JPH0510773A - 光フアイバコイル及びそれを有する光回転検出装置 - Google Patents

光フアイバコイル及びそれを有する光回転検出装置

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JPH0510773A
JPH0510773A JP16549191A JP16549191A JPH0510773A JP H0510773 A JPH0510773 A JP H0510773A JP 16549191 A JP16549191 A JP 16549191A JP 16549191 A JP16549191 A JP 16549191A JP H0510773 A JPH0510773 A JP H0510773A
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JP
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bobbin
optical fiber
light
wound
optical
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JP16549191A
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English (en)
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Yuko Takei
優子 竹居
Yoshinori Takeuchi
喜則 武内
Hidehiko Negishi
英彦 根岸
Yoshihiko Honjiyouya
義彦 本庄谷
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
    • G02B6/4439Auxiliary devices
    • G02B6/4457Bobbins; Reels

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検物体の回転状態を光を用いて検出する光
回転検出装置に関し、温度変化時の回転出力の零点ドリ
フトを低減する光ファイバコイルの構成及び実装法を提
案する。 【構成】 光ファイバを巻回したボビンが、前記ボビン
の中心軸方向に関して前記ボビンを2等分し前記中心軸
に垂直な面内にあり、前記ボビンの外周面または内周面
から突出した部分で、架台に取付けられている光ファイ
バコイルおよびそれを有する光回転検出装置であり、光
ファイバコイルを通過することによって生じる左右両回
り光間の偏光状態の差が小さくなり、左右両回り光の干
渉出力、すなわち、光ファイバジャイロの回転出力の零
点ドリフトが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動体等に使用される
光回転検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】角速度センサとして使用されるジャイロ
からは、角速度だけでなく、それを積分することによ
り、方位のデータも得ることができる。そのようなジャ
イロの内で、光ファイバジャイロは可動部が全くなく且
つ小型化が可能であり、更に最小検出可能角速度(感
度)、ドリフト、可測範囲(ダイナミックレンジ)、ス
ケールファクタの安定性において、従来のジャイロに比
較して優れているために、近年注目され、開発されてい
る。
【0003】次に、位相変調方式光ファイバジャイロを
例にとり、図5を用いて、その原理を説明する。
【0004】半導体レーザのような発光素子である光源
1からの光は、光路101、カプラ2、光路102を経
て、偏光子4に入力され、偏光子4を通過した光は、光
路104を介してカプラ5に入力され、そこで光路10
5と光路107にそれぞれ均等に分けられる。光路10
5に入力された光は、光ファイバコイル6を右回りに通
過し、光路106、位相変調器7、光路107を、この
順に通過してカプラ5に入力される。前記カプラ5にお
いて二分岐され、光路107に入力された光は、上述の
光波と全く逆方向に進行する。つまり、位相変調器7、
光路106をこの順に通過した光は光ファイバコイル6
を左回りに伝搬後、光路105を通過し、カプラ5に入
