JPH04948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、鋼管等の内面の溶接接続部のスラグ
やスパツタ等を研掃するための管内面研掃装置に
関する。

従来の技術 一般に、鋼管内面には防錆対策として塗装膜を
形成する必要があり、そのためには、接合溶接部
に付着したスラグやスパツタあるいは錆等を除去
し、管内面を平滑に仕上げる必要がある。そこ
で、内径が600mm以上の鋼管にあつては、作業員
が管内に入つて溶接部内面の研掃、清掃あるいは
塗装を行なうことが可能であるが、それ以下の内
径の鋼管にあつては、管内を自動的に走行可能な
下地処理装置や塗装装置が使用されている。

従来、この種の管内面研掃装置としては、実公
昭60−42055号公報、実開昭60−112386号公報に
記載のものが提供されているが、これらはいずれ
も、回転ブラシを伸縮ロツドによつて管内面に圧
接しつつ回転駆動すると同時にヘツド全体を回転
させる形式を採用している。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、従来のものでは、ブラシを管内
面に圧接させるのに伸縮ロツドを用いるために装
置全体が管の径方向に大型化すると共に、ヘツド
全体の回転、ブラシの回転、圧接にそれぞれ駆動
装置を必要とする点からも装置全体が管の径方向
に大型化し、比較的小径の鋼管には使用できない
という問題点を有している。

問題点を解決するための手段 以上の問題点を解決するため、本考案に係る管
内面研掃装置は、モータの出力軸に回転板を固定
し、該モータの出力軸と同軸上に第１のギヤを固
定し、前記回転板の周部に回転自在に装着した第
１の支軸に前記第１のギヤと噛合する第２のギヤ
を固定すると共に、第３のギヤを固定し、かつ、
アームを回転自在に装着し、該アームに前記第３
のギヤと噛合する第４のギヤを固定すると共に、
研掃ブラシを着脱可能に取り付けたことを特徴と
する。

作 用 以上の構成において、前記モータを駆動する
と、回転板が回転してヘツド全体が自転すること
となる。同時に、第２のギヤが第１の支軸と共に
第１のギヤの周囲を転動しつつ公転し、アームが
遠心力で振られることにより研掃ブラシが管内面
に圧接される。また、第３のギヤ、第４のギヤを
介して第２の支軸が回転駆動されることにより研
掃ブラシが回転する。即ち、一つのモータにて研
掃ブラシの回転、管内面への圧接、ヘツド部の自
転（研掃ブラシの周方向への移動）が可能であ
る。

実施例 以下、本考案に係る管内面研掃装置の一実施例
を添付図面に従つて説明する。

エアーモータ１は基板５，６に支持され、後端
部のジヨイントには図示しないエアーホースが接
続可能である。基板５には支持車輪７、補助車輪
８、基板６には補助車輪８，９がそれぞれ回転自
在に取り付けられ、これらの車輪７，８，９が鋼
管５０の内面に圧接することにより走行可能であ
る。なお、走行力は図示しない管内面走行装置を
結合することにより得る様になつている。

回転板１０，１０は、エアーモータ１の出力軸
２に固定され、３個のスペーサ１１にて一体化さ
れ、エアーモータ１を駆動することにより、例え
ば、矢印Ａ方向に自転可能である。前記出力軸２
と同軸上には第１のギヤ１５が固定され、この第
１の出力ギヤ１５は出力軸２の回転によつて回転
することはない。

また、回転板１０，１０の周部には軸受１２、
１２を介して第１の支軸２０が回転自在に装着さ
れ、該第１の支軸２０には第２のギヤ２５と第３
のギヤ２６とが固定され、かつ、軸受３１を介し
てアーム３０が回転自在に装着されている。第２
のギヤ２５は前記第１のギヤ１５に噛合してい
る。

アーム３０には軸受３２を介して第２の支軸３
５が回転自在に装着され、該第２の支軸３５には
第４のギヤ４０が固定されていると共に、先端に
は研掃ブラシ４５が着脱可能に取り付けられてい
る。研掃ブラシ４５は第１図に示す小径D₁のも
のから第２図に示す大径D₂のものまで種々用意
されており、鋼管の内径に合わせて交換可能であ
る。

以上の構成において、本研掃装置全体は図示し
ない管内面走行装置に結合されて車輪７，８，９
が管内面５０に圧接することにより矢印Ｄ方向に
走行する。そして、エアーモータ１を駆動する
と、回転板１０，１０が矢印Ａ方向に回転してヘ
ツド全体が矢印Ａ方向に自転することとなる。同
時に、第２のギヤ２５が第１の支軸２０と共に第
１のギヤ１５（固定されている）の周囲を矢印Ｂ
方向に転動しつつ同矢印Ａ方向に公転する。これ
にて、アーム３０が遠心力で外方に振られ、研掃
ブラシ４５が管内面５０に圧接される。また、第
１の支軸２０の回転は第３のギヤ２６、第４のギ
ヤ４０を介して第２の支軸３５に伝達され、第２
の支軸３５が矢印Ｃ方向に回転駆動されることに
より、研掃ブラシ４５が同矢印Ｃ方向に回転す
る。以上の動作にて管内面５０の塗装のための下
地処理、即ち、研掃が行なわれることとなる。

考案の効果 以上の説明で明らかな様に、本考案によれば、
モータの出力軸に固定した回転板の周部に第１の
支軸を介してアームを取り付け、該アームに回転
自在に装着した第２の支軸の先端に研掃ブラシを
取り付けたため、モータの回転による回転板の自
転にて研掃ブラシが遠心力で管内面に圧接されつ
つ公転し、かつ、固定された第１のギヤの周囲を
第１の支軸に固定した第２のギヤが転動し、この
回転が第１の支軸、第３のギヤ、第４のギヤ、第
２の支軸に伝達され、前記研掃ブラシが回転する
こととなるため、一のモータにて研掃ブラシの回
転、管内面への圧接、ヘツド部の回転（研掃ブラ
シの周方向への移動）が可能となり、装置全体を
小型、コンパクト化でき、比較的小径の鋼管に対
しても使用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る管内面研掃装置の一実施例
を示し、第１図は部分的に断面とした正面図、第
２図は側面図、第３図は正面図である。 １……エアーモータ、２……出力軸、１０……
回転板、１５……第１のギヤ、２０……第１の支
軸、２５……第２のギヤ、２６……第３のギヤ、
３０……アーム、３５……第２の支軸、４０……
第４のギヤ、４５……研掃ブラシ、５０……管内
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータの出力軸に回転板を固定し、該モータの
   出力軸と同軸上に第１のギヤを固定し、前記回転
   板の周部に回転自在に装着した第１の支軸に前記
   第１のギヤと噛合する第２のギヤを固定すると共
   に、第３のギヤを固定し、かつ、アームを回転自
   在に装着し、該アームに前記第３のギヤと噛合す
   る第４のギヤを固定すると共に、研掃ブラシを着
   脱可能に取り付けたことを特徴とする管内面研掃
   装置。