JPH0510222A - 燃料噴射装置 - Google Patents
燃料噴射装置Info
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- JPH0510222A JPH0510222A JP3161704A JP16170491A JPH0510222A JP H0510222 A JPH0510222 A JP H0510222A JP 3161704 A JP3161704 A JP 3161704A JP 16170491 A JP16170491 A JP 16170491A JP H0510222 A JPH0510222 A JP H0510222A
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- fuel
- chamber
- nozzle
- injection
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Abstract
(57)【要約】
【目的】スピル弁装置の駆動力を低減させることがで
き、アクチュエータの小型化および省電力化を可能にす
るとともに、エンジンの回転数全域において所定の残留
圧力をノズル室内に保持させて噴射ノズル内への燃焼ガ
スの逆流を防止することが可能な燃料噴射装置を提供し
ようとするものである。 【構成】加圧ポンプ1により加圧された燃料を噴射ノズ
ル11に供給してこの噴射ノズルから噴射するように
し、上記加圧室3またはこれに連なる同一圧力部位から
分岐通路4を分岐し、この分岐通路の下流側にアクチュ
エータ16により駆動されるスピル弁装置7を設けた燃
料噴射装置において、このスピル弁装置よりも上流に位
置して上記分岐通路内に上記加圧室の燃料圧が所定の残
圧以上になった場合にこの圧力で開弁する制御弁5を設
けたことを特徴とする。
き、アクチュエータの小型化および省電力化を可能にす
るとともに、エンジンの回転数全域において所定の残留
圧力をノズル室内に保持させて噴射ノズル内への燃焼ガ
スの逆流を防止することが可能な燃料噴射装置を提供し
ようとするものである。 【構成】加圧ポンプ1により加圧された燃料を噴射ノズ
ル11に供給してこの噴射ノズルから噴射するように
し、上記加圧室3またはこれに連なる同一圧力部位から
分岐通路4を分岐し、この分岐通路の下流側にアクチュ
エータ16により駆動されるスピル弁装置7を設けた燃
料噴射装置において、このスピル弁装置よりも上流に位
置して上記分岐通路内に上記加圧室の燃料圧が所定の残
圧以上になった場合にこの圧力で開弁する制御弁5を設
けたことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料タンク内の燃料を
車両等のエンジンに噴射して供給する燃料噴射装置に関
し、特に噴射ノズルに加わる圧力をスピル弁装置を介し
て溢流させて燃料噴射を終了させる構造の装置に係るも
のである。
車両等のエンジンに噴射して供給する燃料噴射装置に関
し、特に噴射ノズルに加わる圧力をスピル弁装置を介し
て溢流させて燃料噴射を終了させる構造の装置に係るも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料タンク内の燃料を車両等のエ
ンジンに噴射して供給する燃料噴射装置において、スピ
ル弁装置を用いて燃料の噴射時期を制御する装置が、例
えば特開昭65−174561号公報などにより知られ
ている。
ンジンに噴射して供給する燃料噴射装置において、スピ
ル弁装置を用いて燃料の噴射時期を制御する装置が、例
えば特開昭65−174561号公報などにより知られ
ている。
【0003】この種の燃料噴射装置は、燃料タンクから
導いた燃料を加圧ポンプで加圧し、この加圧燃料を噴射
ノズルに圧送し、このノズルの先端の噴射孔からエンジ
ンに向けて噴射するようになっている。そして、上記加
圧ポンプの加圧室から分岐通路を導き、この分岐通路に
スピル弁装置を設置してある。スピル弁装置は、圧電積
層体などからなるアクチュエータにより開閉作動される
ようになっており、このアクチュエータによりスピル弁
装置を閉じると、加圧室内の燃料が加圧ポンプのプラン
ジャにより加圧され噴射ノズルから噴射を開始し、また
アクチュエータによりスピル弁装置を開くと、加圧室内
の燃料が分岐通路からスピル弁装置を経て燃料タンクに
逃がされ、噴射ノズルからの噴射を終了するようになっ
ている。
導いた燃料を加圧ポンプで加圧し、この加圧燃料を噴射
ノズルに圧送し、このノズルの先端の噴射孔からエンジ
ンに向けて噴射するようになっている。そして、上記加
圧ポンプの加圧室から分岐通路を導き、この分岐通路に
スピル弁装置を設置してある。スピル弁装置は、圧電積
層体などからなるアクチュエータにより開閉作動される
ようになっており、このアクチュエータによりスピル弁
装置を閉じると、加圧室内の燃料が加圧ポンプのプラン
ジャにより加圧され噴射ノズルから噴射を開始し、また
アクチュエータによりスピル弁装置を開くと、加圧室内
の燃料が分岐通路からスピル弁装置を経て燃料タンクに
逃がされ、噴射ノズルからの噴射を終了するようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にエン
ジンが高速回転されるようになると、このエンジンの回
転により駆動される加圧ポンプの送油率が高くなり、加
圧ポンプの加圧室や噴射ノズルのノズル室、およびスピ
ル弁装置のスピル弁弁座室の圧力が高くなる。
ジンが高速回転されるようになると、このエンジンの回
転により駆動される加圧ポンプの送油率が高くなり、加
圧ポンプの加圧室や噴射ノズルのノズル室、およびスピ
ル弁装置のスピル弁弁座室の圧力が高くなる。
【0005】しかしながら、上記従来の噴射装置は、ス
ピル弁装置の開弁特性がエンジン回転数に拘らず一定に
設定されているため、エンジンの高速運転時には、加圧
ポンプの加圧室や噴射ノズルのノズル室、およびスピル
