JPH05111738A - 水平回転連続鋳造方法 - Google Patents

水平回転連続鋳造方法

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JPH05111738A
JPH05111738A JP3275595A JP27559591A JPH05111738A JP H05111738 A JPH05111738 A JP H05111738A JP 3275595 A JP3275595 A JP 3275595A JP 27559591 A JP27559591 A JP 27559591A JP H05111738 A JPH05111738 A JP H05111738A
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JP
Japan
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molten metal
weir
tail
casting
mold
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JP3275595A
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Inventor
Shigenao Anzai
栄尚 安斎
Hirofumi Maede
弘文 前出
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属材料を製造する場合に上部が開放された
無端溝付きリング鋳型が水平方向に回転する連続鋳造装
置を用いて無欠陥鋳片を効率的に製造すること。 【構成】 上部が開放された無端溝付きリング鋳型が水
平方向に回転する溶融金属の小断面連続鋳造装置におい
て、上部が開放された無端溝付きリング鋳型が水平方向
に回転する溶融金属の小断面連続鋳造装置で、鋳造方向
とは反対側にテール堰を設けて溶融金属を堰止めて鋳造
する際に、鋳片厚さをT(mm)、該テール堰と溶融金属
注入点間の距離をL(mm)とし、該テール堰をL≦3T
を満足する位置に設けることを特徴とする連続鋳造方
法。これによって表面疵がなく効率的な製品製造が可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属、主として溶
鋼の連続鋳造装置、特に小断面鋳片を鋳造する水平回転
連続鋳造装置を用いた鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】小断面鋳片を連続鋳造する方式に水平回
転溝型方式がある。この水平連鋳法は、断面の一辺が1
0〜100mm角程度の小断面ビレット鋳造に適し、設備
費が低廉で、生産性が高いことが特徴であり、例えば、
米国特許第3284859号、米国特許第347881
0号や特公昭63−13785号などが例示できる。米
国特許第3284859号には、梯型断面の環状の回転
冷却鋳型を備え、前記梯型の長辺が金属供給装置に対面
している連続鋳造装置が開示されている。この鋳型に
は、溶融金属をゲート装置から供給する鋳造用溝が形成
されている。鋳型は垂直軸芯の回りに回転駆動される。
【0003】鋳型に注入された溶融金属を冷却するため
に、鋳型壁に対してほぼ直角に配置されたスプレーノズ
ルにより構成された強制冷却装置が設けられている。凝
固した鋳片は注入点から200〜270°に位置する点
から鋳造用溝から連続的に引出されて連続ミル装置へ供
給される。以上の開示は、鋳片を溝型水平回転連鋳機で
鋳造する際に、一つの鋳片を鋳造するもので1ストリー
ム鋳造であるが、複数ストリームとすることも可能であ
る。
【0004】この連鋳機は、凹型鋳型が回転する無端溝
型水平連続鋳造機であることから、溶融金属を鋳造する
際に、溶融金属注入点を境にして、溶融金属逆流を防止
するために鋳造方向とは逆方向に固定された堰(以後、
テール堰と呼ぶ)が用いられる。更に、注入点から鋳造
方向には、ダミーバーまたは溶融金属流出防止堰(以
後、フロント堰と呼ぶ)が用いられる。
【0005】従って、鋳造開始時の位置関係は、ダミー
バーまたはフロント堰とテール堰の間に溶融金属注入点
が位置する。通常鋳造開始は、溶融金属を注入点からテ
ール堰〜ダミーバー先端またはテール堰〜フロント堰に
よって形成された初期溶融金属注入空間に注入し、湯面
