JPH05105882A - カーボンブラツク用原料油の製造方法 - Google Patents
カーボンブラツク用原料油の製造方法Info
- Publication number
- JPH05105882A JPH05105882A JP29360991A JP29360991A JPH05105882A JP H05105882 A JPH05105882 A JP H05105882A JP 29360991 A JP29360991 A JP 29360991A JP 29360991 A JP29360991 A JP 29360991A JP H05105882 A JPH05105882 A JP H05105882A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- raw material
- carbon black
- heavy oil
- tar
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- Working-Up Tar And Pitch (AREA)
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
Abstract
(57)【要約】
〔構成〕タール系重質油とタールピッチとからなる組成
物から遠心分離により沈澱物を除去してキノリン不溶分
含有量を0.1重量%以下とする 〔効果〕カーボンブラックを製造する際のコークスグリ
ッド発生の原因となる物質を容易に除去できる。
物から遠心分離により沈澱物を除去してキノリン不溶分
含有量を0.1重量%以下とする 〔効果〕カーボンブラックを製造する際のコークスグリ
ッド発生の原因となる物質を容易に除去できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカーボンブラック用原料
油の製造方法に係り、詳しくは原料としてタールピッチ
を使用して高品質のカーボンブラック用原料油を製造す
る方法に関する。
油の製造方法に係り、詳しくは原料としてタールピッチ
を使用して高品質のカーボンブラック用原料油を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラック用原料油としては、コ
ールタールの分留によって得られる重質油(クレオソー
ト油、アントラセン油)、ピッチコークスを製造する際
に副生する重質油、ナフサ分解によって得られる残渣油
(エチレンボトム油)等の特定の石炭系又は石油系の重
質油が使用されているが、いずれも、タール蒸留工業や
石油化学工業の趨勢によって供給量が影響されるため、
安定確保が十分に保証されているとは言えない。そのた
め、従来から、コールタール蒸留の残渣であるタールピ
ッチをカーボンブラックの原料として使用することが試
みられているが、キノリン不溶分(以下「QI」とい
う。)やコークス残分の含有量が多いため、カーボンブ
ラック製造時にこれらがコークス化してできる粒子、い
わゆるコークスグリッドとなり、カーボンブラック中に
残存するという問題がある。そのため、大量のクレオソ
ート油等と混合して希釈して使用したり(特公昭62−
20228号公報)、溶剤抽出法によりQIやコークス
残分を除去する(特公昭59−29631号公報)必要
があった。前者では、原料の安定確保という目的に照ら
し合わせた場合に不十分であり、後者では煩雑な処理が
必要であるという欠点がある。
ールタールの分留によって得られる重質油(クレオソー
ト油、アントラセン油)、ピッチコークスを製造する際
に副生する重質油、ナフサ分解によって得られる残渣油
(エチレンボトム油)等の特定の石炭系又は石油系の重
質油が使用されているが、いずれも、タール蒸留工業や
石油化学工業の趨勢によって供給量が影響されるため、
安定確保が十分に保証されているとは言えない。そのた
め、従来から、コールタール蒸留の残渣であるタールピ
ッチをカーボンブラックの原料として使用することが試
みられているが、キノリン不溶分(以下「QI」とい
う。)やコークス残分の含有量が多いため、カーボンブ
ラック製造時にこれらがコークス化してできる粒子、い
わゆるコークスグリッドとなり、カーボンブラック中に
残存するという問題がある。そのため、大量のクレオソ
ート油等と混合して希釈して使用したり(特公昭62−
20228号公報)、溶剤抽出法によりQIやコークス
残分を除去する(特公昭59−29631号公報)必要
があった。前者では、原料の安定確保という目的に照ら
し合わせた場合に不十分であり、後者では煩雑な処理が
必要であるという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、原料
としてタールピッチを使用し高品質のカーボンブラック
用原料油を簡便に製造できる方法を提供することにあ
る。
としてタールピッチを使用し高品質のカーボンブラック
用原料油を簡便に製造できる方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための課題】上記のような課題を解決
するため鋭意研究したところ、タールピッチ中には重質
油に溶解しない成分が存在すること、この溶解しない成
分がコークスグリットの生成と密接に関係すること、タ
ールピッチを重質油と配合した組成物を遠心分離にかけ
ることによりこの溶解しない成分を沈殿物として容易に
除去できることを見出して本発明を解決した。