弁装置のスピル弁弁座室に高い残留圧が発生し、この圧
力に抗してスピル弁装置を閉弁駆動するには大きな駆動
力を必要とする。このため、アクチュエータが大型化し
たり、消費電力が大きくなるという不具合がある。
ピル弁装置の開弁特性がエンジン回転数に拘らず一定に
設定されているため、エンジンの高速運転時には、加圧
ポンプの加圧室や噴射ノズルのノズル室、およびスピル
弁装置のスピル弁弁座室に高い残留圧が発生し、この圧
力に抗してスピル弁装置を閉弁駆動するには大きな駆動
力を必要とする。このため、アクチュエータが大型化し
たり、消費電力が大きくなるという不具合がある。
【0006】さらに、スピル弁装置は、高速時に噴射切
れ不良や2次噴射が発生しない最大限の残留圧力を保持
するような開弁特性に設定しておく必要があるが、低速
時にノズル室の残留圧力がエンジンのシリンダ内圧力よ
り低くなるような状態が発生してしまい、シリンダ内の
燃焼ガスが噴射ノズルのノズル室に逆流し、ノズル弁座
を損傷する場合があり、また、パイロット噴射後のメイ
ン噴射に激しい圧力脈動が発生し、正常な噴射ができな
いという問題を有していた。
れ不良や2次噴射が発生しない最大限の残留圧力を保持
するような開弁特性に設定しておく必要があるが、低速
時にノズル室の残留圧力がエンジンのシリンダ内圧力よ
り低くなるような状態が発生してしまい、シリンダ内の
燃焼ガスが噴射ノズルのノズル室に逆流し、ノズル弁座
を損傷する場合があり、また、パイロット噴射後のメイ
ン噴射に激しい圧力脈動が発生し、正常な噴射ができな
いという問題を有していた。
【0007】本発明は、このような事情にもとづきなさ
れたもので、その目的とするのは、スピル弁装置の駆動
力を低減させることができ、アクチュエータの小型化お
よび省電力化を可能にするとともに、エンジンの回転数
全域において所定の一定残留圧力をノズル室内に保持さ
せて、噴射ノズル内への燃焼ガスの逆流を防止するこが
可能になる燃料噴射装置を提供しようとするものであ
る。
れたもので、その目的とするのは、スピル弁装置の駆動
力を低減させることができ、アクチュエータの小型化お
よび省電力化を可能にするとともに、エンジンの回転数
全域において所定の一定残留圧力をノズル室内に保持さ
せて、噴射ノズル内への燃焼ガスの逆流を防止するこが
可能になる燃料噴射装置を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
本発明は、加圧ポンプにより加圧された燃料を噴射ノズ
ルに供給してこの噴射ノズルから噴射する燃料噴射装置
において、加圧室またはこれに連なる同一圧力部位から
分岐通路を分岐し、この分岐通路の下流側にアクチュエ
ータにより駆動されるスピル弁装置を設けるとともに、
上記分岐通路の上記スピル弁装置よりも上流に上記加圧
室の燃料圧が所定の残圧以上になった場合にこの圧力で
開弁する制御弁(以下残圧弁という)を設けたことを特
徴とする。
本発明は、加圧ポンプにより加圧された燃料を噴射ノズ
ルに供給してこの噴射ノズルから噴射する燃料噴射装置
において、加圧室またはこれに連なる同一圧力部位から
分岐通路を分岐し、この分岐通路の下流側にアクチュエ
ータにより駆動されるスピル弁装置を設けるとともに、
上記分岐通路の上記スピル弁装置よりも上流に上記加圧
室の燃料圧が所定の残圧以上になった場合にこの圧力で
開弁する制御弁(以下残圧弁という)を設けたことを特
徴とする。
【0009】
【作用】上記の構成を備えた本発明の燃料噴射装置によ
れば、アクチュエータの作用によりスピル弁装置を閉じ
ると、加圧室内の燃料が加圧ポンプにより加圧されて噴
射ノズルに圧送され、この噴射ノズルから噴射が開始さ
れる。また、アクチュエータの作用によりスピル弁装置
を開くと、加圧室内の燃料が分岐通路およびスピル弁装
置を介して燃料タンクに逃がされ、加圧室内の燃料圧が
低下するので噴射ノズルからの噴射が終了する。
れば、アクチュエータの作用によりスピル弁装置を閉じ
ると、加圧室内の燃料が加圧ポンプにより加圧されて噴
射ノズルに圧送され、この噴射ノズルから噴射が開始さ
れる。また、アクチュエータの作用によりスピル弁装置
を開くと、加圧室内の燃料が分岐通路およびスピル弁装
置を介して燃料タンクに逃がされ、加圧室内の燃料圧が
低下するので噴射ノズルからの噴射が終了する。
【0010】そして、残圧弁は、燃料噴射前後における
加圧室、つまりノズル室の燃料圧力を図2の実線のごと
く所定の残圧P1 に保持するように作用し、スピル弁弁
座室9の圧力を上記残圧P1 よりも低い圧力(高速時は
P2 、低速時はP4 )に保持する。
加圧室、つまりノズル室の燃料圧力を図2の実線のごと
く所定の残圧P1 に保持するように作用し、スピル弁弁
座室9の圧力を上記残圧P1 よりも低い圧力(高速時は
P2 、低速時はP4 )に保持する。
【0011】これに対し、残圧弁の無い従来のものは、
高速域にてP2 より高いP3 (P3′)の圧力がスピル
弁弁座室9を含むノズル室13および加圧室3に保持さ
れ、また低速時にはP4 =P4 ′で示すごとく圧力は殆
ど保持されず、零に近くなる。ここでスピル弁装置は弁
座室9の圧力に打ち勝って初めて動き出すことができる
ため、高速時に高い圧力P3 を発生する従来のもので
は、大きな駆動力が必要となり、アクチュエータ16の
圧電積層体15の体格が大きくなったり、消費電力が大
きくなってしまう。また、低速域ではほとんど残留圧が
発生しないため、噴射ノズル13内へ燃焼ガスが侵入
し、ノズルニードル弁座14が損傷したり、圧力が負圧
となり、ノズル室内に空洞が発生し、その後、パイロッ
ト噴射後のメイン噴射の圧力上昇時に空洞が押しつぶさ
れ、正常な噴射が行なわれない場合がある。
高速域にてP2 より高いP3 (P3′)の圧力がスピル
弁弁座室9を含むノズル室13および加圧室3に保持さ
れ、また低速時にはP4 =P4 ′で示すごとく圧力は殆
ど保持されず、零に近くなる。ここでスピル弁装置は弁
座室9の圧力に打ち勝って初めて動き出すことができる
ため、高速時に高い圧力P3 を発生する従来のもので
