JPH05104750A - 感熱転写記録装置のサーマルヘツド位置決め機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】サーマルヘッド前後位置と印字濃度との関係を
１枚の印字でリアルタイムに見ることにより、印字濃度
最高位置にサーマルヘッド位置決め調整して、細い線や
細かい文字をくっきりと印字することが可能な感熱転写
記録装置を提供する。 【構成】主軸１の一端にバネ部材１１他端におねじ部１
ａ等を設け、外周の一部または全周に外部動力伝達可能
な凹凸部を持ち内部にめねじ１０ａ等を施したサーマル
ヘッド位置決め移動部材１０を具備した感熱転写記録装
置のサーマルヘッド支持機構にて、印字中に外部動力に
より位置決め移動部材１０を前後に微小回転移動させサ
ーマルヘッドの発熱抵抗体２ａ’と印字濃度の関係をリ
アルタイムにみることにより、サーマルヘッド２ａを最
高濃度位置に位置決め調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラテンローラーとサ
ーマルヘッドを備え、該プラテンローラーと該サーマル
ヘッドの間に記録紙と転写フィルムを挟持して、重ね記
録を行なう感熱転写記録装置におけるサーマルヘッド位
置決め機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、図３，図４に示すようにプラテン
ローラー９と平行に機器本体一部に支持されたホルダー
３の中央に、一端が支持された前記軸１と、該軸１を中
心として軸受４より回動可能に支持され、抜け防止部材
６により軸の前後方向が規制された、前記サーマルヘッ
ド２の支持方法が知られていた。（特公平２−６１９１
０号 「熱転写記録装置」 ）

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図３のように記録紙８
とインク紙７をサーマルヘッド２とプラテンローラー９
の間に挟持する感熱記録において、サーマルヘッド２の
サーマルヘッドキバン部２ａの発熱抵抗体２ａ’のプラ
テンローラー９上の前後位置と印字濃度の関係は、図５
のようになる。通常、印字濃度が最高になるように（図
５のグラフの頂点Ｂの範囲）にサーマルヘッド２の位置
決めをするが、従来の方法では図１のようにサーマルヘ
ッド２が軸１に抜け防止部材６により、軸１に対して回
動可能であるが軸前後方向に固定されていたため、部品
精度が悪いとサーマルヘッド２の軸前後方向位置がばら
ついて、印字濃度が最高の位置でヘッドを位置決めする
ことが難しかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の問題点は、図３の
ように前記サーマルヘッド２が軸１にぬけ防止部材６に
よって、軸１の前後方向に固定されていたためであり、
これを解決するため図１に示すように軸１を中心として
回動可能に支持されたサーマルヘッド２の支持機構にお
いて、軸１一端におねじ部１ａと、内部にねめじ１０ａ
を有し図２のように外周の全周又は一部に等ピッチで施
された凹部１０ｃ，凸部１０ｂを有するサーマルヘッド
位置決め移動部材１０を具備し、他端にバネ部材１１を
設けたものである。

【０００５】

【作用】上記のように構成されたサーマルヘッド支持構
造では、図１において前記軸１一端の前記サーマルヘッ
ド位置決め移動部材１０を、該軸１に対して前後に移動
させ、移動分を前記バネ部材１１の撓みで受けることに
より、該サーマルヘッド位置決め移動部材１０の移動量
に同期して、軸１にはおねじ１ａ、サーマルヘッド位置
決め移動部材１０内にめねじ１０ａが細かいピッチで切
ってあるために、サーマルヘッド位置連続微小送り移動
調整が可能となる作用がある。さらに、図２のように前
記サーマルヘッド位置決め移動部材１０の外周の全周又
は一部に、等ピッチで凹部１０ｃ，凸部１０ｂを設けた
ことにより、外部動力手段１２との動力伝達が可能にな
る。印字中に前記サーマルヘッド位置決め移動部材１０
を外部動力手段１２を介して動かすことにより、同期し
て前記サーマルヘッド２の位置も移動する、このサーマ
ルヘッド位置変化による印字物の濃度変化が、図６のＤ
のようにリアルタイムに見ることが出来る作用もある。

