JPH05117217A - 石油化学品を製造する方法 - Google Patents
石油化学品を製造する方法Info
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- JPH05117217A JPH05117217A JP4090389A JP9038992A JPH05117217A JP H05117217 A JPH05117217 A JP H05117217A JP 4090389 A JP4090389 A JP 4090389A JP 9038992 A JP9038992 A JP 9038992A JP H05117217 A JPH05117217 A JP H05117217A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 炭化水素と酸素含有ガスとを,適切な触媒の
存在下にて蒸気相反応させることによって石油化学品を
製造する改良された方法を提供する。 【構成】 本発明の改良された方法においては,冷却も
しくは液化された不活性ガスが,炭化水素酸化反応器か
ら出てきたガス状生成物流れ中に冷却用流体として導入
され,これによって生成物流れが易燃性成分の自己発火
温度より下の温度に冷却され,ガス状生成物から石油化
学品が回収され,そしてガス状生成物から未反応炭化水
素が除去されて反応器に再循環される。
存在下にて蒸気相反応させることによって石油化学品を
製造する改良された方法を提供する。 【構成】 本発明の改良された方法においては,冷却も
しくは液化された不活性ガスが,炭化水素酸化反応器か
ら出てきたガス状生成物流れ中に冷却用流体として導入
され,これによって生成物流れが易燃性成分の自己発火
温度より下の温度に冷却され,ガス状生成物から石油化
学品が回収され,そしてガス状生成物から未反応炭化水
素が除去されて反応器に再循環される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,適切な触媒の存在下に
て,炭化水素と酸素含有ガスから石油化学品(petr
ochemical)を製造する方法に関する。さらに
詳細には,本発明は,炭化水素と酸素から石油化学品が
製造される蒸気相反応器システムにおいて,爆発や火災
の危険性を少なくするかあるいは完全になくすための方
法に関する。
て,炭化水素と酸素含有ガスから石油化学品(petr
ochemical)を製造する方法に関する。さらに
詳細には,本発明は,炭化水素と酸素から石油化学品が
製造される蒸気相反応器システムにおいて,爆発や火災
の危険性を少なくするかあるいは完全になくすための方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油化学品の多くは,適切な触媒の存在
下で適当な炭化水素を蒸気相にて酸化することによって
製造されている。例えば,無水マレイン酸は,ベンゼン
又は直鎖状C4炭化水素(4個の炭素原子を含有した炭
化水素;例えば,n−ブタン,ブテン,又はブタジエン
等)を,バナジウム−リン酸化物触媒の存在下で酸素に
より蒸気相酸化することによって工業的に製造されてい
る。同様に,不飽和ニトリルは,飽和もしくはオレフィ
ン性不飽和炭化水素を,アンモニアと適切な触媒の存在
下にて酸素でアンモ酸化することによって製造されてお
り;アルキレンオキシドは,低級アルカンや低級アルケ
ンを,適切な触媒の存在下にて酸素で酸化することによ
って製造されており;そして不飽和塩素化炭化水素は,
低級アルカンや低級アルケンを,適切な触媒の存在下に
て酸素で酸化することによって製造されている。酸素源
としては,一般には空気が使用される。低コストで且つ
入手が容易だからである。反応は,適切な反応器〔例え
ば,固定層反応器,流動層反応器,又は移送層反応器
(transport bed reactor)〕中
で行うことができ,石油化学品が,そして一般には一酸
化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),水,及び少量
の他の部分酸化副生物が得られる。反応装置系は一般に
は,反応器(所望の生成物が製造される);スクラバー
等の石油化学品回収ユニット(所望の生成物に対して水
又は他の溶媒を使用して,反応器流出ガスから生成物が
回収される);及びスクラバー処理された流出ガスをさ
らに処理するための手段;からなる。
下で適当な炭化水素を蒸気相にて酸化することによって
製造されている。例えば,無水マレイン酸は,ベンゼン
又は直鎖状C4炭化水素(4個の炭素原子を含有した炭
化水素;例えば,n−ブタン,ブテン,又はブタジエン
等)を,バナジウム−リン酸化物触媒の存在下で酸素に
より蒸気相酸化することによって工業的に製造されてい
る。同様に,不飽和ニトリルは,飽和もしくはオレフィ
ン性不飽和炭化水素を,アンモニアと適切な触媒の存在
下にて酸素でアンモ酸化することによって製造されてお
り;アルキレンオキシドは,低級アルカンや低級アルケ
ンを,適切な触媒の存在下にて酸素で酸化することによ
って製造されており;そして不飽和塩素化炭化水素は,
低級アルカンや低級アルケンを,適切な触媒の存在下に
て酸素で酸化することによって製造されている。酸素源
としては,一般には空気が使用される。低コストで且つ
入手が容易だからである。反応は,適切な反応器〔例え
ば,固定層反応器,流動層反応器,又は移送層反応器
(transport bed reactor)〕中
で行うことができ,石油化学品が,そして一般には一酸
化炭素(CO),二酸化炭素(CO2),水,及び少量
の他の部分酸化副生物が得られる。反応装置系は一般に
は,反応器(所望の生成物が製造される);スクラバー
等の石油化学品回収ユニット(所望の生成物に対して水
又は他の溶媒を使用して,反応器流出ガスから生成物が
回収される);及びスクラバー処理された流出ガスをさ
らに処理するための手段;からなる。
【0003】従来においては,炭化水素の転化率が最大
となるような条件下で,単一パスをベースとして上記プ
ロセスを実施するのが通常のやり方であった。こうした
やり方では,全体としての効率が低くなる場合が多い。
なぜなら,所望の生成物に対する選択性が低下すること
があるからである。従って,流出ガスは所望生成物の含
量が少なく,未反応の炭化水素の他に,相当量のCOや
CO2を含有する。これらの生成物は通常は焼却され,
従ってこれらからの唯一の見返りは発熱量だけであっ
た。最近のプロセスにおいては,生成物含量の少ない流
出ガスの一部が再循環され,炭化水素供給原料の転化率
が下げられ,炭化水素の所望の生成物への転化選択性が
アップされている。流出ガスの残部を系からパージし,
これによってCO,CO2,及び窒素(酸素源として空
気が使用されるときに系中に導入される)の堆積が防止
されている。こうした改良により,“パス一回当たり
(per pass)”の転化率は低下するが,プロセ
ス全体としての効率は増大している。
となるような条件下で,単一パスをベースとして上記プ
ロセスを実施するのが通常のやり方であった。こうした
やり方では,全体としての効率が低くなる場合が多い。
なぜなら,所望の生成物に対する選択性が低下すること
があるからである。従って,流出ガスは所望生成物の含
量が少なく,未反応の炭化水素の他に,相当量のCOや
CO2を含有する。これらの生成物は通常は焼却され,
従ってこれらからの唯一の見返りは発熱量だけであっ
た。最近のプロセスにおいては,生成物含量の少ない流
出ガスの一部が再循環され,炭化水素供給原料の転化率
が下げられ,炭化水素の所望の生成物への転化選択性が
アップされている。流出ガスの残部を系からパージし,
これによってCO,CO2,及び窒素(酸素源として空
気が使用されるときに系中に導入される)の堆積が防止
されている。こうした改良により,“パス一回当たり
(per pass)”の転化率は低下するが,プロセ
ス全体としての効率は増大している。
【0004】ドイツ連邦共和国(FRG)特許出願第2
544972号は,反応器供給物がC4炭化水素,空
気,CO,及びCO2を含んだ形の,無水マレイン酸製
造プロセスについて開示している。該特許のプロセスに
おいては,反応器流出ガス流れから無水マレイン酸が回
収され,残りの流れの一部が再循環される。該特許はさ
らに,再循環されないガス流れから圧力スイング吸着に
よってブタンを回収し,この回収したブタンを反応器に
再循環することを開示している。酸素を使用した炭化水
素の酸化による石油化学品の気相製造に付きものの大き
な問題点は,反応が高温で行われるので,反応器及び反
応器に繋がった装置やパイプラインにおいて,未反応炭
化水素の分解の結果,火災や爆発の危険性が常に存在し
ているということである。炭化水素の分解傾向は,触媒
の存在によって高められ,そして特に流動層反応器又は
移送層反応器において高められる。従って,反応器及び
それに繋がった装置において,混合物が可燃性の範囲外
(あるいは少なくとも自己発火の範囲外)で残存するよ
うな条件が保持されるよう,継続的に検討努力が払われ
ている。
544972号は,反応器供給物がC4炭化水素,空
気,CO,及びCO2を含んだ形の,無水マレイン酸製
造プロセスについて開示している。該特許のプロセスに
おいては,反応器流出ガス流れから無水マレイン酸が回
収され,残りの流れの一部が再循環される。該特許はさ
らに,再循環されないガス流れから圧力スイング吸着に
よってブタンを回収し,この回収したブタンを反応器に
再循環することを開示している。酸素を使用した炭化水
