JPH0510877A - ガス検知装置 - Google Patents

ガス検知装置

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JPH0510877A
JPH0510877A JP18810391A JP18810391A JPH0510877A JP H0510877 A JPH0510877 A JP H0510877A JP 18810391 A JP18810391 A JP 18810391A JP 18810391 A JP18810391 A JP 18810391A JP H0510877 A JPH0510877 A JP H0510877A
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喜代治 上原
Kazunari Yamamoto
和成 山本
Hideo Tai
秀男 田井
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検知雰囲気通過後のレーザ光を位相敏感検波
して得られる1次および2次の位相敏感検波信号に基づ
いて検知雰囲気の濃度を求めるガス検知装置における2
次の位相敏感検波信号のオフセット分に起因する濃度測
定誤差をなくすこと。 【構成】 温度に応じて波長が変化するレーザ光を発生
する半導体レーザ素子1がファンクションシンセサイザ
100により発生される正弦波電圧Asinωt、Bs
in(2ωt+φ)を電流変換し、混合したものにより
変調されることで半導体レーザ素子1の出力特性におけ
る湾曲に起因する2次の位相敏感検波信号のオフセット
分を相殺する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザ素子を用い
たガス検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特定波長のレーザ光がある種の気体に吸
収されやすいことを利用してガスの有無を検出できるこ
とが知られており、この原理を応用したセンシング技術
が工業計測、公害監視などに広く用いられている。一例
として、He−Neレーザにより発生されるレーザ光の
3.3922μmの発振線はメタンに強く吸収されるこ
とを利用してメタンの有無を感度よく検出することが可
能である。メタンは都市ガスの主成分であるのでメタン
ガスの検出によって都市ガスの漏洩が検知できる。しか
し、半導体レーザを用いてガス検知を行う場合にはレー
ザ素子が温度により発振波長を大きく変えるので、レー
ザ光の発振波長をガスの吸収線の中心波長に合わせて安
定化する必要がある。
【0003】ところでガスの定量分析などに用いられる
ガス検知装置の一例として図5に示すような装置が考え
られている。このガス検知装置は、主に温度に応じて波
長が変化する半導体レーザ素子1と、半導体レーザ素子
1のレーザ光を変調する変調系2と、半導体レーザ素子
1の温度が一定になるように制御する制御系3と、ガス
の濃度を検知する検知系4とで構成されている。
【0004】変調系2は、定電流源5と、任意の関数信
号を発生するファンクションシンセサイザ6と、コンデ
ンサ7と、抵抗器8、9と、コイル10とからなり、制
御系3は、セル11と、フォトダイオード12と、電流
電圧変換器13と、位相敏感検波器14と、引き算器1
5と、オフセット電圧発生器16と、PID(Prop
ortional,Integral and Dif
ferential比例、積分および微分)コントロー
ラ17と、ペルチェ素子18とからなり、検知系4は、
セル19と、フォトダイオード20と、電流電圧変換器
21と、位相敏感検波器22、23と、除算器24とか
らなる。
【0005】半導体レーザ素子1は、定電流源5から供
給される一定の直流電流で励起され、ファンクションシ
ンセサイザ6で発生される正弦波電圧V1(Asinω
tで表わされる。ここでAは振幅、ωは角周波数、tは
