JPH0492678A - 組織選択加熱装置 - Google Patents

組織選択加熱装置

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JPH0492678A
JPH0492678A JP2212116A JP21211690A JPH0492678A JP H0492678 A JPH0492678 A JP H0492678A JP 2212116 A JP2212116 A JP 2212116A JP 21211690 A JP21211690 A JP 21211690A JP H0492678 A JPH0492678 A JP H0492678A
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Hiroyuki Kitahara
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本願発明は、特定部位の一部の組織のみを高精度に選択
して正確な温度に加熱又は加温し得るようにした組織選
択加熱装置に関するものである。
(従来の技術) 最近の医療機関では、一般に磁気共鳴映像診断装置(略
してMRI)と呼ばれる画像診断装置が多く使用される
ようになっている。
この磁気共鳴映像診断装置は、核物理現象としての核磁
気共鳴(いわゆるNMR)を利用したもので、人間の細
胞の原子核に所定の周波数の電磁波を照射し、その共鳴
現象をコンピュータを使用した画像処理ンステムによっ
て映像化することによって人体の細胞の原子レベルでの
病理状態を視覚的に診断できるようにしたものである。
人体の細胞を構成する原子の大部分は水素原子(H)で
あるが、その原子核(’H)は、分かり易く言うと極く
小さな磁石と同じであって、通常の状態では自転し首振
り運動を続けている。ところが、これを強力な磁場の中
に置くと、当該各原子核(1H)は上記磁場の方向に全
てが向きをそろえる。
そして、その状態において該磁場の方向と直角な方向か
ら電磁波(ラジオ波)を照射すると、上記各原子核は特
定の周波数の電圧信号を出して、その位置を知らせる。
そこで、該電圧信号をキャッチして画像を構成し、疾患
を診断するというメカニズムとなっている。
上記磁気共鳴映像診断装置の開発以前には、般にX線を
使用した断層撮影装置、いわゆるX線CTと呼ばれるも
のが用いられていたが、磁気共鳴映像診断装置の場合に
は該X線CTの場合と異なり、一般に人体に無害とされ
ている電磁波を用いるためにX1ilCTのような放射
線被曝の恐れがなく安全性が高い。また、診断機能の点
でも優れている。
すなわち、磁気共鳴映像診断装置では異常細胞と正常細
胞との違いを原子核レベルで把えることができるのて、
病巣の存在する部分を極めて明瞭にとらえることができ
る。例えば、人体のガン細胞中の水素原子核は一般に正
常細胞中のそれよりも密度が高い。また、同ガン細胞中
の水分子と正常細胞中の水分子とは動きが全く違う。さ
らに磁気共鳴後の水素原子核が元の状態に戻る時間も異
なる。
したがって、このような違いを原子核の反応によって追
跡すれば、末だ具体的に病変として現れていない段階で
でも正確に病気を診断する手掛かりをつかむことができ
る。
一方、以上のようにして発見された例えばガン細胞の除
去等の治療について、最近ではレーザメスを使用して患
部の組織を瞬間的に焼き切って破壊し、蒸発させてしま
う外科的な手術も多く施されるようになっている。該治
療方法では、切除と同時にレーザ光による高い光熱によ
り周囲の血管が焼き固められてしまうので出血量も少な
くて済む。また、仮に切口にガン細胞があったとしても
上記光熱により死滅し、しかも上記の如く血管が凝固す
るので手術後の血流によりガン細胞が体内に拡散される
という欠点もなく転移を生じに(いというメリットがあ
る。特に胃ガンなどの場合には、内視鏡のファイパルス
コープにより、レーザ光を体内の患部に導いて、目的の
部位(患部)に正確に照射するようにすれば切開手術を
必要とせず、しかも患部周囲の組織破壊も最も小さい形
