JPH0510936Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、接着剤、コーキング剤等の高粘度内
容物を充填した、エアゾール容器のエアゾール用
バルブとして特に好適なものである。

従来の技術 従来、接着剤、コーキング剤等の高粘度内容物
を充填した、エアゾール容器のエアゾール用バル
ブとしては、その１つに、ステムを傾斜させて噴
射するチルトアクシヨンバルブが用いられてい
る。このバルブは、高粘度内容物を噴射口に導く
流入口を大きく開口できる利点を有しているが、
開弁動作に強い力を必要とし、しかも、この開弁
動作が継続している間のみしか内容物の噴射が出
来ないため、長時間、多量に内容物を噴射するの
は、指の疲労から困難なものであつた。

またステムを軸方向に押し下げて開弁動作を行
なう、プツシユダウンバルブに於いては、高粘度
内容物を噴射口に導く流入口を、ステムの外周に
位置するガスケツトにより閉止するものであるか
ら、流入口を大きく取ると、気密性の保持が困難
となり、流入口の直径は限定されたものと成るか
ら、バルブ詰まりを生じ易く、また開弁動作が継
続している間のみしか内容物の噴射が出来ず、長
時間、多量に内容物を噴射するのは、指の疲労か
ら困難なことは、チルトアクシヨンバルブと同一
である欠点を有していた。

考案が解決しようとする問題点 本考案は上述のごとき問題点を解決しようとす
るものであつて、内容物の流入口を大きく取り、
バルブ詰まりを防止しながら、気密漏れを生じる
ことがなく、しかも一回の開弁動作のみで、継続
的なステム押圧等を不要とし、指の疲労を伴なう
事なく、長時間、多量の高粘度内容物の噴射を行
なうことを、可能にしようとするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述のごとき問題点を解決するため、
エアゾール容器の蓋体に固定したハウジングの外
周壁に、ハウジング内部とエアゾール容器内とを
連通する連通口と、遮蔽部とを形成し、このハウ
ジング内に、外端部をエアゾール容器の外方に突
出するとともに導出路を軸方向に設けた、ステム
の基部を回転可能に密接挿入し、この基部の側面
に連通口と連通するとともにステムの回転によつ
て、遮蔽部により閉止可能なエアゾール内容物の
流入口を、導出路と連通して形成したことを特徴
としてなるものである。

作 用 本考案は上述のごとく構成したものであるか
ら、常時は、ハウジングの外周壁に形成した遮蔽
部によつて、ステムの流入口を閉止しておけば、
ハウジングの連通口とステムの導出路とは連通す
ることがなく、エアゾール容器内の気密性は保持
され、内容物が噴射されることはない。エアゾー
ル容器内部の内容物を噴射するには、ステムを回
転し、ステムの流入口をハウジングの連通口に接
続することにより、エアゾール容器の内部とステ
ムの導出路とが連通するから、内容物はステムを
介して外部に噴射されるものとなる。

エアゾール容器内部の内容物の噴射は、上述の
ごとくステムを回転するのみで良く、しかも噴射
は、ステムを元位置に反転するまで継続するか
ら、指の疲労等を伴なう事が全くなく、長時間、
多量の噴射を可能にする。また流入口の開閉にガ
スケツトを用いるものではなく、流入口と連通口
は、ハウジングとステムの側面に形成したもので
あるから、大きな開口を自由に形成することが可
能となるものである。

