JPH05114294A - シナプス表現回路および半導体神経回路網装置 - Google Patents

シナプス表現回路および半導体神経回路網装置

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JPH05114294A
JPH05114294A JP3273789A JP27378991A JPH05114294A JP H05114294 A JPH05114294 A JP H05114294A JP 3273789 A JP3273789 A JP 3273789A JP 27378991 A JP27378991 A JP 27378991A JP H05114294 A JPH05114294 A JP H05114294A
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JP
Japan
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synapse
circuit
expressing
refresh
node
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JP3273789A
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Yutaka Arima
裕 有馬
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
    • G06N3/00Computing arrangements based on biological models
    • G06N3/02Neural networks
    • G06N3/06Physical realisation, i.e. hardware implementation of neural networks, neurons or parts of neurons
    • G06N3/063Physical realisation, i.e. hardware implementation of neural networks, neurons or parts of neurons using electronic means
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    • G06N3/065Analogue means

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シナプス表現回路が表現するマルチレベルの
シナプス荷重値を長時間にわたって安定に保持すること
を目的とする。 【構成】 シナプス表現回路は、シナプス荷重値を格納
するための容量C0と、この容量C0に格納された蓄積
電荷量を修復するためのリフレッシュ制御回路150を
含む。リフレッシュ制御回路150は、この容量C0の
シナプス荷重値を与える電極N2の電圧Vcをリフレッ
シュ制御信号Ref+,Ref−と比較する比較器Co
p1と、この比較器Cop2の出力に応答してチャージ
ポンプ動作を介してキャパシタC0の蓄積電荷量を修正
するキャパシタCrを含む。リフレッシュ制御信号はそ
のレベルが離散的に変化される。 【効果】 リフレッシュ制御回路によりキャパシタC0
の蓄積電荷量が確実にリフレッシュ制御信号が規定する
レベルに修復されるため、安定に長時間シナプス荷重値
を保持するシナプス表現回路およびこのシナプス表現回
路を用いた大規模神経回路網装置を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は神経回路網を電子的に
実現する半導体神経回路網装置に関し、特にニューロン
を所定の結合強度を通して結合するシナプスを表現する
シナプス表現回路に関する。より特定的には、シナプス
荷重値を任意の値に設定することのできるシナプス表現
回路およびこのシナプス表現回路を含む半導体神経回路
網装置に関する。
【0002】
【従来の技術】生体細胞(ニューロン)をモデルとして
用いた計算処理手法が種々提案されている。このような
処理手法の1つにボルツマンマシンと呼ばれる並列情報
処理機械がある。ボルツマンマシンは、1985年に
D.H.Ackley(ディー・エッチ・アクレイ)等
によって提案されたニューラルネット(神経回路網)を
表現する数理モデルの一種であり、ニューロンの状態遷
移が確率的に行なわれることを特徴としている。ニュー
ロン間の結合の強さ(以下、シナプス荷重と称す)Wi
jが対称(Wij=Wji)であり、かつ自己結合がな
い(Wii=0)場合には、系(ニューラルネット)の
温度表現パラメータTが有限な値において、系の定常分
布p(z)が次式のボルツマン分布で与えられることか
らこのような名前が付けられる。ここで、シナプス荷重
Wijは、ニューロンiとニューロンjとの間のシナプ
ス荷重を示す。
【0003】 p(z)=C・exp(−U(z)/T) U(z):系のポテンシャル関数 z:ニューロンのとる系の状態 C:規格化係数 上述のような各ニューロンの状態決定に対する確率の導
入により、ニューラルネット系は、状態エネルギの局所
的極小値につかまることなく大所的極小値へ収束するこ
とが期待される。つまり、よりもっともらしい解を発見
できることが期待される。このようなボルツマンマシン
は複雑なコスト問題の解決や、パターン認識および連想
記憶などの非アルゴリズミックな問題の解決を得意とす
る装置であり、問題解決にアルゴリズムを必要とするチ
ューリングマシンとは対照的な性質を有する。
【0004】このようなボルツマンマシンを効率よく高
速に表現することのできる装置として、ニューラルネッ
トの動作を真似た強力な並列処理系を半導体集積回路に
より実現することがいくつか既に試みられている。従来
の集積回路化された神経回路網半導体回路装置の構成お
よび動作について説明する前にボルツマンマシンの動作
原理について簡単に説明する。
【0005】図10は、一般的なニューロンモデルの構
成および動作原理を示す図である。図10において、ニ
ューロンユニットiは、他のユニットk,j,mからの
出力信号Sk,Sj,およびSmを受ける入力部Aと、
入力部Aからの信号を予め定められた規則に従って変換
する変換部Bと、変換部Bからの信号を出力する出力部
Cとを含む。
【0006】入力部Aは、ニューロンユニットk,jお
よびmに対して所定のシナプス荷重W(以下、シナプス
荷重を総称的に示す場合、符号Wを用いる)を有する。
たとえば、ニューロンユニットkからの出力信号Sk
は、入力部Aでシナプス荷重Wikを付されてWik・
Skに変換された後、変換部Bへ伝達される。
【0007】変換部Bは、入力部Aから与えられた入力
信号の総和がある条件を満足すると発火して出力部Cへ
信号を伝達する。このニューロンユニットのモデルを生
体細胞に対応させると、入力部Aは樹状突起に対応し、
変換部Bは細胞体本体に対応し、かつ出力部Cは軸索に
対応する。
【0008】このニューロンモデルにおいては、各ニュ
ーロンユニットは2つの状態、すなわちSi=0(非発
火状態)およびSi=1(発火状態)をとると仮定され
る。各ニューロンユニットはその入力に応じて自身の状
態を更新する。ニューロンユニットiの総入力は、 Ui=ΣWij・Sj+Wii で定義される。ただし総和Σはjに関して行なわれる。
ここで、Wij=Wjiとなる対称なシナプス結合が仮
定されており、また−Wiiはニューロンユニットiの
しきい値に対応する。
【0009】ニューロンユニットの状態の更新は各ユニ
ット間で非同期的に行なわれかつ確率的に行なわれる。
ニューロンユニットiが状態を更新するとき新しい状態
が1になる確率p(Si=1)は、 p(Si=1)=1/(1+exp(−Ui/T)) で与えられる。ここで、Tは物理系における温度と同様
の働きをするパラメータであり、正の値をとり、通常
“温度”と呼ばれる。
【0010】図11は、各温度Tに対する入力の総和U
iと確率p(Si=1)の関係を示す図である。図11
から見られるように、ニューロンユニットiは、温度T
が大きい場合にはほぼホランダムに確率1/2で“0”
または“1”のいずれかの値をとり、温度Tが0に近い
場合には、ほぼ決定論的にしきい値論理(入力の総和が
あるしきい値を超えたときにその状態が“1”となる論
理)に従う。
【0011】ある時刻におけるボルツマンマシンの状態
はすべてのユニットのオン(S=1)およびオフ(S=
0)の組合わせで表わされる。ただし、Sはニューロン
ユニットの出力信号を総称的に示す。ある状態にある系
に対してエネルギEは次のように定義される。
【0012】E=−ΣWij・Si・Sj ただし、総和Σはi<jの関係を満足する添字iおよび
jのすべてについて行なわれる。また、この式において
は、各ニューロンユニットのしきい値は0と仮定されて
いる。このしきい値0の状態は、各ニューロンユニット
に対し常時オン状態(S=1)であるユニットを設け、
その結合強度を各ユニットのしきい値に等しくかつその
符号が反対であるように設定することにより実現され
る。
【0013】任意の初期状態から出発した各ニューロン
ユニットが動作を続けると、ボルツマンマシンは各ニュ
ーロンユニットのシナプス荷重Wによって定められる確
率的な平衡状態に近づく。この場合、ボルツマンマシン
が状態αをとる確率P(α)は、前述のごとく、次式 P(α)=C・exp(−Eα/T) で与えられる。ただしEαは、状態αにおけるニューラ
ルネットワーク系のエネルギを示す。
【0014】ボルツマンマシンにおいては、大所的エネ
ルギ極小値に到達するためにシミュレーテッドアニーリ
ングといわれる手法が用いられる。2つの大所的状態α
およびβの相対的な確率が、 P(α)/P(β)=exp(−(Eα−Eβ)/T) で与えられる。最低エネルギ状態は任意の温度で常に最
もよく生じる確率が高い。通常、熱平衡状態へ到達する
時間は長いため、アニールは高温から始め徐々に温度を
下げていくのが好ましいとされる。この状態遷移は、通
常、結晶格子におい各結晶原子が与えられた温度におい
て最低エネルギ状態を取る位置へ移行する状態と類似し
ている。
【0015】ボルツマンマシンにおける問題は、入出力
データの確率分布を外から与えないでなるべく正確にネ
ットワーク自体がその分布を実現できるような重み、す
なわちシナプス荷重を見出すことである。このようなシ
ナプス荷重Wを調整する際に用いられる学習則の基本方
程式としては、 ΔWij=η・(p+ ij−p- ij) …(1) が用いられることが多い。ここで、p+ ijは、外部か