でガン細胞の除去を図ることができる。
しかし、上記レーザメスによる組織破壊の治療は、何れ
にしても外部のレーザ光源部から患部まてレーザ光を導
くことが必要であり、患部が胃などと異なって内視鏡等
を使用し得ない閉体内にある場合などには採用すること
ができない。つまり、完全な意味での無侵襲治療は不可
能である。
このため、最近では例えば特開昭60−55967号公
報に示されているように閑体内のガン組織に対し、外部
から超音波やマイクロ波を照射してガン細胞を加熱する
ことによって衰退、死滅させるハイパーサーミアと称さ
れる温熱治療方法も研究されている。
一般にガン細胞は、例えば人体の体温36°Cよりも高
い40℃〜50°C程度に所定時間以上保持されると正
常な代射活動が不可能となって死滅する。上記温熱治療
は、この点に着目して研究、開発されているものであり
、既に数種類の実製品も提供されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、例えば上記超音波エネルギーを利用したもので
は、音の圧力波を縦波として人体内を伝搬させる時の、
同人体内での粘性や散乱などによる超音波の工不ルキー
損失による発熱を利用したものであるから、正確に患部
のみで発熱を生じさせるということができず、正常組織
をも損傷させてしまう問題を抱えている。
また、超音波の伝搬部に組織上の密度差があると、界面
反射を生じてしまい、深層部まで十分な超音波の伝達が
行えない問題もある。
したがって、患部位置によっては必ずしも十分な治療効
果を上げることができない。
次に、上記マイクロ波を利用した誘導加熱方式によるも
のでは、人体の内部に交流電流を流し、患部の電気抵抗
に応じたジュール熱によって加熱するものであるから、
やはり、患部だけを正確に加熱することはできず、上記
の場合と同様に正常組織を損傷する問題がある。
(課題を解決するための手段) 本願の請求項1〜3記載の各発明は、それぞれ上記従来
の問題を解決することを目的としてなされたものであっ
て、各々次のような課題解決手段を備えて構成されてい
る。
(1)請求項1記載の発明の課題解決手段該請求項1記
載の発明の組織選択加熱装置は、全体の組織中の特定の
組織部を当該組織を形成する核種又は原子核を取り巻く
環境構造の差違によって判別特定する組織特定手段と、
該組織特定手段によって特定された特定の組織部に静磁
場を与える静磁場形成手段と、該静磁場形成手段によっ
て形成された静磁場中に於ける上記組織特定手段によっ
て特定された特定の組織部に対し、当該特定の組織部の
みで核磁気共鳴吸収される所定の周波数の電磁波を照射
する電磁波照射手段とを備えて構成されている。
(2)  II請求項2記載発明の課題解決手段該請求
項2記載の発明の組織選択加熱装置は、不対電子を有す
る分子成分を含んで形成された全組織中の特定の組織部
を当該組織を形成する分子中の上記不対電子を取り巻く
環境構造の差違によって判別特定する組織特定手段と、
該組織特定手段によって特定された特定の組織部に静磁
場を与える静磁場形成手段と、該静磁場形成手段によっ
て形成された静磁場中に於ける上記組織特定手段によっ
て特定された特定の組織部に対し、当該特定の組織部の
みで電子スピン共鳴吸収される所定の周波数のマイクロ
波を照射するマイクロ波照射手段とを備えて構成されて
いる。
(3)請求項3記載の発明の課題解決手段該請求項3記
載の発明の組織選択加熱装置は、核スピン量子数が1以
上の原子核を有する組織中の特定の組織部を当該組織を
形成する原子核を取り巻く環境構造の差違によって判別
特定する組織特定手段と、該組織特定手段によって特定
された特定の組織部に静磁場を与える静磁場形成手段と
、該静磁場形成手段によって形成された静磁場中に於け
る上記組織特定手段によって特定された組織部に対し、
当該特定の組織部のみで核四極子共鳴吸収される所定の
周波数の電磁波を照射する電磁波照射手段とを備えて構
成されている。
(作 用) (1)il請求項記載の発明の作用 上記のように、請求項1記載の発明の組織選択加熱装置
の構成では、例えば人体等の全体の組織中の特定の組織