は、大きな駆動力が必要となり、アクチュエータ16の
圧電積層体15の体格が大きくなったり、消費電力が大
きくなってしまう。また、低速域ではほとんど残留圧が
発生しないため、噴射ノズル13内へ燃焼ガスが侵入
し、ノズルニードル弁座14が損傷したり、圧力が負圧
となり、ノズル室内に空洞が発生し、その後、パイロッ
ト噴射後のメイン噴射の圧力上昇時に空洞が押しつぶさ
れ、正常な噴射が行なわれない場合がある。
【0012】本発明の場合は、低速域から高速域まで一
定の残留圧P1 をノズル室に保持することができ、ま
た、スピル弁装置に作用する残留圧を従来のものより低
くできるため、アクチュエータ16部の小型化や省電力
化が可能となり、さらに正常な噴射が実現できる。
定の残留圧P1 をノズル室に保持することができ、ま
た、スピル弁装置に作用する残留圧を従来のものより低
くできるため、アクチュエータ16部の小型化や省電力
化が可能となり、さらに正常な噴射が実現できる。
【0013】
【実施例】以下本発明の第1の実施例を、自動車のディ
ーゼルエンジンに軽油を噴射する装置に適用した場合に
ついて、図1および図2にもとづき説明する。図1は、
燃料噴射装置全体を示す模式図であり、図2は図1に示
した燃料噴射装置の作動を示すタイムチャートである。
まず、燃料噴射装置の概略を図1にもとづき説明する。
ーゼルエンジンに軽油を噴射する装置に適用した場合に
ついて、図1および図2にもとづき説明する。図1は、
燃料噴射装置全体を示す模式図であり、図2は図1に示
した燃料噴射装置の作動を示すタイムチャートである。
まず、燃料噴射装置の概略を図1にもとづき説明する。
【0014】図1に示される燃料噴射装置は、燃料噴射
用加圧ポンプであるプランジャポンプ1と、このプラン
ジャポンプ1に燃料を供給する燃料供給装置22と、上
記プランジャポンプ1で加圧された燃料をエンジンの燃
焼室(図示しない)内に噴射するための噴射ノズル11
と、この噴射ノズル11の作動(開閉)を制御する第1
の制御弁であるスピル弁装置7を主要部として構成され
ている。
用加圧ポンプであるプランジャポンプ1と、このプラン
ジャポンプ1に燃料を供給する燃料供給装置22と、上
記プランジャポンプ1で加圧された燃料をエンジンの燃
焼室(図示しない)内に噴射するための噴射ノズル11
と、この噴射ノズル11の作動(開閉)を制御する第1
の制御弁であるスピル弁装置7を主要部として構成され
ている。
【0015】燃料供給装置22は、燃料タンク17と、
該燃料タンク17内の燃料をプランジャポンプ1に供給
するための燃料供給ポンプ19を主体として構成されて
いる。燃料タンク17内の燃料は、流路23およびフィ
ードポート24を経て、プランジャポンプ1の加圧室、
すなわちプランジャ室3に供給される。このプランジャ
室3で加圧された燃料は、適時にこのプランジャ室3に
連通した分岐通路4およびこの下流に連続した流路25
を経て燃料タンク17に戻されるようになっている。上
記分岐通路4は、プランジャ室3、噴射ノズル11のノ
ズル室13またはこれらを連通する高圧通路10から分
岐されたもので、
該燃料タンク17内の燃料をプランジャポンプ1に供給
するための燃料供給ポンプ19を主体として構成されて
いる。燃料タンク17内の燃料は、流路23およびフィ
ードポート24を経て、プランジャポンプ1の加圧室、
すなわちプランジャ室3に供給される。このプランジャ
室3で加圧された燃料は、適時にこのプランジャ室3に
連通した分岐通路4およびこの下流に連続した流路25
を経て燃料タンク17に戻されるようになっている。上
記分岐通路4は、プランジャ室3、噴射ノズル11のノ
ズル室13またはこれらを連通する高圧通路10から分
岐されたもので、
【0016】プランジャポンプ1は、プランジャ室3内
で往復動する往復動プランジャ2を備えている。このプ
ランジャ2の後端には、圧縮コイルばね27によって後
退方向に付勢されたタペット28が結合されており、該
タペット28は、ディーゼルエンジンのクランク軸(図
示しない)に連動するカム18により駆動される。つま
り、クランク軸の回転に応じてカム18が回転し、この
カム18の回転はタペット28を圧縮コイルばね27の
付勢力に抗して押す。タペット28が押されると、プラ
ンジャ2が前進される。
で往復動する往復動プランジャ2を備えている。このプ
ランジャ2の後端には、圧縮コイルばね27によって後
退方向に付勢されたタペット28が結合されており、該
タペット28は、ディーゼルエンジンのクランク軸(図
示しない)に連動するカム18により駆動される。つま
り、クランク軸の回転に応じてカム18が回転し、この
カム18の回転はタペット28を圧縮コイルばね27の
付勢力に抗して押す。タペット28が押されると、プラ
ンジャ2が前進される。
【0017】噴射ノズル11は、ノズルサブピストン2
9を介してノズルスプリング30で押圧付勢されたニー
ドル弁体、すなわちノズルニードル12を有しており、
該ノズルニードル12はノズルボディ34に形成した燃
料噴射孔31を開閉する。
9を介してノズルスプリング30で押圧付勢されたニー
ドル弁体、すなわちノズルニードル12を有しており、
該ノズルニードル12はノズルボディ34に形成した燃
料噴射孔31を開閉する。
【0018】ノズルサブピストン29は、ノズルスプリ
ング室32内で油密的に摺動する。このノズルスプリン
グ室32は背圧ポート26を経てスピル弁弁座室9に通
じている。
ング室32内で油密的に摺動する。このノズルスプリン
グ室32は背圧ポート26を経てスピル弁弁座室9に通
じている。
【0019】ノズルサブピストン29の径は、ノズルニ
ードル12の摺動部の径(噴射の圧力を受ける径)より
も大きい。このため、噴射終了時、溢流圧油が分岐通路
4から背圧ポート26を経てノズルスプリング室32に
流れ込んでノズルスプリング室32の圧力が上昇した
際、ノズルニードル12を弁座14に押しつける力は大
きくなり、より確実に噴射ノズル11を閉弁させること
ができる。
