JPH05100179A - 特殊絞りを有した走査光学系 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光束が回転プリズムを通過するときに発生す
るフレアー成分を特殊絞りにより除去し、高画質の画像
形成が可能な特殊絞りを有した走査光学系を得ること。 【構成】 多角形プリズムの回転により被写体を走査
し、撮像する光学系において、撮像レンズの光量を調節
する開口絞りの該プリズムの回転軸と直交方向の長さを
回転軸方向の長さより短くしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は特殊絞りを有した光走査
光学系に関し、特に多角形状の回転プリズムで光走査
し、画像情報を得る例えばテレシネ、高速カメラ等に好
適なものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりフライングスポット管のスポッ
ト光を回転する多角形プリズムによって連続的に移動す
るフィルム面に焦点を結ばせたり、高速現象を多角形プ
リズムで連続的に記録する方式等が知られている。

【０００３】ポリゴンにより画像を走査する従来例を図
５に示す。

【０００４】１は多角形状の回転プリズムであり、撮像
レンズの光軸上に回転中心を有し、対向する面の屈折に
より光束を一方向に走査する。テレシネカメラの場合は
４は紙面上下方向に連続走行するフィルムであり、２は
投射レンズであり、５はフライングスポット管面，８は
フォトマル等の撮像素子でありフライングスポット管面
５面上を電子ビームが１フレーム走査する時間と同期し
て、フィルム４が１フレーム連続的に走行し、かつ回転
プリズム１の対向する２面（対向する１組の２面の回転
が１フレームに相当する）も回転することにより、フラ
イングスポット管からの光をフィルム１フレームに照射
することになり、その透過光をフォトマル８に取り込ん
で画像を得ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように従来の撮影
系は回転プリズムを透過した光束を用いて被写体を撮像
手段面上に結像している。このとき結像作用をする光束
は光軸に対して種々の角度で回転プリズム１に入射す
る。即ち光束は種々の角度に斜設した平行平面板を通過
することになる。この為回転プリズムからコマ収差や非
点収差等の諸収差が発生してきてフレアー成分となり、
画質を大きく低下させる原因となっている。

【０００６】本発明は撮影系中に開口形状を適切に設定
した特殊絞りを用いることにより、回転プリズムを回転
させて光走査する際に光束が回転プリズムを通過すると
きに発生するコマ収差や非点収差等の諸収差の悪影響が
なるべく少なくなるようにし高画質の画像情報が容易に
得られる特殊絞りを有した走査光学系の提供を目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の特殊絞りを有し
た走査光学系は、多角形プリズムの回転により被写体を
走査し、撮像する光学系において、撮像レンズの光量を
調節する開口絞りの該プリズムの回転軸と直交方向の長
さを回転軸方向の長さより短くしたことを特徴としてい
る。

【０００８】この他本発明では、照明系で照明された一
方向に移動する被写体からの光束を用い、該方向とは直
交する方向に長い開口を有するスリット開口部と回動可
能の多角形状の回転プリズム、そして撮影系を介して撮
像手段面上を光走査して画像情報を形成する際、該撮影
系は該回転プリズムの回転軸方向の開口径が該回転軸と
直交方向の開口径に比べて長い形状の特殊絞りを有して
いることを特徴としている。

【０００９】又本発明では、前記撮像手段は前記回転プ
リズムの回転操作により一方向に移動する被写体の画像
を得ていることを特徴としている。

【００１０】

【実施例】図１は本発明の実施例１の要部概略図であ
る。

【００１１】本実施例では前述した図５の従来の走査光
学系に比べて撮影系中に所定の開口形状を有した特殊絞
りを設けて、回転プリズムより生ずるコマ収差や非点収
差等の諸収差によるフレアー成分を除去している点が異
なっており、その他の構成は略同じである。

【００１２】高速撮影カメラの場合は、８は撮影レンズ
であり、４はその結像面であり、４ｂは結像面４に近接
し回転プリズム１の回転軸方向に長い開口を有するスリ
ット開口部であり、５はＣＣＤ等の撮像素子であり撮影
レンズ８により結像された像面４のうちスリット４ｂを
通過してくる光について、回転プリズムの対向する２面
（対向する１組の２面の回転が１フレームに相当する）
が回転することによりレンズを介してスリット像が撮像
素子上に時間的に走査され、１フレーム分の画像を形成
している。３は特殊絞りとしての開口絞りであり、撮影
系２中に設けている。