力される。つまり、カプラ5で、互いに逆方向に二分岐
された光波は、光ファイバコイル6を伝搬後、再度カプ
ラ5で結合される。結合された光は光路104を通過
後、偏光子4、光路102、カプラ2を逆方向に伝搬し
て、光路103により、フォトダイオード3に入力され
電気信号に変換される。
【0005】光が光ファイバコイルを伝搬するとき、光
ファイバコイルが回転を受けていると、いわゆるサニャ
ック効果により、右回り光と左回り光とに位相差ができ
る。この位相差の検出は、右回り光と左回り光との干渉
光の信号成分を検出することによって行なう。
【0006】前記光ファイバコイルは、光ファイバジャ
イロの回転角速度に対応したサニャック位相差を得るも
のである。上記構成の光ファイバジャイロにおける光フ
ァイバコイルの構成および実装法を図6に示す。
【0007】従来例における光ファイバコイルの構成
は、ボビンに、一般に偏波面保存光ファイバを巻き付け
たものであり、光ファイバコイルのケースへの実装方法
は、光ファイバが巻回されたボビンの底面をケースとの
底面と接し、数点において、ボルト等のネジで固定する
ものである。光ファイバの巻き方としては、一般に図6
に示すような対称性を高めるための巻き方が採用されて
いる。図6において、ボビンに巻回された光ファイバの
全長に対する中央部を境界として前記光ファイバの全長
を二分する第一の部分及び第二の部分の光ファイバの断
面が、それぞれ白丸、黒丸で表されている。
【0008】光ファイバジャイロにおいて、測定する出
力信号は光ファイバコイルを右回りに回る光と左回りに
回る光との干渉出力であるので、両回り光の偏光状態
が、それぞれ変動しているとき、この光ファイバジャイ
ロの回転出力には誤差が生じる。上記構成の光ファイバ
ジャイロにおいて、左右両回り光の偏光状態を変動させ
る要因として最も大きいと思われるものは、光ファイバ
の密度及び光ファイバにかかる応力の変動による屈折率
の変動である。これはいずれも環境温度の変動に起因す
る。環境温度が変動すると、光ファイバの体積が変動
し、その部分のコア及びクラッドの密度がそれぞれ変化
し、これによって実効屈折率が変化する。また、光ファ
イバの体積と、光ファイバが巻回されたボビンの体積と
が異なった膨張率で増減することから、光ファイバにか
かる応力が発生し、光弾性効果により実効屈折率が変化
する。
【0009】図6に示した巻き方は、上記のような光フ
ァイバジャイロの特性を考慮し、両回り光の通過する光
路の環境温度を対称とすることで、光ファイバの密度及
び光ファイバにかかる応力を対称とし、左右両回り光の
結合される点において、両回り光の偏光状態の差を小さ
くするものであり、これによって、回転出力の誤差を低
減しようとするものである。しかし、カプラ5において
分割され、光路105と光路107に同時に入力された
光が、センシングループを通過後、同時にカプラ5に入
力されない場合、すなわち、位相変調がかかっている状
態や、光ファイバコイルが回転を受けているなどの状態
においては、回転出力の誤差を低減するためには、さら
に、光ファイバの密度及び光ファイバにかかる応力が、
一様であり、且つ時間的に不変である必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の光ファイバ
ジャイロにおいて、左右両回り光の偏光状態を変動させ
る要因として最も大きいと思われるものは、光ファイバ
の密度及び光ファイバにかかる応力の変動による屈折率
の変動である。これはいずれも環境温度の変動に起因
し、これが、場所によって一様でなかったり、時間的に
変動したりすると、左右両回り光の偏光状態が変動し、
光ファイバジャイロの回転出力に零点ドリフトを生じ
る。
【0011】従来例における図6の構成において、光フ
ァイバコイルは、ボビンの底面でケースに接している。
このため、環境温度が変化しているとき、空気に接する
ボビンの上部とケースに接するボビンの下部とは、その
温度に差が出る。これによって、光ファイバの密度及び
光ファイバにかかる応力が、一様でなくなる。
【0012】また、環境温度がボビン上部とボビン下部
とで一様であっても、ボビンの膨張率とケースの膨張率
が異なるため、ケースに固定されたボビン下部と、ボビ
ン上部とでは、その変形の仕方が異なり、光ファイバに
かかる応力に差が出る。
【0013】本発明は、光ファイバコイルの構成と実装