ードル12の摺動部の径(噴射の圧力を受ける径)より
も大きい。このため、噴射終了時、溢流圧油が分岐通路
4から背圧ポート26を経てノズルスプリング室32に
流れ込んでノズルスプリング室32の圧力が上昇した
際、ノズルニードル12を弁座14に押しつける力は大
きくなり、より確実に噴射ノズル11を閉弁させること
ができる。
【0020】ノズルニードル12は、細い先端部分と太
い後端部分が相連なる部分に段差を有しており、プラン
ジャ室3内の燃料圧が高圧通路10を経てノズル室13
に作用すると、その燃料圧の大きさに応じノズルニード
ル12がノズルスプリング30の付勢力に抗して弁座1
4から離れ、燃料噴射孔31を開く。よって、ノズル室
13の燃料が燃料噴射孔31からエンジンの燃焼室内に
が噴射される。なお、33はパッキンであり、上記ノズ
ルボデー34とともにリテーニングナット(図示しな
い)によって、燃料噴射装置ボデー35に固定されてい
る。
い後端部分が相連なる部分に段差を有しており、プラン
ジャ室3内の燃料圧が高圧通路10を経てノズル室13
に作用すると、その燃料圧の大きさに応じノズルニード
ル12がノズルスプリング30の付勢力に抗して弁座1
4から離れ、燃料噴射孔31を開く。よって、ノズル室
13の燃料が燃料噴射孔31からエンジンの燃焼室内に
が噴射される。なお、33はパッキンであり、上記ノズ
ルボデー34とともにリテーニングナット(図示しな
い)によって、燃料噴射装置ボデー35に固定されてい
る。
【0021】第1の制御弁7であるスピル弁装置は、ス
ピル弁体8と、該スピル弁体8を作動させるためのアク
チュエータ16から成っている。スピル弁装置7は、ス
ピル弁体8と、該スピル弁体8を後退方向(第1図右側
方向)に付勢する圧縮コイルばね36と、スピル弁弁座
室9とを備え、弁座37にスピル弁体8の先端が密接、
離間するようになされている。スピル弁体8の他端は油
密室38内に配置されており、この油密室38内の燃料
圧が、上記圧縮コイルばね36の付勢力とスピル弁弁座
室9内の燃料圧との和によりスピル弁装置7に作用する
力に比して相対的に低い図示の状態では、スピル弁体8
が後退位置にあり、該スピル弁体8の先端が弁座37か
ら離れている。つまり、スピル弁装置7は開いている。
ピル弁体8と、該スピル弁体8を作動させるためのアク
チュエータ16から成っている。スピル弁装置7は、ス
ピル弁体8と、該スピル弁体8を後退方向(第1図右側
方向)に付勢する圧縮コイルばね36と、スピル弁弁座
室9とを備え、弁座37にスピル弁体8の先端が密接、
離間するようになされている。スピル弁体8の他端は油
密室38内に配置されており、この油密室38内の燃料
圧が、上記圧縮コイルばね36の付勢力とスピル弁弁座
室9内の燃料圧との和によりスピル弁装置7に作用する
力に比して相対的に低い図示の状態では、スピル弁体8
が後退位置にあり、該スピル弁体8の先端が弁座37か
ら離れている。つまり、スピル弁装置7は開いている。
【0022】上記分岐通路4は、プランジャ室3、噴射
ノズル11のノズル室13またはこれらを連通する高圧
通路10に導通されたもので、本実施例の場合はプラン
ジャ室3から分岐されている。
ノズル11のノズル室13またはこれらを連通する高圧
通路10に導通されたもので、本実施例の場合はプラン
ジャ室3から分岐されている。
【0023】この分岐通路4には第2の制御弁である残
圧弁5が設けられている。残圧弁5は、弁部材としての
板状弁体39と、閉鎖スプリングである圧縮コイルばね
6を備えている。弁体39はコイルばね6の付勢力で図
1の図示の左側に押されており、この場合残圧弁5は閉
じている状態である。
圧弁5が設けられている。残圧弁5は、弁部材としての
板状弁体39と、閉鎖スプリングである圧縮コイルばね
6を備えている。弁体39はコイルばね6の付勢力で図
1の図示の左側に押されており、この場合残圧弁5は閉
じている状態である。
【0024】プランジャポンプ1によって燃料が加圧さ
れプランジャ室3および分岐通路4の圧力が所定圧以上
になると、コイルばね6の付勢力に打ち勝って弁体39
が図示右側に開き、スピル弁装置7が開かれた場合にプ
ランジャ室3の燃料はスピル弁弁座室9、流路25に設
けた溢流制限手段である絞り40を経て燃料タンク17
に逃がされる。なお、板状弁体39にはオリフィス48
を設けてある。また、スピル弁装置7を駆動するため
に、油密室38内の燃料を加減圧制御するアクチュエー
タ16が配置されている。
れプランジャ室3および分岐通路4の圧力が所定圧以上
になると、コイルばね6の付勢力に打ち勝って弁体39
が図示右側に開き、スピル弁装置7が開かれた場合にプ
ランジャ室3の燃料はスピル弁弁座室9、流路25に設
けた溢流制限手段である絞り40を経て燃料タンク17
に逃がされる。なお、板状弁体39にはオリフィス48
を設けてある。また、スピル弁装置7を駆動するため
に、油密室38内の燃料を加減圧制御するアクチュエー
タ16が配置されている。
【0025】アクチュエータ16は、有底筒状のピスト
ン41と、このピストン41に収容されて電圧の印加に
より応答性よく伸縮する多数板の圧電素子を積層させた
圧電積層体15と、上記ピストン41を後退方向に付勢
する圧縮コイルばね42とで構成されている。
ン41と、このピストン41に収容されて電圧の印加に
より応答性よく伸縮する多数板の圧電素子を積層させた
圧電積層体15と、上記ピストン41を後退方向に付勢
する圧縮コイルばね42とで構成されている。
【0026】燃料タンク17内の燃料は、燃料供給ポン
プ19により流路23を経て、上記圧縮コイルばね42
を収容したばね室43内に送られ、該ばね室43を経た
後、流路24よりなる経路でプランジャ室3に給送され
るようになっている。
プ19により流路23を経て、上記圧縮コイルばね42
を収容したばね室43内に送られ、該ばね室43を経た
後、流路24よりなる経路でプランジャ室3に給送され
るようになっている。
【0027】圧電積層体15は、これに正電圧が印加さ