ら教師情報を与え、ニューラルネットワークが動いて平
衡状態に達したときにニューロンユニットiとニューロ
ンユニットjの状態がともに“1”となる期待値であ
る。p- ijは外部から教師情報を与えない場合のニュ
ーロンユニットiとニューロンユニットjの状態がとも
に“1”となる期待値に対応する。上述の式(1)にお
いてp+ ijの項は、隣り合ったニューロンユニットi
とニューロンユニットjがともに活性化しているときに
両者の間の結合が強化されることを意味している。これ
はヘブ(Hebb)の学習則と呼ばれるシナプス結合の
強化学習機構に対応する。
【0016】p- ijの項は、外部から出力が与えられ
ない状態で、隣り合ったユニットiとユニットjがとも
に活性化しているときに、その間の結合(シナプス荷重
Wij)が弱められる(小さくなる)ことを意味してお
り、これは通常、反学習と呼ばれている。次に、ボルツ
マンマシンにおける学習アルゴリズムについて簡単に説
明する。
【0017】ボルツマンマシンにおける学習アルゴリズ
ムは操作1(プラス(+)フェーズ)、操作2(マイナ
ス(−)フェーズ)および操作3を含む。
【0018】操作1(プラスフェーズ):入力ユニット
および出力ユニット(可視ユニット)の状態は、入力デ
ータおよび出力データ(教師データ)が各々パターンの
出現確率に従って示す特定のパターンに固定される。操
作1は、(a)焼鈍過程、(b)データ収集過程および
(c)p+ ijを求める過程を含む。焼鈍過程(a)に
おいては、各温度Tに対して次式(2)および(3)に
従って各ユニットの状態が変更される。
【0019】 ΔEi=ΣWij・Sj …(2) Pi=1/(1+exp(−ΔEi/T)) …(3) ただし式(2) おいて総和Σは添字jについて行なわ
れる。この式(2)はニューラルネット全体のエネルギ
Eに対して、ユニットiの状態Siが“0”のときと
“1”のときのエネルギギャップを与える。式(3)
は、このエネルギギャップが生じたときのユニットiの
新しい状態Siが“1”をとる確率を与える。焼鈍過程
(a)においては、温度Tは高温から始まって低温へ順
次移行される。この温度Tが低温へ移行し、所定のアニ
ーリング手続の終了時にはニューラルネットワークは最
低エネルギ状態へ緩和していき、熱平衡状態に達したと
仮定される。
【0020】データ収集過程(b)においては、焼鈍過
程(a)を所定回数繰り返した後、互いに結合している
ユニットのそれぞれの状態Sがともに“1”となってい
る回数を求める。
【0021】p+ ijを求める過程(c)においては、
上述の焼鈍過程(a)とデータ収集過程(b)とを再び
教師パターンに対応して所定回数繰り返した後、過程
で得られたデータの平均値を求め、この平均値をp+
jと仮定する。
【0022】操作2(マイナスフェーズ)も同様に焼鈍
過程(a)、データ収集過程(b)およびp- ijを求
める過程(c)を含む。操作2における各過程(a)、
(b)および(c)は操作1(プラスフェーズ)の場合
と同様の手続である。ただし、操作2(マイナスフェー
ズ)においては、入力データに対応するユニット(入力
ユニット)のみが教師データの出現確率に従ってその状
態が固定される。操作2においては、操作1と同様に過
程(a)、(b)および(c)が繰り返された後、過程
(c)において得られた平均値がp- ijと仮定され
る。
【0023】操作3においては、得られた平均値p+
jおよびp- ijから、 ΔWij=η・(p+ ij−p- ij) …(4) の関係式に従ってシナプス荷重Wijの変更が行なわれ
る。ここで、ηは1回のシナプス荷重Wijの変化量の
程度を決める正の定数である。上式(4)から明らかな
ように、シナプス荷重Wijの変更量は、2つの互いに
結合されているユニットiおよびjの状態によってのみ
決定される。学習の最終目的は式(4)に示される変更
量ΔWijをできるだけ小さく、理想的には0に収束さ
せることである。
【0024】上述のような学習機能を備える神経回路網
(自己想起型ボルツマンマシンと呼ばれる)を半導体電
子回路で実現した装置は種々提案されており、本発明者
グループも既に集積化に適した構造を備えかつ高速動作
性および高学習効率を有する半導体神経回路網集積回路
装置を提案している(特願平1−121916参照)。
【0025】図12は、本発明者のグループが提案した
半導体神経回路網集積回路装置の全体の構成の一例を示
す図である。図12においては、ニューロンの数が5個
の場合の神経回路網を実現する集積回路装置の構成が示
される。図12において、神経回路網集積回路装置は、
1列に配置される5個のニューロンユニットNU1,N
U2,NU3,NU4およびNU5と、実質的に直角三
角形の形状に配置されるシナプス表現回路SY1〜SY
10を含む。ニューロンユニットNU1〜NU5のそれ
ぞれの入力部には樹状突起信号線DE1,DE2,DE
3,DE4およびDE5が接続される。ニューロンユニ
ットNU1〜NU5の各々は、対応の樹状突起信号線D
E1〜DE5上の信号を、その内部に含まれるアニール
情報と比較し、その比較結果に基づいて“1”または
“0”の状態信号S1〜S5を発生する。
【0026】この神経回路網集積回路装置はさらに、状
態信号SI1,SI2,SI3,SI4およびSI5を
それぞれ伝達する軸索信号線AX1,AX2,AX3,
AX4およびAX5を含む。状態信号SI1〜SI5
は、外部から与えられる入力データであってもよく、ま
た別の層から伝達される状態信号であってもよい。
【0027】シナプス表現回路SY1〜SY10の各々
は、対応の軸索信号線AX(軸索信号線AX〜AX5を
総称的に示す場合には符号AXを用いる)から与えられ
た状態信号SIに、そこに格納されたシナプス荷重Wを
重み付けした信号W・Sを対応の樹状突起信号線DE
(樹状突起信号線DE1〜DE5を総称的に示す場合に
は符号DEを用いる)へ伝達する。
【0028】この半導体神経回路網集積回路装置のモデ
ルであるボルツマンマシンにおいては、シナプス荷重W
は対称性を有しており、Wij=Wjiである。したが
って、1つのシナプス表現回路SY(シナプス表現回路
を総称的に示す場合、符号SYを用いる)が2つのシナ
プス荷重を与える。
【0029】軸索信号線AX1は、シナプス表現回路S
Y1,SY2,SY3およびSY4の第1の軸索信号入
力端子に接続される。軸索信号線AX2は、シナプス表
現回路SY1の第2の軸索信号入力端子と、シナプス表
現回路SY5,SY6およびSY7のそれぞれの第1の
軸索信号入力端子に接続される。軸索信号線AX3は、
シナプス表現回路SY2およびSY5のそれぞれの第2
の軸索信号入力端子と、シナプス表現回路SY8および
SY9のそれぞれの第1の軸索信号入力端子に接続され
る。軸索信号線AX4は、シナプス表現回路SY3,S
Y6およびSY8の第2の軸索信号入力端子と、シナプ
ス表現回路SY10の第1の軸索信号入力端子とに接続
される。軸索信号線AX5は、シナプス表現回路SY
4,SY7,SY9およびSY10の第2の軸索信号入
力端子に接続される。
【0030】樹状突起信号線DE1は、シナプス表現回
路SY1,SY2,SY3およびSY4からの第1の樹
状突起信号出力端子からの出力信号を加算してニューロ
ンユニットNU1へ伝達する。樹状突起信号線DE2
は、シナプス表現回路SY1の第2の樹状突起信号出力
端子からの出力信号とシナプス表現回路SY5,SY6
およびSY7の第1の樹状突起信号出力端子からの出力
信号を加算してニューロンユニットNU2へ伝達する。
樹状突起信号線DE3は、シナプス表現回路SY2,S
Y5の第2の樹状突起信号出力端子からの出力信号とシ
ナプス表現回路SY8およびSY9の第1の樹状突起信
号出力端子からの出力信号とを加算してニューロンユニ
ットNU3へ伝達する。
【0031】樹状突起信号線DE4は、シナプス表現回
路SY3,SY6およびSY8の第2の樹状突起信号出
力端子からの出力信号とシナプス表現回路SY10の第
1の樹状突起信号出力端子からの出力信号とを加算して
ニューロンユニットNU4へ伝達する。樹状突起信号線
DE5は、シナプス表現回路SY4,SY7,SY9お
よびSY10の第2の樹状突起信号出力端子からの出力
信号を加算してニューロンユニットNU5へ伝達する。
ニューロンユニットNU1〜NU5は対応の樹状突起信
号線DE1〜DE5を介して伝達される信号に従って発
火または非発火状態となる。
【0032】図13は、図12に示すシナプス表現回路
の構成を概略的に示すブロック図である。図13におい
て、シナプス表現回路SYは、シナプス荷重値情報を格
納するシナプス荷重値格納回路101と、神経回路網の
学習モード時に関連の2つの状態信号(軸索信号)Si
およびSjに従ってシナプス荷重修正信号を発生する学
習制御回路110と、シナプス荷重修正信号に応答し
て、シナプス荷重値格納回路101に格納されたシナプ
ス荷重値情報を修正するシナプス荷重修正回路103
と、第2の軸索信号入力端子へ与えられた状態信号Sj
にシナプス荷重値格納回路101に格納されたシナプス
荷重値を重み付けし、この重み付けした信号Wij・S
jを樹状突起信号線DEjへ伝達するシナプス結合表現
回路105と、第1の軸索信号入力端子へ伝達された状
態信号Siにシナプス荷重値格納回路101に格納され
たシナプス荷重値を付加し、信号Wji・Siを生成し
て樹状突起信号線DEi上へ伝達するシナプス結合表現
回路107とを備える。
【0033】このシナプス表現回路SYが表現するシナ
プス荷重は対称性を有しており、Wji=Wijであ
る。このシナプス荷重値情報はシナプス荷重値格納回路
101に格納される。シナプス荷重値格納回路101は
このシナプス荷重値情報を電荷の形態で格納する容量C
Aを含む。容量CAが格納する電荷量は連続的に変化可
能であり、したがって、このシナプス荷重値格納回路1
01が格納するシナプス荷重値はアナログ的に変化す
る。
【0034】学習制御回路110は、学習の有無を示す
制御信号Acpを受ける端子Pと、学習フェーズ(プラ
スフェーズまたはマイナスフェーズ)を示す信号C+/
−を受ける端子Cと、状態信号Siを受ける入力端子S
1と、状態信号Sjを受ける入力端子S2と、学習モー
ド時において、状態信号SiおよびSjの状態に従って
シナプス荷重値格納回路101に格納されたシナプス荷
重値を増加させるための第1の修正信号Iを発生する端
子Ipと、学習モード時に、状態信号SiおよびSjに
従って、シナプス荷重値格納回路101に格納されたシ
ナプス荷重値を減少させるための第2の修正信号Dを発
生する端子Dpを含む。
【0035】シナプス荷重修正回路103は、第1の修
正信号Iを受ける端子Vと、第2の修正信号Dを受ける
端子Lと、端子VおよびLに与えられた修正信号Iおよ