時間である)により抵抗8を介して変換された正弦波電
流I1 によって変調される。
【0006】制御系3では、この交流電流I1 で変調さ
れた半導体レーザ素子1から後方(図の左方向)に発生
されるレーザ光L2 が、参照用ガスが封入されたセル1
1を通過し、このセル11を通過したレーザ光がフォト
ダイオード12で受光され、この出力電流が、電流電圧
変換器13によって図2の信号(a)に示すような電圧
に変換される。この信号(a)が位相敏感検波器14に
入力されると、図2の(b)に示す1次の位相敏感検波
信号が出力される。
【0007】図2は位相敏感検波器の出力特性の一例を
表わす。横軸は半導体レーザ素子の温度(波長に比例す
る)、縦軸は電流電圧変換器および位相敏感検波器の出
力電圧である。図2(a)に現れるへこみは吸収線を表
し、図2(b)は吸収線の1次微分信号に対応する。こ
こで図2(b)には、オフセット電圧dが生じているこ
とに注目する。このオフセット電圧は半導体レーザ素子
の入力電流を増加するとき単に波長が変化するほかに出
力が増加することに起因する。図3は半導体レーザ素子
の入力電流と発振出力との関係を表わし、横軸が入力電
流、縦軸が発振出力である。
【0008】位相敏感検波器14から1次の位相敏感検
波信号(f信号)が引き算器15の反転入力端子に入力
される。引き算器15の非反転入力端子にはオフセット
電圧発生器16によりdに対応する電圧が印加される。
【0009】位相敏感検波器14の出力信号からオフセ
ット分を取り除いた信号が、引き算器15から誤差信号
としてPIDコントローラ17に送出され、このPID
コントローラ17の出力電圧または電流によってペルチ
ェ素子18の両面の表面温度がそれぞれ所定の温度に調
整される。近赤外半導体レーザ素子1は、半導体レーザ
素子1自体の温度が高くなるとレーザ光の波長が長くな
り、レーザ素子自体の温度が低くなると波長が短くなる
特性を有しているので、この半導体レーザ素子1に取り
付けられたペルチェ素子18の温度を制御することによ
ってレーザ光の波長が制御される。なおPIDコントロ
ーラ17は、入力信号を比例、積分および微分したもの
を所定の割合で加え合わせて、制御対象としてのペルチ
ェ素子18の温度を制御するのに必要な電圧または電流
を出力する。ペルチェ素子18の温度が制御されること
で半導体レーザ素子1の発振波長が安定化される。
【0010】一方、検知系4は、半導体レーザ素子1の
前方(図では右方向)に出力するレーザ光L1 を検知雰
囲気としてのガスが封入されたセル19を通過し、この
セル19を通過したレーザ光がフォトダイオード20で
受光され、フォトダイオード20の出力電流が、電流電
圧変換器21によって図2の信号(a)に示すような電
圧に変換される。電圧に変換された信号は位相敏感検波
器22、23にそれぞれ入力され、位相敏感検波器22
からは図2の信号(b)に示すような1次の位相敏感検
波信号(f信号)が、また位相敏感検波器23からは図
2の信号(c)に示すような2次の位相敏感検波信号
(2f信号)が出力され、これらの信号が除算器24に
入力される。除算器24ではガスの濃度とセル19の通
過光量とに比例する2f信号を、光量のみに比例するf
信号で除算することによりガスの濃度が求められ端子2
5に出力される。
【0011】一般に、位相敏感検波器は、検知すべき信
号の中から特定の周波数且つ特定の位相をもつ成分だけ
を抽出し、復調する。図2の信号(c)は2次の位相敏
感検波信号(2f)信号であり、信号(a)を周波数に
関して2階微分したものに相当する。メタンの吸収線の
中心に安定化されたレ−ザ光をフォトダイオード20で
受光した場合、温度、圧力等他の条件が変化しなければ
2f信号はメタン濃度に比例するため、この2f信号は
ガスの濃度の測定に用いられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図3に示
すように、実際には半導体レーザ素子の発振出力は入力