部を該組織を形成する核種又は原子核を中心として、そ
の周囲の環境構造の差違によって正確に判別特定し、該
特定された組織部に対し所定レベルの静磁場中において
当該特定された組織部によってのみ核磁気共鳴吸収され
て熱交換される所定周波数の電磁波を照射して発熱させ
るようになっている。
したがって、この発熱は上記組織特定手段によって特定
された組織部でのみ正確に生じ、他の組織部では生じな
いようになる。
(2)請求項2記載の発明の作用 上記のように、請求項2記載の発明の組織選択加熱装置
の構成では、例えば人体等の不対電子を有する分子によ
って形成された全体の組織中の特定の組織部を該組織を
形成する分子中の不対電子を中心として、その周囲の環
境構造の差違によって正確に判別特定し、該特定された
組織部に対し所定レベルの静磁場中において当該特定さ
れた組織部によってのみ電子スピン共鳴吸収されて熱交
換される所定周波数のマイクロ波を照射して発熱させる
ようになっている。
したがって、この発熱は上記組織特定手段によって特定
された組織部でのみ正確に生じ、他の組織部では生じな
いようになる。
(3)i*請求項3記載発明の作用 上記のように、請求項3記載の発明の組織選択加熱装置
の構成では、核スピン量子数が1以上の原子核を有する
組織中の特定の組織部を該組織を形成する原子核を中心
として、その周囲の環境構造の差違によって正確に判別
特定し、該特定された組織部に対し所定レベルの静磁場
中において当該特定された組織部によってのみ核四極子
共鳴吸収されて熱交換される所定周波数の電磁波を照射
して発熱させるようになっている。
したがって、この発熱は上記組織特定手段によって特定
された組織部でのみ正確に生じ、他の組織部では生じな
いようになる。
(発明の効果) したがって、本願の請求項1〜3記載の各発明の組織選
択加熱装置によると、その何れにあっても目的とする特
定の組織部のみを正確に加熱することができる加熱装置
を提供することかできるようになり、例えば先に従来技
術に関連して述べたガン治療用の混熱装置として構成し
た場合にも従来のような問題は生じない。
(実施例) (1)第1実施例 先ず第1図〜第6図は、本願発明の第1実施例にかかる
組織選択加熱装置の構成並びに作用を示している。
この第1実施例の組織選択加熱装置は、加熱ンステムと
して核磁気共鳴吸収による加熱方式を採用して構成され
ている。
そこで、先ず該核磁気共鳴吸収による加熱の原理につい
て説明しておく。
核磁気共鳴吸収というのは、一般には核磁気共鳴現象(
NMR)の分析、測定法として知られているものである
が、要するに、核磁気共鳴に伴うエネルギー損失、すな
わち、共鳴時に生じる電磁波の吸収を意味するものであ
る。
多くの原子核はスピン角運動量を有し、このスピン角運
動量も量子化され、核スピン量子数を1とするスピン角
運動量はA]〒+])・(h/2π)となる。ここでは
主として水素原子核(’H)を取り上げるが、この場合
は核スピン量子数IはI=17′2である。空間のある
方向のスピン角運動量も量子化される。
磁場が加えられないときは、略同数の+1/2と−1/
2の状態の核があり、そのエネルギー準位は第2図に示
すように同じである。ところが、上記水素原子核(’H
)を所定の強さの磁場B。の中に置(と、第3図のよう
に該磁場の強さに比例して上記+1/2と一1/2との
2つの状態(右回りと左回り)の原子核は、その+1/
2めエネルギー準位間に2μB、のエネルギー準位差が
できる(但しμは磁界の影響によって生しる磁気モーメ
ントである)。該磁場を加えた場合の水素原子核(’H
)の磁場方向のスピン角運動成分は、+1/2(h/2
π)、または−1/2(h/2π)である。
つまり、原子核は+1/2(h/2π)のスピン角運動
量をもち、したがって、磁気モーメントをもつので、磁
場が加えられると上述のように2つの異なったエネルギ
ー準位をもつことになる。
そして、上記のように磁場印加後、一定の時間が経過す
ると、やがて次式に基づいて決定されるボルツマン分布
にしたがって各スピン核(スピン角運動量をもつ原子核