【０００６】

【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づいて
説明する。図１，図２において３は図示していない印字
装置本体一部にヘッド圧着，解除出来るよう揺動可能に
支持されたホルダーであり、該ホルダー３の中央には軸
１の一端が固定されている。該軸１の一端にはおねじを
細かいピッチで切った部分１ａがあり、おねじ部１ａに
内部に同ピッチでめねじを切った部分１０ａがあり外周
の一部又は全周に外部動力伝達可能な凹部１０ｃ，凸部
１０ｂを有するサーマルヘッド位置決め移動部材１０が
具備されていて、サーマルヘッド２が該サーマルヘッド
２のホルダー部２ｂに該軸１を軸受４を介して通され、
回動可能な構成で支持されており、前記軸１の他端には
バネ部材１１が、抜け防止部材６によりサーマルヘッド
２の位置を係止するように、保持されたサーマルヘッド
支持機構である。これらの構成において、前記サーマル
ヘッド位置決め移動部材１０が、軸１に対して細かいピ
ッチのねじが切ってあるために、前後に微小回転移動す
ることができ、該サーマルヘッド２を同期して微小前後
移動させることで、該サーマルヘッド２の前記プラテン
ローラー９に対する前後位置を微調整することが出来
る。サーマルヘッド２の前後移動分は、バネ部材１１の
撓みによって吸収する。一般に、記録紙８とインク紙７
をサーマルヘッド２とプラテンローラー９の間に挟持し
て、感熱転写を行う場合、細線や細かい文字もくっきり
と印字する為にサーマルヘッド２の発熱抵抗体２ａ’位
置を図５のＢ領域、つまり最高濃度となる位置に位置決
めする必要がある。

【０００７】一方、印字物の印字開始から終了まで濃度
変化は、サーマルヘッドの蓄熱の影響も有り図６のｃの
様に変化する。前記サーマルヘッド位置決め移動部材１
０は、その外周に外部動力１２からの動力を伝達可能の
ように凹部１０ｃ，凸部１０ｂを備えている。尚、凹部
１０ｃ，凸部１０ｂとは具体的にはギヤ，ラック，ウォ
ーム等の動力伝達可能な形状を意味する。外部動力１２
から動力を受取り印字中に低速回転移動することで、一
枚のプリントでサーマルヘッド２の位置変化に対する最
高濃度の変化を図６のＤの様にリアルタイムに見ること
が出来る。印字物の最高濃度位置と、サーマルヘッド位
置決め移動部材１０に等間隔に施されている位置識別記
号１３の関係から、最高濃度となるサーマルヘッド２の
位置（図６のＥ）に、サーマルヘッド位置決め移動部材
１０を簡単に位置決め調整してやることが出来る。尚、
本実施例は感熱転写記録装置に関した説明であるが、プ
ラテンローラーとサーマルヘッドを使用する全製品に応
用可能である。

【０００８】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、サーマル
ヘッド支持機構に位置決め機構を具備したため、従来数
枚印字することが必要であった調整が外部動力によりサ
ーマルヘッド位置決めを最高濃度に一枚のプリントで短
時間に調整ができ、細線や細かい文字もくっきりと印字
することが出来る効果がある。さらにサーマルヘッド交
換時にも最高濃度位置に調整が済んでいるために無調整
で取付け可能となる効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるサーマルヘッド位置決め機構を具
備した、サーマルヘッド支持機構断面図である。

【図２】図３のＡ矢視図である。

【図３】従来のサーマルヘッド支持機構断面図である。

【図４】従来のサーマルヘッド支持機構上面図である。

【図５】サーマルヘッド前後位置と印字濃度を示す図で
ある。

【図６】プリント開始から終了までの印字濃度変化及
び、位置識別記号と印字濃度変化を示す図である。

【符号の説明】

１・・・軸 １ａ・・・おねじ部 ２・・・サーマルヘッド ２ａ・・・サーマルヘッドキバン部 ２ａ’・・・サーマルヘッド発熱抵抗体 ２ｂ・・・サーマルヘッドホルダー部 ６・・・抜け防止部材 ７・・・転写フィルム ８・・・記録紙 ９・・・プラテンローラ １０・・・サーマルヘッド位置決め移動部材 １０ａ・・・めねじ部 １０ｂ・・・凹部 １０ｃ・・・凸部 １１・・・バネ部材 １３・・・位置識別記号

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動機構により回転可能に取り付けられた
   プラテンローラーと、該プラテンローラーと直交する軸
   に回動可能に支持されたサーマルヘッドとを有し、該サ
   ーマルヘッドと該プラテンローラーの間に記録紙とイン
   ク紙を挟持して重ね記録を行なう感熱転写記録装置にお
   いて、前記軸の一端にバネ部材、他端に前記サーマルヘ
   ッドの位置決め移動部材を具備し、前記移動部材は前記
   軸に対し前後移動可能なことを特徴とする感熱転写記録
   装置のサーマルヘッド位置決め機構。
2. 【請求項２】請求項１記載の軸の一部におねじ、サーマ
   ルヘッド位置決め移動部材内にめねじ、を施したことを
   特徴とする感熱転写記録装置のサーマルヘッド位置決め
   機構。
3. 【請求項３】請求項２記載の、サーマルヘッド位置決め
   移動部材の外周の全周又は一部に、等ピッチに施された
   凹凸部を有することを特徴とする感熱転写記録装置のサ
   ーマルヘッド位置決め機構。