JPH051010U - ボルトナツト締付け具 - Google Patents

ボルトナツト締付け具

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JPH051010U
JPH051010U JP5564891U JP5564891U JPH051010U JP H051010 U JPH051010 U JP H051010U JP 5564891 U JP5564891 U JP 5564891U JP 5564891 U JP5564891 U JP 5564891U JP H051010 U JPH051010 U JP H051010U
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thread groove
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學 高津
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Sintokogio Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファインセラミックスを素材とするボルトナ
ット型締付け具の引っ張り弱さを改善する。 【構成】 ボルト1に左回りねじ溝3と右回りねじ溝4
とを金属ボルトよりも大きいリード角βで形成し、該ボ
ルト1に左回りねじ山の第1ナツト5と右回りねじ山の
第2ナット7を螺合する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ファインセラミックスを素材とするボルトナット型の締付け具に関 する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする問題点】
ボルトナット型締付け具の素材としては、破壊靭性の大きい金属が用いられる のが一般的である。しかし金属は耐熱性や耐蝕性で劣り、製鉄関係をはじめとす る高温環境や、対薬品耐蝕性が要求される化学プラント関係では使用が制約され る。そこで近時、耐熱性、耐蝕性に優れたファインセラミックスを素材としてボ ルトナットを製造する試みがなされている。しかし、ファインセラミックスは破 壊靭性が小さく、特にボルト締付け時に発生する引張り応力により容易に破壊す るため、高強度の締付け具としては実用化が困難であった。 本考案は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、ファインセラミックス を素材とし、かつ実用的なボルトナツト型締付け具を提供することを目的として いる。
【0003】
【問題点を解決するための手段】
本考案者らは、ねじを締付ける時の締付トルクと締付力との関係式から、ねじ のリード角が大きいと締付力、従って、引張り応力が小さくなることに着目し、 セラミック製ボルトの胴部に形成するねじ溝のリード角を金属製ボルトのものよ りも大きくすると共に、締付力の低下によるナットのゆるみを防止するため、二 重ナット機構を採用し、以って本考案の目的を達成せんとするものである。 すなわち本考案は、胴部に左回りねじ溝と右回りねじ溝とを同じピッチで形成し たセラミック製のボルトと、該ボルトの左回りねじ溝に螺合可能な左回りねじ山 を形成したセラミック製の第1ナットと、上記ボルトの右回りねじ溝に螺合可能 な右回りねじ山を形成したセラミック製の第2ナットとから成り、上記両ねじ溝 のリード角が3°〜35°にされ、該両ねじ溝及び上記両ねじ山の横断面が半月 状を成していることを特徴としている。
【0004】
【構成】
以下、本考案の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1は本考案の要 部切欠き正面図、図2は第1ナットの縦断面図、図3は第2ナットの縦断面図で ある。図において、1はセラミック製ボルトであり、2は該ボルト1の6角頭部 を示す。該ボルト1の胴部には、下端側から見て、左回り方向のねじ溝3と、こ れに交差する右回り方向のねじ溝4とが同じピッチで形成されている。5は、セ ラミツクスを素材とする締付け用の第1ナットであり、該ナット5には、上記ボ ルト1の左回りねじ溝3に螺合可能な左回りねじ山6が形成されている。また7 は、セラミックスを素材とするゆるみ止め用の第2ナットであり、該ナット7に は、上記ボルト1の右回りねじ溝4に螺合可能な右回りねじ山8が形成されてい る。上記ボルト1のねじ溝3,4のリード角(ねじ山のつる巻線と、その上の1 点を通るねじの軸に直角な平面とがなす角度)(β)は、3°〜35°以下の値 にされている。その下限値は、金属製ねじの一般的なリード角が、JIS規格に より定められたねじのピッチ及び径から計算して3°未満であることに鑑みて設 定されたものである。またその上限値は、ねずみ鋳鉄の中実丸棒を捩じり破壊さ せた時の破面をリード角で表した値が35°±1.5°となることに鑑みて設定さ れたものである(「材料試験方法」、1976年、養賢堂、p.60〜61)。な お、上記ボルト1、第1ナット5及び第2ナット7のねじ溝3,4及びねじ山6 ,8は、その横断面が半月状にされている。