びDに従ってシナプス荷重値格納回路101に格納され
たシナプス荷重値を調整する信号を発生する出力端子M
を含む。
【0036】シナプス荷重値格納回路101は、その一
方電極がノードNに接続され、その他方電極が基準電位
Vに結合される容量CAを含む。容量CAに蓄積される
電荷量がシナプス荷重修正回路103からの信号に従っ
て増減される。
【0037】シナプス結合表現回路105および107
は、ともに同一の構成を有しており、状態信号S(Si
またはSj)を受ける状態信号入力端子Vsと、シナプ
ス荷重値格納回路101が格納するシナプス荷重値情報
を受ける端子Vcと、状態信号とシナプス荷重値との積
結果を示す電流(荷重化電流)を出力する端子Ioを含
む。
【0038】図14は、図13に示す学習制御回路の具
体的構成の一例を示す図である。図14において、学習
制御回路110は、学習フェーズ指示信号C+/−を受
けるインバータ回路G2と、入力端子S1およびS2へ
与えられる状態信号SiおよびSjを受けるNAND回
路G3と、端子Pに与えられる学習制御信号Acpとイ
ンバータ回路G2の出力とNAND回路G3の出力とを
受けるNOR回路G4と、制御信号Acpと学習フェー
ズ指示信号C+/−とNAND回路G3の出力を受ける
NOR回路G5とを含む。NOR回路G4から第1の修
正信号Iが発生され、NOR回路G5から第2の修正信
号Dが発生される。まず、この学習制御回路110の動
作について以下に説明する。
【0039】非学習時においては、制御信号Acpは
“H”に固定される。この場合、端子S1およびS2へ
それぞれ与えられる状態信号SiおよびSjの論理状態
にかかわらずNOR回路G4およびG5の出力はともに
“L”固定であり、修正信号IおよびDは発生されな
い。すなわちこの状態においては、シナプス荷重値格納
回路101に格納されたシナプス荷重値は修正されな
い。
【0040】学習時においては、端子Pへ一定の周期お
よびパルス幅を有するパルス信号が与えられる。このと
き、学習制御端子Cへ与えられる学習フェーズ指示信号
C+/−に従って端子DpおよびIpから発生される修
正信号が変化する。プラスフェーズ時においては、学習
フェーズ指示信号C+/−が“H”に設定される。この
場合、NOR回路G5の出力Dが“L”固定となる。端
子IpへNOR回路G4から伝達される第1の修正信号
Iは、状態信号SiおよびSjがともに“H”の場合の
みNAND回路G3の出力が“L”となるため、パルス
信号Acpを反転した信号となる。この第1の修正信号
Iのパルス数に従ってシナプス荷重修正回路103が、
シナプス荷重値格納回路の格納するシナプス荷重値を増
加させる(ΔWji>0)。
【0041】マイナスフェーズ値においては、学習フェ
ーズ指示信号C+/−が“L”に設定される。この場
合、NOR回路G4の出力信号Iが“L”固定となる。
NOR回路G5は状態信号SiおよびSjがともに
“H”の場合のみNAND回路G3の出力が“L”とな
るため、インバータ回路として機能し、出力信号(第2
の修正信号)Dとしてパルス信号Acpの反転信号を発
生する。このパルス状の第2の修正信号Dに従ってシナ
プス荷重修正回路103はシナプス荷重値格納回路10
1に格納されるシナプス荷重値を減少させる(ΔWji
<0)。すなわち、この学習制御回路110は次式で示
す学習則を実現する。
【0042】ΔW+ ji=η・Si・Sj ΔW- ji=−η・Si・Sj η:端子Pへ与えられるパルスの数に対応する。
【0043】修正量ΔWおよび係数ηに付される符号は
学習フェーズに対応する。この端子PおよびCへ与えら
れる制御信号AcpおよびC+/−は図示しない外部か
らの制御回路により与えられる。
【0044】図15は、図13に示すシナプス表現回路
SYにおいて第1の状態信号Siから樹状突起信号Wj
i・Siを生成するシナプス結合表現回路107の構成
を示す図である。図13に示すシナプス結合表現回路1
05も同様の構成を備える。図15において、シナプス
結合表現回路107は、第1の電流パス回路を構成する
pチャネルMOS(絶縁ゲート型電界効果)トランジス
タPT1,PT2と、第2の電流パス回路を形成するp
チャネルMOSトランジスタPT3およびPT4と、第
3の電流パス回路を形成するpチャネルMOSトランジ
スタPT5およびnチャネルMOSトランジスタNT1
を含む。pチャネルMOSトランジスタPT5とnチャ
ネルMOSトランジスタNT1は基準電位(たとえば電
源電位)Vddと接地電位VGNDとの間に相補接続さ
れ、端子Vsへ与えられた状態信号Siを反転するイン
バータ回路を形成する。
【0045】pチャネルMOSトランジスタPT1は、
そのソースが基準電圧ノードVddに接続され、そのゲ
ートが、シナプス荷重値格納回路101の出力ノードN
2に接続され、そのドレインがpチャネルMOSトラン
ジスタPT2のソースに接続される。pチャネルMOS
トランジスタPT2は、そのゲートがインバータ(トラ
ンジスタPT5およびNT1により構成される)の出力
ノードN10に接続され、そのドレインがシナプス結合
電流出力ノードIOに接続される。
【0046】pチャネルMOSトランジスタPT3は、
そのソースが基準電圧ノードVddに接続され、そのゲ
ートがバイアス電圧供給ノードVbに接続され、そのド
レインがpチャネルMOSトランジスタPT4のソース
に接続される。pチャネルMOSトランジスタPT4
は、そのゲートが状態信号入力ノードVsに接続され、
そのドレインがシナプス結合電流出力ノードIoに接続
される。
【0047】pチャネルMOSトランジスタPT5は、
そのソースが基準電圧ノードVddに接続され、そのゲ
ートが状態信号入力ノードVsに接続され、そのドレイ
ンがnチャネルMOSトランジスタNT1のソースに接
続される。
【0048】nチャネルMOSトランジスタNT1は、
そのゲートが状態信号入力ノードVsに接続され、その
ソースが接地電位VGNDに接続される。
【0049】各電流パス回路におけるpチャネルMOS
トランジスタのゲート幅すなわちコンダクタンスは同一
である。しかしながら、pチャネルMOSトランジスタ
PT1およびPT2のゲート幅は、pチャネルMOSト
ランジスタPT3およびPT4それぞれのゲート幅より
も大きく、たとえば2倍に設定される。これにより、ト
ランジスタPT1およびPT2からなる電流パス回路
は、トランジスタPT3およびPT4からなる電流パス
回路よりもより大きな電流を流すことができる。
【0050】シナプス荷重値格納回路101は1個のキ
ャパシタC0により構成される。キャパシタC0は、そ
の一方電極がノードN2に接続され、他方電極が基準電
位VddへノードN3を介して接続される。このキャパ
シタC0およびノードN2は、図13に示す容量CAお
よびノードNにそれぞれ対応する。
【0051】シナプス荷重修正回路103は、第1の修
正信号Iを受ける入力端子VとノードN5との間に設け
られるキャパシタC1と、第2の修正信号Dを受ける入
力端子LとノードN6との間に設けられるキャパシタC
2と、ノードN2と基準電位供給ノードVdd(ノード
N3)との間に順方向に接続されるダイオードD2,D
1と、バイアス電圧供給ノードVbとノードN2との間
に順方向に接続されるダイオードD4およびD3を含
む。ノードN1およびノードN3はそれぞれバイアス電
圧Vbおよび基準電圧Vddを受ける。
【0052】キャパシタC1とダイオードD1およびD
2とは、第1の修正信号入力端子Vへ与えられる第1の
修正信号Iに応答して、キャパシタC0のノードN2に
蓄積された正電荷を引抜く経路を与える。キャパシタC
2とダイオードD3およびD4とは、第2の修正信号入
力端子Lへ与えられる第2の修正信号Dに応答してキャ
パシタC0へ正電荷を注入する経路を与える。
【0053】通常、バイアス電圧Vbとたとえば電源電
圧である基準電圧Vddとは、 VGND≦Vb<Vdd の関係を満たしている。ここで、電圧ノードとそこへ伝
達される電圧とは同一の参照番号を付している。次に動
作について説明する。
【0054】パルス状の修正信号Iが端子Vを介してキ
ャパシタC1へ与えられると、キャパシタC1のチャー
ジポンプ動作により、キャパシタC0から正電荷が引抜
かれ、ノードN2の電位が下降する。パルス状の第2の
修正信号DがキャパシタC2へ与えられるごとに、キャ
パシタC0へ正電荷が注入され、ノードN2の電位が上
昇する。この構成により、1個のキャパシタC0により
興奮性結合および抑制性結合が表現される。まず、シナ
プス結合表現回路107の動作について説明する。
【0055】(i) 状態信号Siが“L”の場合:こ
の場合、トランジスタPT4,PT5がオン状態、トラ
ンジスタPT2およびトランジスタNT1がオフ状態と
なる(ノードN10の電位はトランジスタPT5により
基準電圧Vddのレベルとなる)。したがって、出力端
子Ioからは、トランジスタPT3のゲートへ与えられ
るバイアス電圧Vbに応じた一定の電流が流出する。
【0056】(ii) 状態信号Siが“H”の場合:こ
の場合、トランジスタPT4がオフ状態、トランジスタ
PT2およびトランジスタNT1がともにオン状態とな
る。出力端子Ioからは、トランジスタPT1のゲート
電位(ソース電位を基準電位とする)、すなわちキャパ
シタC0の充電電位Vc(ノードN2の電位)に応じた
電流Idsが流れる。キャパシタC0のノードN2の蓄
積電荷Q0が0であれば、ノードN2の電位Vcは基準
電圧Vddに等しい。トランジスタPT1のソース電位
は基準電圧Vddである。したがって、電位(Vdd−
Vc)=0に応じた電流が基準電圧供給ノードVddか
らトランジスタPT1およびPT2を介して出力端子I
oへ流れる。
【0057】キャパシタC0のノードN2における蓄積
電荷量が負の−Q0であれば、ノードN2の電位Vc
は、(Vdd−Q0・Ca)となり、トランジスタPT
1のゲート電位は−Q0・Caとなり、pチャネルMO
SトランジスタPT1のインピーダンスが小さくなり、
流れる電流量が増大する。これにより興奮性結合が表現
される。ここでCaはキャパシタC0の静電容量を示
す。
【0058】第1の修正信号Iが与えらるごとに、キャ
パシタC0の正電荷が引抜かれるため、トランジスタP
T1のインピーダンスが小さくなり、出力端子Ioへ流
れる電流Idsの値が増大する。一方、第2の修正信号
Dが与えられるごとに、キャパシタC0へ正電荷が注入
されるため、トランジスタPT1からノードN4へ供給
される電流Idsの値が小さくなる。したがって、学習
モード時において、この修正信号IおよびDに従ってキ
ャパシタC0の蓄積電荷量を調節することにより1個の
キャパシタC0により興奮性結合および抑制制結合のい