れると素早く伸長し、負電圧が印加されると素早く収縮
する。圧電積層体15の伸長・収縮現像によりピストン
41は、応答性よく進退する。ピストン41が前進する
と、その前方の油密室38内の燃料圧が上昇し、この燃
料圧が圧縮コイルばね36の付勢力とスピル弁弁座室9
の燃料圧によってスピル弁体8を後退させようとする力
に打ち勝つと、スピル弁体8が前進する。
れると素早く伸長し、負電圧が印加されると素早く収縮
する。圧電積層体15の伸長・収縮現像によりピストン
41は、応答性よく進退する。ピストン41が前進する
と、その前方の油密室38内の燃料圧が上昇し、この燃
料圧が圧縮コイルばね36の付勢力とスピル弁弁座室9
の燃料圧によってスピル弁体8を後退させようとする力
に打ち勝つと、スピル弁体8が前進する。
【0028】油密室38内の燃料が減少した場合は、ピ
ストン41が後退した時に、油密室38内の燃料圧が低
下するため、燃料供給ポンプ19の吐出油が流路44お
よび一方向弁45を経て油密室38に吸入するようにな
っている。なお、46はスチールボール、47は圧縮コ
イルばねである。次に、上記の構成による第1の実施例
の場合に作用を説明する。
ストン41が後退した時に、油密室38内の燃料圧が低
下するため、燃料供給ポンプ19の吐出油が流路44お
よび一方向弁45を経て油密室38に吸入するようにな
っている。なお、46はスチールボール、47は圧縮コ
イルばねである。次に、上記の構成による第1の実施例
の場合に作用を説明する。
【0029】エンジンによって駆動されるカム18によ
りタペット28が押されるとプランジャ2が下方に移動
する。プランジャ2が流路24のポートを塞いだ時点か
ら、プランジャ2により圧送されるプランジャ室3内の
燃料圧力が高くなる。スピル弁7が開かれている場合
は、プランジャ室3内の燃料圧により分岐通路4の残圧
弁5を押し開け、燃料をスピル弁装置7の弁座室9、絞
り40および流路25を通り燃料タンク17に逃がす。
りタペット28が押されるとプランジャ2が下方に移動
する。プランジャ2が流路24のポートを塞いだ時点か
ら、プランジャ2により圧送されるプランジャ室3内の
燃料圧力が高くなる。スピル弁7が開かれている場合
は、プランジャ室3内の燃料圧により分岐通路4の残圧
弁5を押し開け、燃料をスピル弁装置7の弁座室9、絞
り40および流路25を通り燃料タンク17に逃がす。
【0030】ここで残圧弁5の開弁圧(例えば6MPa )
を、噴射ノズル11の開弁圧(例えば30MPa )より低
く設定してあり、上記スピル弁装置7が開かれている場
合は、分岐通路4、プランジャ室3、高圧通路10、ノ
ズル室13の燃料圧力は、図2(C)の実線で示すごと
く、エンジン回転数によらず、残圧弁5の開弁圧P
1(例えば6MPa )となっている。したがってこの段階
では燃料は噴射ノズル11から噴射されない。
を、噴射ノズル11の開弁圧(例えば30MPa )より低
く設定してあり、上記スピル弁装置7が開かれている場
合は、分岐通路4、プランジャ室3、高圧通路10、ノ
ズル室13の燃料圧力は、図2(C)の実線で示すごと
く、エンジン回転数によらず、残圧弁5の開弁圧P
1(例えば6MPa )となっている。したがってこの段階
では燃料は噴射ノズル11から噴射されない。
【0031】所定の噴射開始タイミングになって圧電積
層体15に電圧を印加すると圧電積層体15が伸長し、
油密室38内の燃料圧力を加圧する。これによりスピル
弁体8は図示左方へ押され、スピル弁座体8が弁座37
に着座する。このためスピル弁装置7は閉じられる。
層体15に電圧を印加すると圧電積層体15が伸長し、
油密室38内の燃料圧力を加圧する。これによりスピル
弁体8は図示左方へ押され、スピル弁座体8が弁座37
に着座する。このためスピル弁装置7は閉じられる。
【0032】この時、スピル弁弁座室9の燃料圧力は、
弁座室9が流路25によって燃料タンク17に開放され
ており、また絞り40の作用によって、エンジン回転数
が高速時に残圧弁5の開弁圧P1 より低い圧力P2 (例
えば2MPa )となるよう設定されている。このため、圧
電積層体15により制御される油密室38内の燃料圧力
で駆動されるスピル弁体8は、圧縮コイルばね36の付
勢力と弁座室9の燃料圧力P2 に打ち勝つための圧力が
与えられれば、弁座37に着座する。つまり、油密室3
8の圧力が相対的に低くてもスピル弁装置7が閉じるよ
うになり、圧電積層体15に印加する電圧を低くするこ
とができる。
弁座室9が流路25によって燃料タンク17に開放され
ており、また絞り40の作用によって、エンジン回転数
が高速時に残圧弁5の開弁圧P1 より低い圧力P2 (例
えば2MPa )となるよう設定されている。このため、圧
電積層体15により制御される油密室38内の燃料圧力
で駆動されるスピル弁体8は、圧縮コイルばね36の付
勢力と弁座室9の燃料圧力P2 に打ち勝つための圧力が
与えられれば、弁座37に着座する。つまり、油密室3
8の圧力が相対的に低くてもスピル弁装置7が閉じるよ
うになり、圧電積層体15に印加する電圧を低くするこ
とができる。
【0033】一方、エンジン回転数が低速時において
は、絞り40の径が一定であるため、プランジャポンプ
1の送油率が低くなった分だけ、スピル弁弁座室9の圧
力はP2 より低い値P4 (例えば0.5MPa )となって
おり、スピル弁体8は一層低い圧電積層体15への印加
電圧により着座することが可能になる。
は、絞り40の径が一定であるため、プランジャポンプ
1の送油率が低くなった分だけ、スピル弁弁座室9の圧
力はP2 より低い値P4 (例えば0.5MPa )となって
おり、スピル弁体8は一層低い圧電積層体15への印加
電圧により着座することが可能になる。
【0034】このようにしてスピル弁体8が弁座37に
着座すると、プランジャ室3の燃料圧が上昇し、この燃
料は高圧通路10を経てノズル室13に圧送される。上
記スピル弁7が閉止された後に図2(C)のごとく微小
時間の後、ノズルニードル12は弁座14から押し上げ