【0005】
【作用】
上記のように構成されたボルト1及び第1ナット5により被締付け部材9,1 1を締付けると共に、第1ナット5の下面に接して第2ナット7を螺合する。こ の締付け時、ボルト1の締付けトルクTfと締付力Fとの関係は、下記の等式で 表される。 Tf=1/2[d2tan(ρ+β)+dwμw]・・・・・(A) ここで、 d2:ねじの有効径 β:リード角 ρ:ねじ面における換算摩擦係数 μw:ボルト頭部座面またはナット座面と被締付け部材との接触面の摩擦係数 dw:ボルト頭部座面またはナット座面の平均直径 (「ねじ締付機構設計のポイント」、1975.6.25、日本規格協会、 p.257)。 上記式(A)から、 F=2Tf/[d2tan(ρ+β)+dwμw]・・・・・(B) 該式(B)において、Tf、d2、dwμw が一定とすると、リード角(β)が大きくなれ ば締付力Fが小さくなる。その結果、ボルト1の引張り応力が小さくなり、ボル ト1の被破壊性が小さくなる。
【0006】 一方、ボルト1を締付けた状態では、該ボルト1をゆるませるのに必要なゆる めトルクTlと締付力Fとの関係は、下記の等式で表される(同上文献、同頁) 。Tl=F[d2tan(ρ-β)+dwμw]×1/2・・・・・(C) 該式(C)において、d2、dwμw が一定とすると、締付力Fが小さくなれば、 ゆるめトルクTlが小さくなり、ボルト1がゆるみやすくなる。すなわち、第1 ナット5が、下端側から見て時計方向にまわり出そうとする。しかし、第1ナッ ト5と第2ナット7とは相接触しており、かつ互いに同一方向に回る運動を行う ため、第2ナット7はますます第1ナット5の方に近寄ろうとする力を発揮し、 その結果、第1ナット5のゆるみが阻止される。また、上記ボルト1のねじ溝3 ,4の横断面、上記第1ナット5及び第2ナット7のねじ山6,8の横断面はそ れぞれ半月状にされており、接触面積が大きい。従って摩擦係数ρが大きく、上 記式(C)におけるゆるめトルクTlが大きくなって、第1ナット5がゆるみにくく なっている。更に、半月状にすることにより、接触の力の作用が分散されること になり、応力が集中せず、信頼性の高いねじ構造になる。
【0007】
【考案の効果】 上記の説明から明らかなように、本考案のセラミックボルトは、ねじ溝のリー ド角が金属ボルトのそれよりも大きくされているため、締付け時の締付力が小さ く、従って引張り応力が小さいから、従来のセラミックボルトよりも破壊しにく い。また本考案では、ねじ面における摩擦係数が大きくされていると共に、二重 ナット機構を採用しているため、ボルトがゆるむことがない。従って本考案は、 耐熱、耐蝕性が要求される環境で使用する締付け具として実用に耐えうるもので ある。なお実施例では、ボルト側にねじ溝が、ナット側にねじ山がそれぞれ形成 されているが、その反対でもよい。また第1ナット5と第2ナット7の螺合順を 逆にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の要部切欠き正面図である。
【図2】本考案における第1ナットの縦断面図である。
【図3】本考案における第2ナットの縦断面図である。
【符号の説明】
1 ボルト 3 左回りねじ溝 4 右回りねじ溝 5 第1ナット 6 左回りねじ山 7 第2ナット 8 右回りねじ山 β リード角

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 胴部に左回りねじ溝3と右回りねじ溝4
    とを同じピッチで形成したセラミック製のボルト1と、
    該ボルト1の左回りねじ溝3に螺合可能な左回りねじ山
    6を形成したセラミック製の第1ナット5と、上記ボル
    ト1の右回りねじ溝4に螺合可能な右回りねじ山8を形
    成したセラミック製の第2ナット7とから成り、上記両
    ねじ溝3、4のリード角βが3°〜35°にされ、該両
    ねじ溝3、4及び上記両ねじ山6、8の横断面が半月状
    を成していることを特徴とするボルトナット締付け具。
JP5564891U 1991-06-21 1991-06-21 ボルトナット締付け具 Expired - Fee Related JPH088333Y2 (ja)

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JPH088333Y2 (ja) 1996-03-06

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