法に依存し左右両回り光の偏光状態を変動させる、上記
のような光路の温度特性を解消する、光ファイバコイル
の構成及び実装方法を提案し、光ファイバジャイロの零
点ドリフトを低減することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ファイバを巻回したボビンが、前記ボビン
の中心軸方向に関して前記ボビンを2等分する面内にあ
り、前記ボビンの外周面または内周面から突出した部分
で、架台に取付られている構成を有する光ファイバコイ
ルである。
【0015】また、この構成において、光ファイバを巻
回したボビンが、架台から所定の間隙を持って前記架台
に取付られている光ファイバコイルである。
【0016】また、これらのいづれか一方の構成に加え
て、ボビンに巻回された光ファイバの全長に対する中央
部が前記ボビンの最内層に配置され、前記光ファイバの
中央部を境界とする前記光ファイバの全長を二分する第
一及び第二の部分が、前記ボビンの全長を2等分する点
を通り前記ボビンの中心軸に垂直な平面で分けられるボ
ビン外周の第一及び第二の領域に対応させて独立に巻回
され、前記巻回された光ファイバの2(n+1)層目
(n=0、1、2…)において、前記ボビンの外周の第
一及び第二の領域のそれぞれに、巻回されている前記光
ファイバの第一及び第二の部分が、ともに前記ボビン外
周の内側、すなわち前記中心軸に垂直な平面に向かって
巻回され、2n+1層目では外側に向かって巻回されて
いる光ファイバコイルである。
【0017】一方、 光源と、ボビンに光ファイバを巻
回して構成され、前記光源から射出した光が所定光路を
経て入射しサニャック効果を生じるセンシングループ部
と、前記センシングループ部から射出した光を所定光路
を経て受光する受光手段とから成り、前記光ファイバを
巻回したボビンが、前記ボビンの中心軸方向に関して前
記ボビンを2等分する面内にあり、前記ボビンの外周面
または内周面から突出した部分で、架台に取付られてい
る光回転検出装置である。
【0018】また、この構成において、光ファイバを巻
回したボビンが、架台から所定の間隙を持って前記架台
に取付られている光回転検出装置である。
【0019】また、これらのいづれか一方の構成に加え
て、ボビンに巻回された光ファイバの全長に対する中央
部が前記ボビンの最内層に配置され、前記光ファイバの
中央部を境界とする前記光ファイバの全長を二分する第
一及び第二の部分が、前記ボビンの全長を2等分する点
を通り前記ボビンの中心軸に垂直な平面で分けられるボ
ビン外周の第一及び第二の領域に対応させて独立に巻回
され、前記巻回された光ファイバの2(n+1)層目
(n=0、1、2…)において、前記ボビンの外周の第
一及び第二の領域のそれぞれに、巻回されている前記光
ファイバの第一及び第二の部分が、ともに前記ボビン外
周の内側、すなわち前記中心軸に垂直な平面に向かって
巻回され、2n+1層目では外側に向かって巻回されて
いる光回転検出装置である。
【0020】ここで、この光回転検出装置は、光源から
射出した光を二分岐する第1のカプラと、前記第1のカ
プラにより分岐された光の一方が入射する偏光子と、前
記偏光子から射出した光を二分岐する第2のカプラとを
有し、センシングループ部が前記第2のカプラに結合さ
れ位相変調手段を少なくとも有し、受光手段が前記セン
シングループ部を経て前記第2のカップラに入射され2
分岐された光の一方であって、前記偏光子を通過し前記
第1のカプラで二分岐された光の一方を受光する光回転
検出装置である。
【0021】
【作用】本発明は上記構成により、ケースとボビンとが
結合される部分を、前記ボビンをその中心軸方向に関し
二等分する面内に設定することにより、光ファイバ及び
ボビンの各部分の温度が、従来例と比較して一様とな
り、両回り光の通過する光ファイバの密度及び光ファイ
バにかかる応力が一様となる。
【0022】また、ケースとボビンとを結合する部分の
位置を前記ボビン外周の第一の領域と第二の領域との境
界面に取ることにより、光ファイバコイルを構成する前
記ボビン外周の第一の領域の温度特性と第二の領域の温
度特性とが、前記第一の領域と第二の領域の境界面につ
いて対称となり、両回り光の通過する光ファイバの密度
及び光ファイバにかかる応力が対称となる。
【0023】以上の効果により、光ファイバコイルを通