実施例 以下本考案の一実施例を説明すれば、１はエア
ゾール容器で、胴部２の上端にカール部３を介し
て、蓋体４を固定するとともにこの蓋体４に固定
したハウジング５の外周壁６に、ハウジング５内
部とエアゾール容器１内とを連通する連通口７
と、遮蔽部８とを形成している。この、ハウジン
グ５内に、外端部１０を外方に突出するとともに
導出路１１を軸方向に設けた、ステム１２の基部
１３を回転可能に密接挿入し、この基部１３の側
面に、連通口７と連通するとともにステム１２の
回転により、遮蔽部８によつて閉止可能な内容物
の流入口１４を、導出路１１と連通して形成して
いる。また、ステム１２の基部１３の下方向の外
端には、回転角度規制用の突部１５を突出し、こ
の突部１５をハウジング５の下底壁１６に設けた
下端開口１７から突出するとともに、ステム１２
の一定角度回転によつて突当てる突当部１８１９
を、下端開口１７の端部に形成している。また、
ハウジング５から突出したステム１２の外周に
は、ステム１２の回転を容易とするための回転用
鍔２１を、欠円部２２によりステム１２に対し回
転不能に突出固定している。

上述のごとく構成したものに於いて、常時は、
ハウジング５の外周壁６に形成した、遮蔽部８に
よつて、ステム１２の流入口１４を閉止しておけ
ば、ハウジング５の連通口７とステム１２の導出
路１１とは連通することがなく、エアゾール容器
１内の気密性は保持され、内容物が噴射されるこ
とはない、エアゾール容器１内部の内容物を噴射
するには、エアゾール容器１を倒立して、ステム
１２の外端部１０を下方に位置するとともに回転
用鍔２１を保持して、ステム１２を、回転規制用
の突部１５が突当部１９に突き当たるまで回転
し、ステム１２の流入口１４をハウジング５の連
通口７に接続することにより、エアゾール容器１
の内部とステム１２の導出路１１とが連通するか
ら、内容物はステム１２を介してエアゾール容器
１の外部に噴射されるものとなる。

この状態でエアゾール容器１を放電すれば、内
容物の噴射は継続されるが、噴射を中止するに
は、ステム１２を上記の噴射方向とは反対方向に
回転し、突部１５を反対側の突当部１８に突当て
れば、第５図に示すごとく、ステム１２の流入口
１４は、ハウジング５の遮蔽部８によつて閉止さ
れるから、内容物の噴射は中止される。

考案の効果 本考案は上述のごとく構成したものであるか
ら、エアゾール容器内部の内容物の噴射は、ステ
ムを回転するのみで良く、しかも噴射は、ステム
を元位置に反転するまで継続するから、指の疲労
等を伴なう事が全くなく、長時間、多量の噴射を
可能にする。また流入口の開閉にガスケツトを用
いるものではなく、流入口と連通口は、ハウジン
グとステムの側面に形成したものであるから、大
きな開口を自由に形成することが可能となり、内
容物が高粘度物である場合、特に好都合となると
ともに気密性の保持に問題を生じる事が無いもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は断面図、第２図はハウジング下底壁の底
面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第４図
は第１図のＢ−Ｂ線断面図、第５図は流入口の閉
止状態を示す第１図のＡ−Ａ線に従つた断面図で
ある。 １……エアゾール容器、４……蓋体、５……ハ
ウジング、６……外周壁、７……連通口、８……
遮蔽部、１０……外端部、１１……導出路、１２
……ステム、１３……基部、１４……流入口、１
５……突部、１６……下底壁、１８，１９……突
当部、２１……回転用鍔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エアゾール容器の蓋体に固定したハウジング
   の外周壁に、ハウジング内部とエアゾール容器
   内とを連通する連通口と、遮蔽部とを形成し、
   このハウジング内に、外端部をエアゾール容器
   の外方に突出するとともに導出路を軸方向に設
   けたステムの基部を、回転可能に密接挿入し、
   この基部の側面に連通口と連通するとともにス
   テムの回転によつて、遮蔽部により閉止可能な
   エアゾール内容物の流入口を、導出路と連通形
   成したことを特徴とするエアゾール用バルブ。 (2) ハウジングから突出したステムの外周には、
   ステムの回転を容易とするための回転用鍔を突
   出固定したことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のエアゾール用バルブ。 (3) ステムの基部の外端には、回転角度規制用の
   突部を突出し、この突部を、ステムの一定角度
   回転によつて突当てる突当部を、ハウジングの
   下底壁に形成したことを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のエアゾール用バル
   ブ。