素の酸化による石油化学品の気相製造に付きものの大き
な問題点は,反応が高温で行われるので,反応器及び反
応器に繋がった装置やパイプラインにおいて,未反応炭
化水素の分解の結果,火災や爆発の危険性が常に存在し
ているということである。炭化水素の分解傾向は,触媒
の存在によって高められ,そして特に流動層反応器又は
移送層反応器において高められる。従って,反応器及び
それに繋がった装置において,混合物が可燃性の範囲外
(あるいは少なくとも自己発火の範囲外)で残存するよ
うな条件が保持されるよう,継続的に検討努力が払われ
ている。
【0005】米国特許第3,904,652号は,酸化
用ガスとして酸素を使用し,そして不活性ガス(例え
ば,窒素,アルゴン,ヘリウム,又は低級炭化水素)を
n−ブタンや酸素と共に固定層反応器中に供給するとい
う気相無水マレイン酸製造プロセスについて開示してお
り,このとき不活性ガスは,反応器中の酸素とブタンの
濃度を,これらが可燃性混合物を形成するポイントより
下の濃度に下げるための希釈剤として作用している。開
示のプロセスにおいては,ガス状流出物の一部(ブタン
の他に,一酸化炭素,二酸化炭素,及び不活性ガスを含
有している)が再循環される。米国特許第4,352,
755号は,CO2の存在下において,直鎖状C4炭化
水素と酸素とを反応させることによって,無水マレイン
酸を蒸気相製造するための再循環プロセスを開示してい
る。該特許に開示のプロセスにおいては,ガス状混合物
が,最大30容量%の二酸化炭素を不活性希釈剤として
含有し,少なくとも25容量%のC4炭化水素を含有す
る。該特許によれば,酸化工程中に多くとも2%v/v
(さらに好ましくは多くとも1%v/v)の一酸化炭素
が存在する。該特許のプロセスにおいては,多量のC4
炭化水素が存在すると,特に反応器出口の区域において
系中のガス混合物が可燃性となる。
用ガスとして酸素を使用し,そして不活性ガス(例え
ば,窒素,アルゴン,ヘリウム,又は低級炭化水素)を
n−ブタンや酸素と共に固定層反応器中に供給するとい
う気相無水マレイン酸製造プロセスについて開示してお
り,このとき不活性ガスは,反応器中の酸素とブタンの
濃度を,これらが可燃性混合物を形成するポイントより
下の濃度に下げるための希釈剤として作用している。開
示のプロセスにおいては,ガス状流出物の一部(ブタン
の他に,一酸化炭素,二酸化炭素,及び不活性ガスを含
有している)が再循環される。米国特許第4,352,
755号は,CO2の存在下において,直鎖状C4炭化
水素と酸素とを反応させることによって,無水マレイン
酸を蒸気相製造するための再循環プロセスを開示してい
る。該特許に開示のプロセスにおいては,ガス状混合物
が,最大30容量%の二酸化炭素を不活性希釈剤として
含有し,少なくとも25容量%のC4炭化水素を含有す
る。該特許によれば,酸化工程中に多くとも2%v/v
(さらに好ましくは多くとも1%v/v)の一酸化炭素
が存在する。該特許のプロセスにおいては,多量のC4
炭化水素が存在すると,特に反応器出口の区域において
系中のガス混合物が可燃性となる。
【0006】よく知られているように,組成や圧力も含
めたある一組の条件下においては,炭化水素−酸素ガス
状混合物の易燃性や自己発火性は,特に該ガス状混合物
の温度により決まる。低い温度においては,ガス状混合
物は比較的狭い易燃性範囲を有するが,該混合物の温度
が上昇するにつれて,その易燃性範囲が増大する。例え
ば,低温(約300℃未満)においては,該混合物は自
他発火性を起こさない。しかしながら,温度が上昇する
につれて,ついには該混合物が自己発火を起こしうるポ
イントに達する。このポイントに達すると,混合物が着
火,燃焼,又は爆発を起こし,この結果,装置が損傷さ
れたり,また火災や爆発現場の近くにおいては,人間が
重傷や場合によっては死をこうむることがある。
めたある一組の条件下においては,炭化水素−酸素ガス
状混合物の易燃性や自己発火性は,特に該ガス状混合物
の温度により決まる。低い温度においては,ガス状混合
物は比較的狭い易燃性範囲を有するが,該混合物の温度
が上昇するにつれて,その易燃性範囲が増大する。例え
ば,低温(約300℃未満)においては,該混合物は自
他発火性を起こさない。しかしながら,温度が上昇する
につれて,ついには該混合物が自己発火を起こしうるポ
イントに達する。このポイントに達すると,混合物が着
火,燃焼,又は爆発を起こし,この結果,装置が損傷さ
れたり,また火災や爆発現場の近くにおいては,人間が
重傷や場合によっては死をこうむることがある。
【0007】蒸気相による石油化学品製造プラントの酸
化反応器に入る供給混合物は,より高い温度において自
己発火性となるような組成を有する。供給混合物と触媒
とが接触すると反応器中において起こる反応は,しばし
ば混合物の温度を,発火が起こりうるポイントにまで上
昇させることがある。しかしながら,一般には混合物は
反応器中で発火を起こさない。触媒が混合物の発火を抑
制するからである。他方,触媒は,反応器を出る高温生
成物ガス流れ中に随伴することは殆どないので,反応器
を出るガス流れが自己発火を起こすことがよくある。こ
のような生起を防止するために,反応器を出る混合物
が,熱交換によってその自己発火点より低い温度に速や
かに冷却される。しかしながら,場合によっては,反応
器出口の熱交換器が,生成物ガス流れの発火を防止でき
るよう充分速やかに生成物流れを冷却できず,この結
果,破壊的で且つ損害の多い火災が発生することがあ
る。化学プラントでは,作業員がけがをしたり,装置が
損傷を受けたりする危険性がかなり大きいので,化学プ
ラントにおける火災や爆発の危険性をなくすか又は少な
くするための新規で改良された方法を見出すべく,継続
的に鋭意検討が行われている。本発明は,石油化学品の
蒸気相製造のプラントにおける火災や爆発の生起を抑制
するための方法と装置を提供する。
化反応器に入る供給混合物は,より高い温度において自
己発火性となるような組成を有する。供給混合物と触媒
とが接触すると反応器中において起こる反応は,しばし
ば混合物の温度を,発火が起こりうるポイントにまで上
昇させることがある。しかしながら,一般には混合物は
反応器中で発火を起こさない。触媒が混合物の発火を抑
制するからである。他方,触媒は,反応器を出る高温生
成物ガス流れ中に随伴することは殆どないので,反応器
を出るガス流れが自己発火を起こすことがよくある。こ
のような生起を防止するために,反応器を出る混合物
が,熱交換によってその自己発火点より低い温度に速や
かに冷却される。しかしながら,場合によっては,反応
器出口の熱交換器が,生成物ガス流れの発火を防止でき
るよう充分速やかに生成物流れを冷却できず,この結
果,破壊的で且つ損害の多い火災が発生することがあ
る。化学プラントでは,作業員がけがをしたり,装置が
損傷を受けたりする危険性がかなり大きいので,化学プ
ラントにおける火災や爆発の危険性をなくすか又は少な
くするための新規で改良された方法を見出すべく,継続
的に鋭意検討が行われている。本発明は,石油化学品の
蒸気相製造のプラントにおける火災や爆発の生起を抑制
するための方法と装置を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は,再循環プロセ
スにおける改良法,及び適切な触媒の存在下にて,酸素
を使用した炭化水素の蒸気相酸化によって石油化学品を
製造するための装置を提供する。本発明は,冷却用流体
としての冷却もしくは液化された不活性ガスを,石油化
学品が製造される炭化水素酸化反応器の反応ゾーンを出
てきたガス状生成物流れ中に導入して,前記流れをその
自己発火点より低い温度に速やか冷却すること含む。
スにおける改良法,及び適切な触媒の存在下にて,酸素
を使用した炭化水素の蒸気相酸化によって石油化学品を
製造するための装置を提供する。本発明は,冷却用流体
としての冷却もしくは液化された不活性ガスを,石油化
学品が製造される炭化水素酸化反応器の反応ゾーンを出
てきたガス状生成物流れ中に導入して,前記流れをその
自己発火点より低い温度に速やか冷却すること含む。
【0009】本発明のプロセスによれば,1種以上の炭
化水素前駆体(例えば,o−キシレン,ナフタレン,ベ
ンゼン,又は4個の炭素原子を含有した飽和もしくは不
飽和の直鎖状炭化水素)を適切な酸化反応器中で酸素含
有ガスと接触させて,石油化学品(例えば,無水フタル
酸や無水マレイン酸等の環状無水物)を含有したガス状
生成物流れを生成させ,このとき得られる石油化学品
は,使用される炭化水素の種類,使用される触媒の種
類,そして場合によっては他の反応物の存在によって異
なる。炭化水素酸化反応器の生成物流れはさらに,一酸
化炭素,二酸化炭素,未反応炭化水素,酸素,反応器に
導入される不活性希釈剤(使用する場合),及び他の少
量の反応副生物を含有する。高温のガス状生成物流れが
酸化反応ゾーンを出たすぐ後に,冷却もしくは液化され
た不活性ガスを含んだ冷却用流体を前記ガス状生成物流
れに導入して,ガス状生成物流れをその易燃性成分の自
己発火温度より低い温度に速やかに冷却する。冷却され
た生成物流れは,必要に応じて熱交換器でさらに冷却し
てもよく,次いで石油化学品取り出し手段中に導入され
る。石油化学品取り出し手段としては,例えば,凝縮器
や,ガス流れから実質的に全ての石油化学品を取り出す
液体溶媒と接触させるスクラバー等がある。石油化学品
は,生成物取り出し手段から液体として回収される。次
いで,石油化学品含量の少ないガス状流れの全部又は一
部が分離器中で処理され,これにより,ガス状流出流れ