過することによって生じる左右両回り光間の偏光状態の
差が小さくなり、左右両回り光の干渉出力、すなわち、
光ファイバジャイロの回転出力の零点ドリフトが低減さ
れる。
【0024】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例の詳細を
説明する。
【0025】(実施例1)図1は本発明の一実施例にお
ける光回転検出装置の模式図を示す。
【0026】図1において、1はスーパールミネッセン
トダイオードからなる光源であり、2は、光源1からの
光を二分岐するカプラであり、4は光の偏光方向を規定
するための偏光子(例えば積層型偏光子)で、5は偏光
子4により偏光された光を二分岐するためのカプラであ
る。
【0027】16は、ボビンに偏波面保存光ファイバを
巻回して構成した光ファイバコイルであり、サニャック
効果による位相差を得るためのものである。7は例えば
圧電振動子にシングルモード光ファイバを巻回して形成
した位相変調器で、通過する光に所定量の位相差を与え
るものである。3は伝搬された光を電気信号に変換する
フォトダイオードである。
【0028】本実施例において、光路101、102、
103、104、105、106、107、光ファイバ
コイル部分の光路、および、位相変調器部分の光路は、
全て偏波面保存光ファイバで構成されているが、これら
のうちいくつかをシングルモード光ファイバにかえても
かまわない。
【0029】次に図1に基づき、本光回転検出装置の動
作を、簡単に説明する。光源1より出力された光出力
は、光路101を通り、カプラ2に入力される。カプラ
2により、二分岐された光は、偏光状態を1方向のみに
規定する偏光子4、光路104を通過後、カプラ5に入
力される。カプラ5に入力された光は、光路105、1
07にそれぞれ均等に2分岐される。光路105への入
力光は、光ファイバコイル16を右回りに進行後、光路
106、位相変調器7、光路107をこの順に通過し、
カプラ5に逆方向で入力される。
【0030】ここで、位相変調器7は光ファイバコイル
の内で発生するサニャック位相の検出感度を高めるため
に、予め設定された光学的位相を付加する役割を担うも
のである。
【0031】また、前記カプラ5において二分岐され、
光路107に入力された光は、上述の光波と全く逆方向
に進行する。つまり、光路107、位相変調器7、光路
106をこの順序に通過した光は光ファイバコイル16
内を左回りに伝搬後、光路105を通過して、カプラ5
に入力される。つまり、カプラ5で、互いに逆方向に二
分岐された光波は、光ファイバコイル6を伝搬後、再度
カプラ5で結合される。結合された光は光路104を通
過後、偏光子4、光路102、カプラ2を逆方向に伝搬
して、光路103により、フォトダイオード3に入力さ
れ電気信号に変換される。
【0032】実施例1における、光ファイバコイルの構
成及び実装法を図1に示す。本実施例における光ファイ
バコイルの構成は、ボビンに、偏波面保存光ファイバを
巻き付けたものである。これはシングルモード光ファイ
バにかえてもかまわない。また、光ファイバの巻き方と
しては、従来例における図5の巻き方を採用した。
【0033】図2に示されるように、本実施例における
光ファイバコイルのケースへの実装法は、光ファイバを
巻回したボビンの外周面から突出した部分の一部と、ケ
ースとを結合するものであって、その結合される部分
は、前記ボビンをその中心軸方向に関して2等分する面
内にある。つまり結合部分をボビンの底面からの高さが
ボビンの厚みの約1/2であるボビン外周面上の部分と
している。
【0034】図3(a)において、光ファイバコイル
は、ボビン内周から突出した部分にネジ穴をあけ、ボビ
ンがケースに所定のか間隙を有し直接接触しない長さの
ナットをケース定部に固定し、ボルト等のネジとナット
の締結によりケースに固定されている。この突出部の、
ボビン内周との接点の位置が、ボビンの底面からの高さ
がボビンの厚みの約1/2の位置である。
【0035】この固定点は、前記突出部の計6点とした
が、実装に都合のよいように、何点にかえてもよく、突
出部のどの部分に取ることができる。突出部は、ボビン
外周内周いずれから突出したものでも良い。また、突出
部がなく、直接ボビン外周にネジ穴をあけるなどしてを
ケースと結合しても良い。固定はボルト等のネジである