ずれをも実現することができる。またこのとき、キャパ
シタC0が表現するシナプス荷重値はこのキャパシタC
0の蓄積電荷量により与えられるため、このシナプス荷
重値を任意の値に設定することができる。次に、学習モ
ード時において、キャパシタC0の蓄積電荷量を調節
し、これによりシナプス荷重値格納回路101に格納さ
れるシナプス荷重値を修正する動作について説明する。
【0059】キャパシタC0により構成されるシナプス
荷重値格納回路101において、キャパシタC0のノー
ドN2に接続された電極に蓄積された負電荷量が−Q0
の場合、pチャネルMOSトランジスタPT1のゲート
に接続されるノードN2には、前述の如く、 Vc=(Vdd−Q0・Ca) の電圧が生じる。ここで、Caは、キャパシタC0の静
電容量を示す。したがって、ノードN2の電圧Vcは、
Q0=0の場合には、Vc=Vddとなり、Q0の値が
大きくなるにつれてこのノードN2の電圧Vcは減少す
る。
【0060】pチャネルMOSトランジスタPT1を含
む電流パス回路において、PチャネルMOSトランジス
タPT1のゲート−ソース間電圧(以下、単にゲート電
圧と称す)は、−(Vdd−Vc)である。このゲート
電圧−(Vdd−Vc)により規定される定電流が、こ
のトランジスタPT1を介してノードN4へ流れる。し
たがって、トランジスタPTを流れる電流について、Q
0=0の場合には、Ids=0となり、電流は流れず、
電荷量Q0が大きくなるにつれてノードN2の電位が減
少し、トランジスタPT1を流れる電流Idsは増加す
る。次に、シナプス荷重修正回路103の動作について
説明する。このシナプス荷重修正回路103は、2つの
チャージポンプ回路により構成されているため、それぞ
れのチャージポンプ回路の動作を図16(A)および図
16(B)を参照して説明する。
【0061】まず図16(A)を参照して、キャパシタ
C0のノードN2へ正電荷を注入する動作について説明
する。図16(A)においてダイオードD13、D14
とキャパシタC12とからなる回路にパルス信号Dを与
えることにより、キャパシタC20へ正電荷を注入する
チャージポンプ動作が実現される。ダイオードD13
は、そのアノードがノードN26に接続され、そのカソ
ードがノードN22を介してキャパシタC20の一方電
極に接続される。ダイオードD14は、そのカソードが
ノードN26に接続され、そのアノードがノードN21
を介してバイアス電圧Vbに接続される。
【0062】キャパシタC12は、その一方電極がノー
ドN26に接続され、その他方電極がノードN28を介
してパルス信号Dを受ける。次にこの図16(A)に示
す回路の動作について説明する。
【0063】ノードN28へパルス信号Dを与えた場合
を考える。パルス信号Dが“H”から“L”へ立下がる
場合、キャパシタC12の容量結合動作により、ノード
N26の電位が負方向へ立下がり、ダイオードD14が
オン状態となる。これにより、ノードN21からノード
N26へ電流i1が流れる。このとき、ダイオードD1
3はオフ状態である。
【0064】このパルス信号Dが“L”から“H”へ立
上がるときには、キャパシタC12を介してチャージポ
ンプ動作によりノードN26の電位が上昇し、ダイオー
ドD13がオン状態、ダイオードD14がオフ状態とな
る。これにより、ノードN26からノードN22へ電流
i2が流れる。この電流ioおよびi2の大きさは、キ
ャパシタC12の容量とキャパシタC20に蓄積されて
いる電荷量Q20と、ダイオードD13およびD14の
順方向I−V特性(電流−電圧特性)、およびパルス信
号Dのパルス幅により決定される。すなわち、パルス信
号Dの1周期ごとにノードN22に電流が流れ込み、キ
ャパシタC20を充電し、このキャパシタC20に蓄積
されている電荷量(正の電荷量)が増加する。このパル
ス信号Dは第2の修正信号Dに対応しており、このパル
ス信号DによりノードN22の電位が上昇する。
【0065】次に、図16(B)を参照してキャパシタ
C0から正電荷を引抜く際のチャージポンプ動作につい
て説明する。図16(B)において、チャージポンプ動
作は、ダイオードD11,D12とキャパシタC11に
より実現される。ダイオードD11は、そのカソードが
ノードN13を介して基準電圧ノードVddに接続さ
れ、そのアノードがノードN15に接続される。ダイオ
ードD12は、そのカソードがノードN15に接続さ
れ、そのアノードがノードN12を介してキャパシタC
10の一方電極に接続される。キャパシタC11は、そ
の一方電極がノードN15に接続され、その他方電極へ
ノードN17を介してパルス信号(第1の修正信号)I
が与えられる。キャパシタC10の他方電極は、ノード
N13を介して基準電圧ノードVddに接続される。次
に動作について説明する。
【0066】ノードN17に、パルス信号Iを与える。
パルス信号Iが“H”から“L”へ立下がるとき、ノー
ドN15の電位がキャパシタC11の容量結合により立
下がり、ダイオードD12がオン状態、ダイオードD1
1がオフ状態となり、ノードN12からノードN15へ
電流i3が流れる。
【0067】パルス信号Iが“L”から“H”へ立上が
るときには、キャパシタC11のチャージポンプ動作に
より、ノードN15の電位が上昇し、このノードN15
の電位が基準電圧Vddよりも高くなるとダイオードD
11がオン状態となる。ダイオードD12はオフ状態で
あり、ノードN15からノードN13を介して基準電圧
ノードVdd(ノードN13)へ電流i4が流れる。こ
の電流i4の供給源はキャパシタC10であり、パルス
信号Iの1周期ごとにノードN12からノードN15を
介して基準電圧ノードVddへ電流が流れ、キャパシタ
C10に蓄積されている正電荷の量が減少する。電流i
3およびi4の大きさは、キャパシタC10およびC1
1の静電容量値と、キャパシタC10に蓄えられている
電荷量と、ダイオードD11およびD12の順方向I−
V特性と、そしてパルス信号Iのパルス幅によって決定
される。このパルス信号Iを第1の修正信号Iとして利
用することにより、そのパルス数に応じてキャパシタC
10の蓄積電荷量を調節することができる。
【0068】図15に示すシナプス荷重修正回路は、こ
の図16(A)および図16(B)に示す2つのチャー
ジポンプ回路のキャパシタC20およびキャパシタC1
0を共通にして接続することにより得られることにな
る。すなわち、図16(A)のノードN22と図16
(B)のノードN12が共通ノードとなり、キャパシタ
C10およびキャパシタC20は1個のキャパシタを構
成する。図15に示す各素子と、図16(A)および図
16(B)に示す各素子との対応関係を示すと以下のよ
うになる。すなわち、キャパシタC20(図16
(A))およびキャパシタC10(図16(B))から
なる共通キャパシタがキャパシタC0(図15)に対応
し、ダイオードD11,D12,D13,D14(図1
6(A)および図16(B))がそれぞれ図15に示す
ダイオードD1,D2,D3,およびD4に対応する。
図16(A)に示すキャパシタC12および図16
(B)に示すキャパシタC11はそれぞれ図15に示す
キャパシタC2およびC1に対応する。図16(A)の
ノードN28および図16(B)のノードN17はそれ
ぞれ図15のノードLおよびVに対応する。したがっ
て、ノードVへパルス信号を与えると、ダイオードD1
およびD2とキャパシタC1によりキャパシタC0の蓄
積電荷量(負の電荷量)が増加し、一方、ノードLへパ
ルス信号を与えるとキャパシタC0の蓄積電荷量(負の
電荷量)が減少する。
【0069】上述の構成により、ノードVおよびLそれ
ぞれに与えるパルス信号すなわち第1および第2の修正
信号IおよびDのパルス数、またはパルス幅により、キ
ャパシタC0の蓄積電荷量(負の電荷量)の増減を制御
することができる。すなわち、出力端子Ioから流れ出
る電流値を決定するノードN2の電圧Vcをシナプス荷
重修正回路103へ与えるパルス信号で制御することが
できる。
【0070】
【発明が解決しようとする課題】上述のようなシナプス
表現回路においては、シナプス荷重値をパルス信号で容
易に修正することができ、かつこのシナプス荷重値は容
量に蓄積された電荷量により決定されるため、その値が
アナログ的に変化し、任意のシナプス荷重値を実現する
ことができる。このため、上述のようなシナプス表現回
路を用いることにより、学習機能を備えたシナプス表現
回路を少ない素子数で表現することができ、高集積化さ
れた学習機能付神経回路網半導体チップを実現すること
ができる。しかしながら、このシナプス荷重値が容量に
蓄積された電荷量により表現されるため、以下のような
問題が生じる。
【0071】図17はシナプス荷重値格納回路を構成す
るキャパシタの構造を示す図である。図17においてシ
ナプス荷重値表現用のキャパシタC0は、半導体基板2
05上に絶縁膜204を介して形成される、一方電極と
なる第1の導電層203と、この第1の導電層203上
に誘電体として機能する絶縁層202を介して形成され
る第2の導電層201とを備える。この構成において、
キャパシタC0の静電容量は、絶縁層202の膜厚と、
導電層201および203の対向面積により決定された
一定値となる。第1および第2の導電層201および2
03はいずれのノードへ接続される構成とされてもよい
が、図17においては、第2の導電層201がノードN
3に接続され、ノードN2が第1の導電層203へ接続
される構成が例示的に示される。
【0072】ノードN2の蓄積電荷量がシナプス荷重値
を与える。このシナプス荷重値は、想起動作中は一定値
に保つ必要がある。しかし、キャパシタの性質上この蓄
積電荷がリークしてシナプス荷重値が変化し、正確な想
起動作を行なうことができなくなるという問題が生じ
る。この電荷リークの経路について以下に説明する。
【0073】図18は、シナプス荷重修正回路に含まれ
るダイオードの接続形態を示す図である。図18に示す
ダイオードD801,D802は、図15に示すダイオ
ードD1,D2またはダイオードD3,D4に対応す
る。ダイオードD801は、ノードbとノードaの間に
順方向に接続され、ダイオードD802はノードcとノ
ードbとの間に順方向に接続される。ノードbを介して
パルス信号(修正信号)に応答した電荷の注入/引抜き
が行なわれる。
【0074】このダイオードD801およびD802の
直列体は図19に示すように1個のpチャネルMOSト
ランジスタを用いて表現される。図19において、pチ
ャネルMOSトランジスタPT800は、その基板領域
がノードaに接続され、その一方電極とゲート電極がノ
ードbに接続され、その他方導通端子がノードcに接続
される。
【0075】図20は、図19に示すpチャネルMOS