られ、燃料噴射孔31から噴射が始まる。
着座すると、プランジャ室3の燃料圧が上昇し、この燃
料は高圧通路10を経てノズル室13に圧送される。上
記スピル弁7が閉止された後に図2(C)のごとく微小
時間の後、ノズルニードル12は弁座14から押し上げ
られ、燃料噴射孔31から噴射が始まる。
【0035】噴射終了時期に至った時点で、圧電積層体
15の電圧を放電させると、油密室38内の燃料圧力が
低くなり、スピル弁体8はコイルばね36の力を受けて
図1の右方に移動し、よってスピル弁7が開く。
15の電圧を放電させると、油密室38内の燃料圧力が
低くなり、スピル弁体8はコイルばね36の力を受けて
図1の右方に移動し、よってスピル弁7が開く。
【0036】この瞬間、プランジャ室3の高圧燃料は分
岐通路4からスピル弁装置7を経て流路25より燃料タ
ンク17に逃がされる。この場合、流路25には絞り4
0が設けてあるため、スピル弁弁座室9の燃料が弁座3
7および背圧ポート26を経てノズルスプリング室32
に勢いよく流れ込む。このため、ノズルスプリング室3
2の圧力が上昇し、この圧力はノズルニードル12を押
し下げる方向に作用する。したがって、ノズルニードル
12は、図2(d)のごとく、すばやく、確実に閉じ、
燃料の噴射が終了する。図2は、パイロット噴射を行う
場合の例を示したもので、スピル弁体8を2回作動させ
た場合のタイムチャートである。
岐通路4からスピル弁装置7を経て流路25より燃料タ
ンク17に逃がされる。この場合、流路25には絞り4
0が設けてあるため、スピル弁弁座室9の燃料が弁座3
7および背圧ポート26を経てノズルスプリング室32
に勢いよく流れ込む。このため、ノズルスプリング室3
2の圧力が上昇し、この圧力はノズルニードル12を押
し下げる方向に作用する。したがって、ノズルニードル
12は、図2(d)のごとく、すばやく、確実に閉じ、
燃料の噴射が終了する。図2は、パイロット噴射を行う
場合の例を示したもので、スピル弁体8を2回作動させ
た場合のタイムチャートである。
【0037】特に、エンジン回転数が高速時のメイン噴
射時には、プランジャ室3、高圧通路10、ノズル室1
3の燃料圧力は、例えば120MPa もの高圧となるが、
分岐通路4およびスピル弁弁座室37の燃料圧力も同等
に高圧となり、噴射終了時にはノズルスプリング室32
に上記高圧を付与することができるので、よりすばやく
燃料の噴射を終了させることができる。ここで噴射終了
時の残りの燃料は、絞り40および流路25を経て燃料
タンク17へ戻される。
射時には、プランジャ室3、高圧通路10、ノズル室1
3の燃料圧力は、例えば120MPa もの高圧となるが、
分岐通路4およびスピル弁弁座室37の燃料圧力も同等
に高圧となり、噴射終了時にはノズルスプリング室32
に上記高圧を付与することができるので、よりすばやく
燃料の噴射を終了させることができる。ここで噴射終了
時の残りの燃料は、絞り40および流路25を経て燃料
タンク17へ戻される。
【0038】ここで、従来の残圧弁5を設けない場合に
は、図2の点線のように、エンジン回転数が高速時の噴
射開始および終了時のスピル弁弁座室9の圧力は、分岐
通路4、プランジャ室3、高圧通路10、ノズル室13
の圧力P3 ′(例えば6MPa)とほぼ同じ高い圧力P3
となる。スピル弁体8を駆動するために必要とされる力
は、圧縮コイルばね36の付勢力とスピル弁体8に作用
するスピル弁弁座室9の圧力により決まるため、上記従
来のように、スピル弁弁座室9の圧力が高い場合は、油
密室38内の圧力を高くしなければならず、圧電積層体
15による押圧力が大きく必要となる。
は、図2の点線のように、エンジン回転数が高速時の噴
射開始および終了時のスピル弁弁座室9の圧力は、分岐
通路4、プランジャ室3、高圧通路10、ノズル室13
の圧力P3 ′(例えば6MPa)とほぼ同じ高い圧力P3
となる。スピル弁体8を駆動するために必要とされる力
は、圧縮コイルばね36の付勢力とスピル弁体8に作用
するスピル弁弁座室9の圧力により決まるため、上記従
来のように、スピル弁弁座室9の圧力が高い場合は、油
密室38内の圧力を高くしなければならず、圧電積層体
15による押圧力が大きく必要となる。
【0039】また、エンジン回転数が低速時には、ノズ
ル室13およびスピル弁弁座室9にはほとんど圧力が発
生せず、ほぼ零となり、さらには噴射終了時においては
負圧となることもある。このため、エンジン燃焼室の圧
力の方が高くなってしまい、噴射ノズル11内へ燃焼ガ
スが逆流して侵入し、ノズルニードル12や弁座14が
損傷することがある。
ル室13およびスピル弁弁座室9にはほとんど圧力が発
生せず、ほぼ零となり、さらには噴射終了時においては
負圧となることもある。このため、エンジン燃焼室の圧
力の方が高くなってしまい、噴射ノズル11内へ燃焼ガ
スが逆流して侵入し、ノズルニードル12や弁座14が
損傷することがある。
【0040】これに対し、上記実施例で説明した本発明
の場合は、残圧弁5の作用により、特にエンジン回転数
高速時にスピル弁弁座室9の圧力を低くできるため、ス
ピル弁体8を駆動するために必要とされる力を上記従来
の残圧弁5が無い場合と比較して小さくすることができ
る。したがって、アクチュエータ16の加圧能力を小さ
くすることができ、圧電積層体15の体格を小さくした
り、消費電力を低くすることが可能となる。
の場合は、残圧弁5の作用により、特にエンジン回転数
高速時にスピル弁弁座室9の圧力を低くできるため、ス
ピル弁体8を駆動するために必要とされる力を上記従来
の残圧弁5が無い場合と比較して小さくすることができ
る。したがって、アクチュエータ16の加圧能力を小さ
くすることができ、圧電積層体15の体格を小さくした
り、消費電力を低くすることが可能となる。
【0041】また、本発明の場合は、分岐通路4に設け
た残圧弁5は、エンジン回転数が低速時でも、プランジ
ャ室3およびノズル室13の圧力を残圧弁5の開弁圧P
1 に近いレベルに維持する。このため、ノズル室13の
圧力がエンジン燃焼室の圧力より低くなることが防止さ