必要はなく、ボビンをケースに固定するものであればな
んでも良い。また、ナットをゴム等の弾性部材で構成し
フロティング構造としてもよい。
【0036】一方で、突出部をボビン外周面に取り、前
記突出部をケース側面に接する形で固定するようにした
本実施例に若干の変更を加えた例が、図2(b)であ
る。
【0037】このように、ボビンとケースとの結合部分
の位置を底面からの高さがボビンの厚みのほぼ半分の位
置としケース定部からボビンを浮かすことにより、従来
例に比べ、光ファイバ及びボビンの各部分の温度が一様
となり、これによって、両回り光の通過する光ファイバ
の密度及び光ファイバにかかる応力が一様となる。
【0038】また、従来例においてはボビン底面が固定
されているため、環境温度がボビンの各部分で一様であ
っても、ボビンの膨張率とケースの膨張率との相違か
ら、ケースに固定されたボビン下部と、ボビン上部とで
は、その変形の仕方が異なり、光ファイバにかかる応力
に差が出るという難点があったが、上記構成により、ボ
ビンとケースとの結合部分の位置を前記ボビンをその中
心軸方向に関して2等分する面内に設定したことによ
り、ボビンの各部分の変形のしかたが、より一様とな
り、この応力の差は解消される。
【0039】光ファイバの密度及び光ファイバにかかる
応力が一様となったことで、光ファイバコイルを通過す
ることによって生じる温度変化時の左右両回り光間の偏
光状態の差は小さくなり、左右両回り光の干渉出力、す
なわち、光ファイバジャイロの回転出力の零点ドリフト
が低減される。
【0040】上記の構成における、静止状態での回転出
力、すなわち零点ドリフトの大きさは、従来例の構成に
おける零点ドリフトの大きさに対し、36%に低減され
た。なお得られた零点ドリフトの大きさは、図2(a)
と図2(b)とで示される構成において同等である。
【0041】(実施例2)図3は本発明の一実施例にお
ける光回転検出装置の模式図を示す。
【0042】図5において、1はスーパールミネッセン
トダイオードからなる光源であり、2は、光源1からの
光を二分岐するカプラであり、4は光の偏光方向を規定
するための偏光子(例えば積層型偏光子)で、5は偏光
子4により偏光された光を二分岐するためのカプラであ
る。
【0043】上記カプラ2、5としては、安価で信頼性
が高いシングルモード光ファイバを用いたファイバ型カ
プラを用いた。
【0044】26は、ボビンにシングルモード光ファイ
バを巻回して構成した光ファイバコイルであり、サニャ
ック効果による位相差を得るためのものである。7は例
えば圧電振動子にシングルモード光ファイバを巻回して
形成した位相変調器で、通過する光に所定量の位相差を
与えるものである。
【0045】8は、偏光解消手段であり、伝搬光を強制
的に無偏光化して、偏光状態の変動による不要干渉雑音
成分を取り除くことを目的として挿入されている。この
偏光解消手段としては、偏波面保存光ファイバの主軸角
を約45度傾斜させ融着させたLYOT(リョー)型の
ファイバタイプのデポラライザを用いた。この偏光解消
手段としては、光学的異方性を持つ結晶板などを、主軸
が約45度ずれるように組み合わせたものでもかまわな
い。また、この偏光解消手段の挿入位置はセンシングル
ープ内であればどこに取ってもかまわない。3は伝搬さ
れた光を電気信号に変換するフォトダイオードである。
【0046】本実施例において、光路101、102、
103、104、105、106、107、108、光
ファイバコイル部分の光路、および、位相変調器部分の
光路は、全てシングルモード光ファイバで構成されてい
るが、これらのうちいくつかを偏波面保存光ファイバに
かえてもかまわない。
【0047】次に図3に基づき、本光回転検出装置の動
作を、簡単に説明する。光源1より出力された光出力
は、光路101を通り、カプラ2に入力される。カプラ
2により、二分岐された光は、偏光状態を1方向のみに
規定する偏光子4、光路104を通過後、カプラ5に入
力される。カプラ5に入力された光は、光路105、1
07にそれぞれ均等に2分岐される。光路105への入
力光は、偏光解消手段8により無偏光化され、光路10
8を通過後、光ファイバコイル26を右回りに進行後、
光路106、位相変調器7、光路107をこの順に通過
し、カプラ5に逆方向で入力される。
【0048】ここで、位相変調器7は光ファイバコイル
の内で発生するサニャック位相の検出感度を高めるため