トランジスタの断面構造を示す図である。図20におい
て、pチャネルMOSトランジスタPT800は、P型
半導体基板850表面のN型ウェル851内に形成され
る。PチャネルMOSトランジスタPT800は、ノー
ドaに接続される高不純物濃度N+領域852と、ノー
ドbに接続される高不純物濃度P+ 領域853と、ノー
ドcに接続される高不純物濃度P+ 領域854を含む。
+ 領域853および854の間のチャネル領域上に絶
縁膜(ゲート絶縁膜)856を介してゲート電極855
が形成される。ゲート電極855はノードbに接続され
る。N型ウェル851はN+ 領域852を介してノード
aに接続される。
【0076】ダイオードD801は、P+ 領域853
と、N型ウェル851と、N+ 領域852により形成さ
れる。ダイオードD802は、P+ 領域853、チャネ
ル領域(N型ウェル851のゲート電極855下の表面
領域)と、P+ 領域854により形成される。
【0077】この図20に示す構造の場合、ノードa、
+ 領域852、N型ウェル851およびP+ 領域85
4を介してさらに別のダイオードが形成される。この別
のダイオードは、ノードaとノードcとの間に形成され
るため、チャージポンプ動作に対して何ら影響を及ぼさ
ない。この図20に示す素子構造の場合、PN接合ダイ
オードを用いて一方のダイオードD801が表現される
ため、逆方向へ流れる放電電流(ノードaからノードc
へ流れるリーク電流)を低減することができ、また、ノ
ードbに付随する浮遊容量を低減することが可能とな
る。
【0078】この図20に示す素子構造を用いてダイオ
ードの直列体を構成した場合、その素子構造により、P
N接合部分に空乏層861および862が生じる。空乏
層861および862においては、電荷の再結合または
そこを介しての電荷の拡散が生じる。たとえば、図20
の構成において、ノードcは、シナプス荷重値格納回路
101のキャパシタC0のシナプス荷重値を与える電極
すなわちノードN2またはバイアス電圧Vbを与えるノ
ードN1に接続される。ノードaは図15に示す構成に
おいて、基準電圧VddまたはノードN2に接続され
る。したがって、このような空乏層における電荷の再結
合または電荷の拡散により、キャパシタC0(図15参
照)の蓄積電荷量が変化し、シナプス荷重値を保持する
ことができなくなるという問題が生じる。
【0079】またさらに、電荷のリーク経路として、隣
接素子間を電気的に分離するための素子分離膜870下
に形成される空乏層(または反転層)を介しての経路I
pも存在する。
【0080】また、このノードaまたはノードcが一定
の電圧VddまたはVbに接続される構成の場合、この
電圧が動作時に変動し、これによりインパクトイオナイ
ゼーションなどによりNウェル領域851内において正
孔/電子対が発生し、この発生した電荷がキャパシタC
0の蓄積電荷量を変動させる原因となることも考えられ
る。このような原因により、キャパシタC0の保持電荷
量が変動することにより、学習により得られたシナプス
荷重値をその想起動作中一定値に保つことができなくな
るという問題が生じる。
【0081】さらに、キャパシタC0として、図21に
示すようなMOS型容量素子を用いた場合、一方電極が
半導体基板890の表面に形成された高不純物濃度N+
領域891により形成され、この一方電極891上に絶
縁膜892を介して他方電極893が形成される。この
ような場合、一方電極891が高不純物濃度の拡散領域
で形成されるため、この拡散領域から半導体基板890
へ電荷がリークし、シナプス荷重値が時間経過により変
化することが避けられない。
【0082】すなわち、学習等によってそれぞれの値に
設定されたシナプス荷重値を長時間にわたって保持し、
安定に動作する神経回路網を表現することができないと
いう問題が生じる。
【0083】それゆえ、この発明の目的は、長時間にわ
たってシナプス荷重値を安定に保持することのできるシ
ナプス表現回路を提供することである。
【0084】この発明の他の目的は、長時間にわたって
安定に動作する信頼性の高い神経回路網を表現する半導
体神経回路網装置を提供することである。
【0085】
【課題を解決するための手段】この発明に係るシナプス
表現回路は、シナプス荷重値情報を電荷の形態で格納す
る容量手段を含むシナプス荷重値格納手段と、リフレッ
シュ指示に応答してこの容量手段の蓄積電荷量を修復す
るリフレッシュ手段とを備える。
【0086】このリフレッシュ手段は、好ましくは、容
量手段のシナプス荷重値を与える電極電位と基準電位と
を比較する比較手段と、この比較手段の出力に応答して
チャージポンプ動作を通して容量手段の蓄積電荷量を修
復する手段とを備える。
【0087】この発明に係る半導体神経回路網装置は、
複数のシナプス表現回路を含む。複数のシナプス表現回
路の各々は、シナプス荷重値をアナログ形態で格納する
シナプス荷重値格納手段と、リフレッシュ指示に応答し
てこのシナプス荷重値格納手段の格納するシナプス荷重
値を修復するリフレッシュ手段とを備える。
【0088】このシナプス荷重値格納手段は、好ましく
は、シナプス荷重値を電荷の形態で格納する容量手段を
備える。リフレッシュ手段は、この容量手段のシナプス
荷重値を与える電極電位と、少なくとも2つのシナプス
表現回路に共通に与えられる基準電位とを比較する比較
手段と、この比較手段の出力に応答して容量手段の蓄積
電荷量をチャージポンプ動作を通して修復する手段とを
備える。
【0089】この半導体神経回路網装置の複数のシナプ
ス表現回路は、好ましくは、複数のグループに分割さ
れ、この半導体神経回路網装置は、好ましくは、このシ
ナプス表現回路に含まれるリフレッシュ手段をグループ
単位で駆動する手段を備える。
【0090】
【作用】この発明におけるシナプス表現回路のリフレッ
シュ手段は、リフレッシュ指示に応答して容量手段の蓄
積電荷量を修復し、容量手段の電荷のリークによるシナ
プス荷重値の変化を補償する。これにより、シナプス荷
重値格納手段は長時間にわたって安定にそのシナプス荷
重値を保持する。
【0091】またこのリフレッシュ手段における修復手
段は、容量手段のシナプス荷重値を与える電極電位に基
づいてチャージポンプ動作に従って容量手段の蓄積電荷
量を修正するため、正確にその容量手段が格納する蓄積
電荷量を修復することができ、任意の値を備えるシナプ
ス荷重値を確実に修復することができる。
【0092】この発明に係る半導体神経回路網装置にお
いては、複数のシナプス表現回路各々において、アナロ
グ形態で格納されたシナプス荷重値がリフレッシュ手段
によりリフレッシュ(修復)され、それにより長時間に
わたって安定にシナプス荷重値を保持する神経回路網を
表現する装置が得られる。
【0093】またリフレッシュ手段は、少なくとも2つ
のシナプス表現回路に共通に与えられる基準電位とを比
較し、この比較結果によりシナプス荷重値の修正を行な
っているため、複数のシナプス表現回路において同時に
リフレッシュ手段を駆動することができ、高速でシナプ
ス表現回路におけるシナプス荷重値の修復を実行するこ
とができる。
【0094】またこのシナプス表現回路を複数のグルー
プに分割し、グループ単位でリフレッシュ手段を駆動す
ることにより、修復動作に必要とされる消費電流を低減
することができる。
【0095】
【実施例】図1はこの発明の一実施例であるシナプス表
現回路の構成を示す図である。図1において、シナプス
結合表現回路107については、シナプス結合の演算に
関係するpチャネルMOSトランジスタPT1のみを示
しているが、その構成は図15に示すものと同様であ
り、状態信号Siを受ける回路部分を含む。また、シナ
プス荷重値格納回路101およびシナプス荷重修正回路
103の構成は図15に示すものと同様であり、対応す
る部分には同一の参照番号を付し、その説明は省略す
る。
【0096】シナプス荷重修正回路103へは、学習時
においてパルス発生回路201および202からシナプ
ス荷重値修正信号TiおよびTdが与えられる。このパ
ルス発生回路201および202は、図15に示す学習
制御回路に対応するが、神経回路網装置外部に設けられ
る構成であってもよい。
【0097】シナプス表現回路はさらに、このシナプス
荷重値格納回路101のキャパシタC0の蓄積電荷量を
修復するためのリフレッシュ回路150を含む。リフレ
ッシュ回路150は、シナプス荷重値を与えるノードN
2の電位Vcと基準電位Ref+およびRef−とを比
較する比較器Cop1と、比較器Cop1の出力とパル
ス信号Pulとを受けるNANDゲートNa1およびN
ANDゲートNa1の出力をその一方電極に受けるキャ
パシタCrを含む。キャパシタCrの他方電極には出力
線Orが接続される。
【0098】出力線Orが接続されるノードは、キャパ
シタC0の蓄積電荷量が変化する方向に従って決定され
る。このキャパシタC0の蓄積電荷量が変化する方向
は、素子の構造によりまたは動作の解析により決定する
ことができる。時間の経過に従ってノードN2の電位V
cがバイアス電圧Vbまたは接地電位VGND方向に変
化する場合、キャパシタC0からノードN2から正電荷
が引抜かれていることになるため、リフレッシュ回路1
50の出力線OrはこのキャパシタC0へ正電荷を注入
するためのノードN6に接続される。
【0099】キャパシタC0の蓄積電荷量が逆方向すな
わち基準電圧Vdd方向に変化する場合には、このキャ
パシタC0へ正電荷が注入され、ノードN2の電位Vc
が上昇していることに対応するため、この正電荷を引抜
くためにノードN5へこのリフレッシュ回路150の出
力線Orが接続される。このノードN5およびノードN
6のいずれにリフレッシュ回路150の出力線Orを接
続しても、そのリフレッシュ動作は同様である。図1に
示す構成においては、キャパシタC0のノードN2の電
位Vcがバイアス電圧Vbまたは接地電位VGND方向
に変化する場合に対処するために、ノードN6にリフレ
ッシュ回路150の出力線Orが接続される場合を示
す。
【0100】リフレッシュ回路150の比較器Cop1
は、このノードN2の電位Vcを入力線Irを介して入
力端子INへ受け、基準電圧入力端子+および−へ基準
電圧Ref+およびRef−を受ける。この比較器Co
p1は、入力線Irを介して与えられる電圧Vcがその
基準電圧Ref+およびRef−の間にあるときにリフ
レッシュが必要であることを示す“H”の信号を出力す
る。
【0101】NANDゲートNa1は、比較器Cop1
の出力が“H”となったときインバータ回路として動作
し、リフレッシュ指示信号を兼ねるパルス信号Pulを
反転して通過させる。キャパシタCrは、NANDゲー
トNa1の出力するパルス信号に応答してチャージポン
