JPH0510829Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、調理を行なう厨房において設けられ
る消火装置に関し、もつと詳しくは、燃料ガスな
どを燃焼する燃焼機器の上方に設けられている排
ガス排出用のフードに関連して取付けられる厨房
用消火装置に関する。

背景技術 典型的な先行技術では、燃焼機器の上方に設け
られている排ガス排出用のフードの内方に、消火
剤を噴射するノズルを設け、このフード内または
そのフードの近傍に火災感知器を設け、フードか
ら離れた位置で建物の壁などに、ノズルに消火剤
を供給する圧力容器と、火災感知器によつて火災
が検出されたときに開弁動作をする容器弁とが設
けられ、圧力容器からの消火剤が容器弁を経てノ
ズルから噴射され、フードの下方に配置されてい
るレンジおよびフライヤなどに消火剤を噴射して
消火を行ない、またフードおよびフードに連なる
ダクト内における火災を消し止める。

考案が解決すべき問題点 このような先行技術では、火災感知器およびノ
ズルとは比較的離れた位置で建物の壁などに前述
の圧力容器および容器弁などが取付けられている
ので、配管および配線の工事に手間がかかる。特
に建物の新築および改装時には、その新築および
改装の工事の進行状況に応じて、消火装置のため
の配管および配線などの工事を部分的に分けて行
なう必要が生じ、作業性が極めて悪い。

本考案の目的は、作業性を向上することができ
るようにした厨房用消火装置を提供することであ
る。

問題点を解決するための手段 本考案は、開閉弁２７が介在されるガス供給管
路２８を経て燃料ガスが供給される燃焼機器３，
４と、 燃焼機器３，４の上方に設けられるフード５
と、 フード５からの排ガスを屋外へ導くダクト６
と、 フード５の内方に設けられ、前記排ガスの温度
を検出する火災感知器１７，３０と、 フード５の内方に設けられ、火災感知器１７，
３０からの出力に基づいて消火剤を噴射するため
のノズル１８，１９，３１，３２と、 前記消火剤が充填される容器２２と、 この容器２２に接続される容器２３と、 フード５に設けられ、前記容器弁２３とノズル
１８，１９，３１，３２とを接続する消火剤供給
用管路２４と、 前記火災感知器１７，３０からの出力に応答し
て、前記容器弁２３を開いて容器２２内の消火剤
をノズル１８，１９，３１，３２から噴射し、消
火剤の噴射前または消火剤の噴射と同時に前記開
閉弁２７を閉じて燃焼機器３，４への燃料ガスの
供給を遮断するように制御する制御回路２１と、 前記容器２２、容器弁２３、および制御回路２
１が収納される耐熱性を有するケース２９とを含
み、 前記ケース２９は断熱部材１６を介してフード
５の外周面または内周面に取付けられ、 前記火災感知器１７，３０と、ノズル１８，１
９，３１，３２と、消火剤供給用管路２４と、前
記容器２２、容器弁２３および制御回路２１が収
納されたケース２９とが予め取付けられた前記フ
ード５を、ダクト６に連結することを特徴とする
厨房用消火装置である。

作 用 本考案に従えば、フード５には火災感知器１
７，３０と、ノズル１８，１９，３１，３２と、
消火剤供給用管路２４と、容器２２、容器弁２３
および制御回路２１が収納されたケース２１とが
予め取付けられており、このフード５がダクト６
に連結される。これによつて厨房において、燃焼
機器３，４の上方に前記フード５を取付けるだけ
で、消火装置が備えられることになる。したがつ
て厨房などの現場における配管作業などが不要と
なり、これによつて家屋内の厨房におけるフード
および消火装置の取付け作業が格段に簡略化され
る。

また、前記制御回路２１は、火災感知器１７，
３０に応答して、消火剤の噴射前または噴射と同
時に、前記開閉弁２７を閉じて燃焼機器３，４へ
の燃料ガスの供給を遮断するように制御するの
で、消火剤放出後の再着火による火災の発生に対
する安全性が向上される。

実施例 第１図は本考案の一実施例の斜視図であり、第
２図はその全体の構成を示す簡略化した断面図で
ある。これらの図面を参照して、台所などの厨房
１の床２上には、都市ガスなどの燃料ガスを使用
する燃焼機器であるレンジ３およびフライヤ４と
が設けられている。レンジ３およびフライヤ４の
上方には、排ガスを排出するためのフード５が設
けられており、このフード５にはダクト６が連結
される。フード５は、たとえば天井７に配置され
る。ダクト６には、そのダクト６を開閉するため
のダンパ８を介して吸引フアン９が設けられる。
ダンパ８が開かれており、フアン９が駆動される
ことによつて強制排気され、排ガスが家屋の外に
排出される。