れ、噴射ノズル11内へ燃焼ガスが逆流するのを阻止す
る。よって、ノズルニードル12や弁座14の損傷を防
止する。
た残圧弁5は、エンジン回転数が低速時でも、プランジ
ャ室3およびノズル室13の圧力を残圧弁5の開弁圧P
1 に近いレベルに維持する。このため、ノズル室13の
圧力がエンジン燃焼室の圧力より低くなることが防止さ
れ、噴射ノズル11内へ燃焼ガスが逆流するのを阻止す
る。よって、ノズルニードル12や弁座14の損傷を防
止する。
【0042】また、パイロット噴射制御において、ノズ
ル室13の圧力が負圧となるのを防止して、空洞の発生
および消滅によるパイロット噴射後のメイン噴射時に激
しい圧力脈動現象が発生することもなくなり、安定した
噴射が得られる。
ル室13の圧力が負圧となるのを防止して、空洞の発生
および消滅によるパイロット噴射後のメイン噴射時に激
しい圧力脈動現象が発生することもなくなり、安定した
噴射が得られる。
【0043】なお、残圧弁5の板状弁体39にはオリフ
ィス48を設けてあるから、1回の噴射が終わった後、
ゆっくりとした圧力降下速度にて次の噴射が始まるまで
には完全に圧力がリセットされ、連続して安定した噴射
が得られる。なお、発明は上記第1の実施例に制約され
るものではない。
ィス48を設けてあるから、1回の噴射が終わった後、
ゆっくりとした圧力降下速度にて次の噴射が始まるまで
には完全に圧力がリセットされ、連続して安定した噴射
が得られる。なお、発明は上記第1の実施例に制約され
るものではない。
【0044】すなわち、図3ないし図7は本発明の第2
の実施例を示すもので、本発明をディーゼルエンジン用
の燃料噴射装置であるユニットインクジェクタに適用し
た例を示す。
の実施例を示すもので、本発明をディーゼルエンジン用
の燃料噴射装置であるユニットインクジェクタに適用し
た例を示す。
【0045】図3は、燃料噴射装置全体の模式図であ
り、図4はユニットインジェクタの主断面図、図5は図
4のV−V断面図、図6は図5のVI−VI断面図、図7は
図5のVII −VII 断面図である。これらに図において、
図1の実施例と同一の機能を奏する部材は同一番号を付
して説明を省略する。
り、図4はユニットインジェクタの主断面図、図5は図
4のV−V断面図、図6は図5のVI−VI断面図、図7は
図5のVII −VII 断面図である。これらに図において、
図1の実施例と同一の機能を奏する部材は同一番号を付
して説明を省略する。
【0046】本実施例の場合、第1実施例において流路
25内に設けられた絞り40に代って、背圧弁50を設
けてあり、この背圧弁50は板状弁体51と圧縮コイル
ばね52とで構成してある。このようにすれば、ノズル
スプリング室32内の燃料充填をよくすることができ
る。
25内に設けられた絞り40に代って、背圧弁50を設
けてあり、この背圧弁50は板状弁体51と圧縮コイル
ばね52とで構成してある。このようにすれば、ノズル
スプリング室32内の燃料充填をよくすることができ
る。
【0047】また、安定した噴射を得るための流路53
および絞り54、ノズルサブピストン29の油密ロック
を防止するための流路55、プランジャポンプ1作動時
の焼付防止のための流路56およびプランジャ2の回り
を燃料で覆うグルーブ57、そしてプランジャ2とイン
ジェクタボデー35の摺動部のすき間からインジェクタ
ボデー35外のタペット38方向に洩れようとする燃料
を回収するための流路58、をそれぞれ備えている。こ
のような構成の場合も、作動はすべて第1実施例と同様
であり、本発明に関する効果も同様に得ることができ
る。また、スピル弁体8を駆動するアクチュエータ16
は、圧電積層体15の代わりに電磁弁を用いるようにし
ても同様の効果が得られる。
および絞り54、ノズルサブピストン29の油密ロック
を防止するための流路55、プランジャポンプ1作動時
の焼付防止のための流路56およびプランジャ2の回り
を燃料で覆うグルーブ57、そしてプランジャ2とイン
ジェクタボデー35の摺動部のすき間からインジェクタ
ボデー35外のタペット38方向に洩れようとする燃料
を回収するための流路58、をそれぞれ備えている。こ
のような構成の場合も、作動はすべて第1実施例と同様
であり、本発明に関する効果も同様に得ることができ
る。また、スピル弁体8を駆動するアクチュエータ16
は、圧電積層体15の代わりに電磁弁を用いるようにし
ても同様の効果が得られる。
【0048】さらに、本発明は、ノズルスプリング室3
2を背圧ポート26によりスピル弁弁座室9に連通する
ことには限らず、ノズルスプリング室32は直接燃料タ
ンクに開放してもよい。また、パイロット噴射する燃料
噴射装置に制約されるものでもない。
2を背圧ポート26によりスピル弁弁座室9に連通する
ことには限らず、ノズルスプリング室32は直接燃料タ
ンクに開放してもよい。また、パイロット噴射する燃料
噴射装置に制約されるものでもない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、分
岐通路の上流側に、加圧室内の燃料が所定の残圧を保つ
ように制御弁を設けたので、燃料噴射の前後にスピル弁
装置には上記加圧室やノズル室に発生する所定圧力より
も低い圧力を作用させることができる。このため、スピ
ル弁装置を閉弁させるのに必要とする力を小さくするこ
とができ、スピル弁装置を制御するアクチュエータの小
型化および省電力化が可能になる。また、加圧室やノズ
ル室内の燃料を所定の残圧に維持することができ、噴射
ノズル内部への燃焼ガスの逆流を防ぐことができ、ニー
ドルや弁座を傷めることがなくなる。また、パイロット
噴射するものでは、パイロット噴射後の負圧発生による
空洞発生を防ぐことができ、メイン噴射を正常に行うこ
とができるという優れた効果がある。
岐通路の上流側に、加圧室内の燃料が所定の残圧を保つ
ように制御弁を設けたので、燃料噴射の前後にスピル弁
装置には上記加圧室やノズル室に発生する所定圧力より
も低い圧力を作用させることができる。このため、スピ