プ動作を行ない、ノードN6の電位を上昇および下降さ
せる。
【0102】リフレッシュ用基準電圧信号Ref+およ
びRef−およびパルス信号Pulは複数のシナプス表
現回路に対し共通に与えられ、複数のシナプス表現回路
において同時にリフレッシュ動作が実施される。
【0103】図2は、このリフレッシュ回路150に含
まれる比較器Cop1の入出力応答特性を示す図であ
り、横軸に入力線Irを介して与えられる入力INを、
縦軸にその出力OUTを示す。図2に示す入出力応答特
性から見られるように、比較器Cop1は入力線Irを
介して与えられるシナプス荷重値を表現する電圧Vcが
その基準電圧(これはリフレッシュ制御信号でもある)
Ref+およびRef−の間にあるときに基準電圧Vd
dレベルの“H”の信号を出力し、そうでないときには
接地電位Gndレベルの“L”の信号を出力する。
【0104】図3は、この比較器Cop1の具体的構成
の一例を示す図である。図3において、比較器Cop1
は、入力INへ与えられるシナプス荷重値を表現する電
圧Vcをその正入力に受け、基準電圧(リフレッシュ制
御信号でもある)Ref+をその負入力に受ける第1の
比較回路251と、基準電圧(これはリフレッシュ制御
信号でもある)Ref−をその正入力に受け、入力IN
へ与えられる電圧Vcをその負入力に受ける第2の比較
回路252と、比較回路251および252の出力を受
けるNORゲート253を含む。比較回路251および
252はともにその正入力へ与えられる電圧値がその負
入力に与えられる電圧値よりも高いときに“H”の信号
を出力する。
【0105】すなわち、第1の比較回路251は、電圧
Vcが基準電圧Ref+よりも高いときに“H”の信号
を出力する。第2の比較回路252は、電圧Vcが基準
電圧Ref−よりも低いときに“H”の信号を出力す
る。NORゲート253は、その両入力がともに“L”
のときにのみ“H”の信号を出力する。比較回路251
および252の出力がともに“L”となるのは、電圧V
cが基準電圧Ref+およびRef−の間にあるときだ
けであり、この図3に示す構成により図2に示す入出力
特性を備える比較器を得ることができる。
【0106】この図3に示す構成は一例であり、図2に
示す入出力特性を実現する回路構成であれば他の構成が
用いられてもよい。
【0107】リフレッシュ動作時においてはこの基準電
圧Ref+およびRef−が順次離散的に変化する。パ
ルス信号Pulはリフレッシュ動作時にのみ発生され
る。次に、このリフレッシュ回路150によるリフレッ
シュ動作についてその動作波形図である図4を参照して
説明する。
【0108】図4においては、シナプス荷重値すなわち
電圧VcをVdd,V1,V2,V3およびVbの6つ
の離散値にリフレッシュする場合のリフレッシュ動作が
示される。この離散値の数は任意であり、この6つの離
散値は単に例示的に示されているだけである。ただし、
各離散値の幅(間隔)すなわち(Vdd−V1),(V
1−V2)…(V4−Vb)の最小値は、リフレッシュ
動作が完了し、次のリフレッシュ動作が開始されるまで
の間における電荷のリークによるシナプス荷重値の変動
がこの幅を超えない値に設定されるのが望ましい。
【0109】学習期間においては、シナプス荷重値格納
回路101に格納されるシナプス荷重値すなわちキャパ
シタC0の蓄積電荷量はそれぞれ適当な値に収束する。
この値はパルス発生回路201および202からのパル
ス信号T1およびTdにより修正される。この場合、こ
のような学習を用いず、各シナプス荷重値、すなわちノ
ードN2の電位Vcはパルス信号TiおよびTdにより
直接的に設定される構成が用いられてもよい。シナプス
荷重値が設定された後、ノードN2の電圧Vcは、その
設定されたシナプス荷重値を表現している。この図4に
おいては電圧Vcが電圧V2と電圧V3との間に設定さ
れた場合を示している。
【0110】この学習期間が終了すると、次いでスタン
バイ状態または想起動作などが行なわれ、シナプス荷重
値格納回路のキャパシタC0における電荷保持期間とな
る。この保持期間中は、電荷のリークにより徐々にノー
ドN2の電圧Vcが減少していく(ここで、ノードN2
の電圧は前述のごとく、バイアス電圧Vbまたは接地電
位VGND方向へ変化している場合を想定している)。
通常、電圧Vcが電圧V3よりも小さくなる以前に、リ
フレッシュ動作を行ないキャパシタC0の蓄積電荷量の
修復を行なう必要がある。
【0111】このリフレッシュ動作を実行するためにリ
フレッシュ制御信号としてのパルス信号Pulおよび基
準電圧Ref+,Ref−が与えられる。この基準電圧
Ref+およびRef−は学習期間中および保持期間中
はそれぞれ基準電圧VddおよびV1に設定されてい
る。
【0112】リフレッシュ期間に入ると、パルス信号P
ulが発生される。このリフレッシュ期間において最初
の期間taの間、基準電圧Ref+およびRef−はそ
れぞれ電圧VddおよびV1に設定される。この場合、
電圧Vcは基準電圧Ref+およびRef−よりも小さ
いため、比較器Cop1の出力は“L”であり、NAN
DゲートNa1の出力は“H”固定であり、チャージポ
ンプ動作は実行されない。この期間taが出力すると、
次に期間tbを経た後次の離散値V1およびV2へこの
基準電圧Ref+およびRef−が変化する。すなわ
ち、基準電圧Ref+およびRef−は、1つの離散値
間隔を保持しつつ、期間taの間保持して次いで時間t
bで次の離散値へと変化する。この動作が基準電圧Re
f−がバイアス電圧Vbとなるまで繰り返される。
【0113】このリフレッシュ動作において、基準電圧
Ref+およびRef−がそれぞれ電圧V2およびV3
となると、電圧Vcはちょうどこの間に存在するため比
較器Cop1の出力が“H”となる。これに応答してN
ANDゲートNa1がインバータ回路として動作し、パ
ルス信号Pulを反転して出力する。キャパシタCrは
このNANDゲートNaからのパルス信号に応答してチ
ャージポンプ動作を実行し、ノードN6の電位を上昇/
下降させる。これにより、ノードN6の電位が上昇した
ときにダイオードD3を介してノードN2へ電流が流れ
込み、キャパシタC0へ正電荷が注入され(負電荷が引
抜かれ)ノードN2の電圧Vcが上昇する。このチャー
ジポンプ動作すなわちリフレッシュ動作はノードN2の
電圧Vcが電圧V2に達するまで行なわれる。ノードN
2の電圧Vcが電圧V2に到達すると、比較器Cop1
の出力が“L”となり、それ以上のリフレッシュ動作す
なわちキャパシタC0における電荷の修復動作は行なわ
れない。
【0114】この構成により、たとえシナプス荷重値格
納回路101におけるキャパシタC0において電荷のリ
ークが生じたとしても、確実に修復することのできる構
成を得ることができ、長時間にわたって神経回路網を安
定に動作させることができる。
【0115】期間taは、シナプス荷重修正回路103
が、このパルス信号Pulによって十分にシナプス荷重
値の一離散値間隔の電圧だけ増加させることができる期
間である。この期間taは、したがってシナプス荷重修
正回路103を構成する素子のパラメータによりその最
小値が決定される。また、離散値を変更する際に必要と
される遷移時間tbは、十分短い期間であり、パルス信
号Pulが変化しない程度の時間である。
【0116】また、各期間taにおける基準電圧Ref
+およびRef−の電圧値は、シナプス荷重値の各離散
値(Vdd,V1…,Vb)に完全に一致する必要はな
い。基準電圧Ref+の電圧値は期間taに関する1周
期前の基準電圧Ref−が与える電圧値よりも少々低く
てもよい。また、基準電圧Ref−の電圧値は、期間t
aに関する次の周期における基準電圧Ref+の電圧値
よりも少々高くても何ら問題は生じない。すなわち、基
準電圧Ref−と次の周期における基準電圧Ref+と
の電位差は、離散値間隔よりも小さな値を保つことは許
される。このような場合でも、同様にシナプス荷重値を
修復するリフレッシュ機能を実現することができる。
【0117】このリフレッシュ制御信号Ref+および
Ref−およびPulは複数のシナプス表現回路に対し
共通に与えられる。したがって、各シナプス表現回路に
おいてシナプス荷重値を与える電圧Vcがどのような値
であっても、この構成により、リフレッシュ期間が終了
するまでに複数のシナプス表現回路が並列にリフレッシ
ュ動作を実行しそれぞれのシナプス荷重値に最も近い高
い方の離散値に修正される。このリフレッシュ動作がひ
とたび行なわれると、次回からのリフレッシュ動作によ
り完全に各シナプス表現回路におけるシナプス荷重値は
元の値にリフレッシュされる。またこのリフレッシュ動
作期間における基準電圧Ref+およびRef−の電圧
をバイアス電圧Vbから順次各離散値ごとに昇圧してい
く手順でも同様のリフレッシュ機能が実現される。
【0118】図4に示す保持期間は素子構造によりその
最長期間を決定することができ、シナプス荷重値を確実
に保持する保証期間が設定される。この保証期間ごとに
定期的にリフレッシュ動作が実行される。リフレッシュ
動作を実行するためのリフレッシュ制御信号Ref+,
Ref−およびPulは装置外部から定期的にリフレッ
シュ指示として与えられる構成が用いられてもよい。ま
た、神経回路網装置内部において外部から与えられるリ
フレッシュ指示に応答してこれらのリフレッシュ制御信
号Ref+,Ref−およびPulが発生される構成が
用いられてもよい。また、タイマーなどが装置に内蔵さ
れており、所定間隔ごとに周期的にリフレッシュ制御信
号Ref+,Ref−およびPulが発生される構成が
用いられてもよい。このタイマーを内蔵する構成の場
合、装置内部ではリフレッシュ実行中を示し、装置外部
からこのリフレッシュ動作をモニタすることのできる構
成が用いられてもよい。
【0119】図1に示す構成においては、ノードN6に
キャパシタC2およびリフレッシュ用キャパシタCrの
2つの容量が付随する。この場合、チャージポンプ動作
においては一方のキャパシタのみがチャージポンプ動作
を実行しており、他方のキャパシタの一方電極は“H”
の電位レベルに固定されているため、そのチャージポン
プ動作に対する悪影響を及ぼすことはない。しかしなが
ら、この場合、リフレッシュ動作時および学習動作時に
またはシナプス荷重値設定モード時においてノードN6
に1つのキャパシタのみが持続するように、リフレッシ
ュ動作時においてはキャパシタCrのみがノードN6へ
電気的に接続され、学習動作時およびシナプス荷重値設
定モード時においてはノードN6へキャパシタC2のみ
が電気的に接続されるようにスイッチ手段が設けられて
もよい。
【0120】またノードN5へリフレッシュ回路150