フード５は、上下に垂下する水平断面が四角形
である壁部１０と、この壁部１０の上部を閉塞す
る頂部１１と、頂部１１に形成された排気孔１２
に連通し上方に延びる筒状の連結部１２と、この
連結部１２の上端部に固定されるフランジ１３と
を有する。建物の天井７よりも上方には、上述の
ダクト６が設けられており、このダクト６の下端
部１４はフランジ１３に連結される。フード５内
には、排ガス中のグリスを除去するためのフイル
タ１５が取付けられる。

フード５の壁部１０の外周面には、レンジ３お
よびフライヤ４のための第１ユニツトＵ１と、フ
ード５のための第２ユニツトＵ２と、ダクト６の
ための第３ユニツトＵ３とが、断熱部材１６をそ
れぞれ介して取付けられる。

フード５の内方には、レンジ３およびフライヤ
４による火災を検出するための火災感知器１７が
設けられるとともに、レンジ３およびフライヤ４
に消火剤を噴射するためのノズル１８，１９が設
けられる。火災感知器１７は、たとえばサーミス
タなどによつて実現され、温度を検出する。火災
感知器１７からの出力は、第３図に示されるよう
に、ライン２０からユニツトＵ１に設けられてい
る制御回路２１に与えられる。レンジ３およびフ
ライヤ４の火災を消火するための消火剤は、容器
たとえば圧力容器２２に充填されており、この消
火剤は容器弁２３から消火剤供給用の管路２４を
経てノズル１８，１９に供給される。制御回路２
１の出力は、ライン２５からORゲート２６を経
て開閉弁２７に与えられる。レンジ３およびフラ
イヤ４には、燃料ガスがガス供給用管路２８を経
て供給される。開閉弁２７は、管路２８の途中に
介在されている。制御回路２１、圧力容器２２お
よび容器弁２３は、耐熱性を有するケース２９内
に収納されている。

第４図は、制御回路２１の動作を説明するため
のフローチヤートである。ステツプn1からステ
ツプn2に移り、制御回路２１は火災感知器１７
からの出力に応答し、検出した温度Ｔが料理中に
生じうる予め定めた第１温度T1以上であるかを
判断する。

T1≦Ｔ ……(1) 第１式が成立するとき、ステツプn3に移り、
レンジ３およびフライヤ４に燃料ガスを供給する
開閉弁２７を閉じる。この第１温度T1は、たと
えば150℃である。したがつて、たとえばレンジ
３で加熱されている鍋内で火災を生じて中華料理
などを作る際には、開閉弁２７が遮断されるだけ
であつて、消火剤が噴射されることはないので、
再び手動によつて、またはそれ以外の方法で開閉
弁２７を開いて復旧操作をすることでレンジ３を
点火し、調理を継続することができる。

火災が生じると、火災感知器１７によつて検出
される温度Ｔは、予め定める第２温度T2以上と
なる。この第２温度T2はたとえば180℃であり、
第１温度T1よりも大きな値に定められる。ステ
ツプn4において火災感知器１７によつて検出さ
れる温度Ｔが第２温度T2以上であることが判断
されると、ステツプn5において制御回路２１は
容器弁２３を開く。これによつて圧力容器２２か
らの消火剤は、容器弁２３および管路２４を経て
ノズル１８，１９から噴射される。こうしてレン
ジ３およびフライヤ４における火災を未然に防ぐ
ことが可能になる。このとき開閉弁２７は、前述
のステツプn3において閉じられている。したが
つて燃料ガスが、レンジ３およびフライヤ４に供
給されてはいないので、燃料ガスが漏洩すること
はなく、爆発の危険が生ぜず、安全である。容器
弁２３の開弁と同時に、フアン９が停止し、また
ダンパ８が閉じられる。こうして噴射される消火
剤によつて、厨房においてレンジ３およびフライ
ヤ４における消火を確実に行なうことができる。

第２ユニツトＵ２および第３ユニツトＵ３に関
連して、フード５の内方で接続部１２の内方に臨
んで火災感知器３０が設けられる。フード５の頂
部１１には、フード５内に消火剤を噴射するため
のノズル３１が設けられる。ダクト６内に消火剤
を噴射するためにフード５の内方で接続部１２に
は、ノズル３２が設けられる。第２および第３ユ
ニツトＵ２，Ｕ３は、前述の第１ユニツトＵ１と
同一の構成を有し、これらのユニツトＵ２，Ｕ３
には火災感知器３０からの出力が与えられ、火災
感知器３０によつて検出される温度が第１温度
T1以上であるとき、ライン３３，３４からの信
号はORゲート２６を介して開閉弁２７に与えら
れ、開閉弁２７が閉じられる。火災感知器３０に
よつて検出される温度が第２温度Ｔ２以上になる
と、ノズル３１，３２から消火剤が噴射され、フ
ード５およびダクト６内の消火が行なわれる。

