JPH0511357A - 写真フイルムの案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 プリント済みのフイルム１７ｂは、コマ送り
によりガイド本体１０に送られる。このとき、フイルム
１７ｂの一方の側縁２６が、円弧状のガイド面に当たり
フイルム１７ｂは下方に捩じられ、続く円筒面状のガイ
ド部２３により、横方向に案内される。また、フイルム
１７ｂは支持受け皿１１により脱落することのないよう
に支持される。 【効果】 フイルム１７ｂが下方に捩じられて、その後
に水平方向に案内されるため、プリント済みのフイルム
１７ｂがプリント光軸内に進入したり、測光部を覆った
りすることがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、写真フイルムの案内装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】写真プリンタでは、１３５タイプフイル
ムのフルサイズコマのものと、ハーフサイズコマのもの
とを同じ装置でプリントすることができるように、フル
・ハーフサイズコマ共用のフイルムキャリアを用いるこ
とがある。この場合に、用いるカラーペーパーを変える
ことなくプリントすることができるように、ハーフサイ
ズコマのときにはフイルム送り方向をフルサイズのもの
に比べて９０度回転させ、コマの向きをフルサイズの向
きに合わせるようにしている。

【０００３】このため、フルサイズコマのフイルムがプ
リンタの作業台上で横方向に送られる場合には、ハーフ
サイズコマのプリント時にはその送り方向が作業台上で
縦方向になる。このとき、多数のオーダーのフイルムを
接続して長尺化した場合には、特別のフイルムガイド装
置を設けるため、フイルムが縦送りになってもそれほど
の支障は無い。しかし、１オーダー分の短尺ネガフイル
ムをプリントする場合には、プリント済みフイルムの取
りだしを容易にするために、プリント済みフイルムを反
転させる必要がある。このため、フイルム案内装置をフ
イルムキャリアのフイルム出口側に配置している（例え
ば、実開昭６２−１８４５４５号公報，実開平１−６７
６３４号公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記フ
イルム案内装置は、フイルムを鉛直方向に送りながら水
平方向に捩じるように反転させているため、巻き癖の強
いフイルムでは、プリント光軸や測光部に、プリント済
みのフイルムが位置してしまうことがある。このため、
プリント不良や測光不良が発生する。また、従来のフイ
ルム案内装置は、鉛直方向にフイルムを送りながらフイ
ルムを水平方向に捩じるようにしているため、鉛直方向
に長くフイルムガイドの取付けスペースが必要になる。
このため、測光部等の配置関係によりフイルムキャリア
の取り付けスペースが鉛直方向で余裕が無い場合には、
これらの案内装置を用いることができないという問題が
ある。

【０００５】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、鉛直方向における取り付けスペースが少ない場合
でも、フイルムをプリントの支障にならない方向に案内
することができるようにした写真フイルムの案内装置を
提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、緩く湾曲して形成され、水平状態で進入
するフイルムを捩じりながら約１８０度反転させる反転
ガイド面と、この反転ガイド面により横方向に案内され
たフイルムを支持する下部支持部材と、横方向に案内さ
れたフイルムを押さえる上部押さえ部材とから、写真フ
イルムの案内装置を構成したものである。

【０００７】また、別の発明は、緩く湾曲して形成さ
れ、水平状態で進入するフイルムを捩じりながら約１８
０度反転させる反転ガイド面と、この反転ガイド面によ
り横方向に案内されたフイルムを支持する下部支持部材
と、横方向に案内されたフイルムを押さえる上部押さえ
部材とから、写真フイルムの案内装置を構成したもので
ある。

【０００８】

【作用】プリント済みのフイルムは、コマ送りによりフ
イルム案内装置に送られる。このとき、フイルムの先端
が反転ガイド面に当たり、フイルムは下方に捩じられな
がら横方向に案内され、１８０度反転される。１８０度
反転されたフイルムは、下部支持部材及び上部押さえ部
材により上下方向での移動が規制され、フイルム案内装
置から排出される。このようにして、フイルムが１８０
度反転されるため、プリント済みのフイルムがプリント
光軸内に進入したり、測光部を覆ったりすることがなく
なる。更に、反転ガイド面に初期ガイド部材を設けた場
合には、初期ガイド部材により、フイルムの一方の側縁
部が下方に捩じられるため、鉛直方向でのスペースを少
なくしてより一層容易にフイルムを１８０度反転するこ
とができる。