【００１３】図２（Ａ），（Ｂ）は各々本発明に係る特
殊絞り３の概略図である。同図において３ａは開口径、
１ａは回転プリズム１の回転軸方向を示している。

【００１４】図２（Ａ）は特殊絞り３の開口形状３ａが
長方形のとき、図２（Ｂ）は開口形状３ａが楕円形状の
場合を示している。いずれも特殊絞り３の開口形状は回
転プリズム１の回転軸１ａと直交方向の開口径及び回転
軸方向１ａの開口径Ａに比べて短くなっている。これに
より光束が回転プリズム１を通過したときに発生するフ
レアー成分を効果的に除去している。

【００１５】本実施例においては撮影系２中に前述した
開口形状を有する特殊絞り３を配置することにより、光
束が回転プリズムを通過したときに発生するフレアー成
分を除去し、高画質の画像情報を得ている。

【００１６】図３（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）は、結像面の
一点からの光束が撮像手段５に結像する際のスポットダ
イアグラムの説明図である。

【００１７】図３（Ａ）は回転プリズムの面が光軸と直
交しているとき、図３（Ｂ），（Ｃ）は回転プリズムの
面が光軸と一定の角度になっているときである。このう
ち図３（Ｂ）は本発明に係る特殊絞りを用いないとき，
図３（Ｃ）は図２に示す開口形状の特殊絞りを用いたと
きを示している。図３（Ｃ）に示すように図２に示す特
殊絞りを用いるとフレアー成分を効果的に減少させるこ
とができ、画質を向上させることができる。

【００１８】図４は本発明に係る特殊絞りの一実施例の
概略図である。

【００１９】同図においては光量調節の為に複数の絞り
羽根６が絞り込まれると同時に、回転プリズムの回転軸
１ａと直交方向から２枚の絞り羽根７が先行して絞り込
んでいる。これにより絞り開口形状を規制している。

【００２０】本実施例によれば光量調節の為に絞り開口
を絞る際に回転プリズムの回転軸１ａ方向の良像方向は
絞り込み量を少なくし、回転軸１ａと直交方向の諸収差
によるフレアー成分を先に絞り込むようにしている。こ
のようにして絞り開口を絞り込むことにより画質の向上
を図っている。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば前述の如く、撮影系中に
開口形状を適切に設定した特殊絞りを用いることによ
り、回転プリズムを回転させて光走査する際に光束が回
転プリズムを通過するときに発生するコマ収差や非点収
差等の諸収差の悪影響がなるべく少なくなるようにし、
高画質の画像情報が容易に得られる特殊絞りを有した走
査光学系を達成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例１の要部概略図

【図２】 図１の一部分の説明図

【図３】 図１の撮像手段面上のスポットダイアグ
ラムの説明図

【図４】 本発明に係る特殊絞りの説明図

【図５】 従来の走査光学系の要部概略図

【符号の説明】

１ 回転プリズム ２ 撮影系 ３ 特殊絞り ４ 被写体 ５ 撮像手段 ６，７ 絞り羽根 ８ 照明系

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多角形プリズムの回転により被写体を走
   査し、撮像する光学系において、撮像レンズの光量を調
   節する開口絞りの該プリズムの回転軸と直交方向の長さ
   を回転軸方向の長さより短くしたことを特徴とする特殊
   絞りを有した光学系。
2. 【請求項２】 照明系で照明された一方向に移動する被
   写体からの光束を用い、該方向とは直交する方向に長い
   開口を有するスリット開口部と回動可能の多角形状の回
   転プリズム、そして撮影系を介して撮像手段面上を光走
   査して画像情報を形成する際、該撮影系は該回転プリズ
   ムの回転軸方向の開口径が該回転軸と直交方向の開口径
   に比べて長い形状の特殊絞りを有していることを特徴と
   する特殊絞りを有した走査光学系。
3. 【請求項３】 前記撮像手段は前記回転プリズムの回転
   操作により一方向に移動する被写体の画像を得ているこ
   とを特徴とする請求項２の特殊絞りを有した走査光学
   系。