JPH05111845A - 工作機械の電気、油空圧供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】工作機械のインデックス動作可能なパレット上
のワーク取付治具に、電気、油空圧を供給する。 【構成】工作機械のインデックス可能なパレットまたテ
ーブル上に電気および油空圧を供給する工作機械の電
気、油空圧供給装置１であって、パレット１０１のイン
デックス中心線上に設けられる補助動力受領手段２と、
工作機械の固定側に補助動力受領手段２に対して相対的
に旋回可能に対向するように設けられ、この補助動力受
領手段２と係合離脱して前記パレット１０１側に電気お
よび油空圧を供給する補助動力供給手段３と、工作機械
の固定側に設けられ、補助動力受領手段２と補助動力供
給手段３を係合離脱させる係合離脱手段４とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の電気、油空
圧の供給装置に係り、特にインデックス動作可能なパレ
ット上のワーク取付治具に電気、油空圧を供給する際に
利用することができる工作機械の電気、油空圧供給装置
に関する。

【０００２】

【従来技術】マシニングセンタ等の工作機械で使用され
るテーブルは、インデックス機能を有しているものが多
い。このようなテーブル上にはパレットが交換可能に設
けられ、そのパレット上には各種ワークを取付けるワー
ク取付治具が設けられている。そして、ワーク取付治具
は、着脱動作の自動化のため油空圧の作動で駆動される
駆動体を内蔵するものが多くなっている。実開昭６３−
４７８３６号には、パレット上のワーク取付治具にテー
ブル上にパレットがクランプされた状態で圧油を供給で
きる油圧供給装置に関する技術が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一方、ワーク取付治具
では、安全性、操作性向上のため圧油のほかに、圧縮空
気や動作検出手段への電気供給など、供給する補助動力
源の種類が多様化し、多数の供給路が必要となってき
た。しかしながら、前記した実開昭６３−４７８３６号
の技術は、パレットクランプ時の位置決めピン内を連通
させて圧油を供給しているため、多数の供給路を設ける
ことができず、ワーク取付治具の確実なクランプ・アン
クランプ動作ができないという問題点を生じた。

【０００４】本発明は、このような問題を解決するため
に提案されたものであり、本発明の目的は、インデック
ス動作可能なパレット上のワーク取付治具に電気、油空
圧の補助動力を供給することができ、安全性、操作性の
向上を図れる工作機械の電気、油空圧供給装置を提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に次のような手段を採る。

【０００６】工作機械のインデックス可能なパレットま
たテーブル上に電気および油空圧を供給する工作機械の
電気、油空圧供給装置であって、このパレットのインデ
ックス中心線上に設けられる補助動力受領手段と、前記
工作機械の固定側に前記補助動力受領手段に対して相対
的に旋回可能に対向するように設けられ、この補助動力
受領手段と係合離脱して前記パレット側に電気および油
空圧を供給する補助動力供給手段と、前記工作機械の固
定側に設けられ、前記補助動力受領手段と前記補助動力
供給手段を係合離脱させる係合離脱手段とを備えた工作
機械の電気、油空圧供給装置である。

【０００７】

【作 用】このような本発明では、工作機械のインデッ
クス動作可能なパレット側へ、電気、油空圧の補助動力
を供給するには、係合離脱手段で補助動力供給手段と補
助動力受領手段とを係合させて行う。

【０００８】供給手段と受領手段とは相対的に回動可能
に係合しているので、インデックス動作可能なパレット
側へも電気、油空圧の補助動力を供給することができ
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１には本実施例の工作機械の電気、油空圧供
給装置１の全体組立て斜視図が示されている。図１に示
されるように、工作機械のテーブル１００上にはパレッ
ト１０１が載置されている。このパレット１０１は、テ
ーブル１００内に組み込まれた旋回駆動機構（図略）等
により、割り出し（インデックス）動作可能に支持され
ている。また、パレット１０１は図中想像線（二点鎖
線）で示すパレットガイド１０２に沿って、矢印Ａ方向
に移動可能であり、ＡＰＣ（自動パレット交換装置、図
略）で交換可能に設けられている。

【００１０】前記パレット１０１の矢印Ａ方向に沿った
一側面には、断面Ｌ字形の支持台２０が固着されてい
る。この際、Ｌ字形の一辺の上面が、テーブル１００の
上方にかつ、テーブル１００面と平行になるように取付
けられる。また、支持台２０の一辺の平面の高さは、パ
レット１０１上に図略のワーク取付治具を介してワーク
が取付けられた時、これら治具、ワークの高さに干渉と
ない所定の高さを有している。

【００１１】前記支持台２０上のテーブル１００の旋回
中心線上には受台２１が固定されている。この受台２１
の軸線上には軸体２７が設けられている。受台２１と軸
体２７との対向する端面には、逆止め弁付急速継手を構
成するメス型カプラ３５およびオス型カプラ３４が各々
４個ずつ配設され、軸体２７の上下方向の移動により着
脱し、油空圧回路を接続、遮断する（図２）。この軸体
２７は、軸受２３，２３を介して筒体２４に対して回転
自在に支持されている。この筒体２４の両端には軸受を
保持するためのカバー２２，２５が固定されている。