高さが所望の高さとなった時点で回転し連続的に鋳造が
行なわれる。
【0006】一方、テール堰は、回転鋳型とは独立で静
止した部材に連結されており鋳造終了まで初期の位置に
留る。鋳片高さは、溶融金属湯面の湯面高さによって決
定され注入量と引抜き速度のバランスで調整される。
【0007】しかし、テール堰が固定され溶鋼あるいは
鋳片が連続的に移動するため、テール堰近傍の溶鋼は、
鋳型と共に移動するかテール堰によって拘束されるか複
雑な挙動となる。テール堰と接触する溶鋼は、堰が鋳造
中一定位置に留ることによりテール堰への抜熱および鋳
型冷却によってテール堰に付着凝固しやすい。
【0008】テール堰は、一般に溶融金属と反応性がな
い、濡れない、熱衝撃性に優れる、断熱性が高いなどの
材質が選定される。例えば、溶融金属として溶鋼の場合
には、Al2 3 またはAl2 3繊維の成型体、窒化
硼素などが利用できる。しかし、これらは前記特性を全
て満足するものではなくその特性に優れるにすぎない。
例えば、断熱性と言っても理想的な断熱は実現できない
のは明らかである。
【0009】従って、テール堰に凝固物が生成すること
が明白であり、次の2つの問題を引起こす。第1点は、
凝固物は付着後の冷却によって徐々に成長し、やがて鋳
造方向の凝固シェルと合体しテール堰から強制的に剥離
される。この際、テール堰が一般に前記耐火物などによ
って構成されるので耐火物を噛み込むことがある。ま
た、耐火物を噛み込まなくともテール堰付着物の凝固方
向と周囲の鋳型によって冷却された凝固方向では90度
近く異なるため欠陥となりやすい。この欠陥は、2重
肌、横割れなどとして顕在化し、コールドシャットと呼
ぶ。
【0010】コールドシャットは、偏析線を伴うが表面
割れとしては観察されないものをコールドシャットマー
ク、表面割れを伴うものをコールドシャットクラックと
区別することができる。本発明では、これら両者を撲滅
するという点から一括してコールドシャットと呼ぶこと
にする。
【0011】第2点は、テール堰の凝固物がテール堰か
ら綺麗に剥離しない場合である。この場合は、堰との接
着が焼きつき等によって強固になっている場合であり、
凝固物が前記の鋳造方向シェルと合体した時点でテール
堰そのものを破壊してしまう。従って、これ以上鋳造を
継続することが困難となり極めて重大な問題である。よ
って、テール堰の凝固物を発生させない具体的鋳造方法
を開発する必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上部
が開放された無端溝付きリング鋳型を有した鋳型が水平
方向に回転する溶融金属の連続鋳造装置により、断面の
一片が10〜100mm角程度の小断面鋳片鋳造を行なう
際に、その特徴である低設備費、高生産性を最大限に発
揮できる鋳造方法と鋳造装置を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点に関して実験的検討を重ね以下の結論を得た。即
ち、本発明の主旨は、 上部が開放された無端溝付きリング鋳型が水平方向に
回転する溶融金属の小断面連続鋳造装置で、鋳造方向と
は反対側にテール堰を設けて溶融金属を堰止めて鋳造す
る方法において、鋳片厚さをT(mm)、該テール堰と溶
融金属注入点間の距離をL(mm)とし、該テール堰をL
≦3Tを満足する位置に設けることを特徴とする連続鋳
造方法。 上部が開放された無端溝付きリング鋳型が水平方向に
回転する溶融金属の小断面連続鋳造装置で、鋳造方向と
は反対側にテール堰を設けて溶融金属を堰止めて鋳造す
る方法において、該テール堰の壁面を流れる溶融金属流
を上昇流とすることを特徴とする連続鋳造方法。であ
る。
【0014】
【作用】本発明の詳細を図面に基づいて説明する。図1
は、本発明の無端溝型回転鋳型を用いた水平回転連続鋳
造装置の平面図。図2は、図1の鋳造方向B−B断面
図。図3は、図1の鋳造方向X−X断面図。図4は、テ
ール堰近傍の溶融金属の流動状況を示す流速ベクトル
図。図5は、テール堰近傍の溶融金属の流線図。図6
は、テール堰設置位置による鋳片表面欠陥の防止効果を
示すためのもので、コールドシャット発生率を表すグラ
フ。図7は、同じく表面欠陥の防止効果を示すためのも
ので、製品疵発生率を表すグラフ。図8は、同じく製品
疵発生位置を表すグラフ。
【0015】次に、本発明にかかわる効果を明らかとす
るため、先ず図1(a)を用いて装置構成を詳細に述べ