【０００９】

【実施例】図１に本発明のフイルム案内装置を示す。フ
イルム案内装置は、ガイド本体１０と、これが取り付け
られる支持受け皿１１とから構成されている。支持受け
皿１１は、図２に示すように、写真プリンタ１３の作業
ステージ１４に配置されている。作業ステージ１４に
は、露光用開口１５が形成されており、この開口１５を
覆うようにフイルムキャリア１６が着脱自在に取り付け
られる。フイルムキャリア１６は、例えばレール等の取
付部材により、フルサイズネガフイルム１７ａの移送路
が作業ステージ１４上で横方向となるフルサイズコマ用
取付位置（図２中で二点鎖線で示される）と、ハーフサ
イズフイルム１７ｂの移送路が作業ステージ上で縦方向
となるハーフサイズコマ用取付位置（図２中で実線で示
される）とに選択的にセットされる。

【００１０】前記支持受け皿１１は、オペレータが作業
ステージ１４に対面した状態で、作業ステージ１４の露
光用開口１５の奥側に取り付けられている。そして、こ
の支持受け皿１１にはこれを覆うようにして、ガイド本
体１０が固定されている。

【００１１】ガイド本体１０には、円筒を半分に割った
形の反転ガイド面２０が形成されている。また、このガ
イド面２０の上半分には、ガイド面２０に連続するよう
にして、ほぼ同じ曲率のフイルム捩じり用ガイド面２２
を有するガイド部２３が、ガイド面２２から突出するよ
うにして形成されている。

【００１２】捩じり用ガイド部２３のフイルム進入側端
面２４の下側角部は、丸く面取りされて、フイルムの初
期ガイド部２５が形成されている。初期ガイド部２５
は、フイルム送り時に、フイルム１７ｂの左側縁２６を
下方に案内して、フイルム１７ｂを左側縁部が下がった
捩じれ状態にする。捩じり用ガイド部２３は捩じり状態
となったフイルムを、稜線部２３ａにより横方向に案内
する。

【００１３】図１において、支持受け皿１１の底部３０
はその右半分が上方に向かうように傾斜した傾斜案内面
３１とされている。傾斜案内面３１は、ガイド本体１１
により反転されたフイルム１７ｂを、ガイド本体１０の
出口側に案内する。

【００１４】次に本実施例の作用を説明する。フルサイ
ズネガフイルム１７ａの場合には、図２において、２点
鎖線で描かれた取付位置にフイルムキャリア１６がセッ
トされる。この取付け位置のフイルムキャリア１６で
は、ネガフイルム１７ａは作業ステージ１４上で横方向
に案内され、コマ送りが行われる。また、ハーフサイズ
ネガフイルム１７ｂの場合には、コマの向きをフルサイ
ズの場合と合わせるため、フイルムキャリア１６が９０
度反転され、図２において実線で描かれた取付位置にフ
イルムキャリア１６がセットされる。この状態のフイル
ムキャリア１６では、ネガフイルム１７ｂが縦方向で送
られ、作業ステージ１４上でオペレータの手前側から奥
の方へとフイルム１７ｂがコマ送りされる。

【００１５】この縦方向でのフイルム送り時には、フイ
ルム１７ｂの先端の左側縁２６が先ず初期ガイド部２５
に当たり下方に捩じられる。その後、円筒状ガイド部２
３の稜線２３ａにより、フイルム１７ｂが捩じられた状
態で横方向に案内される。更に、支持受け皿１１の底部
３０の傾斜面３１により、フイルム１７ｂはフイルム出
口側に案内される。このように、フイルム１７ｂがほぼ
水平方向で反転されるため、縦方向でのスペースが少な
い写真プリンタでも、フイルム１７ｂを反転させること
ができるようになる。

