JPH0510538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は音響機器、映像機器、その他各種の家
庭用機器、および産業用機器に使用される小型直
流モータに関するものである。

従来の技術 近年、小型直流モータは小型化、低価格化、低
電気雑音レベルが要望されている。

以下図面を参照しながら、上述したような従来
の小型直流モータについて説明する。

第５図および第６図は従来の小型直流モータを
示す。図において、１は内面に界磁マグネツト２
が固着されたフレームで、端部開口にはブラケツ
ト３が取付けられている。４は軸受５にて回転自
在に支持されたシヤフトで、電機子コイル６が巻
装された電機子コア７が取付けられている。８は
シヤフト４に取付けられた整流子でそのセグメン
ト８ａにブラシ９が摺接している。１０はブラシ
９と電源入力端子１１との間に電気的に接続され
た電気雑音吸収用のトロイダルコイルで、合成樹
脂製のブラケツト３に装備されている。このトロ
イダルコイル１０によりインダクタンス成分を作
り、電気雑音を吸収する。第８図にトロイダルコ
イル１０の詳細を示す。

１０ａはソフトフエライト系のリング状コアで
あり、１０ｂは前記リング状コア１０ａに巻回す
るチヨークコイル線である。第７図は整流子８の
詳細図で、整流子モールド部８ｃ、セグメント部
８ａ、ライザ部８ｂから構成され、電機子コイル
６の引き出し線６ａがライザ部８ｂに半田１２に
て結合される。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成で、電気雑音を
さけるためにはトロイダルコイル１０を２個使用
する必要があり、部品点数がふえコスト高になる
という問題点を有していた。

本考案は上記問題点に鑑み、電気雑音吸収のた
めの部品点数を削減して組立作業性を良好にでき
るとともに、コストダウンを達成できる小型直流
モータを提供するものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本考案の小型直
流モータは整流子のライザの一部にソフトフエラ
イト系の高磁性体コアを設け、そのコアにチヨー
クコイル線として兼用してなる電機子巻線コイル
の引き出し線を数回巻き付けて、巻線抵抗成分と
インダクタンス成分を構成し、この巻線抵抗成分
とインダクタンス成分を整流子片とブラシ間の接
触抵抗と各相の電機子巻線との間に直列に接続さ
れた構成を備えたものである。

作 用 一般に整流子モータは整流子片とブラシ間に数
10〜数100ｍΩの接触抵抗を有しており、整流時
に生ずる接触抵抗の変化と電機子巻線のインダク
タンス変化によつて火花を発生し、この整流火花
によつて電気雑音は発生する。本考案は上記した
構成によつて整流子のライザの一部に構成された
巻線抵抗成分とインダクタンス成分により整流火
花の原因である整流時の接触抵抗の変化分と電機
子巻線インダクタンス変化分を小さくするように
整流火花が発生する前に補償して整流火花を防止
し、電気雑音の発生を広帯域０〜100MHzにおい
て一律におさえることができる。

実施例 以下本考案の一実施例について、図面を参照し
ながら説明する。

第３図、第４図は本考案の第１の実施例におけ
る小型直流モータを示すものである。第１図、第
２図は整流子部の詳細図である。なお、上記従来
の達成と同一構成部分は同一符号を付しその説明
を省略する。図示する如く整流子８のライザ部８
ｂには、Mn−Zn系フエライト、Ni−Zn系フエ
ライト等のソフトフエライト系の高磁性体コア１
３が装着され、そのコア１３に、電機子コイル６
の引き出し線６ａを巻回した後、ライザ８ｂへ半
田１２にて接合している。

以上のように構成された小型直流モータについ
て、以下その動作について説明する。

整流子ライザ部に設けた巻線抵抗成分とインダ
クタンス成分を整流子片とブラシ間の接触抵抗と
各相の電機子巻線との間に直列に接続し、整流火
花の原因である整流時の接触抵抗の変化分と電機
子巻線のインダクタンス変化分を小さくおさえて
整流火花が発生する前に補償して整流火花の発生
を防止し、電気雑音を発生させないようにしてい
る。

よつて従来電気雑音防止用として使用していた２
個のトロイダルコイルを取り除くことができ、部
品点数が削減され生産性が向上し、コストダウン
が達成できる。

なお、第１図に示す実施例ではコア１３をライ
ザ部に挿入嵌合させて装着したが、第２図に示す
ようにソフトフエライトコア１３をライザ部８ｂ
にスポツト溶接および装着した構成でも、上述の
如く巻線抵抗成分とインダクタンス成分を得るこ
とができ、電気雑音を吸収することができる。

考案の効果 以上のように本考案は、整流子のライザ部に
Mn−Zn系フエライト、Ni−Zn系フエライト等
のソフトフエライト系高磁性体コアを配備し、こ
のコアにチヨークコイル線として兼用なる電機子
巻線コイルの引き出し線を巻回させて巻線抵抗成
分とインダクタンス成分を構成し、この巻線抵抗
成分とインダクタンス成分を整流子片とブラシ間
の接触抵抗と各相の電機子巻線との間に直列に接
続することにより、整流火花の原因である整流時
の接触抵抗の変化分と電機子巻線のインダクタン
ス変化分を小さくおさえることによつて、整流火
花の発生を防止し電気雑音を発生させないように
できる。

かつチヨーク芯に上述のソフトフエライト系高
磁性体コアを使用しているので高いインダクタン
スが構成でき、電気雑音において広帯域０〜
100MHzまで一律に防止できる。

そして従来の電気雑音防止用コンデンサの場合
は、ある特定周波数には有効だつたが広帯域０〜
100MHzにおいて一律に防止することはできなか
つたし、従来から電気雑音防止用として使用して
いたトロイダルコイルが不要になる。

またチヨークコイル線として電機子巻線コイル
の引き出し線を兼用しているので、新規のチヨー
クコイル線が不要となり、部品点数が削減され生
産性も向上しコストの低減に寄与できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例における小型直
流モータの整流子部の断面図、第２図は他の実施
例の断面図、第３図は本考案の第１の実施例にお
ける小型直流モータの断面図、第４図は第３図の
等価電気回路図、第５図は従来の小型直流モータ
の断面図、第６図は第５図の等価電気回路図、第
７図は第５図の整流子部の断面図、第８図は電気
雑音吸収用チヨークコイルの斜視図である。 ６……電機子コイル、６ａ……引き出し線、８
……整流子、８ｂ……ライザ部、１３……ソフト
フエライトコア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電機子整流子のライザ部に、ソフトフエライト
   系高磁性体コアを配備し、この高磁性体コアに電
   機子巻線コイルの引き出し線で巻回した巻線抵抗
   成分とインダクタンス成分を有してチヨークコイ
   ルを構成し、このチヨークコイルをブラシに接触
   する整流子と、各相の電機子巻線間に直列に接続
   した小型直流モータ。