するため鋭意研究したところ、タールピッチ中には重質
油に溶解しない成分が存在すること、この溶解しない成
分がコークスグリットの生成と密接に関係すること、タ
ールピッチを重質油と配合した組成物を遠心分離にかけ
ることによりこの溶解しない成分を沈殿物として容易に
除去できることを見出して本発明を解決した。
【0005】すなわち、本発明は、ピッチコークスを製
造する際に副生する重質油又はコールタールを分留して
得られる重質油とコールタールの蒸留残渣であるタール
ピッチとを重量比が1:9〜9:1となる割合で配合し
てキノリン不溶分含有量が0.2重量%以上の組成物を
得、遠心分離により前記組成物から沈澱物を除去してキ
ノリン不溶分含有量が0.1重量%以下の炭化水素物質
を回収することを特徴とするカーボンブラック用原料油
の製造方法である。
造する際に副生する重質油又はコールタールを分留して
得られる重質油とコールタールの蒸留残渣であるタール
ピッチとを重量比が1:9〜9:1となる割合で配合し
てキノリン不溶分含有量が0.2重量%以上の組成物を
得、遠心分離により前記組成物から沈澱物を除去してキ
ノリン不溶分含有量が0.1重量%以下の炭化水素物質
を回収することを特徴とするカーボンブラック用原料油
の製造方法である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用する重質油は、ピッチコークスを製造する際に副生
するもの又はコールタールを蒸留して得られるものであ
り、具体的には、クレオソート油、アントラセン油など
があり、通常、単独でカーボンブラックの原料として使
用されているものを使用できる。ただし、本発明におい
ては、比重〔100/4℃〕が1.01〜1.14、粘
度〔c.p.at80℃〕が100以下、初留点が18
0℃以上、QIが0.6重量%以下、コークス残分が1
4重量%以下のものを使用するのが好ましい。
使用する重質油は、ピッチコークスを製造する際に副生
するもの又はコールタールを蒸留して得られるものであ
り、具体的には、クレオソート油、アントラセン油など
があり、通常、単独でカーボンブラックの原料として使
用されているものを使用できる。ただし、本発明におい
ては、比重〔100/4℃〕が1.01〜1.14、粘
度〔c.p.at80℃〕が100以下、初留点が18
0℃以上、QIが0.6重量%以下、コークス残分が1
4重量%以下のものを使用するのが好ましい。
【0007】本発明で使用するタールピッチには特別な
制限はなく、コールタールを蒸留して軽油、中油、クレ
オソート油、アントラセン油などの各留分を分留すると
きに得られる残留物即ち蒸留残渣であり、例えばJIS
K−2439−1983に規定されている一般用タール
ピッチを使用することができる。
制限はなく、コールタールを蒸留して軽油、中油、クレ
オソート油、アントラセン油などの各留分を分留すると
きに得られる残留物即ち蒸留残渣であり、例えばJIS
K−2439−1983に規定されている一般用タール
ピッチを使用することができる。
【0008】本発明では、重質油とタールピッチとを重
量比が1:9〜9:1好ましくは2:8〜5:5となる
割合で配合する。このとき得られる組成物は、QIが
0.2重量%以上であるため、このままではカーボンブ
ラック原料油として使用することは好ましくない。本発
明では、遠心分離によりこの組成物からタールピッチに
由来し重質油に溶解しない成分を沈殿物として除去す
る。遠心分離の条件としては、温度が常温〜290℃好
ましくは100〜250℃、Gが20〜15000好ま
しくは5000〜12000となる範囲が好ましく、分
離時間はGが大きい程、短くすることができ、重質油と
タールピッチとの配合割合により異なるが通常20秒〜
15分でよい。このとき除去される沈殿物の量は通常1
〜5重量%好ましくは1.5〜3.5重量%である。
量比が1:9〜9:1好ましくは2:8〜5:5となる
割合で配合する。このとき得られる組成物は、QIが
0.2重量%以上であるため、このままではカーボンブ
ラック原料油として使用することは好ましくない。本発
明では、遠心分離によりこの組成物からタールピッチに
由来し重質油に溶解しない成分を沈殿物として除去す
る。遠心分離の条件としては、温度が常温〜290℃好
ましくは100〜250℃、Gが20〜15000好ま
しくは5000〜12000となる範囲が好ましく、分
離時間はGが大きい程、短くすることができ、重質油と
タールピッチとの配合割合により異なるが通常20秒〜
15分でよい。このとき除去される沈殿物の量は通常1
〜5重量%好ましくは1.5〜3.5重量%である。
【0009】なお、本発明で規定するコークス残分及び
QIはJISK−2524−1983によって測定した
値である。ただし、QIはJISK−2524−198
3のうち13.2「遠心分離法」により測定した値であ
る。本発明のカーボンブラック用原料油は、クレオソー
ト油、アントラセン油、エチレンボトム油等の他の原料
油と混合して使用することもできる。
QIはJISK−2524−1983によって測定した
値である。ただし、QIはJISK−2524−198
3のうち13.2「遠心分離法」により測定した値であ
る。本発明のカーボンブラック用原料油は、クレオソー
ト油、アントラセン油、エチレンボトム油等の他の原料
油と混合して使用することもできる。
【0010】
実施例1〜3 比重〔100/4℃〕が1.211、QI含有量が3.