中の,導入不活性ガスの実質的に全て,二酸化炭素の一
部又は全部,及び一酸化炭素の一部又は全部が除去され
る。ガス状流出物の残部(未反応炭化水素,及びおそら
くは二酸化炭素と一酸化炭素を含有)が,炭化水素酸化
反応器への入口に再循環される。
化水素前駆体(例えば,o−キシレン,ナフタレン,ベ
ンゼン,又は4個の炭素原子を含有した飽和もしくは不
飽和の直鎖状炭化水素)を適切な酸化反応器中で酸素含
有ガスと接触させて,石油化学品(例えば,無水フタル
酸や無水マレイン酸等の環状無水物)を含有したガス状
生成物流れを生成させ,このとき得られる石油化学品
は,使用される炭化水素の種類,使用される触媒の種
類,そして場合によっては他の反応物の存在によって異
なる。炭化水素酸化反応器の生成物流れはさらに,一酸
化炭素,二酸化炭素,未反応炭化水素,酸素,反応器に
導入される不活性希釈剤(使用する場合),及び他の少
量の反応副生物を含有する。高温のガス状生成物流れが
酸化反応ゾーンを出たすぐ後に,冷却もしくは液化され
た不活性ガスを含んだ冷却用流体を前記ガス状生成物流
れに導入して,ガス状生成物流れをその易燃性成分の自
己発火温度より低い温度に速やかに冷却する。冷却され
た生成物流れは,必要に応じて熱交換器でさらに冷却し
てもよく,次いで石油化学品取り出し手段中に導入され
る。石油化学品取り出し手段としては,例えば,凝縮器
や,ガス流れから実質的に全ての石油化学品を取り出す
液体溶媒と接触させるスクラバー等がある。石油化学品
は,生成物取り出し手段から液体として回収される。次
いで,石油化学品含量の少ないガス状流れの全部又は一
部が分離器中で処理され,これにより,ガス状流出流れ
中の,導入不活性ガスの実質的に全て,二酸化炭素の一
部又は全部,及び一酸化炭素の一部又は全部が除去され
る。ガス状流出物の残部(未反応炭化水素,及びおそら
くは二酸化炭素と一酸化炭素を含有)が,炭化水素酸化
反応器への入口に再循環される。
【0010】本発明の1つの実施態様においては,外部
源から冷却用不活性流体が供給される。別の実施態様に
おいては,使用された冷却用流体が石油化学品含量の少
ないガス流れから分離され,これが冷却用流れとして使
用される。本発明のプロセスの好ましい実施態様におい
ては,酸素含有ガスは実質的に純粋な酸素である。他の
好ましい実施態様においては,未反応の炭化水素と不活
性ガスが,吸着分離,吸収分離,又は膜分離によって石
油化学品含量の少ない流出物から除去される。本発明の
他の新規な態様は,本発明のプロセスが実施されるシス
テムである。1つの実施態様によれば,本システムは,
炭化水素反応器,冷却用流体導入手段,石油化学品回収
ユニット(例えば,スクラバーや凝縮器),未反応炭化
水素と不活性ガスの分離器,及び連結用導管を含む。別
の実施態様によれば,本システムは,炭化水素反応器,
冷却用流体導入手段,石油化学品回収ユニット,分離
器,及び不活性ガス再循環ライン(このライン中に,ガ
スの冷却もしくは液化用ユニットが配置されている)を
含む。それぞれの実施態様においては,反応ゾーンの下
流に冷却用流体導入手段が配置されており,好ましくは
酸化反応器の出口に配置されている。
源から冷却用不活性流体が供給される。別の実施態様に
おいては,使用された冷却用流体が石油化学品含量の少
ないガス流れから分離され,これが冷却用流れとして使
用される。本発明のプロセスの好ましい実施態様におい
ては,酸素含有ガスは実質的に純粋な酸素である。他の
好ましい実施態様においては,未反応の炭化水素と不活
性ガスが,吸着分離,吸収分離,又は膜分離によって石
油化学品含量の少ない流出物から除去される。本発明の
他の新規な態様は,本発明のプロセスが実施されるシス
テムである。1つの実施態様によれば,本システムは,
炭化水素反応器,冷却用流体導入手段,石油化学品回収
ユニット(例えば,スクラバーや凝縮器),未反応炭化
水素と不活性ガスの分離器,及び連結用導管を含む。別
の実施態様によれば,本システムは,炭化水素反応器,
冷却用流体導入手段,石油化学品回収ユニット,分離
器,及び不活性ガス再循環ライン(このライン中に,ガ
スの冷却もしくは液化用ユニットが配置されている)を
含む。それぞれの実施態様においては,反応ゾーンの下
流に冷却用流体導入手段が配置されており,好ましくは
酸化反応器の出口に配置されている。
【0011】本発明のプロセスは,酸素を使用した高温
での炭化水素の気相反応によって得られる石油化学品の
製造に対して使用することができる。本発明が利用でき
る代表的な石油化学品製造プロセスとしては次のような
ものがある。バナジア(vanadia)をベースとし
た触媒の存在下にて,芳香族化合物又は直鎖状C4炭化
水素と酸素とを反応させることによる環状無水物の製
造。このタイプのプロセスの例としては,ベンゼン又は
飽和もしくは不飽和C4炭化水素と酸素との反応による
無水マレイン酸の製造,及びo−キシレン又はナフタレ
ンと酸素との反応による無水フタル酸の製造がある。シ
リカ支持体又はアルミナ支持体に担持させた形の酸化ビ
スマスモリブデン触媒又は酸化鉄アンチモン触媒の存在
下にて,低級アルカン又は低級アルケンと酸素及びアン
モニアとを反応させることによるオレフィン性不飽和ニ
トリルの製造。このタイプのプロセスの例としては,プ
ロパン又はプロピレンと酸素との反応によるアクリロニ
トリルの製造,及びイソブタン又はイソブチレンと酸素
との反応によるメタクリロニトリルの製造がある。
での炭化水素の気相反応によって得られる石油化学品の
製造に対して使用することができる。本発明が利用でき
る代表的な石油化学品製造プロセスとしては次のような
ものがある。バナジア(vanadia)をベースとし
た触媒の存在下にて,芳香族化合物又は直鎖状C4炭化
水素と酸素とを反応させることによる環状無水物の製
造。このタイプのプロセスの例としては,ベンゼン又は
飽和もしくは不飽和C4炭化水素と酸素との反応による
無水マレイン酸の製造,及びo−キシレン又はナフタレ
ンと酸素との反応による無水フタル酸の製造がある。シ
リカ支持体又はアルミナ支持体に担持させた形の酸化ビ
スマスモリブデン触媒又は酸化鉄アンチモン触媒の存在
下にて,低級アルカン又は低級アルケンと酸素及びアン
モニアとを反応させることによるオレフィン性不飽和ニ
トリルの製造。このタイプのプロセスの例としては,プ
ロパン又はプロピレンと酸素との反応によるアクリロニ
トリルの製造,及びイソブタン又はイソブチレンと酸素
との反応によるメタクリロニトリルの製造がある。
【0012】シリカ支持体又はアルミナ支持体に担持さ
せた形の酸化銀触媒の存在下にて,低級アルカン又は低
級アルケンと酸素及びアンモニアとを反応させることに
よるアルキレンオキシドの製造。このタイプのプロセス
の例としては,エタン又はエチレンと酸素との反応によ
るエチレンオキシドの製造,及びプロパン又はプロピレ
ンと酸素との反応によるプロピレンオキシドの製造があ
る。シリカ支持体又はアルミナ支持体に担持させた形の
塩化銅触媒の存在下にて,低級アルカン又は低級アルケ
ンと酸素とを反応させることによる塩素化炭化水素の製
造。このタイプのプロセスの例としては,エチレン又は
エタンと塩化水素との反応による塩化ビニル又は二塩化
エチレンの製造がある。上記の例からわかるように,本
発明のプロセスは,炭化水素と酸素との反応による種々
の石油化学品の製造に対して使用することができる。し
かしながら,説明を単純化するために,炭化水素と酸素
との反応による環状無水物の製造に適用した場合につい
て,本発明を詳細に説明することとする。
せた形の酸化銀触媒の存在下にて,低級アルカン又は低
級アルケンと酸素及びアンモニアとを反応させることに
よるアルキレンオキシドの製造。このタイプのプロセス
の例としては,エタン又はエチレンと酸素との反応によ
るエチレンオキシドの製造,及びプロパン又はプロピレ
ンと酸素との反応によるプロピレンオキシドの製造があ
る。シリカ支持体又はアルミナ支持体に担持させた形の
塩化銅触媒の存在下にて,低級アルカン又は低級アルケ
ンと酸素とを反応させることによる塩素化炭化水素の製
造。このタイプのプロセスの例としては,エチレン又は
エタンと塩化水素との反応による塩化ビニル又は二塩化
エチレンの製造がある。上記の例からわかるように,本
発明のプロセスは,炭化水素と酸素との反応による種々
の石油化学品の製造に対して使用することができる。し
かしながら,説明を単純化するために,炭化水素と酸素
との反応による環状無水物の製造に適用した場合につい
て,本発明を詳細に説明することとする。
【0013】供給物中に使用される炭化水素の種類は,
当然のことながら,どのような石油化学品を製造するの
かによって決まる。環状無水物の場合,炭化水素反応物
は,通常は芳香族炭化水素又は直鎖状炭化水素である。
例えば,無水フタル酸を製造しようとする場合,好まし
い炭化水素供給物はo−キシレン又はナフタレンであ
り,また無水マレイン酸を製造しようとする場合,炭化
水素供給物は一般には,ベンゼン又は4個の炭素原子を
含有した直鎖状炭化水素(C4炭化水素)を含む。n−
ブタンは,不飽和C4炭化水素より安価であるので,無
水マレイン酸製造のための最も好ましい炭化水素であ
る。本発明のプロセスにおいて使用される酸素源は,高
純度酸素又は酸素含有ガスであり,例えば,酸素含量の
多い空気や他の酸素−不活性ガス混合物などがある。酸
素含量の多い空気とは,空気中に自然の状態で存在する
より多い酸素を含有した空気である。酸素−不活性ガス
混合物としては,酸素−窒素混合物,酸素−アルゴン混
合物,及び酸素−二酸化炭素混合物等がある。好ましい