る。1は溶融金属取鍋、2は溶融金属、3は溶融金属注
入装置、4は中間容器、5は溶融金属注入量制御手段、
6は無端溝型回転鋳型、7は鋳型内鋳片、8はテール
堰、9はテール堰保持手段、10は鋳型回転手段、11
は鋳片推進装置、12は鋳片推進装置駆動手段、13は
ナイフエッジ、14はナイフエッジ保持手段、15は鋳
片矯正ロール押しつけ手段、16は鋳片矯正ロール、1
7は鋳片検出器、18は外側鋳片、19は内側鋳片、2
0は鋳片案内ロール、21は切断機、22はダミーバ
ー、23はダミーバー収納装置、24はダミーバー分割
時の鋳片押しつけ用ロール、25はダミーバー分割スイ
ングフレーム、26は搬出用ローラーテーブル、27は
ローラーテーブルである。
【0016】図1(a)は、同時に2本の鋳片を製造す
る2ストリームの連続鋳造装置の例である。図1(b)
は、(a)のテール堰近傍Aの詳細を示す説明図であ
る。テール堰8はテール堰保持手段9に連結され保持さ
れる。また、図1(b)に示すように、テール堰8は、
注入ノズル5aから所定の間隔Lで設置する。図2は図
1(a)の鋳型断面B−Bを示す説明図である。鋳型断
面は、鋳造と圧延を直結した鋳造−圧延同期プロセスを
指向する場合、内周側を以下の理由で大きくすることが
望ましいが、鋳造−圧延同期プロセスを指向しない場合
には、同一断面であってもなんら問題はない。
【0017】本鋳造方式の場合、鋳造速度が各ストリー
ムの鋳型半径に起因して不可避的に発生する。また、生
産量は、鋳造速度Vと鋳型断面積Sの堰V・Sで規定さ
れる。従って、鋳型断面積を同一とする場合ストリーム
間の生産量が鋳造速度差によって生産量が異なる。鋳造
以降に各ストリームで独立した圧延機を設ける場合はな
んら問題がないものの、各ストリーム共通の圧延機によ
り多ストランド同時圧延を行なう場合には図2のように
鋳造速度差に起因した生産量差を吸収するため、鋳型内
周側ほど断面積を大きくする必要がある。
【0018】各ストリームの断面積は、計算によって簡
単に求まる。いま、目標生産量をQ(m3 /min)、各ス
トリーム生産量をQ1,Q2 、鋳型回転速度をN(rp
m)、ストリーム直径をD1 ,D2 (m)(D1
2 )、鋳造速度をV1 ,V2 (m/min)、鋳型断面積
をS1 ,S2 (m2 )、円周率πとする。 V1 =πD1 N V2 =πD2 N Q1 =V1 1 =πD1 NS12 =V2 2 =πD2 NS2 Q=Q1 =Q2 の条件より、断面積は、 S2 =S1 (D1 /D2 ) 従って、内周側の鋳型断面積S2 は、D1 >D2 より直
径比(D1 /D2 )に応じて大きくすれば良い。
【0019】次に、溶融金属2が鋳造される過程を図1
(a)および図3を用いて具体的に示す。溶融金属2を
取鍋1から溶融金属注入装置3を用いて中間容器4に注
入し、注入量制御手段5および注入ノズル5aを介して
無端溝型鋳型6に注入し鋳型内鋳片7とする。無端溝型
鋳型6内には、テール堰8が設けてあり溶融金属は紙面
上右回転で鋳造され凝固が進行しつつ鋳片は外周側1
8、内周側19で凝固し鋳片となる。この際、必要に応
じて溶融金属の大気露出領域を非酸化性雰囲気に保持す
ることで品質劣化を防止することも有効である。
【0020】溶融金属2は無端溝型鋳型6内で側面およ
び底面側から優先的に冷却され凝固が進む。やがて上面
側も主に輻射伝熱により冷却され凝固し凝固殻が形成さ
れ鋳片推進装置11に至る。鋳片は、推進装置11によ
り溝型鋳型および推進装置により周囲から推進力が加え
られ、ナイフエッジ13上に送られ、やがて2段からな
る鋳片矯正手段15〜17に到達する。更に、直線に矯
正された鋳片は、切断機21に至る。
【0021】図3は、図1(a)のX−X断面を示す図
で、上述したように、鋳片の鋳型外への引出し矯正過程
を示した。ダミーバー22は、ダミーバー分割用スイン
グフレーム25、鋳片押しつけ用ロール24、ローラー
テーブル27およびダミーバー収納装置23などから構
成された装置によって、鋳片と分割される。即ち、鋳造
が進行しダミーバー先端が、ダミーバー分割スイングフ
レーム25に到達した時点で鋳片と分離され収納され
る。一方、鋳片は、搬出用ローラーテーブル26を直進
し必要に応じて切断され次工程に搬出され所望の長さの
鋳片となる。ダミーバー22は2自由度以上を有するリ
ンク構造体であれば良く、材質は特殊な材料を用いる必