に、予め設定された光学的位相を付加する役割を担うも
のである。
【0049】また、前記カプラ5において二分岐され、
光路107に入力された光は、上述の光波と全く逆方向
に進行する。つまり、光路107、位相変調器7、光路
106をこの順序に通過した光は光ファイバコイル26
内を左回りに伝搬後、光路108を通過し、偏光解消手
段8により無偏光化され、光路105を通過して、カプ
ラ5に入力される。つまり、カプラ5で、互いに逆方向
に二分岐された光波は、光ファイバコイル26を伝搬
後、再度カプラ5で結合される。結合された光は光路1
04を通過後、偏光子4、光路102、カプラ2を逆方
向に伝搬して、光路103により、フォトダイオード3
に入力され電気信号に変換される。
【0050】実施例2における光ファイバの巻き方を図
4に示す。図4において、ボビンに巻回された光ファイ
バの全長に対する中央部を境界として前記光ファイバの
全長を二分する第一の部分及び第二の部分の光ファイバ
の断面が、それぞれ白丸、黒丸で表されている。その巻
回の仕方は以下の通りである。
【0051】ボビンに巻回された光ファイバの全長に対
する中央部を境界として、前記光ファイバを第一の部分
及び第二の部分に分け、また、ボビン全長を2等分する
点を通りボビンの中心軸に垂直な平面を境界として、ボ
ビン外周を第一の領域及び第二の領域に分ける。前記中
央部を最内層に置き、前記第一の部分は前記第一の領域
に、前記第二の部分は前記第二の領域に対応させ、それ
ぞれ独立に巻回する。このとき、巻回された光ファイバ
の2(n+1)層目(n=0、1、2…)において、前
記ボビンの外周の第一及び第二の領域のそれぞれに巻回
されている前記光ファイバの第一及び第二の部分が、い
ずれも前記ボビン外周の内側、すなわち前記中心軸に垂
直な平面に向かって巻回され、2n+1層目では外側に
向かって巻回されている。
【0052】本実施例における光ファイバコイルのケー
スへの実装法は、図4に示されるように、前記ボビン外
周の第一の領域と第二の領域との境界との仕切り部と、
ケースとを結合するものである。
【0053】図4(a)において、光ファイバコイル
は、前記ボビン外周の第一の領域と第二の領域との境界
につけられた仕切部にネジ穴をあけ、ボビンがケースに
所定の間隙を有し直接接触しない長さのナットをケース
定部に固定し、ボルト等のネジとナットを締結すること
によってケースに固定されている。固定点は、前記突出
部の計6点とした。
【0054】この固定点は、実装に都合のよいように、
何点にかえてもよく、突出部のどの部分に取ることがで
きる。突出部は、ボビン外周内周いずれから突出したも
のでも良い。また、突出部がなく、直接ボビン外周にネ
ジ穴をあけるなどしてケースと結合しても良い。固定は
ボルト等のネジである必要はなく、ボビンをケースに固
定するものであればなんでも良い。また、ナットを弾性
部材で形成しフローティング構造としてもよい。
【0055】一方で、突出部をボビン外周面に取り、前
記突出部をケース側面に接する形で固定するようにした
本実施例に若干の変更を加えた例が、図4(b)であ
る。
【0056】この固定方法により、光ファイバコイルを
構成する前記ボビンの第一の領域の温度特性と前記第二
の領域の温度特性は、前記ボビン外周の第一の領域と第
二の領域との境界面について対称となり、両回り光の通
過する光ファイバの密度及び光ファイバにかかる応力が
対称となる。また、ボビンとケースとを結合する部分を
ボビン底面に取った従来例に比べ、ボビンの各部分の温
度差が小さくなり、両回り光の通過する光ファイバの密
度及び光ファイバにかかる応力が一様となる。
【0057】加えて、従来例においてはボビン底面が固
定されているため、ボビンの膨張率とケースの膨張率と
の相違から、ケースに固定されたボビン下部と、ボビン
上部とでは、その変形の仕方が異なり、光ファイバにか
かる応力に差が出るという難点があったが、これも実施
例2の構成により、ボビンの各部分の変形を前記ボビン
外周の第一の領域と第二の領域との境界面について対称
とし、より一様とすることで解消される。
【0058】このように、実施例2の光ファイバの構成
及び固定法により、左右両回り光の通過する光ファイバ
の密度及び光ファイバにかかる応力は、対称且つ一様と
なる。
【0059】また、光ファイバの密度及び光ファイバに