のは高純度酸素である。なぜなら,高純度酸素を使用す
ると,過剰の不活性ガス(例えば窒素やアルゴン)の系
中への導入が避けられ,生成物流れから過剰量の不活性
ガスを除去して,系中におけるこれら不活性ガスの堆積
を防止する必要がなくなるからである。
当然のことながら,どのような石油化学品を製造するの
かによって決まる。環状無水物の場合,炭化水素反応物
は,通常は芳香族炭化水素又は直鎖状炭化水素である。
例えば,無水フタル酸を製造しようとする場合,好まし
い炭化水素供給物はo−キシレン又はナフタレンであ
り,また無水マレイン酸を製造しようとする場合,炭化
水素供給物は一般には,ベンゼン又は4個の炭素原子を
含有した直鎖状炭化水素(C4炭化水素)を含む。n−
ブタンは,不飽和C4炭化水素より安価であるので,無
水マレイン酸製造のための最も好ましい炭化水素であ
る。本発明のプロセスにおいて使用される酸素源は,高
純度酸素又は酸素含有ガスであり,例えば,酸素含量の
多い空気や他の酸素−不活性ガス混合物などがある。酸
素含量の多い空気とは,空気中に自然の状態で存在する
より多い酸素を含有した空気である。酸素−不活性ガス
混合物としては,酸素−窒素混合物,酸素−アルゴン混
合物,及び酸素−二酸化炭素混合物等がある。好ましい
のは高純度酸素である。なぜなら,高純度酸素を使用す
ると,過剰の不活性ガス(例えば窒素やアルゴン)の系
中への導入が避けられ,生成物流れから過剰量の不活性
ガスを除去して,系中におけるこれら不活性ガスの堆積
を防止する必要がなくなるからである。
【0014】冷却用流体として使用される不活性ガス
は,いかなる不活性ガスでもよい。すなわち,所望の生
成物の製造を妨げず,且つ本発明の反応系中に存在する
条件下で燃えないようなガスであればいかなるガスでも
よい。本発明のプロセスにおいて冷却用流体として使用
するのに適した代表的な不活性ガスとしては,二酸化炭
素,窒素,及びアルゴン等がある。実際的な観点からみ
ると,好ましい不活性ガスは二酸化炭素と窒素でる。な
ぜなら,これらは安価であって且つ容易に入手できるか
らである。特に好ましいのは二酸化炭素である。なぜな
ら,二酸化炭素は比較的高い熱容量を有するからであ
り,また本発明のプロセスの副生物として製造されるた
めに,廃棄ガス流れ中に多量に存在しているからである
(この廃棄ガス流れから二酸化炭素が容易に分離され
る)。必要に応じて,不活性ガスの混合物も冷却用流体
として使用することができる。冷却用不活性ガス流体
は,ガスの形態であっても液化ガスの形態であってもよ
く,所望するいかなる温度に冷却されてもよい。冷却効
果が大きいことから,冷却用流体としては液化ガスを使
用するのが好ましい場合が多い。
は,いかなる不活性ガスでもよい。すなわち,所望の生
成物の製造を妨げず,且つ本発明の反応系中に存在する
条件下で燃えないようなガスであればいかなるガスでも
よい。本発明のプロセスにおいて冷却用流体として使用
するのに適した代表的な不活性ガスとしては,二酸化炭
素,窒素,及びアルゴン等がある。実際的な観点からみ
ると,好ましい不活性ガスは二酸化炭素と窒素でる。な
ぜなら,これらは安価であって且つ容易に入手できるか
らである。特に好ましいのは二酸化炭素である。なぜな
ら,二酸化炭素は比較的高い熱容量を有するからであ
り,また本発明のプロセスの副生物として製造されるた
めに,廃棄ガス流れ中に多量に存在しているからである
(この廃棄ガス流れから二酸化炭素が容易に分離され
る)。必要に応じて,不活性ガスの混合物も冷却用流体
として使用することができる。冷却用不活性ガス流体
は,ガスの形態であっても液化ガスの形態であってもよ
く,所望するいかなる温度に冷却されてもよい。冷却効
果が大きいことから,冷却用流体としては液化ガスを使
用するのが好ましい場合が多い。
【0015】本発明は,添付図面を参照すればより理解
が深まる。図面においては,装置の同じ又は類似の部分
を示すのに同じ参照番号を使用している。本発明の理解
に対して必要ではない圧縮機,熱交換器,及び弁等も含
めた補助的装置は,本発明の説明を単純化するために図
面から省略した。図1を参照すると,本実施態様の装置
は,供給物入口手段4と生成物出口ライン6を有する炭
化水素酸化反応器2を含む。生成物出口ライン6は,石
油化学品回収ユニット8に連結されている。ユニット8
は,入口ライン10を介して石油化学品のための溶媒を
受け入れ,出口ライン12を介して液体生成物溶液を排
出する。ライン14により,スクラビング処理されたガ
スがスクラバー8から分離器16に送られる。分離器1
6には廃棄ガス排出ライン18が取りつけられており,
また再循環ライン20を介して供給物入口手段4に接続
されている。ライン22が生成物出口ライン6に接続さ
れており,これによりライン6への冷却用不活性ガス流
体の導入が行われる。反応器2は,適切ないかなる反応
器であってもよいが,通常は固定触媒層設計物,流動触
媒層設計物,又は移送触媒層設計物である。反応器2に
は,反応中に生成する熱(発熱反応)を除去するために
熱交換手段を取りつけてもよい。適切な反応器の特定の
設計構造の詳細についてはよく知られており,これらの
ことは本発明の一部を構成しない。
が深まる。図面においては,装置の同じ又は類似の部分
を示すのに同じ参照番号を使用している。本発明の理解
に対して必要ではない圧縮機,熱交換器,及び弁等も含
めた補助的装置は,本発明の説明を単純化するために図
面から省略した。図1を参照すると,本実施態様の装置
は,供給物入口手段4と生成物出口ライン6を有する炭
化水素酸化反応器2を含む。生成物出口ライン6は,石
油化学品回収ユニット8に連結されている。ユニット8
は,入口ライン10を介して石油化学品のための溶媒を
受け入れ,出口ライン12を介して液体生成物溶液を排
出する。ライン14により,スクラビング処理されたガ
スがスクラバー8から分離器16に送られる。分離器1
6には廃棄ガス排出ライン18が取りつけられており,
また再循環ライン20を介して供給物入口手段4に接続
されている。ライン22が生成物出口ライン6に接続さ
れており,これによりライン6への冷却用不活性ガス流
体の導入が行われる。反応器2は,適切ないかなる反応
器であってもよいが,通常は固定触媒層設計物,流動触
媒層設計物,又は移送触媒層設計物である。反応器2に
は,反応中に生成する熱(発熱反応)を除去するために
熱交換手段を取りつけてもよい。適切な反応器の特定の
設計構造の詳細についてはよく知られており,これらの
ことは本発明の一部を構成しない。
【0016】石油化学品回収ユニット8は,従来のガス
スクラバー(すなわち,一般には充填層設計物である吸
収器)であってもよいし,また凝縮器や他の適切な生成
物回収ユニットであってもよい。ここでは,反応器2か
ら本ユニットに入ってくる生成物ガスに対して水又は水
性もしくは非水性液体を噴霧するための手段を装備した
ものであるとして説明しておく。分離器16は,二酸化
炭素,一酸化炭素(分離器16中に入ってくるガス流れ
中に一酸化炭素が存在している場合),及び他の不活性
ガスを,スクラバー流出物から除去するよう作用するユ
ニットであって,本ユニットは,こうした結果の得られ
るものであればいかなる装置でもよい。分離器16は,
一般には吸着分離ユニット,吸収分離ユニット,又は膜
分離ユニットである。本発明の好ましい実施態様におい
ては,分離器16は,圧力スイング吸着(PSA)ユニ
ット又は温度スイング吸着(TSA)プラントである。
スクラバー(すなわち,一般には充填層設計物である吸
収器)であってもよいし,また凝縮器や他の適切な生成
物回収ユニットであってもよい。ここでは,反応器2か
ら本ユニットに入ってくる生成物ガスに対して水又は水
性もしくは非水性液体を噴霧するための手段を装備した
ものであるとして説明しておく。分離器16は,二酸化
炭素,一酸化炭素(分離器16中に入ってくるガス流れ
中に一酸化炭素が存在している場合),及び他の不活性
ガスを,スクラバー流出物から除去するよう作用するユ
ニットであって,本ユニットは,こうした結果の得られ
るものであればいかなる装置でもよい。分離器16は,
一般には吸着分離ユニット,吸収分離ユニット,又は膜
分離ユニットである。本発明の好ましい実施態様におい
ては,分離器16は,圧力スイング吸着(PSA)ユニ
ット又は温度スイング吸着(TSA)プラントである。
【0017】図2は,図1のシステムの変形を示してい
る。図2のシステムにおいては,冷却用流体として使用
された不活性ガスが,スクラビング処理されたガス流れ
から回収され,冷却・液化された後に,再び冷却用流体
として生成物ガスライン6に導入される。図2に示すよ
うに,スクラビング処理されたガスのライン14は分離
器16aと繋がっている。図1のシステムの場合と同様
に,分離器16aは,ライン20を介して供給ライン4
に繋がっており,またライン18を介して廃棄ガス排出
口に繋がっている。図2のシステムは,ライン24を介
して分離器16aを出て,冷却もしくは液化ユニット2
6に繋がった別の再循環流れを含んでいる,という点に
おいて図1のシステムとは異なる。ユニット26は,排
出ライン28を介してライン22に繋がっている。
る。図2のシステムにおいては,冷却用流体として使用
された不活性ガスが,スクラビング処理されたガス流れ
から回収され,冷却・液化された後に,再び冷却用流体
として生成物ガスライン6に導入される。図2に示すよ
うに,スクラビング処理されたガスのライン14は分離
器16aと繋がっている。図1のシステムの場合と同様