要は全くなく炭素鋼などで製作すれば良い。
【0022】図4は、テール堰近傍の溶融金属の流動状
況を示す流速ベクトル図である。テール堰による凝固物
発生が堰近傍の溶融金属の流動が深く関わっているもの
と考えられる。即ち、金属が凝固する際には、熱の供給
と抜熱によって決定されるので、供給側の条件として金
属の流動状況が重要となる。一方、抜熱側は通常鋳型材
質、冷却水条件、堰材質などによってほぼ一義的に決る
と予想されるのでここでは供給側に注目した。
【0023】溶融金属の堰近傍流動状況は、数値計算に
よって解析した。数値計算は、3次元解析で、乱流状況
は、K−εモデルによって近似した。溶融金属として炭
素鋼(溶鋼)を仮定した。鋳型断面は50×50mm(T
=50mm)、溶鋼注入ノズルの直径は16mmである。図
4,図5は、線の重なりを防ぐため、縦:横を2:1で
示した。
【0024】図4(a)は、堰設置位置をノズルよりL
=100mm、(b)はL=200mm、(c)はL=30
0mmの場合である。図4(a)(b)(c)を比較する
と鋳片厚Tが50mmの場合は、溶鋼注入位置をノズルか
ら100〜200mmとすることによって堰近傍の流速ベ
クトルは堰面に対して上昇成分(紙面では上方)を有す
ることが分る。
【0025】図5は、図4で示した溶鋼の流動状況を示
す溶融金属の流線図である。流線図からも図4同様、テ
ール堰近傍の流れが下方から上方に向って流れ、更に流
動が及ぼす範囲がテール堰面に近いことが分る。
【0026】以上の解析から、テール堰をノズルから遠
く設置(Lを大きく)した場合には、鋳型内の上面を通
過して、即ち溶鋼が途中で冷却された状態で堰にたどり
着くことが分った。従って、テール堰で凝固付着しやす
くなること、更にテール堰と鋳型底面のコーナー部で一
層冷却され凝固物が発達しやすいことが推定される。ま
た、L/Tの比を小さくすることによって堰近傍で上向
きの循環流が形成されることが分る。
【0027】一方、堰をノズルに近づけることによっ
て、流れが逆転し十分過熱度を有する溶鋼が堰と鋳型底
面コーナー部に最初に流れ込み凝固を防止できる可能性
を示している。
【0028】
【実施例】以下、上記解析に基づき行なった実施例を基
に、本発明を説明する。鋳造に用いた金属成分は以下に
示す炭素鋼である。即ち、Cが0.30〜0.32重量
%、Siが0.3〜0.32重量%、Mnが0.98〜
1.02重量%、Pが0.010重量%以下、Sが0.
015重量%以下およびAlが0.046〜0.050
重量%の炭素鋼である。
【0029】鋳造条件を以下に示す。実施例は、2スト
リームの無端溝型水平連続鋳造機を用いて行なった。連
鋳機は、外周側鋳型半径1500(mm)、外周側鋳造サ
イズ50×50(mm)、外周側鋳造速度10.4(m/
min 、1.1rpm)とし、内周側鋳型半径1000(m
m)、内周側鋳造サイズ50×50(mm)、内周側鋳造
速度7.0(m/min、1.1rpm)とした2ストリーム
鋳造、溶鋼過熱度36℃,26℃の条件の下で溶鋼量1
ton を鋳造した。2ストリーム鋳造、テール堰に窒化硼
素(BN)を用いて行なった。
【0030】また、外周側テール堰を常にノズルからL
=200mmとした。内周側テール堰は、実験水準毎に変
更しノズルからL=200mm〜50mmに設定して、解析
の検証を行なうと共に実用的範囲を調査することを目的
として鋳造を行なった。従って、実施例と比較例から、
テール堰の設置位置を変更して鋳造した場合の効果を一
層明らかとすることが可能で、堰取付け条件を除いて同
一条件で比較を行なったことになる。ダミーバーの材質
は、S10Cである。更に、溶鋼注入量制御は、油圧シ
リンダ駆動のストッパー制御方式である。
【0031】以上の条件下で鋳造を行ない品質(コール
ドシャット発生率)の評価を行なった。コールドシャッ
ト発生率は、鋳片1m当りの発生個数で正規化して整理
した。図6は、テール堰設置位置による鋳片表面欠陥
(コールドシャット)の防止効果を示す説明図である。
図4,図5で示した通り、ノズルと堰の間隔を近づける
ことによって、コールドシャットが減少し皆無とするこ
とが可能であることが分った。
【0032】実施例を行なう際に、堰近傍の溶鋼の状況
を堰上面側から観察した結果、L≦150mm(L/T=
3)では堰底面側からの流れ、即ち上昇流に起因して若
干盛り上がりを示していた。これによって、前述の解析