の出力線Orが接続される場合においても、同様のリフ
レッシュ動作が実行される。この場合、図4に示す波形
図においてノードN2の電圧Vcの保持期間およびリフ
レッシュ期間における電圧変化方向が反対となるだけで
あり、出力線Orにおいてパルス信号が発生されたとき
に電圧Vcが下降することになる。
【0121】リフレッシュ制御信号Ref+,Ref−
およびPulを発生するための回路構成はリフレッシュ
動作時においてのみパルス信号Pulを発生し、所定期
間ごとにこの基準電圧Ref+およびRef−を変化さ
せる構成により実現することができる。このリフレッシ
ュ制御信号を発生するための回路構成の一例を図5に示
す。
【0122】図5において、リフレッシュ制御信号発生
系は、基準電圧Vdd,V1,V2,V3,V4および
Vbを発生するための抵抗分圧回路310と、リフレッ
シュ基準電圧を選択するためのポインタ320と、ポイ
ンタ320からの選択信号に応答して抵抗分圧回路31
0から発生される基準電圧のうち所定の基準電圧を選択
する電圧選択回路330を含む。
【0123】抵抗分圧回路310は、基準電圧Vddと
バイアス電圧Vbとの間に直列に接続される抵抗R1,
R2,R3,R4およびR5を含む。各抵抗の接続ノー
ドVdd〜Vbからそれぞれ基準電圧Vdd〜Vbが発
生される。ここで、ノードとそこから出力される電圧と
は同一の参照番号を付して説明する。この抵抗R1〜R
5はポリシリコン等の抵抗体を用いて形成されてもよ
く、またMOSトランジスタを抵抗接続して実現しても
よい。各ノードVdd〜Vbからは抵抗R1〜R5の抵
抗比に応じた電圧が出力される。
【0124】ポインタ320は、リフレッシュ動作時に
おいて所定間隔(期間ta)ごとに発生されるパルス信
号RCに応答して選択信号SL1〜SL5を順次発生す
る。このポインタ320は、たとえばその選択位置を順
次シフトさせるシフトレジスタにより構成することがで
きる。パルス信号RCは期間taを決定する信号であ
り、所定期間ごとに発生される。
【0125】電圧選択回路330は、電圧Vddを選択
信号SL1に応答して出力信号線LO1へ伝達するnチ
ャネルMOSトランジスタTr1と、電圧V1を選択信
号SL1に応答して出力信号線LO2へ伝達するnチャ
ネルMOSトランジスタTr2と、電圧V1の選択信号
SL2に応答して出力信号線LO1へ伝達するnチャネ
ルMOSトランジスタTr3と、電圧V2を選択信号S
L2に応答して出力信号線LO2へ伝達するnチャネル
MOSトランジスタTr4と、選択信号SL3に応答し
て電圧V2を出力信号線LO1へ伝達するnチャネルM
OSトランジスタTr5と、選択信号SL3に応答して
電圧V3を出力信号線L2へ伝達するnチャネルMOS
トランジスタTr6と、選択信号SL4に応答して電圧
V3を出力信号線LO1へ伝達するnチャネルMOSト
ランジスタTr7と、選択信号SL4に応答して電圧V
4を出力信号線LO2へ伝達するnチャネルMOSトラ
ンジスタTr8と、選択信号SL5に応答して電圧V4
を出力信号線LO1へ伝達するnチャネルMOSトラン
ジスタTr9と、選択信号SL5に応答して電圧Vbを
出力信号線LO2へ伝達するnチャネルMOSトランジ
スタTr10を備える。出力信号線LO1から基準電圧
Ref+が発生され、出力信号線LO2から基準電圧R
ef−が発生される。
【0126】この図5に示す構成により、パルス信号R
Cが規定する間隔ごとに各離散値間隔を与える基準電圧
の組が順次リフレッシュ制御用基準電圧Ref+,Re
f−として発生される。ポインタ320はリフレッシュ
動作時以外においては選択信号SL1を選択状態として
いる。この基準電圧Vddが動作電源電圧レベルの場
合、MOSトランジスタからそのしきい値電圧分の電圧
降下を伴うため、選択信号SL1の電位レベルをこの電
圧Vddよりもこのしきい値電圧分だけ上昇させる必要
がある。この構成は昇圧回路を用いることにより容易に
実現することができる。
【0127】またこの図5に示す電圧選択回路330に
おいてnチャネルMOSトランジスタの構成に変えて、
信号伝達時におい信号損失が生じることないCMOSト
ランスミッションゲートが用いられてもよい。また、抵
抗分圧回路310の構成に変えて、それぞれの離散値の
組ごとに電圧を発生する回路を設けておき、この基準電
圧発生回路のそれぞれを順次選択状態としてリフレッシ
ュ用の制御電圧Ref+,Ref−を発生する構成が用
いられてもよい。
【0128】図6はこの発明の他の実施例であるシナプ
ス表現回路の構成を示す図である。図6において、リフ
レッシュ制御回路150は、入力線Irを介して与えら
れる電圧Vcとリフレッシュ制御信号RefPとを比較
する比較器Cop2と、比較器Cop2の出力に応答し
てチャージポンプ動作を実行するキャパシタCrを含
む。
【0129】比較器Cop2は、その正入力にシナプス
荷重値を表現する電圧Vcを受け、その負入力にリフレ
ッシュ制御信号RefPを受ける。キャパシタCrはそ
の一方電極に比較器Cop2の出力を受け、その他方電
極が出力線Orを介してノードN6へ接続される。他の
構成は図1に示すシナプス表現回路と同様であり、対応
する部分には同一の参照番号を付している。このリフレ
ッシュ制御信号RefPは複数のシナプス表現回路のリ
フレッシュ制御回路へ共通に与えられる。次に動作につ
いて図7に示す波形図を参照して説明する。
【0130】図7に示す波形図においても、シナプス荷
重値はVdd,V1,V2,V3,V4およびVbの6
個の離散値のいずれかへリフレッシュする場合の動作が
示される。今、学習期間または初期設定時においてノー
ドN2の電圧Vcが電圧V1とV2との間に設定された
場合を考える。所定の保持期間が経過した後、リフレッ
シュ制御信号RefPが発生される。このリフレッシュ
制御信号RefPは、電圧Vddと電圧V1とを振幅の
上下限値として期間taの間振動する。この期間中は、
比較器Cop2の出力は“L”である。
【0131】次の周期において、このリフレッシュ制御
信号RefPはその振幅上下限値を電圧V1およびV2
とする振動を行なう。この場合、電圧Vcは電圧V1と
電圧V2との間にあるため、比較器Cop2の出力はこ
のリフレッシュ制御信号RefPに応じて振動する。こ
の振動はキャパシタCrを介して出力線Orへ容量結合
され、ノードN6へ正電荷が注入される。これによりノ
ードN2の電圧Vcが電圧V1まで上昇する。それ以降
の周期においては、比較器Cop2の出力は“H”固定
となり、チャージポンプ動作は何ら実行されない。これ
により、リフレッシュ期間の完了時においてはノードN
2の電圧Vcは電圧V1へリフレッシュされたことにな
り、以降のリフレッシュ期間においては確実に電圧V1
のレベルへリフレッシュされる。
【0132】なお図4および図7に示す動作波形図にお
いて出力線Orの電位が学習期間および保持期間中電圧
Vddレベルに保持されているように示している。しか
しながら、学習期間中ノードN6はこのパルス信号Td
に応じて変化し、また保持期間中はノードN6の電位は
ダイオードD4によりバイアス電圧VbとダイオードD
4のしきい値電圧との差により決定される電圧に設定さ
れる。この図4および図7においては単にリフレッシュ
期間において出力線Orにパルス状の信号が出現し、こ
れによりチャージポンプ動作が実行されることを例示的
に示しているだけである。
【0133】このようにリフレッシュ期間においてリフ
レッシュ制御信号RefPとしてその振幅の上下限値を
順次離散値間隔ずつずらせるパルス信号を発生すること
により同様に確実にリフレッシュを行なうことができ
る。このリフレッシュ制御信号RefPの振動波形とし
ては三角波でも矩形波でもまたサイン波でもよい。この
期間taおよびtbの間隔は図1および図4に示した場
合と同様であり、またリフレッシュ制御信号RefPは
バイアス電圧Vbから順次電圧Vddまで昇圧される方
法が用いられてもよい。
【0134】図8はこのリフレッシュ制御信号RefP
を発生するための回路構成の一例を示す図である。図8
において、リフレッシュ制御信号発生系は、電圧Vdd
とバイアス電圧Vbとを抵抗分割して各離散値電圧を発
生する分圧回路410と、分圧回路410からの各離散
値電圧から基準電圧Ref+およびRef−を発生する
基準電圧発生回路420と、基準電圧発生回路420か
らの基準電圧Ref+およびRef−の平均値をとる平
均値回路430と、平均値回路430の出力((Ref
+)+(Ref−))/2と発振回路450から発振さ
れるパルス信号とを重畳する重畳回路440を含む。重
畳回路440からリフレッシュ制御信号RefPが出力
される。発振回路450が出力する振動信号の振幅は離
散値間隔とされる。
【0135】この分圧回路410は図5に示す抵抗分圧
回路310と同様の構成を備え、基準電圧発生回路42
0は図5に示すポインタ320および電圧選択回路33
0の構成に対応する。平均値回路430はたとえば、電
圧Ref+と電圧Ref−とを抵抗分割することにより
両者の算術平均値を出力する。発振回路450はリフレ
ッシュ指示信号REFに応答して発振動作を実行する。
重畳回路440はこの発振回路450からの振動信号を
平均値回路430の出力でバイアスしてリフレッシュ制
御信号RefPを出力する。ただし、信号REFが与え
られないとき、重畳回路440の出力はVddレベルと
される。これにより、図7に示す振動波形を備えるリフ
レッシュ制御信号RefPを得ることができる。
【0136】この図8に示す構成に変えて、発振回路4
50として、その一方動作電源電圧をリフレッシュ用基
準電圧Ref+とし、他方の電源電圧をリフレッシュ用
基準電圧Ref−として動作するリングオシレータなど
を用いれば、平均値回路および重畳回路を省略すること
ができる。この場合においてもその発振回路はリフレッ
シュ指示信号REFに応答して発振動作を実行する。
【0137】図9はこの発明のさらに他の実施例である
シナプス表現回路の構成を示す図である。この図9に示
す構成においては、シナプス表現回路SYのリフレッシ
ュ制御回路150に含まれる比較器Cop2は、その比
較動作を強制的に停止するための制御回路SAを含む。
この制御回路SAを作動状態とすることによりリフレッ
シュ制御回路150は動作し、制御回路SAを不動作状
態とすることによりリフレッシュ制御回路150は不作
動状態となる。これにより、シナプス表現回路SYを選
択的にリフレッシュ動作を実行させることができ、シナ
プス表現回路を複数個備える神経回路網装置におけるリ
フレッシュ動作時の消費電流を低減することが可能とな
る。また、各グループにおけるリフレッシュタイミング
が同じとなるため、シナプス表現回路毎のリフレッシュ