第１ユニツトＵ１のケース２９内には、電池３
５が収納され、制御回路２１が電力付勢される。
このことは第２および第３ユニツトＵ２，Ｕ３に
関しても同様である。電池３５に代えて、商用交
流電源が用いられてもよい。

上述の実施例では、火災感知器１７，３０は温
度に対応する出力を導出するように構成されてお
り、制御回路２１はこれらの出力によつて第１お
よび第２温度T1，T2をレベル弁別するように構
成されているけれども、本考案の他の実施例とし
て、第１温度T1を検出する火災感知器と、第２
温度T2を検出する火災感知器とが個別に設けら
れて構成されてもよい。

ユニツトＵ１，Ｕ２，Ｕ３は、フード５の壁部
１０の外周面に取付けられたけれども、フード５
の内周面に設けられていてもよい。

上述の実施例によれば、フード５の製造時にお
いて、ユニツトＵ１，Ｕ２，Ｕ３をそれぞれ取付
けるとともに、火災感知器１７，３０およびノズ
ル１８，１９，３１，３２を取付けて配線および
配管をしておき、厨房の現場では、そのフード５
をフランジ１３によつてダクト６の下端部１４に
取付ければよく、したがつて現場における作業性
を格段に向上することができる。

効 果 以上のように本考案によれば、フード５に、火
災感知器１７，３０と、ノズル１８，１９，３
１，３２と、消火剤供給用管路２４と、容器２
２、容器弁２３および制御回路２１が収納された
ケース２９とが予め取付けられ、このフード５を
ダクト６に連結するようにしたので、家屋の厨房
などのような比較的狭い場所で、フード５への配
管などの取付け作業を行う必要がなくなり、消火
装置の組立て作業およびダクトへの取付け作業を
格段に簡略化することができる。

さらに本考案によれば、ケース２９内へ容器２
２、容器弁２３および制御回路２１が収納され、
しかもこのケース２９は耐熱性を有するので、ケ
ース２９内に収納される前記容器２２、容器弁２
３および制御回路２１に油などが付着することを
防止することができるとともに、ケース２９は断
熱部材１６を介してフード５に取付けられている
ので、比較的高温になるフード５からの熱の伝達
を確実に遮断することができ、熱による故障の発
生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
その実施例の全体の構成を示す簡略化した断面
図、第３図はその実施例の配管および配線の系統
図、第４図は制御回路２１の動作を説明するため
のフローチヤートである。 １……厨房、３……レンジ、４……フライヤ、
５……フード、６……ダクト、１７，３０……火
災感知器、１８，１９，３１，３２……ノズル、
２１……制御回路、２２……圧力容器、２３……
容器弁、２６……ORゲート、２８……管路、２
７……開閉弁、Ｕ１……第１ユニツト、Ｕ２……
第２ユニツト、Ｕ３……第３ユニツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開閉弁２７が介在されるガス供給管路２８を経
   て燃料ガスが供給される燃焼機器３，４と、 燃焼機器３，４の上方に設けられるフード５
   と、 フード５からの排ガスを屋外へ導くダクト６
   と、 フード５の内方に設けられ、前記排ガスの温度
   を検出する火災感知器１７，３０と、 フード５の内方に設けられ、火災感知器１７，
   ３０からの出力に基づいて消火剤を噴射するため
   のノズル１８，１９，３１，３２と、 前記消火剤が充填される容器２２と、 この容器２２に接続される容器弁２３と、 フード５に設けられ、前記容器弁２３とノズル
   １８，１９，３１，３２とを接続する消火剤供給
   用管路２４と、 前記火災感知器１７，３０からの出力に応答し
   て、前記容器弁２３を開いて容器２２内の消火剤
   をノズル１８，１９，３１，３２から噴射し、消
   火剤の噴射前または噴射と同時に前記開閉弁２７
   を閉じて燃焼機器３，４への燃料ガスの供給を遮
   断するように制御する制御回路２１と、 前記容器２２、容器弁２３、および制御回路２
   １が収納される耐熱性を有するケース２９とを含
   み、 前記ケース２９は断熱部材１６を介してフード
   ５の外周面または内周面に取付けられ、 前記火災感知器１７，３０と、ノズル１８，１
   ９，３１，３２と、消火剤供給用管路２４と、前
   記容器２２、容器弁２３および制御回路２１が収
   納されたケース２９とが予め取付けられた前記フ
   ード５を、ダクト６に連結することを特徴とする
   厨房用消火装置。