01重量%のタールピッチとピッチコークスを製造する
際に副生する重質油から分留して得た比重〔100/4
℃〕が1.086、QI含有量が0.12重量%の重質
油とを重量比が30:70、50:50、70:30に
なる割合で配合してQI含有量が0.987〜2.14
3重量%、コンラドソン残炭分含有量が13.0〜2
2.8重量%の組成物を得、温度が150℃、Gが11
067の条件で遠心分離してこの組成物から不溶解成分
を沈殿物として除去した。この際の除去量は1.66重
量%、3.35重量%、5.00重量%であった。得ら
れた炭化水素物質を原料として、ファーネス法によりH
AF級のカーボンブラックを製造したところコークスグ
リットの発生量はいずれも1000ppm以下であっ
た。これは、実用上問題のない範囲である。
01重量%のタールピッチとピッチコークスを製造する
際に副生する重質油から分留して得た比重〔100/4
℃〕が1.086、QI含有量が0.12重量%の重質
油とを重量比が30:70、50:50、70:30に
なる割合で配合してQI含有量が0.987〜2.14
3重量%、コンラドソン残炭分含有量が13.0〜2
2.8重量%の組成物を得、温度が150℃、Gが11
067の条件で遠心分離してこの組成物から不溶解成分
を沈殿物として除去した。この際の除去量は1.66重
量%、3.35重量%、5.00重量%であった。得ら
れた炭化水素物質を原料として、ファーネス法によりH
AF級のカーボンブラックを製造したところコークスグ
リットの発生量はいずれも1000ppm以下であっ
た。これは、実用上問題のない範囲である。
【0011】比較例1 比重〔100/4℃〕が1.211、QI含有量が2.
50重量%のタールピッチとピッチコークスを製造する
際に副生する重質油から分留して得た比重〔100/4
℃〕が1.086、QI含有量が0.00重量%の重質
油とを重量比が30:70になる割合で配合してQI含
有量が0.75重量%、コンラドソン残炭分含有量が1
4.5重量%の組成物を得た。得られた炭化水素物質を
原料として、ファーネス法によりHAF級のカーボンブ
ラックを製造したところコークスグリットの発生量は5
164ppmであり、ゴム物性の耐摩耗性を劣化させる
みのであった。
50重量%のタールピッチとピッチコークスを製造する
際に副生する重質油から分留して得た比重〔100/4
℃〕が1.086、QI含有量が0.00重量%の重質
油とを重量比が30:70になる割合で配合してQI含
有量が0.75重量%、コンラドソン残炭分含有量が1
4.5重量%の組成物を得た。得られた炭化水素物質を
原料として、ファーネス法によりHAF級のカーボンブ
ラックを製造したところコークスグリットの発生量は5
164ppmであり、ゴム物性の耐摩耗性を劣化させる
みのであった。
【0012】実施例4 ピッチコークスを製造する際に副生する重質油に替え
て、比重〔100/4℃〕が1.086、QI含有量が
0.00重量%のクレオソート油を使用して実施例1〜
3と同様に行っても、コークスグリットの発生量はいず
れも1000ppm以下であった。
て、比重〔100/4℃〕が1.086、QI含有量が
0.00重量%のクレオソート油を使用して実施例1〜
3と同様に行っても、コークスグリットの発生量はいず
れも1000ppm以下であった。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、タールピッチを使用し
て、カーボンブラック製造時にコークスグリットの発生
量が少ない原料油を簡便に製造することができる。
て、カーボンブラック製造時にコークスグリットの発生
量が少ない原料油を簡便に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗原 正樹 福岡県北九州市小倉北区中井2丁目4−3 −305
Claims (1)
- 【請求項1】 ピッチコークスを製造する際に副生する
重質油又はコールタールを分留して得られる重質油とコ
ールタールの蒸留残渣であるタールピッチとを重量比が
1:9〜9:1となる割合で配合してキノリン不溶分含
有量が0.2重量%以上の組成物を得、遠心分離により
前記組成物から沈澱物を除去してキノリン不溶分含有量
が0.1重量%以下の炭化水素物質を回収することを特
徴とするカーボンブラック用原料油の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29360991A JPH05105882A (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | カーボンブラツク用原料油の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29360991A JPH05105882A (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | カーボンブラツク用原料油の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105882A true JPH05105882A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17796931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29360991A Withdrawn JPH05105882A (ja) | 1991-10-14 | 1991-10-14 | カーボンブラツク用原料油の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05105882A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102295946A (zh) * | 2010-06-28 | 2011-12-28 | 上海宝钢化工有限公司 | 一种焦油改性方法 |
JP2013064051A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Tokai Carbon Co Ltd | カーボンブラック用原料油の製造方法 |
-
1991
- 1991-10-14 JP JP29360991A patent/JPH05105882A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102295946A (zh) * | 2010-06-28 | 2011-12-28 | 上海宝钢化工有限公司 | 一种焦油改性方法 |
JP2013064051A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Tokai Carbon Co Ltd | カーボンブラック用原料油の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990107 |