に,分離器16aは,ライン20を介して供給ライン4
に繋がっており,またライン18を介して廃棄ガス排出
口に繋がっている。図2のシステムは,ライン24を介
して分離器16aを出て,冷却もしくは液化ユニット2
6に繋がった別の再循環流れを含んでいる,という点に
おいて図1のシステムとは異なる。ユニット26は,排
出ライン28を介してライン22に繋がっている。
【0018】分離器16aは,多成分を含有したガス流
れを3つの流れに分離することのできる単一の分離手段
で構成されていてもよく,こうした分離手段としては,
例えば,1つの未吸着生成物流れと2つの吸着流れ(こ
れらは別個に脱着される)を生成するPSAユニットが
ある。これとは別に,分離器16aは,2つ以上の独立
した分離ユニット(それぞれのユニットが,ガス混合物
を2種以上の成分に分離することができる)を含んでも
よい。ユニット26は,不活性ガスを所望の温度に簡単
に冷却できるか,あるいは不活性ガスを冷却・凝縮でき
るようないかなる適切な装置であってもよい。例えば,
ユニット26は,熱交換器もしくは圧縮機,及び不活性
ガスを液化して,この液化ガスを所望の温度に冷却する
のに適した冷却装置を含んでもよい。図面には示されて
いないけれども,図1と図2のシステムは,反応器2に
おいて生成した一酸化炭素を二酸化炭素に転化するため
の一酸化炭素酸化ユニットを含んでもよい。このユニッ
トは,図1のシステムにおいてはスクラバー8と分離器
16との間に,そして図2のシステムにおいてはスクラ
バー8と分離器16aとの間に適切に配置することがで
きる。本発明のプロセス中に一酸化炭素酸化工程を含む
ことの利点は,分離器16又は16aに流入するガス流
れから一酸化炭素が取り除かれる,という点にある。
れを3つの流れに分離することのできる単一の分離手段
で構成されていてもよく,こうした分離手段としては,
例えば,1つの未吸着生成物流れと2つの吸着流れ(こ
れらは別個に脱着される)を生成するPSAユニットが
ある。これとは別に,分離器16aは,2つ以上の独立
した分離ユニット(それぞれのユニットが,ガス混合物
を2種以上の成分に分離することができる)を含んでも
よい。ユニット26は,不活性ガスを所望の温度に簡単
に冷却できるか,あるいは不活性ガスを冷却・凝縮でき
るようないかなる適切な装置であってもよい。例えば,
ユニット26は,熱交換器もしくは圧縮機,及び不活性
ガスを液化して,この液化ガスを所望の温度に冷却する
のに適した冷却装置を含んでもよい。図面には示されて
いないけれども,図1と図2のシステムは,反応器2に
おいて生成した一酸化炭素を二酸化炭素に転化するため
の一酸化炭素酸化ユニットを含んでもよい。このユニッ
トは,図1のシステムにおいてはスクラバー8と分離器
16との間に,そして図2のシステムにおいてはスクラ
バー8と分離器16aとの間に適切に配置することがで
きる。本発明のプロセス中に一酸化炭素酸化工程を含む
ことの利点は,分離器16又は16aに流入するガス流
れから一酸化炭素が取り除かれる,という点にある。
【0019】分離器16と16a,及び冷却もしくは凝
縮ユニット26も含めて,本明細書に開示の装置ユニッ
トの詳細についてはよく知られていることであり,本発
明の一部を構成しない。図1のシステムにて実施される
本発明のプロセスにおいては,適切な炭化水素,酸素含
有ガス,及び再循環ガス流れを含んだ供給物が,入口手
段4を介して反応器2に入る。この入口手段4は,ガス
状反応物と希釈剤(存在する場合)との混合物が反応器
2に導入される単一の入口ラインを含んでもよいし,あ
るいは反応物を反応器に別々に導入するためのいくつか
の別個の入口ラインを含んでもよい。入口手段の配置構
成は,一般には本発明を実施するのに使用される反応器
のタイプにより異なる。固定層反応器システムにおいて
は,一般には供給物の成分が反応器に入る前に混合さ
れ,そして単一ラインを介して反応器に供給されるが,
流動層反応器システムにおいては,一般には各成分が別
々に反応器に供給される。
縮ユニット26も含めて,本明細書に開示の装置ユニッ
トの詳細についてはよく知られていることであり,本発
明の一部を構成しない。図1のシステムにて実施される
本発明のプロセスにおいては,適切な炭化水素,酸素含
有ガス,及び再循環ガス流れを含んだ供給物が,入口手
段4を介して反応器2に入る。この入口手段4は,ガス
状反応物と希釈剤(存在する場合)との混合物が反応器
2に導入される単一の入口ラインを含んでもよいし,あ
るいは反応物を反応器に別々に導入するためのいくつか
の別個の入口ラインを含んでもよい。入口手段の配置構
成は,一般には本発明を実施するのに使用される反応器
のタイプにより異なる。固定層反応器システムにおいて
は,一般には供給物の成分が反応器に入る前に混合さ
れ,そして単一ラインを介して反応器に供給されるが,
流動層反応器システムにおいては,一般には各成分が別
々に反応器に供給される。
【0020】反応器2に流入した供給ガスが触媒と接触
し,反応して生成物ガスを形成する。特定の条件下にて
炭化水素を所望の石油化学品に酸化するための公知のい
ずれの触媒でも,本発明のプロセスにおいて使用するこ
とができる。環状無水物を製造する場合,適切な触媒と
しては,バナジアをベースとした触媒,例えば,バナジ
ウム酸化物,バナジウム/モリブデン酸化物,バナジウ
ム/リン酸化物,及びバナジウム/チタン酸化物等があ
る。これらの触媒とその使い方は従来通りであり,無水
物の製造に関係した当技術者にはよく知られている。本
発明のプロセスにおいて使用される特定の炭化水素酸化
触媒は,本発明の重要な部分を構成していない。炭化水
素の酸化条件についてはよく知られている通りであり,
本発明の一部を構成していない。典型的には酸化反応
は,約200〜600℃(通常は約250〜500℃)
の温度,及び約2〜500psig(通常は約3〜30
0psig)の圧力にて行われる。反応物は通常,約
0.5〜5.0フィート/秒の速度で反応器に送られ
る。供給物中における酸素対炭化水素の比は,容量比に
て0.3:1〜10:1の範囲が適切である。
し,反応して生成物ガスを形成する。特定の条件下にて
炭化水素を所望の石油化学品に酸化するための公知のい
ずれの触媒でも,本発明のプロセスにおいて使用するこ
とができる。環状無水物を製造する場合,適切な触媒と
しては,バナジアをベースとした触媒,例えば,バナジ
ウム酸化物,バナジウム/モリブデン酸化物,バナジウ
ム/リン酸化物,及びバナジウム/チタン酸化物等があ
る。これらの触媒とその使い方は従来通りであり,無水
物の製造に関係した当技術者にはよく知られている。本
発明のプロセスにおいて使用される特定の炭化水素酸化
触媒は,本発明の重要な部分を構成していない。炭化水
素の酸化条件についてはよく知られている通りであり,
本発明の一部を構成していない。典型的には酸化反応
は,約200〜600℃(通常は約250〜500℃)
の温度,及び約2〜500psig(通常は約3〜30
0psig)の圧力にて行われる。反応物は通常,約
0.5〜5.0フィート/秒の速度で反応器に送られ
る。供給物中における酸素対炭化水素の比は,容量比に
て0.3:1〜10:1の範囲が適切である。
【0021】反応器2を出た生成物ガス流れは,所望の
石油化学品を主要な生成物として含有し,二酸化炭素と
一酸化炭素を副生物として含有している。上記したよう
に,この生成物流れはさらに,未反応炭化水素と酸素を
含有し,少量の他の副生物,不純物ガス,及び非反応性
の炭化水素を含有する。高温の生成物ガス流れが反応器
2を出て,ライン22からライン6に流入する冷却用流
体と速やかに接触する。上記したように,不活性ガスは
液化状態であるのが好ましい。なぜなら,不活性ガスを
気化させるのに必要な蒸発潜熱のために,冷却された不
活性ガスを使用した場合より液化ガスを使用したときの
ほうが,不活性ガスの1モル当たり,生成物ガスからよ
り多くの量の熱を除去することができるからである。い
ずれにしても,生成物ガスは,このような接触の結果,
その自己発火点より下の温度に速やかに冷却される。必
要であれば,間接的な熱交換器(図示せず)を通過させ
ることによって,生成物ガスをさらに冷却することがで
きる。約30〜200℃の温度に冷却された後,生成物
ガス流れが生成物回収ユニット8に入り,ここでガス流
れから石油化学品が除去される。回収ユニット8におい
て,生成物ガスは溶媒と密に接触する。溶媒が,生成物
ガス流れ中の所望の石油化学品の実質的に全てを溶解
し,そしてこの石油化学品含有溶液が,ライン12を介
して生成物回収ユニット8を出る。一般には,さらに処
理が施されて石油化学品が回収される。スクラビング処
理したガス流れが,ライン14を介して回収ユニット8
を出て,分離器16に入る。
石油化学品を主要な生成物として含有し,二酸化炭素と
一酸化炭素を副生物として含有している。上記したよう
に,この生成物流れはさらに,未反応炭化水素と酸素を
含有し,少量の他の副生物,不純物ガス,及び非反応性
の炭化水素を含有する。高温の生成物ガス流れが反応器
2を出て,ライン22からライン6に流入する冷却用流
体と速やかに接触する。上記したように,不活性ガスは
液化状態であるのが好ましい。なぜなら,不活性ガスを
気化させるのに必要な蒸発潜熱のために,冷却された不
活性ガスを使用した場合より液化ガスを使用したときの
ほうが,不活性ガスの1モル当たり,生成物ガスからよ
り多くの量の熱を除去することができるからである。い
ずれにしても,生成物ガスは,このような接触の結果,
その自己発火点より下の温度に速やかに冷却される。必