電流に対し破線で示すような直線的に増加せず、実線で
示すように湾曲的に増加する。この湾曲は図2(c)で
示されるように、位相敏感検波器の2次の位相敏感検波
信号のオフセット分eとなって表われる。検知雰囲気の
濃度は位相敏感検波器の2次微分信号を1次微分信号に
基づいて求めるのでオフセット分eが残っているとと検
知した濃度に誤差が生じてしまう。
【0013】本発明は、上記の点にかんがみてなされた
ものであり、その目的は、検知雰囲気通過後のレーザ光
を位相敏感検波して得られる1次および2次の位相敏感
検波信号に基づいて検知雰囲気の濃度を求めるガス検知
装置における2次の位相敏感検波信号のオフセット分を
除去し濃度測定誤差をなくすことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的は、本発明によ
ると、一定電流に重畳された第1の交流成分を有する電
流で変調され、温度に応じて波長が変化するレーザ光を
発振するレーザと、検知雰囲気通過後のレーザ光を電圧
に変換する電流電圧変換器と、電流電圧変換器の出力電
圧を位相敏感検波する2つの位相敏感検波器と、一方の
位相敏感検波器から得られる1次の位相敏感検波信号と
他方の位相敏感検波器から得られる2次の位相敏感検波
信号とに基づいて検知雰囲気の濃度を検知するガス検知
装置であって、第1の交流成分の2倍の周波数で変化す
る第2の交流成分を発生する交流電流発生手段と、第2
の交流成分を前記第1の交流成分に重畳することによっ
てレーザの出力特性における湾曲部に起因する前記2次
の位相敏感検波信号のオフセット分を相殺するオフセッ
ト相殺手段とを備えたガス検知装置によって達成され
る。
【0015】
【作用】本発明のガス検知装置は、温度に応じて波長が
変化するレーザ光を発振するレーザが第1の交流成分で
変調されて、この第1の交流成分に第1の交流成分の2
倍の周波数で変化する第2の交流成分を重畳して、レー
ザの出力特性における湾曲部に起因する2次の位相敏感
検波信号のオフセット分を相殺する。
【0016】
【実施例】以下本発明を図面を参照して説明する。
【0017】図1は本発明のガス検知装置の概略構成を
示しており、図5と同じ構成の部分には同一の符号を用
いて示した。
【0018】ガス検知装置は、温度に応じて変化する波
長のレーザ光を発生する半導体レーザ素子1と、半導体
レーザ素子1を変調する変調系2と、半導体レーザ素子
1の温度が一定になるように温度を制御する制御系3
と、ガスの濃度を検知する検知系4とで構成されてい
る。
【0019】半導体レーザ素子1は、前述のように前後
両方向にレーザ光L1 、L2 を出射し、前方出力光L1
(図の右方向)はセル19を通過させ、後方出力光L2
はセル11を通過させる。半導体レーザ素子1により出
射されるレーザ光L1 、L2の波長は温度が高くなると
長くなり、温度が低くなると短くなる。
【0020】図3は半導体レーザ素子1の出力特性を示
しており、横軸は入力電流(mA)、縦軸は発振出力
(mW)である。半導体レーザ素子1は、図3に示すよ
うに入力電流値がある値を超えるとレーザ光を発生し、
電流値の増加に伴いレーザ光の出力も増加する。前述し
たように発振出力は理想的には破線で示すように直線的
に増加するのが望ましいが、実際には実線で示すように
湾曲して増加する。この湾曲が後述する2次の位相敏感
検波信号のオフセット分eに対応する。
【0021】再び図1にもどると、変調系2は、定電流
源5と、ファンクションシンセサイザ100と、コンデ
ンサ7と、コイル10と、抵抗器8、9、101、10
2とで構成されている。
【0022】定電流源5は、半導体レーザ素子1に一定
の電流を抵抗器9とコイル10とを介して供給し、半導
体レーザ素子1を発振させる。
【0023】ファンクションシンセサイザ100は、正
弦波Asinωt(振幅がA、角周波数がω)で表わさ
れる交流電圧V1 と、正弦波Bsin(2ωt+φ)
(振幅がB、角周波数が2ω、位相がφ)で表わされる