が妥当であったことを確認し、改めて上昇流がコールド
シャット欠陥防止に有効であることを確認した。
【0033】堰設置位置は、L≦3Tを満足することが
不可欠であったが、望ましくは1≦L/T≦2である。
その理由は、最も安定して循環流を形成していたからで
ある。以上の結果、コールドシャットの完全防止とテー
ル堰の破壊を防止可能であった。
【0034】図7(a)(b)は、前記方法にて鋳造し
た鋳片をφ20mmに熱間圧延を行なって表面疵発生率の
チェックを行なった結果である。表面疵発生率は、圧延
総長さを5000mとなる製品数で大量評価し、疵発生
長さとの比で求めた。その結果、テール堰設置位置をノ
ズルから150mm以内とすること表面疵発生率0.08
%を達成し、望ましくは100mm(L/T=2)とする
ことで圧延材の表面疵発生率を完全に防止可能であっ
た。堰位置が200mmの場合、製品疵発生率の最大値は
25%にも及んだ(図7(b))。
【0035】次に、図8は、本発明方法を適用し疵発生
率0.08%を達成した場合の疵発生位置を鋳片位置に
換算した結果を示す。表面欠陥は鋳片の先頭と終端部分
のみに発生している。圧延の最先端と終端は、元来形状
が悪く、両端クロップとして扱われ、切捨て基準範囲内
に留っており、新たな製品歩留り落ちを発生しないこと
を確認した。
【0036】
【発明の効果】以上示したように、上部が開放された無
端溝付きリング鋳型を有した鋳型が水平方向に回転する
溶融金属の小断面連続鋳造装置において、表面品質に優
れた鋳片の鋳造方法とその装置を具体的に示した。更
に、本発明方法によって安定した溶融金属の鋳造が可能
であり、設備費の大幅低減を達成するもので、産業上極
めて有益な発明と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無端溝型回転鋳型を用いた水平回転連
続鋳造装置の平面図。
【図2】図1の鋳造方向B−B断面図。
【図3】図1の鋳造方向X−X断面図。
【図4】テール堰近傍の溶融金属の流動状況を示す流速
ベクトル図。
【図5】テール堰近傍の溶融金属の流線図。
【図6】テール堰設置位置による鋳片表面欠陥の防止効
果を示すもので、コールドシャット発生率を表すグラ
フ。
【図7】同じく表面欠陥の防止効果を示すためのもの
で、製品疵発生率を表すグラフ。
【図8】同じく製品疵発生位置を表すグラフ。
【符号の説明】
1 溶融金属取鍋 2 溶融金属 3 溶融金属注入装置 4 中間容器 5 注入量制御手段 5a 注入ノズル 6 無端溝型回転鋳型 6a 冷却媒体流路 7 鋳型内鋳片 8 テール堰 9 テール堰支持装置 10 鋳型回転手段 11 鋳片推進装置 11a 鋳片推進装置押しつけ手段 12 鋳片推進装置駆動手段 13 ナイフエッジ 14 ナイフエッジ保持手段 15 鋳片矯正ロール 16 鋳片矯正ロール押しつけ手段 17 鋳片検出器 18 外側鋳片 19 内側鋳片 20 鋳片案内ロール 21 切断機 22 ダミーバー 23 ダミーバー収納装置 24 鋳片押しつけ用ロール 25 ダミーバー分割スイングフレーム 26 搬出用ローラーテーブル 27 ローラーテーブル L 注入ノズル〜テール堰間隔 T 鋳片厚さ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部が開放された無端溝付きリング鋳型
    が水平方向に回転する溶融金属の小断面連続鋳造装置
    で、鋳造方向とは反対側にテール堰を設けて溶融金属を
    堰止めて鋳造する方法において、鋳片厚さをT(mm)、
    該テール堰と溶融金属注入点間の距離をL(mm)とし、
    該テール堰をL≦3Tを満足する位置に設けることを特
    徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 上部が開放された無端溝付きリング鋳型
    が水平方向に回転する溶融金属の小断面連続鋳造装置
    で、鋳造方向とは反対側にテール堰を設けて溶融金属を
    堰止めて鋳造する方法において、該テール堰の壁面を流
    れる溶融金属流を上昇流とすることを特徴とする連続鋳
    造方法。
JP3275595A 1991-10-23 1991-10-23 水平回転連続鋳造方法 Withdrawn JPH05111738A (ja)

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