【００１２】このカバー２５および筒体には通路３１
ａ，３２ａが形成されており、リング溝３７ａを介して
軸体２７の油路３３を介してオス型カプラ３４に接続さ
れている。すなわち、リング溝３７ａと油路３３でロー
タリジョイントを形成している。この通路は必要数の油
空圧回路分形成すればよく、この実施例では、リング溝
３７ｂ，３７ｃ，３７ｄを介して図示しない通路により
４つの通路が形成してある。２７は、ロータリジョイン
ト部のシールを行うシール部材である。

【００１３】前記受台２１の側面には、例えば、取付治
具のリミットスイッチ等用の電気用コネクタのプラグ２
９も固定されている。このプラグ２９も筒体２４に固定
されたソケット５０を差込むだけで電流が通じるように
構成されているものである。ここにおいて、これらの受
台２１、メス型カプラ３５、配管３６およびプラグ２９
等で、補助動力受領手段２が構成される。

【００１４】このような補助動力受領手段２には、補助
動力供給手段３が係合離脱可能に設けられる。そして、
この軸体２７の下端面と前記受台２１の上端面とが分割
面１０とされている。軸体２７の下部には、前記受台２
１に埋設されているメス型カプラ３５に対応するオス型
カプラ３４が埋設される。そして、このオス型カプラ３
４は、軸体２７等の油路と連通する配管３１に連結され
ている。ここにおいて、軸体２７、筒体２４に固定され
たオス型カプラ３５およびソケット５０によって補助動
力供給手段３が構成される。

【００１５】前記筒台２４の側面には、その長手方向に
ガイド４０が設けられている。このガイド４０は移動台
４１に設けられたレール４２と係合し、上下方向にのみ
摺動可能とし筒体２４の回り止めをしている。このガイ
ド４０とレール４２とは例えば、図略のボールプランジ
ャで所定位置に位置決めされるようになっている。レー
ル４２が取付けられた前記移動台４１は、断面Ｌ字形に
形成されており、内側のそれぞれの面にガイド４３，４
４が取付けられている。このガイド４３，４４は、工作
機械の固定部に敷設されたレール４５，４６に係合し、
摺動可能とされている。

【００１６】ここで、移動台４１の配合される高さの位
置は、ボールプランジャで位置決めされた前記筒体２４
が前記受領手段２の受台２１と係合離脱可能な位置に移
動された時、前記供給手段３の軸体２７に設けられてい
るオス型カプラ３４が受台２１の上端面に干渉しない位
置とされる。前記移動台４１の上面にはマニホールド４
７が配管されており、このマニホールド４７には電気、
油空圧供給用の配線４８，配線４９が連結されている。
これらの配線４８、配管４９はマニホールド４７で分岐
され、前記供給手段３のソケット３４およびソケット５
０に接続されている。特に、配線４８の先端には電気用
のソケット５０が取付けられており、前記受台２２に取
付けられたプラグ２９と係合離脱可能とされている。

【００１７】前記供給手段３のカバー２５の側面には、
断面コ字形のフック５１が取付けられている。これに対
して、工作機械の固定部はシリンダ５２が固定されてお
り、このシリンダ５２のロッド５２ａには、ロッド５５
によって回止めがされた前記フック５１に係合可能な凸
部を有する係合部材５３が連結されている。このよう
に、シリンダ５２は、テーブル１００の移動すなわち移
動台４１とともに筒体２４，３０等の供給手段３が所定
の移動端まで移動した際、シリンダ５２の係合部材５３
がフック５１と係合する位置に配設されている。

【００１８】したがって、係合部材５３とフック５１と
が係合し、ロッド５２Ａを伸張、縮少すれば、筒体２４
等の補助動力供給手段３と、受台２１等の補助動力受領
手段２とが係合離脱可能となる。ここにおいて、前記フ
ック５１、シリンダ５２および筒体２４に設けられたガ
イド４０、ガイド４０と係合可能なレール４２とを含ん
で係合離脱手段４が構成される。さらに、前記補助動力
供給手段３と前記補助動力受領手段２および係合離脱手
段４とを備えて工作機械の電気・油空圧供給装置１が構
成されている。

【００１９】作 動 次に、本実施例の作動を述べる。パレット１０１の交換
位置で、パレット１０１上にあらかじめ次工程加工に応
じたワーク取付治具にワークが取付けられて、ＡＰＣに
よってテーブル１００上に送られてくる。この際、メス
型カプラ３５等の補助動力受領手段２を取付ける支持台
２０がパレット１０１に取付けられている。また、パレ
ット１０１上のワーク取付治具の所定位置には、メス型
カプラ３５に連結された配管２６や電気用の配線２９ａ
が連結されている。