要であれば,間接的な熱交換器(図示せず)を通過させ
ることによって,生成物ガスをさらに冷却することがで
きる。約30〜200℃の温度に冷却された後,生成物
ガス流れが生成物回収ユニット8に入り,ここでガス流
れから石油化学品が除去される。回収ユニット8におい
て,生成物ガスは溶媒と密に接触する。溶媒が,生成物
ガス流れ中の所望の石油化学品の実質的に全てを溶解
し,そしてこの石油化学品含有溶液が,ライン12を介
して生成物回収ユニット8を出る。一般には,さらに処
理が施されて石油化学品が回収される。スクラビング処
理したガス流れが,ライン14を介して回収ユニット8
を出て,分離器16に入る。
【0022】前述したように,分離器16はPSAプラ
ント又はTSAプラントであるのが好ましい。一般には
PSAプラントは,比較的高い圧力下での吸着,及び比
較的低い圧力もしくは減圧下での脱着又は層再生,を含
んだ循環プロセスにて作動する2つ以上の層を含んでも
よい。同様に,TSAプラントは,比較的低い温度での
吸着,及び比較的高い温度での脱着又は層再生,を含ん
だ循環プロセスにて作動する2つ以上の層を含んでもよ
い。所望の成分は,これらのいずれの工程時でも得るこ
とができる。このサイクルは,吸着と再生の基本的な工
程に加えて他の工程を含んでもよく,所望の生成物の偽
連続流れを確実に得るために,非同調的に180°循環
させた形の2つ以上の吸着剤層を有するのが普通であ
る。PSAサイクルの吸着工程は加圧下にて行われるの
が通常であるが,減圧下での脱着と共に周囲圧力にて行
うこともできる。
ント又はTSAプラントであるのが好ましい。一般には
PSAプラントは,比較的高い圧力下での吸着,及び比
較的低い圧力もしくは減圧下での脱着又は層再生,を含
んだ循環プロセスにて作動する2つ以上の層を含んでも
よい。同様に,TSAプラントは,比較的低い温度での
吸着,及び比較的高い温度での脱着又は層再生,を含ん
だ循環プロセスにて作動する2つ以上の層を含んでもよ
い。所望の成分は,これらのいずれの工程時でも得るこ
とができる。このサイクルは,吸着と再生の基本的な工
程に加えて他の工程を含んでもよく,所望の生成物の偽
連続流れを確実に得るために,非同調的に180°循環
させた形の2つ以上の吸着剤層を有するのが普通であ
る。PSAサイクルの吸着工程は加圧下にて行われるの
が通常であるが,減圧下での脱着と共に周囲圧力にて行
うこともできる。
【0023】図1に示したシステムにおいては,分離器
16の主要な機能は,本プロセスを最適化できるよう,
反応器に再循環するための生成物ガス流れから未反応炭
化水素を分離することにある。分離器16はさらに,過
剰の二酸化炭素,一酸化炭素,及び不活性ガス(存在す
る場合)を,反応器に再循環される流れから除去して,
システム中にこれらの成分が堆積するのを防止するよう
機能する。過剰の二酸化炭素や他の廃棄ガスが除去され
ないと,システム中におけるこれらの濃度が増大し,そ
してついには,効率的な反応が起こりえないポイントに
まで反応物を希釈してしまう。こうした問題を避けるに
は,反応器2において生成される量,及び/又はシステ
ムに加えられる量に等しい二酸化炭素及び他の廃棄ガス
の量を除去することが必要である。
16の主要な機能は,本プロセスを最適化できるよう,
反応器に再循環するための生成物ガス流れから未反応炭
化水素を分離することにある。分離器16はさらに,過
剰の二酸化炭素,一酸化炭素,及び不活性ガス(存在す
る場合)を,反応器に再循環される流れから除去して,
システム中にこれらの成分が堆積するのを防止するよう
機能する。過剰の二酸化炭素や他の廃棄ガスが除去され
ないと,システム中におけるこれらの濃度が増大し,そ
してついには,効率的な反応が起こりえないポイントに
まで反応物を希釈してしまう。こうした問題を避けるに
は,反応器2において生成される量,及び/又はシステ
ムに加えられる量に等しい二酸化炭素及び他の廃棄ガス
の量を除去することが必要である。
【0024】図2のシステムにて実施される本発明のプ
ロセスにおいては,生成物回収ユニット8からのガス状
流出物が炭化水素分離器16aで処理される。分離器1
6aは,生成物含量の少ないガスを3つの流れに分け
る,という点において図1の分離器16とは異なる。第
1の流れは,ライン20を介して分離器16aから流出
し,この流れは,分離器16aに流入した未反応炭化水
素の実質的に全てを含有している。第2の流れは実質的
には回収された不活性ガスを含んでおり,ライン24を
介して分離器16aを出る。ライン24は,分離器16
aをガスの冷却もしくは液化ユニット26に連結してい
る。ユニット26は,冷却もしくは液化されたガスをラ
イン28に排出する。ライン28は,冷却もしくは液化
されたガスが,反応器2を出てきた高温のガス状生成物
中冷却用流体として再び導入されるライン22に繋がっ
ている。分離器16aから流出する第3の流れは,ライ
ン20と24を介して排出されなかった全てのガスを含
んでいる。この流れ(実質的に廃棄ガスで構成されてい
る)は,ライン18を介して分離器16aを出て,大気
中に排出されるかあるいは燃焼される。
ロセスにおいては,生成物回収ユニット8からのガス状
流出物が炭化水素分離器16aで処理される。分離器1
6aは,生成物含量の少ないガスを3つの流れに分け
る,という点において図1の分離器16とは異なる。第
1の流れは,ライン20を介して分離器16aから流出
し,この流れは,分離器16aに流入した未反応炭化水
素の実質的に全てを含有している。第2の流れは実質的
には回収された不活性ガスを含んでおり,ライン24を
介して分離器16aを出る。ライン24は,分離器16
aをガスの冷却もしくは液化ユニット26に連結してい
る。ユニット26は,冷却もしくは液化されたガスをラ
イン28に排出する。ライン28は,冷却もしくは液化
されたガスが,反応器2を出てきた高温のガス状生成物
中冷却用流体として再び導入されるライン22に繋がっ
ている。分離器16aから流出する第3の流れは,ライ
ン20と24を介して排出されなかった全てのガスを含
んでいる。この流れ(実質的に廃棄ガスで構成されてい
る)は,ライン18を介して分離器16aを出て,大気
中に排出されるかあるいは燃焼される。
【0025】効率的な方法で連続的に自動運転できるよ
う,従来の装置を利用してシステム中のガスの流れをモ
ニターし,そして自動的に調節することも本発明の範囲
内であることは言うまでもない。本発明のプロセスは,
工程が単純であること,運転が容易であること,資本経
費や運転経費が少なくて済むこと,そして燃焼の危険性
がかなり低下すること,などの点で有利である。本発明
のプロセスは,供給炭化水素の所望の生成物への一回パ
ス当たりの転化率が比較的低い転化率で行うことができ
る。より高められた選択性を達成するシステム(従っ
て,所望生成物の全体としての収率が増大する)が極め
て有利であることは言うまでもない。以下に実施例を挙
げて本発明をさらに詳細に説明する。部,パーセント,
及び比は,いずれも容量基準である。
う,従来の装置を利用してシステム中のガスの流れをモ
ニターし,そして自動的に調節することも本発明の範囲
内であることは言うまでもない。本発明のプロセスは,
工程が単純であること,運転が容易であること,資本経
費や運転経費が少なくて済むこと,そして燃焼の危険性
がかなり低下すること,などの点で有利である。本発明
のプロセスは,供給炭化水素の所望の生成物への一回パ
ス当たりの転化率が比較的低い転化率で行うことができ
る。より高められた選択性を達成するシステム(従っ
て,所望生成物の全体としての収率が増大する)が極め
て有利であることは言うまでもない。以下に実施例を挙
げて本発明をさらに詳細に説明する。部,パーセント,
及び比は,いずれも容量基準である。
【0026】
【実施例】実施例1 図1に示したシステムに類似の反応器システムを使用し
て,流動層反応器にて蒸気相による無水マレイン酸の製
造実験をシミュレートした。炭化水素反応器へのシミュ
レートされた供給物は,フレッシュ供給物成分(Fre
sh Feedcomponent)及び再循環流れ成
分(Recycle Streamcomponen
t)で構成されている。反応は,バナジウム−リン酸化
物の流動触媒層を含んだ蒸気相炭化水素反応器と,モレ
キュラーシーブ吸着層を含んだ圧力スイング吸着装置と
を使用することをベースとしてシミュレートした。この
シミュレートされた実験において,所望の結果を得るた
めには,反応器からの流出物に108.4モルの液化二
酸化炭素を加えなければならない,ということが明らか
となった。種々の流量と得られた結果を表1に示す。
て,流動層反応器にて蒸気相による無水マレイン酸の製
造実験をシミュレートした。炭化水素反応器へのシミュ
レートされた供給物は,フレッシュ供給物成分(Fre
sh Feedcomponent)及び再循環流れ成
分(Recycle Streamcomponen
t)で構成されている。反応は,バナジウム−リン酸化
物の流動触媒層を含んだ蒸気相炭化水素反応器と,モレ
キュラーシーブ吸着層を含んだ圧力スイング吸着装置と
を使用することをベースとしてシミュレートした。この
シミュレートされた実験において,所望の結果を得るた
めには,反応器からの流出物に108.4モルの液化二
酸化炭素を加えなければならない,ということが明らか
となった。種々の流量と得られた結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 液化二酸化炭素の代わりに液化窒素を冷却用流体として