交流電圧V2 とを発生する。これらの交流電圧V1 と交
流電圧V2 とは抵抗器101、102を介してI1 、I
2 となり、I1 +I2 の電流として混合され、コンデン
サ7および抵抗器8を介して半導体レーザ素子1に印加
されるのでレーザ光が変調される。なお、ファンクショ
ンシンセサイザ100により発生される交流電圧V2
表わす正弦波Bsin(2ωt+φ)の振幅Bと位相φ
とは後述する2次の位相敏感検波信号のオフセット分e
を相殺するように調整されている。
【0024】制御系3は、セル11と、電流電圧変換器
13と、位相敏感検波器14と、引き算器15と、オフ
セット電圧発生器16と、PIDコントローラ17と、
ペルチェ素子18とからなっている。セル11には参照
用のガス(たとえば5%のメタンガス)が封入されてお
り、後方に出力するレーザ光L2 がこのセル11を通過
する。セル11を通過したレーザ光はフォトダイオード
12により受光され、電流に変換されて電流電圧変換器
13に入力する。抵抗器103とオペアンプ104とで
構成される電流電圧変換器13によりフォトダイオード
12の出力電流が電圧に変換されて、位相敏感検波器1
4に出力される。
【0025】位相敏感検波器14は、前述のように測定
すべき信号の中から特定の周波数を特定の位相をもつ成
分だけを抽出し、復調し出力する。これにより、極めて
高いS/N比で微小信号の検出を行うことができる。位
相敏感検波器14は、図2に示すような入力信号(a)
を入力すると信号(b)(1次の位相敏感検波信号f)
または信号(c)(2次の位相敏感検波信号2f)を出
力する。
【0026】一般に、特定の周波数で変調されたレーザ
光が、特定の波長の光を吸収するガスを通過し、センサ
で受光されると、このセンサの出力信号は直流成分のほ
かに変調周波数と同じ周波数をもつ基本波成分およびそ
の高調波成分から成る。そのうち、基本波成分、2倍波
成分を位相敏感検波器で位相敏感検波すると、後述する
ようなそれぞれ波長に関する1次微分、2次微分に対応
する信号を得ることができる。本発明では2次微分信号
を用いて、特定の吸収波長を有するガスの検知およびガ
スの濃度測定を行うものである。
【0027】一般に、半導体レーザの発振角周波数Ωは
温度と駆動電流との関数であるが、温度を一定として駆
動電流を角周波数ω(2πf、fは周波数)で変調する
と、Ωは数1にしたがって角周波数ωで変調される。
【0028】
【数1】Ω=Ω0 +ΔΩcosωt ここで、Ω0 は半導体レーザの中心発振角周波数、ΔΩ
は発振角周波数変調振幅を、ωは変調角周波数である。
【0029】発振角周波数変調振幅ΔΩは小さいので数
2で表わされるレーザ光の透過率TをΩ=Ω0 において
テーラ展開し、ΔΩの2次の項まで計算すると数4とな
る。
【0030】
【数2】T=exp(−αcL) ここでcはメタンの濃度(分圧)、Lは光路長、Tはレ
ーザ光の透過率(フォトダイオード22の電流に比例す
る)、αはメタンの吸収係数である。特に、αは大気圧
中では、一つの吸収線に着目すると次の数3に示すよう
なローレンツ型の周波数依存特性を有する。
【0031】
【数3】α=γ2 α0 /[(Ω−ωm2 +γ2 ] ここでωm は吸収線の中心周波数、α0 、γは定数であ
る。
【0032】
【数4】 T=T0 +(ΔΩ)20 ″/4+ΔΩT0 ′cosωt +[(ΔΩ)20 ″cos2ωt]/4+… となり、直流成分のほか、cosωtとcos2ωtと
にしたがって変化する成分をもつ。ここで、T0 、T
0 ′、T0 ″はΩ=Ω0 におけるそれぞれ透過率T、そ
の1次微分dT/dΩ、および2次微分d2 T/dΩ2
の値であり、以下、数5、数6および数7のように与え
られる。
【0033】
【数5】 T0 =1−γ2 α0 cL/[(Ω0 −ωm2 +γ2
【0034】
【数6】 T0 ′=2(Ω0 −ωm )γ2 α0 cL/[(Ω0 −ωm2 +γ22
【0035】