【００２０】パレット１０１がテーブル１０１上の所定
位置にクランプされたら、テーブル１０１を、オス型カ
プラ３４等の供給手段３がメス型カプラ３５等の受領手
段２と係合可能な位置まで移動させる。テーブル１０１
の移動に伴って移動台４１は、ガイド４３，４４と、レ
ール４５，４６との係合でスムーズに移動し、移動端ま
で移動した時、フック５１がシリンダ５２に取付けられ
た係合部材５３に係合する。

【００２１】シリンダ５２を駆動させて５２Ａを伸張さ
せれば、ボールプランジャで保持されていた外筒３０等
は、ガイド４０とレール４２との係合で下方に移動し、
軸体２７の穴部２７ａが受台２１のセンターピン２１ａ
に案内され、引続いて、オス型カプラ３５とメス型カプ
ラ３５等供給手段３と受領手段２とが係合される。

【００２２】その状態で、電気、油空圧用の供給源を駆
動させ、配管４８、配線４９を介して電気、油空圧の補
助動力をワーク取付治具へ供給する。ワーク取付治具は
ワークを仮クランプより本クランプする。この状態でワ
ークに加工が施される。加工が終了したら、前述と逆の
動作を行う。すなわち、シリンダ５２のロッド５２Ａを
縮少させ供給手段３と受領手段２とを離脱させる。ワー
ク取付治具はワークを仮クランプ状態で保持する。

【００２３】パレット１０１は、ＡＰＣによってパレッ
ト搬送装置に送られる。このような本実施例によれば、
次のような効果がある。すなわち、パレット１０１側に
はメス型カプラ２５、プラグ２９が設けられた受台２１
が設けられており、固定側にはオス型カプラ３２、ソケ
ット５０が設けられた筒体２４等が、受台２１に対して
回動自在にかつ係合離脱可能とされているので、インデ
ックス動作可能なパレット１０１側へも電気、油空圧を
供給することができる。このように、テーブル上におい
て油空圧等を供給した状態で加工を行えるため安定した
切削が可能となる。

【００２４】また、オス型カプラ３４とメス型カプラ３
５とは複数組設けることが可能であるので、ワーク取付
治具で多くの油空圧等を必要とする際にも対応すること
ができる。そのほか、テーブル１００上にクランプした
状態で、ワークのクランプ・アンクランプ作業を行うこ
ともできる。

【００２５】

【その他の実施例】なお、本発明は前述の実施例に限定
されるものではなく、次に示すような変形例なども含む
ものである。すなわち、前記実施例では、補助動力供給
手段３は移動台４１に設けられ、移動台４１とともにテ
ーブルの移動に追従して所定位置から受領手段２の位置
へ水平移動し、シリンダ５２によって上下動されるよう
になっているが、これに限らず、コラムトラバース型の
マシニングセンタにおいてはシリンダ５２と供給手段３
の外筒３０とを一体的に連結させておいて、このシリン
ダ５２を外筒３０等の軸線に沿って設けてもよい。

【００２６】また、前記実施例では供給手段３側を上下
動可能としたが、供給手段３側を固定しておいて受領手
段２側をシリンダ等によって上下動可能としてもよい。
そして、電気の供給をソケットとプラグで行っている
が、スリップリングを付加して供給してもよい。その
他、本発明の実施例の際の具体的な構造および形状等
は、本発明の目的を達成できる範囲であれば他の構造等
であってもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る工
作機械の電気、油空圧供給装置によれば、インデックス
動作可能なパレット上のワーク取付治具に電気、油空圧
の補助動力および動作確認用の電気を供給することがで
き、確実で安全性の向上が図れるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明に係る工作機械の電気、油空圧供
給装置の全体組立て斜視図である。

【図２】図２は図１の要部詳細の断面図である。

【符号の説明】

１…工作機械の電気、油空圧供給装置、２…補助動力受
領手段、３…補助動力供給手段、４…係合離脱手段、２
０…支持台、２１…受台、３５…メス型カプラ、２４…
筒体、３４…オス型カプラ、４１…移動台、５２…シリ
ンダ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】工作機械のインデックス可能なパレットま
   たはテーブル上に電気および油空圧を供給する工作機械
   の電気、油空圧供給装置であって、 前記パレットのインデックス中心線上に設けられる補助
   動力受領手段と、 前記工作機械の固定側に前記補助動力受領手段に対して
   相対的に旋回可能に対向するように設けられ、前記補助
   動力受領手段と係合離脱して前記パレット側に電気およ
   び油空圧を供給する補助動力供給手段と、 前記工作機械の固定側に設けられ、前記補助動力受領手
   段と前記補助動力供給手段を係合離脱させる係合離脱手
   段とを備えたことを特徴とする工作機械の電気、油空圧
   供給装置。