かかる応力の時間的変動については、光ファイバジャイ
ロは、もともと、環境温度の定常状態において機能させ
るものではないので、これを抑えることはできない。し
たがって、実施例2においては、偏光解消装置を挿入
し、ここにおいて、左右両回り光を無偏光化することに
より、光ファイバの密度及び光ファイバにかかる応力が
時間的に変動しても、左右両回り光の干渉強度が変動し
ない構成とした。
【0060】以上の効果により、左右両回り光の干渉強
度の変動、すなわち、光ファイバジャイロの回転出力の
零点ドリフトが低減される。
【0061】上記の構成における、静止状態での回転出
力、すなわち零点ドリフトは、従来例の構成における零
点ドリフトの大きさに対し、13%に低減された。ま
た、実施例2の構成、すなわち偏光解消装置を挿入した
構成において、実施例2における光ファイバコイルを従
来例のコイルの実装法によって実装したときの零点ドリ
フトと比較しても、11%に低減された。
【0062】
【発明の効果】以上要するに、光ファイバジャイロに用
いる光ファイバコイルの構成及び固定法として、実施例
1の構成及び固定法を採用することにより、光ファイバ
コイルを構成する光路の個々の部分の特性の差が小さく
なり、結果として、光ファイバコイルを通過することに
よって生じる温度変化時の左右両回り光間の偏光状態の
差は小さくなる。
【0063】また、実施例2の構成および固定法方法を
採用することにより、光ファイバコイルを構成する前記
ボビン外周の第一の領域の温度特性と第二の領域の光路
の温度特性が、前記ボビン外周の第一の領域と第二の領
域との境界面について対称となる。これによって、左右
両回り光がほぼ同じ順に同じ状態の光路を通過すること
になり、光ファイバコイルを通過することによって生じ
る温度変化時の左右両回り光間の偏光状態の差は小さく
なる。
【0064】左右両回り光間の偏光状態の差が小さくな
ることによって、左右両回り光の干渉出力、すなわち、
光ファイバジャイロの回転出力の零点ドリフトが低減さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における光回転検出装置の模
式図
【図2】(a)本発明の第1の実施例における、光ファ
イバコイルとケースとの結合部分がボビンの内側とケー
スの底面である光ファイバコイルの模式図 (b)本発明の第1の実施例における、光ファイバコイ
ルとケースとの結合部分がボビンの外側とケースの側面
である光ファイバコイルの模式図
【図3】本発明の実施例2における光回転検出装置の模
式図
【図4】(a)本発明の第2の実施例における、光ファ
イバコイルとケースとの結合部分がボビンの内側とケー
スの底面である光ファイバコイルの模式図 (b)本発明の第2の実施例における、光ファイバコイ
ルとケースとの結合部分がボビンの外側とケースの側面
である光ファイバコイルの模式図
【図5】従来例における光回転検出装置の模式図
【図6】従来例における光ファイバコイルの模式図
【符号の説明】
1 光源 2 カプラ 3 フォトダイオード 4 偏光子 5 カプラ 6 光ファイバコイル 7 位相変調器 8 偏光解消手段 11 光ファイバ 12 ボビン 13 ネジ 14 ナット 15 ケース 16 光ファイバコイル 21 光ファイバ 22 ボビン 25 ケース 26 光ファイバコイル 31 光ファイバ 32 ボビン 33 ネジ 34 ナット 35 ケース 41 光ファイバ 42 ボビン 45 ケース 51 光ファイバ 52 ボビン 53 ネジ 55 ケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本庄谷 義彦 神奈川県横浜市港北区綱島東4丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバを巻回したボビンが、前記ボ
    ビンの中心軸方向に関して前記ボビンを2等分する面内
    にあり、前記ボビンの外周面または内周面から突出した
    部分で、架台に取付られている光ファイバコイル。
  2. 【請求項2】 光ファイバを巻回したボビンが、架台か
    ら所定の間隙を持って前記架台に取付られている請求項
    1記載の光ファイバコイル。
  3. 【請求項3】 ボビンに巻回された光ファイバの全長に
    対する中央部が前記ボビンの最内層に配置され、前記光