【数7】 T0 ″= −2[ 3 (Ω0 −ωm)2 −γ22 α0 cL/[(Ω0 −ωm)2 +γ2]3 このように数4で表わされる透過率Tのうちcosω
t、cos2ωt成分を位相敏感検波すれば、それぞれ
0 ′、T0 ″に比例した信号が得られる。すなわちT
0 ′は図2の信号(b)すなわちf信号に対応し、T
0 ″は信号(c)すなわち2f信号に対応する。位相敏
感検波器14は、1次の位相敏感検波信号fを引き算器
15の反転入力端子に入力する。
【0036】抵抗器105、106とオペアンプ107
とからなる引き算器15の非反転入力端子には電源電圧
でプルアップされた可変抵抗器16の摺動子の電圧Vo
sが入力されており、この電圧Vosはオフセット分d
に対応している。引き算器15は1次の位相敏感検波信
号から1次のオフセット分dを差し引いた信号をPID
コントローラ17に出力する。
【0037】PIDコントローラ17は、位相敏感検波
器14の出力に基づいて、半導体レーザ素子1の発振波
長が所定の波長より短くなったときはペルチェ素子18
の温度を上げるような電圧を出力し、所定の波長より長
くなったときはペルチェ素子18の温度を下げるような
電圧を出力するので、半導体レーザ素子1の発振波長が
安定化される。
【0038】一般に、ペルチェ素子はペルチェ効果を利
用した素子で、2種類の金属または半導体を接合して電
流を流すと、ジュール熱が発生する以外に、その接合部
で熱を発生するか、または熱の吸収が起こる。なお、こ
の現象は電流を流す方向を逆にすると発熱と吸熱とが逆
になる。
【0039】図4はペルチェ効果を説明するための説明
図である。
【0040】図のようにP型半導体とN型半導体とを導
体aで接続し、P型半導体の電極bとN型半導体の電極
cとの間に電池Eを接続すると、電極aが発熱するとと
もに電極bおよびcが吸熱する。このような素子を複数
組み合わせることによって発熱量や吸熱量を増加させる
ことができる。ペルチェ素子18の印加電圧を変化させ
たり、極性を反転させることにより、ペルチェ素子18
に取り付けられた半導体レーザ素子1の温度を変化さ
せ、レーザ光の波長を変化させることができる。検知系
4は、セル19と、フォトダイオード20と、電流電圧
変換器21と、2つの位相敏感検波器22、23と、除
算器24とからなる。セル19は検知用のガスが満たさ
れており、半導体レーザ素子1の前方出力光L1が通過
する。
【0041】フォトダイオード20は前述と同様、セル
19通過後のレーザ光を電流に変換し、抵抗器108
と、オペアンプ109とで構成される電流電圧変換器2
1に出力する。位相敏感検波器22は、電流電圧変換器
21の出力を位相敏感検波して1次の位相敏感検波信号
fを出力し、位相敏感検波器23は同じく2次の位相敏
感検波信号2fを出力する。除算器24は、2次の位相
敏感検波信号2fを1次の位相敏感検波信号fで除算す
る。信号fは光量に比例し、信号2fは光量とガスの濃
度とに比例するので除算器24の端子25からはガスの
濃度を表わす信号を取り出すことができる。
【0042】次に本発明のガス検知装置において2次の
位相敏感検波信号からオフセット分を除去する動作につ
いて説明する。
【0043】定電流電源5で発生した直流電流によって
半導体レーザ素子1はレーザ光L1、L2 を出射し、フ
ァンクションシンセサイザ100は交流電圧V1 と交流
電圧V2 とを発生し、レーザ光L1 、L2 は交流電流I
1 +I2 によって変調される。これらの変調されたレー
ザ光L1 、L2 のうちレーザ光L1 はセル19を通過し
てフォトダイオード20で電流に変換されて電流電圧変
換器21で電圧に変換されて、位相敏感検波器22、2
3に入力される。位相敏感検波器22は1次の位相敏感
検波信号fを除算器23に出力する。
【0044】一方、交流電流I2 が交流電流I1 に混合
されることによって図3に示す半導体レーザ素子1の出
力特性のオフセット分は相殺され、図2に示す2次の位
相敏感検波信号のオフセット分eが除去される。このオ
