JPH0511122Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はコイル状に巻回した大重量の帯鋼板す
なわち、コイルをクレードルローラ上に支承し回
転させながら、該コイルに防錆紙等の包装紙を巻
き付けるものである。

従来の技術 コイルは３〜15トンという大重量であるので、
該コイルの外周に包装紙を巻き付ける際には、該
コイルをクレードルローラ上に支承し、包装紙の
始端縁をコイルに貼着固定してコイルをローラ上
で回転させていたが、コイルの回転中にコイルが
軸方向に移動しないように求心性をもたせるため
に、第３図イに示す如く、ローラ表面に互いに傾
斜方向の異なる溝を有する一対のローラＲ，
R′でコイルＣを支承していたが、該溝によつて
コイル表面に傷が付き易く、また、コイルは薄板
を帯状にカツタで切断した際に、コイル側縁に切
断圧による反りが生じ、該帯状薄板をコイル状に
巻いた場合には、前記切断圧による反りが累積し
てコイル外表面が軸方向両端部においてコイル径
が漸増する鼓状曲面になるので、第３図ロに示す
如く、クレードルローラの断面が円筒形である
と、円筒形クレードルローラの端縁周でコイルの
鼓状曲面の一部を支承することになるため、コイ
ル表面に傷が付くことは勿論、コイル表面に巻き
付けられた包装紙に皺が生じたり、或は裂傷が生
じることになる。

このような理由から、きわめて非能率的ではあ
るが、第３図ハに示す如く、支承台Ｓ上に包装紙
Ｐを拡げ、その上にクレーン又はリフタで持ち上
げられたコイルＣを降し、コイルＣを回転させる
ことなく、人手作業で包装紙両端縁をコイル外周
面に巻き付けていた。

考案が解決しようとする問題点 上述した従来の技術では包装作業が非能率的で
あるばかりでなく、大重量のコイルをクレーン又
はリフタ等で昇降操作することは、非常に危険な
作業であり、且つ多大の労力と時間とを要するも
のである。

したがつて、本考案は包装作業が危険を伴わず
に効率的に行われ、且つコイル表面に傷が付いた
り又はコイルを包装した紙に裂傷が生じないよう
にしたものである。

問題点を解決するための具体的手段 本考案は、クレードルローラの外周面をコイル
の鼓形外周曲面に一致するようにクラウニング加
工して、コイルを広い支承面で均等に支承し、且
つクラウニング加工したクレードルローラ外周面
にウレタンゴムの如き弾性材料からなる被覆層を
均一に形成したものである。

実施例 第１図に平面図で示す如く、コイルを支承し、
且つ回転させる一対のクレードルローラ１，１′
はコイルＣをクレードルローラ１，１′上に搬送
してくるウオーキングビームの動作に支障を来さ
ない間隔で並設し、適宜の駆動源で同方向に回転
せしめられる。

そして、該クレードルローラ１，１′の断面は
第２図に示す如く、クラウニング加工により中央
においては両端部におけるよりも径が大であつ
て、且つ表面には均一なウレタンゴム層２が全周
に形成されている。

考案の効果 本考案は上述の如く構成されているから、包装
作用の安全性確保は勿論のことコイルの被支承面
を均等な荷重で弾性材を介して支承することがで
き、クレードルローラによる押圧痕等の傷をコイ
ルに付けるおそれがないばかりでなく、クラウニ
ング加工表面を有することにより、求心作用をす
るから、コイルの回転中にコイルが軸方向に移動
することなく、したがつて、包装紙はズレること
なくコイル表面に正しく巻き付けることができる
ものであつて、コイル包装における実用的効果は
著大である。

【図面の簡単な説明】

第１図はコイルを支承する本考案にかかるクレ
ードルローラの平面図、第２図は本考案のクレー
ドルローラの横断面図、第３図イ，ロ，ハはコイ
ル支承の従来例を示し、イは溝付クレードルロー
ラの側面図、ロは円筒形クレードルローラの正面
図、ハはクレードルローラを用いない包装作業の
正面説明図である。 １，１′……クラウニング加工したクレードル
ローラ、２……弾性材の被覆層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷延コイルの外周に包装紙を巻き付けるために
   該コイルを支承しながら回転させる包装用クレー
   ドルローラにおいて、クラウニング加工した外周
   面と該外周面に弾性材料からなる被覆層を均一に
   形成したクレードルローラ。