    ファイバの中央部を境界とする前記光ファイバの全長を
    二分する第一及び第二の部分が、前記ボビンの全長を2
    等分する点を通り前記ボビンの中心軸に垂直な平面で分
    けられるボビン外周の第一及び第二の領域に対応させて
    独立に巻回され、前記巻回された光ファイバの2(n+
    1)層目(n=0、1、2…)において、前記ボビンの
    外周の第一及び第二の領域のそれぞれに、巻回されてい
    る前記光ファイバの第一及び第二の部分が、ともに前記
    ボビン外周の内側、すなわち前記中心軸に垂直な平面に
    向かって巻回され、2n+1層目では外側に向かって巻
    回されている請求項1または2記載の光ファイバコイ
    ル。
  4. 【請求項4】 光源と、ボビンに光ファイバを巻回して
    構成され、前記光源から射出した光が所定光路を経て入
    射しサニャック効果を生じるセンシングループ部と、前
    記センシングループ部から射出した光を所定光路を経て
    受光する受光手段とから成り、前記光ファイバを巻回し
    たボビンが、前記ボビンの中心軸方向に関して前記ボビ
    ンを2等分する面内にあり、前記ボビンの外周面または
    内周面から突出した部分で、架台に取付られている光回
    転検出装置。
  5. 【請求項5】 光源から射出した光を二分岐する第1の
    カプラと、前記第1のカプラにより分岐された光の一方
    が入射する偏光子と、前記偏光子から射出した光を二分
    岐する第2のカプラとを有し、センシングループ部が前
    記第2のカプラに結合され偏光解消手段と位相変調手段
    とを有し、受光手段が前記センシングループ部を経て前
    記第2のカップラに入射され2分岐された光の一方は、
    前記偏光子を通過し前記第1のカプラで二分岐された光
    の一方を受光する請求項4記載の光回転検出装置。
  6. 【請求項6】 光ファイバを巻回したボビンが、架台か
    ら所定の間隙を持って前記架台に取付られている請求項
    4記載の光ファイバコイル。
  7. 【請求項7】 ボビンに巻回された光ファイバの全長に
    対する中央部が前記ボビンの最内層に配置され、前記光
    ファイバの中央部を境界とする前記光ファイバの全長を
    二分する第一及び第二の部分が、前記ボビンの全長を2
    等分する点を通り前記ボビンの中心軸に垂直な平面で分
    けられるボビン外周の第一及び第二の領域に対応させて
    独立に巻回され、前記巻回された光ファイバの2(n+
    1)層目(n=0、1、2…)において、前記ボビンの
    外周の第一及び第二の領域のそれぞれに、巻回されてい
    る前記光ファイバの第一及び第二の部分が、ともに前記
    ボビン外周の内側、すなわち前記中心軸に垂直な平面に
    向かって巻回され、2n+1層目では外側に向かって巻
    回されている請求項4または6記載の光ファイバコイ
    ル。
JP16549191A 1991-07-05 1991-07-05 光フアイバコイル及びそれを有する光回転検出装置 Pending JPH0510773A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022254724A1 (ja) * 2021-06-04 2022-12-08 住友電気工業株式会社 配線モジュール、配線モジュール用の枠体、および配線モジュールの形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022254724A1 (ja) * 2021-06-04 2022-12-08 住友電気工業株式会社 配線モジュール、配線モジュール用の枠体、および配線モジュールの形成方法
US12105339B2 (en) 2021-06-04 2024-10-01 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Wiring module, frame body for wiring module, and forming method for forming wiring module

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