使用したこと以外は,実施例1のシミュレート実験を繰
り返した。所望の結果を得るためには,反応器からの流
出物に241.9モルの液化窒素を加えなければならな
い,ということが明らかとなった。種々の流量と得られ
た結果を表2に示す。
使用したこと以外は,実施例1のシミュレート実験を繰
り返した。所望の結果を得るためには,反応器からの流
出物に241.9モルの液化窒素を加えなければならな
い,ということが明らかとなった。種々の流量と得られ
た結果を表2に示す。
【表2】 特定の実施態様に関して本発明を説明してきたが,これ
らの実験は単に本発明の代表的なものであって,これら
の他に種々の変形が可能である。例えば,本発明の反応
は,他の石油化学品が製造できるような条件下でも行う
ことができる。他の触媒や吸着剤,及び他のガス分離手
段も,必要に応じて本発明に使用することができる。特
に強調しておきたいことは,本発明のプロセスにおいて
行われる特定の酸化反応が,本発明にとって重要なこと
ではないということである。重要なことは,ある温度で
反応器を出た易燃性又は爆発性の酸素含有混合物が,極
めて危険な状態を構成しているということである。本発
明を使用することにより,こうした火災や爆発の危険性
が大幅に低下する。
らの実験は単に本発明の代表的なものであって,これら
の他に種々の変形が可能である。例えば,本発明の反応
は,他の石油化学品が製造できるような条件下でも行う
ことができる。他の触媒や吸着剤,及び他のガス分離手
段も,必要に応じて本発明に使用することができる。特
に強調しておきたいことは,本発明のプロセスにおいて
行われる特定の酸化反応が,本発明にとって重要なこと
ではないということである。重要なことは,ある温度で
反応器を出た易燃性又は爆発性の酸素含有混合物が,極
めて危険な状態を構成しているということである。本発
明を使用することにより,こうした火災や爆発の危険性
が大幅に低下する。
【0029】さらに当然のことながら,本発明は,図面
に示した装置集成体に限定されない。前述したように,
一酸化炭素コンバーターを装置系列に組み込み,スクラ
バー8と分離器16(又は分離器16a)との間に配置
することができるし,あるいは必要に応じて,無水物回
収ユニット8の上流に配置することもできる。実際,反
応器2の中にも組み込みことができ,単一的な混合触媒
層の形で炭化水素酸化触媒と組み合わせたり,あるいは
別個の層として単独で使用することもできる。別個の層
として反応器2中に組み込む場合は,炭化水素酸化触媒
層の下流に配置するのが好ましい。言うまでもないこと
であるが,本発明の変形としての連結流体移送ラインの
集成体は,図面に示した集成体とは異なる。
に示した装置集成体に限定されない。前述したように,
一酸化炭素コンバーターを装置系列に組み込み,スクラ
バー8と分離器16(又は分離器16a)との間に配置
することができるし,あるいは必要に応じて,無水物回
収ユニット8の上流に配置することもできる。実際,反
応器2の中にも組み込みことができ,単一的な混合触媒
層の形で炭化水素酸化触媒と組み合わせたり,あるいは
別個の層として単独で使用することもできる。別個の層
として反応器2中に組み込む場合は,炭化水素酸化触媒
層の下流に配置するのが好ましい。言うまでもないこと
であるが,本発明の変形としての連結流体移送ラインの
集成体は,図面に示した集成体とは異なる。
【図1】本発明に従って石油化学品を製造するためのシ
ステムの1つの実施態様を示したブロック図である。
ステムの1つの実施態様を示したブロック図である。
【図2】図1に示したシステムの別の実施態様を示した
ブロック図である。
ブロック図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 253/24 6917−4H C07D 301/08 303/04 307/60 B 307/89 C // C07B 33/00 7419−4H 61/00 300 (72)発明者 ドナルド・エル・マクリーン アメリカ合衆国ニユージヤージー州08809, クリントン,スタダー・ロード 39
Claims (46)
- 【請求項1】 (a) 所望の石油化学品を含んだガス
状生成物が得られる条件下にて,反応ゾーン中の蒸気相
において酸化触媒の存在下で炭化水素と酸素含有ガスと
を接触させる工程; (b) 前記ガス状生成物を冷却用不活性ガス流体で冷
却する工程; (c) 前記石油化学品を前記ガス状生成物から回収す
る工程; (d) 未反応の炭化水素を前記ガス状生成物から分離
する工程;及び (e) 前記の分離した未反応炭化水素を前記反応ゾー
ンに再循環する工程; を含む,石油化学品の製造方法。 - 【請求項2】 前記冷却用流体が二酸化炭素及び窒素か
ら選ばれる,請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 前記冷却用流体が液化ガスである,請求
項2記載の製造方法。 - 【請求項4】 前記冷却用流体が二酸化炭素である,請
求項2記載の製造方法。 - 【請求項5】 前記ガス状生成物が,前記ガス状生成物
から分離された再循環冷却用流体で冷却される,請求項
2記載の製造方法。 - 【請求項6】 前記石油化学品が,環状無水物,α,β
−オレフィン性不飽和ニトリル,2〜4個の炭素原子を
含有したアルキレンオキシド,塩素化炭化水素,及びこ
れらの混合物からなる群から選ばれる,請求項1又は2
に記載の製造方法。 - 【請求項7】 前記酸素含有ガスが実質的に純粋な酸素
である,請求項1又は2に記載の製造方法。 - 【請求項8】 前記反応ゾーンが,固定層反応器,流動
層反応器,移動層反応器,及び移送層反応器(tran
sport bed reators)からなる群から
選ばれる反応器である,請求項1又は2に記載の製造方
法。 - 【請求項9】 前記未反応炭化水素が,吸着分離,吸収
分離,又は膜分離によって前記ガス状生成物から分離さ
れる,請求項1又は2に記載の製造方法。 - 【請求項10】 前記冷却用流体が圧力スイング吸着に
よって前記ガス状生成物から分離される,請求項5記載
の製造方法。 - 【請求項11】 前記の圧力スイング吸着が行われるユ
ニットが,シリカゲル,モレキュラーシーブ,及びこれ
らの混合物から選ばれる吸着剤を含む,請求項10記載
の製造方法。 - 【請求項12】 (a) 環状無水物を含んだガス状生
成物が得られる条件下にて,反応ゾーン中の蒸気相にお
いて酸化触媒の存在下で,ベンゼン,ナフタレン,オル
トキシレン,及び4個の炭素原子を含有した直鎖状炭化
水素類から選ばれる炭化水素と酸素とを接触させる工
程; (b) 前記ガス状生成物を,二酸化炭素及び窒素から
選ばれる冷却用流体で冷却する工程; (c) 環状無水物を前記の冷却したガス状生成物から
回収する工程; (d) 環状無水物含量の少ない前記ガス状生成物から
未反応の炭化水素を分離する工程;及び (e) 前記の分離した未反応炭化水素を前記反応ゾー
ンに再循環する工程; を含む,環状無水物の製造方法。 - 【請求項13】 前記環状無水物が無水マレイン酸であ
り,前記炭化水素が4個の炭素原子を含有した直鎖状炭
化水素である,請求項12記載の製造方法。 - 【請求項14】 前記炭化水素がn−ブタンである,請
求項13記載の製造方法。 - 【請求項15】 前記環状無水物が無水フタル酸であ
り,前記炭化水素がオルトキシレンである,請求項12
記載の製造方法。 - 【請求項16】 前記冷却用流体の少なくとも一部が,
前記無水物含量の少ないガス状生成物から分離された冷
却用流体を再循環することによって得られる,請求項1
2記載の製造方法。 - 【請求項17】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,吸着分離,吸収分離,又は膜分
離によって前記無水物含量の少ないガス状生成物から分
離される,請求項16記載の製造方法。 - 【請求項18】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,圧力スイング吸着によって前記
無水物含量の少ないガス状生成物から分離される,請求
項17記載の製造方法。 - 【請求項19】 前記冷却用流体が二酸化炭素である,
請求項18記載の製造方法。 - 【請求項20】 (a) ニトリルを含んだガス状生成
物が得られる条件下にて,反応ゾーン中の蒸気相におい
て酸化触媒の存在下で,プロピレン,プロパン,イソブ
チレン,イソブタン,及びこれらの混合物から選ばれる
炭化水素とアンモニアと酸素とを接触させる工程; (b) 前記ガス状生成物を,二酸化炭素及び窒素から
選ばれる冷却用流体で冷却する工程; (c) 前記ニトリルを前記の冷却したガス状生成物か
ら回収する工程; (d) ニトリル含量の少ない前記ガス状生成物から未
反応の炭化水素を分離する工程;及び (e) 前記の分離した未反応炭化水素を前記反応ゾー
ンに再循環する工程; を含む,α,β−オレフィン性不飽和ニトリルの製造方
法。 - 【請求項21】 前記ニトリルがアクリロニトリルであ
り,前記炭化水素がプロパン,プロピレン,及びこれら
の混合物から選ばれる,請求項20記載の製造方法。 - 【請求項22】 前記ニトリルがメタクリロニトリルで
あり,前記炭化水素がイソブチレン,イソブタン,及び
これらの混合物から選ばれる,請求項20記載の製造方
法。 - 【請求項23】 前記冷却用流体の少なくとも一部が,
前記ニトリル含量の少ないガス状生成物から分離された
冷却用流体を再循環することによって得られる,請求項
