JPH051146U - 温度ヒユーズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 温度ヒューズにおいて電気機器に容易に取り
付けうるものを提供すること。 【構成】 折り曲げられた導電性のある板バネ１のＡ端
は、回路板３の一端に取り付けられ、Ｂ端は、回路板に
取り付けられた配線パタン４に対して低融点金属５を介
して固着されている。なお板バネは回路板と反対方向へ
の復帰力を持たせてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は温度ヒューズに関する。 換言すれば、本考案は電気、電子機器、例えば充電器やヒータを内蔵する部品 の異常、誤操作、機器の周囲の異常等による発熱発火の可能性がある機器の異常 を未然に防ぐ温度ヒューズに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の温度ヒューズは図６に示すように、セラミックケース６に低融点金属５ を封入し、端子７を取り出した構成であった。この温度ヒューズでは他の電子部 品とともに回路板に取り付けることは不可能である。なぜなら、通常部品の取り 付けははんだを使用し、はんだの温度で低融点合金は溶融してしまうためである 。したがって、温度ヒューズは別の場所または、回路板より距離をとり、取り付 けなければならない。 そのため、機器のスペースを大きくとり、最近求められる小型化の要求に応じ られない欠点を有していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記の欠点を改善するために提案されたものでその目的は、電気・電 子機器の異常を未然に防ぐ温度ヒューズを回路板と一体化し、容易に取り付けう る温度ヒューズを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案は折り曲げられた導電性のある板バネの一端 は回路板の一端上に取り付けられ、板バネの他端は予め前記回路板に取り付けら れて配線パタンに対して、低融点金属を介して固着され、前記低融点金属と接触 する板バネの端部は、前記回路板と反対方向への復帰力を持せたことを特徴とす る温度ヒューズを考案の要旨とするものである。

【０００５】

【作用】

本考案による温度ヒューズは機器・部品等の異常時により過電流が流れたり発 熱発火が発生した場合に回路を低融点金属が溶融し板バネは弾力によって接続端 子（配線パタン）からはずれ回路を遮断する作用を有する。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例について説明する。 なお実施例は一つの例示であって、本考案の精神を逸脱しない範囲で、種々の 変更あるいは改良を行いうることは云うまでもない。

【０００７】 図１は板バネ１を示すもので、（ａ）図は正面図、（ｂ）図は側面図を示す。 図に示すように、板バネ１を図１の形状に折り曲げ加工し、図２に示すように、 板バネ１のＡ端を回路板３上の配線パタン２にハンダ等の従来の接合方法で接続 する。板バネの材料は電気伝導性が高く、バネ性がある材料とする。たとえば、 燐青銅・ベリリウム銅等である。次に図３に示すように板バネ１のＢ端は、回路 板３の他の部品又は、配線パタン４とに低融点金属５により接続する。これによ り温度ヒューズとして組み上げられたこととなる。この温度ヒューズは過電流ま たは、温度上昇により低融点金属が溶融し、回路を遮断することになる。図４に 遮断した状態を示す。

【０００８】 回路板の材料は積層板・セラミック板等特に限定はしない。回路板では機器の 通常の部品と同じ回路板上に本考案の温度ヒューズを取り付ける。また低融点金 属は融点が５０〜３００℃の合金とする。

【０００９】 次に実験例について説明する。 紙フェノール積層板に燐青銅の板バネの一端を接続し、他端に９７℃の融点を 持つ低融点金属（Ｓｎ−Ｐｂ−Ｂｉ合金）を固定した。この板バネは遮断する方 向即ち回路板と反対側への反力を持ち、低融点金属が溶融すれば遮断するように 固定した。この回路板の温度ヒューズに電流を流し、温度ヒューズ周辺に熱電対 を取り付けオーブンに入れ、徐々に温度を上昇させた。温度ヒューズに流れる電 流とそのときの温度と測定し、回路が遮断される温度を求めた。その結果は図５ に示す様に±１℃以内で遮断が行なわれ、温度ヒューズとして正確に動作してい ることが確かめられた。図中３〜５，７〜９は試料番号を示す。＊印は遮断時を 示す。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は叙上のように、折り曲げられた導電性のある板バネの一端は回路板の 一端上に取り付けられ、板バネの他端は予め前記回路板に取り付けられて配線パ タンに対して、低融点金属を介して固着され、前記低融点金属と接触する板バネ の端部は、前記回路板と反対方向への復帰力を持せたことにより、電気・電子機 器用の温度ヒューズとして回路板と一体化することが可能であり、かつ容易に取 り付けができ、しかも正確な遮断をする温度ヒューズが得られる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】板バネの構造を示し、（ａ）は正面図、（ｂ）
は側面図を示す。

【図２】板バネを回路板に取りつけた状態を示す。

【図３】温度ヒューズとしてセットした状態を示す。

【図４】温度ヒューズが遮断した状態を示す。

【図５】本考案の温度ヒューズの遮断特性を示す。

【図６】従来の温度ヒューズを示す。

【符号の説明】

１ バネ ２ 配線パタン ３ 回路板 ４ 配線パタン ５ 低融点金属 ６ セラミックケース

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 折り曲げられた導電性のある板バネの一
   端は回路板の一端上に取り付けられ、板バネの他端は予
   め前記回路板に取り付けられて配線パタンに対して、低
   融点金属を介して固着され、前記低融点金属と接触する
   板バネの端部は、前記回路板と反対方向への復帰力を持
   せたことを特徴とする温度ヒューズ。