ル弁装置を閉弁させるのに必要とする力を小さくするこ
とができ、スピル弁装置を制御するアクチュエータの小
型化および省電力化が可能になる。また、加圧室やノズ
ル室内の燃料を所定の残圧に維持することができ、噴射
ノズル内部への燃焼ガスの逆流を防ぐことができ、ニー
ドルや弁座を傷めることがなくなる。また、パイロット
噴射するものでは、パイロット噴射後の負圧発生による
空洞発生を防ぐことができ、メイン噴射を正常に行うこ
とができるという優れた効果がある。
【図1】本発明の第1の実施例を示す燃料噴射装置全体
の模式図。
の模式図。
【図2】同例の燃料噴射装置の作動を示すタイムチャー
ト。
ト。
【図3】本発明の第2の実施例を示す燃料噴射装置全体
の模式図。
の模式図。
【図4】同例のユニットインジェクタの主断面図。
【図5】図4のV−V断面図。
【図6】図5のVI−VI断面図。
【図7】図5のVII −VII 断面図。
1…プランジャポンプ、2…プランジャ、3…プランジ
ャ室、4…分岐通路、5…残圧弁、6…閉鎖スプリン
グ、7…スピル弁装置、8…スピル弁体、9…スピル弁
弁座室、10…高圧通路、11…噴射ノズル、12…ノ
ズルニードル、13…ノズル室、14…ノズルニードル
弁座、15…圧電積層体、16…アクチュエータ、17
…燃料タンク、18…カム、19…フィードポンプ、2
4…フィードポート、25…流路、26…背圧ポート、
27…圧縮コイルばね、30…ノズルスプリング、31
…燃料噴射孔、32…ノズルスプリング室、34…ノズ
ルボデー、35…インジェクタボデー、36…圧縮コイ
ルばね、37…スピル弁弁座、38…油密室、39…弁
体、40…絞り、41…ピストン。
ャ室、4…分岐通路、5…残圧弁、6…閉鎖スプリン
グ、7…スピル弁装置、8…スピル弁体、9…スピル弁
弁座室、10…高圧通路、11…噴射ノズル、12…ノ
ズルニードル、13…ノズル室、14…ノズルニードル
弁座、15…圧電積層体、16…アクチュエータ、17
…燃料タンク、18…カム、19…フィードポンプ、2
4…フィードポート、25…流路、26…背圧ポート、
27…圧縮コイルばね、30…ノズルスプリング、31
…燃料噴射孔、32…ノズルスプリング室、34…ノズ
ルボデー、35…インジェクタボデー、36…圧縮コイ
ルばね、37…スピル弁弁座、38…油密室、39…弁
体、40…絞り、41…ピストン。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 エンジンにより駆動され、燃料タンクか
ら導いた燃料を加圧室で加圧する加圧ポンプと、 上記加圧室で加圧された燃料をノズル室に導き、このノ
ズル室内の燃料圧力が所定圧以上になるとノズルニード
ルを作動させて噴射孔から燃料を噴射する噴射ノズル
と、 上記加圧室またはこの加圧室と同圧部位から分岐されて
燃料タンクに連なる分岐通路と、 この分岐通路に設けられ、アクチュエータにより開閉さ
れるスピル弁装置と、を具備し、このスピル弁装置の開
閉作用により上記加圧室の燃料圧を制御して上記噴射ノ
ズルの燃料噴射を制御するようにした燃料噴射装置にお
いて、 上記分岐通路の上記スピル弁装置よりも上流側に制御弁
を設け、この制御弁は、上記加圧室の燃料圧が所定の残
圧以上になった場合にこの燃料圧により開弁する制御弁
体およびこの制御弁体を常時閉弁方向に付勢する弾性部
材とを備えたことを特徴とする燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3161704A JPH0510222A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3161704A JPH0510222A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 燃料噴射装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0510222A true JPH0510222A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=15740292
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3161704A Pending JPH0510222A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | 燃料噴射装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0510222A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4878312A (en) * | 1984-03-30 | 1989-11-07 | Compex Co., Ltd. | Method for culturing and cultivating fungi |
US7306834B2 (en) | 2000-04-26 | 2007-12-11 | Kao Corporation | Heat insulating container |
-
1991
- 1991-07-02 JP JP3161704A patent/JPH0510222A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4878312A (en) * | 1984-03-30 | 1989-11-07 | Compex Co., Ltd. | Method for culturing and cultivating fungi |
US7306834B2 (en) | 2000-04-26 | 2007-12-11 | Kao Corporation | Heat insulating container |
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