【００１６】次に、ガイド本体１０から初期ガイド部２
５を無くして、構成を簡単にした実施例について説明す
る。図５ないし図７に示すように、この実施例では、上
記実施例と同じに構成された支持受け皿１１に、反転ガ
イド面５１を有するガイド本体５０を取り付けたもので
ある。反転ガイド面５１の上縁部には、フイルム５３が
反転ガイド面５１から上方に逃げることの無いように、
押さえ板５４が形成されている。この実施例では、フイ
ルム５３がガイド本体５０内に進入すると、図６に示す
ように、先ずフイルム５３の左側の縁部が反転ガイド面
５１に当たり、下方に捩じられる。これに続いて、フイ
ルム５３全体が反転ガイド面５１に沿ってガイドされる
ことにより横方向に送られ、ほぼ１８０度反転する。な
お、符号６０，６１，６２は取付用フランジであり、こ
れらにより、写真プリンタ側にガイド本体５０及び受け
皿１１が取り付けられる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
緩く湾曲して形成した反転ガイド面を設けたから、水平
状態で進入するフイルムを捩じりながら約１８０度反転
させることが簡単な構成で可能になる。しかも、下部支
持部材と上部押さえ部材とにより、フイルムを上下方向
で逃げることの無いように案内するため、フイルムを確
実に横方向に案内することができる。しかも、フイルム
を横方向に案内するため、縦方向にコンパクトに構成す
ることができ、縦方向にフイルムキャリアの設置スペー
スの少ない写真プリンタでも、本発明のガイド装置を取
り付けることができる。

【００１８】また、反転ガイド面に、フイルムの一方の
側縁部を下方に案内してフイルムを捩じる初期ガイド部
材を設けたから、水平状態で送られてくるフイルムの先
端を下方に案内してフイルムを捩じることができる。こ
れにより、水平状態で送られてくるフイルムを水平方向
で１８０度反転させることが容易に可能になる。しか
も、下方に向けてフイルムを反転させるため、プリント
済みのフイルムがプリント光軸に進入したり、測光部を
覆うこともなくなり、これらに起因するプリント不良や
測光不良の発生がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した写真フイルムのガイド装置を
示す斜視図である。

【図２】本発明の写真フイルムのガイド装置が取り付け
られる写真プリンタを示す要部の平面図である。

【図３】図２におけるIII −III 線に沿う断面図であ
る。

【図４】図２におけるIV−IV線に沿う断面図である。

【図５】本発明を実施した別の写真フイルムのガイド装
置を示す斜視図である。

【図６】同ガイド装置の平面図である。

【図７】同ガイド装置の図２におけるIV−IV線相当の断
面図である。

【符号の説明】

１０，５０ ガイド本体 １１ 支持受け皿 １３ 写真プリンタ １７ａ フルサイズネガフイルム １７ｂ ハーフサイズネガフイルム ２０，５１ 反転ガイド面 ２３ ガイド部 ２５ 初期ガイド部

フロントページの続き (72)発明者 佐藤 進 埼玉県大宮市植竹町１丁目324番地 富士 写真光機株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 緩く湾曲して形成され、水平状態で進入
   するフイルムを捩じりながら約１８０度反転させる反転
   ガイド面と、この反転ガイド面により横方向に案内され
   たフイルムを支持する下部支持部材と、横方向に案内さ
   れたフイルムを押さえる上部押さえ部材とを有すること
   を特徴とする写真フイルムの案内装置。
2. 【請求項２】 フイルムの進入口に配置され、フイルム
   の一方の側縁部を下方に案内してフイルムを捩じる初期
   ガイド部材と、この初期ガイド部材に連続し、捩じられ
   たフイルムを横方向に案内してフイルムを約１８０度反
   転させる円筒面状のガイド部材と、横方向に案内された
   フイルムを支持する下部支持部材とを有することを特徴
   とする写真フイルムの案内装置。