タイミングのずれに起因する蓄積電荷量の相対的な変位
を防止できる。
【0138】すなわち、図9において、シナプス表現回
路SYは2つのグループGAおよびGBに分割される。
グループGAは、シナプス表現回路SYa〜SYnを含
み、グループGBはシナプス表現回路SYm〜SYzを
含む。この各グループGAおよびGBに含まれるシナプ
ス表現回路の選択は、任意である。
【0139】グループGAおよびグループGBの一方を
選択するためにインバータ回路400が設けられる。イ
ンバータ回路400はグループ選択信号PCを受ける。
インバータ回路400の出力はグループGAに含まれる
シナプス表現回路SYa〜SYnのリフレッシュ制御回
路150に含まれる制御回路SAへ与えられる。グルー
プGBに含まれるシナプス表現回路SYm〜SYzのリ
フレッシュ制御回路150に含まれる制御回路SAはグ
ループ選択信号PCが与えられる。シナプス表現回路S
Ya〜SYzのそれぞれのリフレッシュ制御回路150
に含まれる比較器Cop2の比較基準入力へはリフレッ
シュ制御信号RefPが与えられる。
【0140】グループ選択信号PCが“H”のとき、グ
ループGBが選択され、グループGBにおけるリフレッ
シュ動作が実行される。グループ選択信号PCが“L”
のとき、グループGAが選択され、グループGAに含ま
れるシナプス表現回路SYa〜SYnにおいてリフレッ
シュ動作が実行される。このグループ選択信号PCの論
理は反転したものが用いられてもよい。このように複数
のシナプス表現回路をグループ化し、各グループ単位で
リフレッシュ動作を実行することにより、リフレッシュ
時における消費電力を大幅に削減することができる。
【0141】このリフレッシュ制御回路150に含まれ
る制御回路SAは、比較器Cop2がソースカップルま
たはエミッタカップル型の差動比較器の構成を備える場
合、この定電流経路の導通/非導通を行なう構成が制御
回路SAとして用いられる。
【0142】またリフレッシュ制御回路150として図
1に示す構成が用いられる場合、NANDゲートNa1
へ非選択時に“L”となるグループ選択信号が与えられ
てもよい。
【0143】リフレッシュ制御信号RefPは各グルー
プGAおよびGBに対し共通に与えられるているが、こ
れはそれぞれグループごとにリフレッシュ制御信号を発
生する回路が設けられてもよい。
【0144】さらにこの図9に示す構成においてはシナ
プス表現回路は2つのグループに分割されているがこの
分割されるグループの数は任意である。また各グループ
に含まれるシナプス表現回路数も任意である。
【0145】さらに上記実施例においては、シナプス表
現回路においてそのシナプス結合表現回路に含まれるト
ランジスタをpチャネルMOSトランジスタとして説明
している。この場合図nチャネルMOSトランジスタが
用いられてもよい。さらに、シナプス荷重値格納回路1
01に含まれるキャパシタC0はたとえば電源電圧であ
る基準電圧VddとノードN2との間に接続されている
が、このキャパシタC0はノードN2とバイアス電圧V
bとの間に接続される構成が用いられてもよい。
【0146】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、シナ
プス表現回路において、シナプス荷重値を格納する容量
手段の蓄積電荷量をリフレッシュするように構成したた
め、長時間にわたって安定にシナプス荷重値を維持する
シナプス表現回路を得ることができる。またチャージポ
ンプ動作を通してこの容量手段の蓄積電荷量を調整する
ように構成したため、マルチレベルのシナプス荷重値の
リフレッシュが可能となる。
【0147】さらに、リフレッシュ制御信号を複数のシ
ナプス表現回路のリフレッシュ制御回路へ与えるように
構成したため、複数のシナプス表現回路が並列してリフ
レッシュを実行することが可能となり、リフレッシュ動
作に要する時間を大幅に低減することができる。
【0148】また複数のシナプス表現回路を含む神経回
路網装置において、各シナプス表現回路において、アナ
ログ形態で格納されたシナプス荷重値をリフレッシュ指
示に応答して修復するように構成したため、長時間にわ
たって安定に動作する信頼性の高い神経回路網装置を実
現することができる。
【0149】またこのシナプス表現回路をグループに分
割し、グループ単位でリフレッシュを実行するように構
成したため、リフレッシュ時に要する消費電力を大幅に
低減することができる。また複数のシナプス表現回路を
並列にリフレッシュすることにより個々のシナプス表現
回路を直列にリフレッシュする場合において生じやすい
リフレッシュタイミングのずれに起因する蓄積電荷量の
相対的な変位をもたらすばらつきが少ないシナプス荷重
値のリフレッシュを実行することができ、確実に各シナ
プス表現回路におけるシナプス荷重値を元の値へリフレ
ッシュすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例であるシナプス表現回路の
構成を示す図である。
【図2】図1に示すリフレッシュ制御回路に含まれる比
較器の入出力応答特性を示す図である。
【図3】図1に示すリフレッシュ制御回路に含まれる比
較器の具体的構成の一例を示す図である。
【図4】図1に示すシナプス表現回路のリフレッシュ動
作を示す信号波形図である。
【図5】図1に示すリフレッシュ制御信号を発生するた
めの回路構成の一例を示す図である。
【図6】この発明の他の実施例であるシナプス表現回路
の構成を示す図である。
【図7】図6に示すシナプス表現回路のリフレッシュ動
作を示す信号波形図である。
【図8】図6に示すリフレッシュ制御信号を発生するた
めの回路構成の一例を示す図である。
【図9】この発明のさらに他の実施例であるシナプス表
現回路を備える神経回路網装置の構成を示す図である。
【図10】神経回路網装置において用いられるニューロ
ンユニットの動作原理を示す図である。
【図11】図10に示すニューロンユニットにおける入
出力特性の一例を示す図である。
【図12】半導体神経回路網装置の構成の一例を示す図
である。
【図13】図12に示すシナプス表現回路の構成の一例
を示す図である。
【図14】図13に示す学習制御回路の構成の一例を示
す図である。
【図15】図13に示すシナプス結合表現回路、シナプ
ス荷重修正回路およびシナプス荷重値格納回路の具体的
構成の一例を示す図である。
【図16】図15に示すシナプス荷重修正回路の動作を
説明するための図である。
【図17】図15に示すシナプス荷重値格納回路を構成
する容量手段の具体的構成の一例を示す断面図である。
【図18】図15に示すシナプス荷重修正回路における
ダイオードの接続を総称的に示す図である。
【図19】図18に示すダイオードの直列体を1個のト
ランジスタで構成する場合のMOSトランジスタの接続
形態を示す図である。
【図20】図19に示すトランジスタの断面構造および
従来の問題点を説明するための図である。
【図21】図15に示すシナプス荷重値格納手段を構成
する容量の他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
101 シナプス荷重値格納回路 103 シナプス荷重修正回路 107 シナプス結合表現回路 150 リフレッシュ制御回路 C0 シナプス荷重値格納用キャパシタ Cop1 比較器 Cop2 比較器 Cr キャパシタ SY シナプス表現回路 SA リフレッシュを選択的に実行するための制御回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 神経回路網におけるニューロン間を所定
    の結合強度を通して結合するシナプスを表現するシナプ
    ス表現回路であって、 前記結合強度を示すシナプス荷重値情報を格納するシナ
    プス荷重値格納手段、前記シナプス荷重値格納手段は、
    前記シナプス荷重値情報を電荷の形態で格納する容量手
    段を含み、およびリフレッシュ指示に応答して、前記シ
    ナプス荷重値情報をリフレッシュするためのリフレッシ
    ュ手段を備え、前記リフレッシュ手段はチャージポンプ
    動作で前記容量手段に格納された電荷量を回復する手段
    を含む、シナプス表現回路。
  2. 【請求項2】 前記リフレッシュ手段は、前記容量手段
    の前記シナプス荷重値を与える一方電極の電位と基準電
    位とを比較する比較手段と、 前記リフレッシュ指示と前記比較手段の出力とに応答し
    て、前記チャージポンプ動作により前記容量手段の蓄積
    する電荷量を修正する手段とを含む、請求項1記載のシ
    ナプス表現回路。
  3. 【請求項3】 前記比較手段は、第1および第2の基準
    電位を前記基準電位として受け、前記容量手段の一方電
    極電位がこの第1および第2の基準電位の範囲内に存在
    するとき前記修正手段を駆動する手段を含む、請求項2
    記載のシナプス表現回路。
  4. 【請求項4】 前記リフレッシュ手段のリフレッシュ動
    作を強制的に停止させるリフレッシュ禁止信号を前記リ
    フレッシュ手段へ与える手段をさらに備える、請求項1
    記載のシナプス表現回路。
  5. 【請求項5】 神経回路網を表現する半導体神経回路網
    装置であって、 各々が、関連のニューロン間の結合強度を通して結合す
    るシナプスを表現する複数のシナプス表現回路を含み、 各前記シナプス表現回路は、 関連のニューロンユニット間の結合強度を示すシナプス
    荷重値をアナログ形態で格納するシナプス荷重値格納手
    段、およびリフレッシュ指示に応答して、前記シナプス
    荷重値格納手段の格納するシナプス荷重値情報を修復す
    るリフレッシュ手段を備える、半導体神経回路網装置。
  6. 【請求項6】 前記シナプス荷重値格納手段は、前記シ
    ナプス荷重値情報を電荷の形態で格納する容量手段を含
    み、かつ前記リフレッシュ手段は、 前記容量手段の前記シナプス荷重値を与える一方電極の
    電位と基準電位とを比較する比較手段と、 前記比較手段の出力に応答して、前記容量手段の蓄積電
    荷量をチャージポンプ動作を通して修復する手段とを備
    え、 前記基準電位は少なくとも2つのシナプス表現回路に対
    し共通に与えられる、請求項5記載の半導体神経回路網
    装置。
  7. 【請求項7】 前記シナプス表現回路は複数のグループ
    に分割され、 前記リフレッシュ手段を前記シナプス表現回路のグルー
    プ単位で活性化する手段をさらに備える、請求項5記載
    の半導体神経回路網装置。
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