20記載の製造方法。 - 【請求項24】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,吸着分離,吸収分離,又は膜分
離によって前記ニトリルを含まないガス状生成物から分
離される,請求項23記載の製造方法。 - 【請求項25】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,圧力スイング吸着によって前記
ニトリルを含まないガス状生成物から分離される,請求
項24記載の製造方法。 - 【請求項26】 前記冷却用流体が二酸化炭素である,
請求項25記載の製造方法。 - 【請求項27】 (a) アルキレンオキシドを含んだ
ガス状生成物が得られる条件下にて,反応ゾーン中の蒸
気相において酸化触媒の存在下で,エチレン,エタン,
プロピレン,プロパン,及びこれらの混合物から選ばれ
る炭化水素と酸素とを接触させる工程; (b) 前記ガス状生成物を,二酸化炭素及び窒素から
選ばれる冷却用流体で冷却する工程; (c) 前記アルキレンオキシドを前記の冷却したガス
状生成物から回収する工程; (d) アルキレンオキシド含量の少ない前記ガス状生
成物から未反応の炭化水素を分離する工程;及び (e) 前記の分離した未反応炭化水素を前記反応ゾー
ンに再循環する工程; を含む,アルキレンオキシドの製造方法。 - 【請求項28】 前記アルキレンオキシドがエチレンオ
キシドであり,前記炭化水素がエチレン,エタン,又は
これらの混合物である,請求項27記載の製造方法。 - 【請求項29】 前記アルキレンオキシドがエチレンオ
キシドであり,前記炭化水素がエチレンである,請求項
28記載の製造方法。 - 【請求項30】 前記アルキレンオキシドがプロピレン
オキシドであり,前記炭化水素がプロピレン,プロパ
ン,又はこれらの混合物である,請求項27記載の製造
方法。 - 【請求項31】 前記冷却用流体の少なくとも一部が,
アルキレンオキシド含量の少ない前記ガス状生成物から
分離された冷却用流体を再循環することよって得られ
る,請求項27記載の製造方法。 - 【請求項32】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,吸着分離,吸収分離,又は膜分
離によって前記アルキレンオキシド含量の少ないガス状
生成物から分離される,請求項31記載の製造方法。 - 【請求項33】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,圧力スイング吸着によって前記
アルキレンオキシド含量の少ないガス状生成物から分離
される,請求項32記載の製造方法。 - 【請求項34】 前記冷却用流体が二酸化炭素である,
請求項33記載の製造方法。 - 【請求項35】 (a) 塩素化炭化水素を含んだガス
状生成物が得られる条件下にて,反応ゾーン中の蒸気相
において酸化触媒の存在下で,エチレン,エタン,プロ
ピレン,プロパン,及びこれらの混合物から選ばれる炭
化水素と塩化水素と酸素とを接触させる工程; (b) 前記ガス状生成物を,二酸化炭素及び窒素から
選ばれる冷却用流体で冷却する工程; (c) 前記塩素化炭化水素を前記の冷却したガス状生
成物から回収する工程; (d) 塩素化炭化水素含量の少ない前記ガス状生成物
から未反応の炭化水素を分離する工程;及び (e) 前記の分離した未反応炭化水素を前記反応ゾー
ンに再循環する工程; を含む,塩素化炭化水素の製造方法。 - 【請求項36】 前記塩素化炭化水素が塩化ビニル又は
二塩化エチレンであり,前記炭化水素がエチレン,エタ
ン,又はこれらの混合物である,請求項35記載の製造
方法。 - 【請求項37】 前記冷却用流体の少なくとも一部が,
塩素化炭化水素含量の少ない前記ガス状生成物から分離
された冷却用流体を再循環することよって得られる,請
求項35記載の製造方法。 - 【請求項38】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,吸着分離,吸収分離,又は膜分
離によって前記塩素化炭化水素含量の少ないガス状生成
物から分離される,請求項37記載の製造方法。 - 【請求項39】 前記の未反応炭化水素及び冷却用流体
の一方もしくは両方が,圧力スイング吸着によって前記
塩素化炭化水素含量の少ないガス状生成物から分離され
る,請求項38記載の製造方法。 - 【請求項40】 前記冷却用流体が二酸化炭素である,
請求項39記載の製造方法。 - 【請求項41】 酸化触媒の存在下にて,酸素含有ガス
を使用して炭化水素を蒸気相酸化することにより石油化
学品を製造するための装置であって, (a) 炭化水素を酸素で酸化して,所望の石油化学品
と未反応炭化水素を含有したガス状生成物流れを得るた
めの反応器手段; (b) 冷却用不活性ガス流体を,前記反応ゾーンの下
流にて前記ガス状生成物流れ中に導入するための手段; (c) 前記の冷却したガス状生成物流れから前記石油
化学品を回収して,石油化学品を含有した液状生成物流
れと,未反応炭化水素を含有した石油化学品含量の少な
いガス流れとを得るための手段; (d) 前記の石油化学品含量の少ないガス流れから未
反応炭化水素を除去するための手段;及び (e) 前記の分離した未反応炭化水素を前記反応器手
段に再循環するための手段; を含んだ前記装置。 - 【請求項42】 前記冷却用流体を前記石油化学品含量
の少ないガス流れから分離し,前記の分離した冷却用流
体を前記冷却用流体導入手段に再循環するための手段を
さらに含む,請求項41記載の装置。 - 【請求項43】 前記反応器手段が,固定層反応器,流
動層反応器,移動層反応器,及び移送層反応器からなる
群から選ばれる部材である,請求項41又は42に記載
の装置。 - 【請求項44】 前記反応器手段が流動層反応器又は移
送層反応器である,請求項43記載の装置。 - 【請求項45】 前記未反応炭化水素分離手段と前記冷
却用流体分離手段が,吸着器ユニット,吸収器ユニッ
ト,膜分離ユニット,及びこれらの組み合わせからなる
群から選ばれる,請求項41又は42に記載の装置。 - 【請求項46】 前記未反応炭化水素分離手段と前記冷
却用流体分離手段が圧力スイング吸着器ユニットであ
る,請求項45記載の装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US661794 | 1991-02-27 | ||
US07/661,794 US5179215A (en) | 1991-02-27 | 1991-02-27 | Process for the production of petrochemicals |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117217A true JPH05117217A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=24655145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4090389A Pending JPH05117217A (ja) | 1991-02-27 | 1992-02-27 | 石油化学品を製造する方法 |
Country Status (8)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5179215A (ja) |
EP (1) | EP0501757B1 (ja) |
JP (1) | JPH05117217A (ja) |
AU (1) | AU659819B2 (ja) |
CA (1) | CA2059959A1 (ja) |
DE (1) | DE69207230T2 (ja) |
ES (1) | ES2083080T3 (ja) |
ZA (1) | ZA92797B (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011506435A (ja) * | 2007-12-14 | 2011-03-03 | ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー | 酸素供給ラインから微粒子固体を除去する湿式スクラビング |
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---|---|---|---|---|
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US5693856A (en) * | 1996-01-16 | 1997-12-02 | The Boc Group, Inc. | Production of terephthalic acid |
US6018060A (en) * | 1997-07-10 | 2000-01-25 | Membrane Technology And Research, Inc. | Membrane process and apparatus for argon purging from oxidation reactors |
US6197855B1 (en) | 1998-09-29 | 2001-03-06 | Solutia Inc. | Nucleation of Polyamides in the presence of hypophosphite |
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