フセット分eが除去された2次の位相敏感検波信号が除
算器24に出力されると、除算器24はこのオフセット
分eが除去された2次の位相敏感検波信号2fを1次の
位相敏感検波信号fで除算した値、すなわちセル19内
のガスの濃度を表わす信号を端子25に出力する。
【0045】このように正弦波Asinωtで表わされ
る交流電圧V1 と正弦波Bsin(2ωt+φ)で表わ
される交流電圧V2 とを発生するファンクションシンセ
サイザ100と、交流電流I1 +I2 で変調されてお
り、温度に応じて異なる波長のレーザ光を発振する半導
体レーザ素子1と、セル19通過後のレーザ光L1 を電
圧に変換する電流電圧変換器21と、電流電圧変換器2
1の出力電圧を位相敏感検波する2つの位相敏感検波器
22、23と、各位相敏感検波器22、23より得られ
る2次の位相敏感検波信号2fを1次の位相敏感検波信
号fで除算した値をセル19内のガスの濃度として検知
するガス検知装置における交流電流I1 に周波数が交流
電流I1 の2倍の周波数で変化する交流電流I2 を重畳
して、2次の位相敏感検波信号2fのオフセット分eを
相殺するので、セル19に封入されたガスの正確な濃度
が検知できる。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、温度に応じて波長が変化するレーザ光を発振するレ
ーザが第1の交流成分で変調されており、この第1の交
流成分に第1の交流成分の2倍の周波数で変化する第2
の交流成分を重畳して、レーザの出力特性における湾曲
部に起因する2次の位相敏感検波信号のオフセット分を
相殺するようにしたので、ガスの濃度検知を正確に行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス検知装置の一実施例の概略構成を
示すブロック線図である。
【図2】位相敏感検波器の出力特性を表わす。
【図3】半導体レーザ素子の出力特性を示す。
【図4】ペルチェ効果を説明するための説明図である。
【図5】本出願人によるガス検知装置の一例の概略構成
を示すブロック線図である。
【符号の説明】 1 半導体レーザ素子 2 変調系 3 制御系 4 検知系 5 定電流源 12、20 フォトダイオード 14、22、23 位相敏感検波器 100 ファンクションシンセサイザ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 一定電流に重畳された第1の交流成分を
    有する電流で変調され、温度に応じて波長が変化するレ
    ーザ光を発振するレーザと、検知雰囲気通過後のレーザ
    光の強度を電圧に変換する電流電圧変換器と、該電流電
    圧変換器の出力電圧を位相敏感検波する2つの位相敏感
    検波器と、一方の位相敏感検波器から得られる1次の位
    相敏感検波信号と他方の位相敏感検波器から得られる2
    次の位相敏感検波信号とに基づいて検知雰囲気の濃度を
    検知するガス検知装置であって、前記第1の交流成分の
    2倍の周波数で変化する第2の交流成分を発生する交流
    電流発生手段と、前記第2の交流成分を前記第1の交流
    成分に重畳することにより前記レーザの出力特性におけ
    る湾曲部に起因する前記2次の位相敏感検波信号のオフ
    セット分を相殺するオフセット相殺手段とを備えたこと
    を特徴とするガス検知装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005502879A (ja) * 2001-09-05 2005-01-27 リンデ メディカル センサーズ アーゲー 光導波管検知器システム
CN115165754A (zh) * 2022-09-07 2022-10-11 江苏三恒科技股份有限公司 一种煤矿用高浓度激光甲烷传感器组件

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