてのみ示した。
ここでは実施例1と比較例3についてのみ示した。
【0036】リラクセーション試験はボルト・フランジ
タイプで行ない加熱後の残留歪をストレインゲージにて
計測した。本発明材は優れたリラクセーション特性を示
した。
タイプで行ない加熱後の残留歪をストレインゲージにて
計測した。本発明材は優れたリラクセーション特性を示
した。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明鋼は室温および高温
強度に優れ延性、靱性にも優れ、またボルト材として重
要なリラクセーション特性が優れており、工業上有用で
ある。また本発明鋼はブレード材として必要な大きい内
部摩擦特性を有している。
強度に優れ延性、靱性にも優れ、またボルト材として重
要なリラクセーション特性が優れており、工業上有用で
ある。また本発明鋼はブレード材として必要な大きい内
部摩擦特性を有している。
【図1】本発明の一実施例鋼と比較鋼のリラクセーショ
ン試験結果を示す図表
ン試験結果を示す図表
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22B 9/18 9/20 C22C 38/58 (72)発明者 藤川 卓爾 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内 (72)発明者 ▲高▼野 正義 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所内 (72)発明者 土山 友博 兵庫県神戸市中央区脇浜町1丁目3番18号 株式会社神戸製鋼所内
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.1〜0.2%、S
i:0.3%以下、Mn:0.1〜1.5%、Ni:
0.1〜1.5%、Cr:9〜13%、V:0.1〜
0.3%、Nb:0.01〜0.2%又はTa:0.0
5%以下、N:0.01〜0.1%、Al:0.02%
以下、Mo:0.5%未満、W:0.9〜3%を含有
し、残部Feおよび付随的不純物よりなり、かつMoお
よびWの含有量〔Mo〕、〔W〕が下記式 0.75≦1/2〔W〕+〔Mo〕 3 ≦ 〔W〕/〔Mo〕 をそれぞれ満足する合金組成を有する12Cr系高強度
耐熱鋼。 - 【請求項2】 エレクトロスラグ再溶解および真空アー
ク溶解により請求項1の組成の鋼塊を鍛造成形した後、
1000〜1150℃の温度範囲に加熱後焼入れし、次
いで550〜750℃の温度範囲で焼戻し処理を行うこ
とを特徴とする12Cr系耐熱鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27566291A JPH05117814A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27566291A JPH05117814A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117814A true JPH05117814A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17558600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27566291A Pending JPH05117814A (ja) | 1991-10-23 | 1991-10-23 | 12Cr系高強度耐熱鋼及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117814A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100600972B1 (ko) * | 2004-11-16 | 2006-07-13 | 두산중공업 주식회사 | 델타 페라이트 제거를 위한 블레이드 소재의 열처리 방법 |
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- 1991-10-23 JP JP27566291A patent/JPH05117814A/ja active Pending
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