)はエネルギー準位の低い+1/2のスピン核(白丸)
が多くなって第4図に示すように熱平衡状態(速度分布
が時間に関係なく一定となった状態)になる。
N e / N b = e X P (−ΔE/KT
)N:核の個数 ΔE:エネルギー準位差[J) に:ボルノマン定数(1,380XIO−1”CJ −
に−’〕)T:絶対温度〔K〕 次に、該熱平衡状態において、例えば上記2μB0のエ
ネルギーに相当する周波数ν。の電磁波(数十MH程度
のラジオ波)を照射する。
この時、次式の条件を充足すると第5図のようにエネル
ギー準位面の遷移−+ 1/2→−1/ 2 b<起こ
る。
hν。=2μB。
但し、 h、ブランク定数(6,626+76X 10−” J
  )ν。:電磁波の周波数(振動数) この現象が核磁気共鳴吸収と呼ばれるものであり、この
時に電磁波のエネルギーは先ず格子の運動エネルギーを
へて次に当該格子を構成している分子系の熱エネルギー
に変換され、発熱する。従って、この熱によって当該原
子によって構成されている組織部分を加熱することかで
きることになる。
しかも、この際の核磁気共鳴周波数は、同一核種でも、
その原子核を取り巻く環境(例えば分子構造など)によ
り異なるので、任意の構造の分子を選択的に加熱するこ
とも可能となる。例えば脂肪の水素原子’Hと水の水素
原子IHとては共鳴周波数ν。が約3 ppm異なるた
めに、それらを選択的に加熱することができる訳である
ここで、上記核磁気共鳴吸収による発熱量を概算して見
る。
(1)対象側対象核種・・・プロトン(’H)(2)対
象条件・磁場強度Bo=8T 周囲温度−37℃ 先ず1原子核当りの吸収エネルギーをΔEとすると、Δ
Eは、 ΔE=2μB。
=2.260258X 10−”       [J 
l(但し、μm1.1412661X10−”  [J
T〜 1])となる。
次に、水素原子(’H)1モル中の基底状態(+1/2
のエネルギー準位)の原子核の個数をNbとすると、N
bは、 N b= N A/ I 1 + (N e+ N b
)1= 3.0目103X 10 ′3個 (但し、NA=6.022045X 10 ”)となる
そして、プロトン1モル当りの吸収エネルギーE、は、 E、−八EXNb = 0.0680587            [J
 ]となる。
従って、単位時間当りの発熱量Q、は、Q、=E、xN
b/NA/TIであり、例えばT、=0.5秒とすると
、 Q 、 = 0.0680605 [W]また、T +
 = 1o−”秒とすると、Q、=34.0303  
[KW] の発熱量となる。
上記T、は、スピン−格子緩和時間と呼ばれ、核磁気共
鳴吸収による電磁波のエネルギーが熱エネルギーに変換
される際の時定数であり、原子核を囲む環境構造により
異なる。一般的には、略0゜5秒とされているが、10
−6秒程度に短縮することも可能である。
さらに、Ikg当りの発熱量Qは、 Q=100OXQ、X(α/M)      [J:α
 1分子当りの対象原子核の数 M分子量 となる。
ソシテ、T、=0.5秒、T、=10−”秒として各々
例えば(1)水、(II)脂肪、(nI)タンパク質、
(IV)糖を上記核磁気共鳴吸収により具体的に加熱し
た場合の発熱量は、各々次のようになる。
(1)水を加熱した場合 a)T、=0.5秒とした場合 Q !−7,55[W] b)T μm10−’とした場合 Q!工0.99[MWコ (II)脂肪を加熱した場合 a)T、=0.5秒とした場合 Q t= 8. e[w] b)T 、= 10−@とじた場合 Q 3−4.29[MW] (α/M !==; 0.126) (III)タンパク質を加熱した場合 a)T、−0,5秒とした場合 Q 、= 1.98[W3 b)T 、−10−’とした場合 Q 4= 3.78[MW] (但しα/M #0.029) (TV)糖を加熱した場合 a) T + = 0.5秒とした場合Q s”−4,
56[Wコ b)T 、= 10−’とした場合 Q5−2.28[MW] (但しα/ M # 0.067) 以上の(1)〜(IV)各ケースの発熱量を対比して見
れば明らかなように、時定数T1が短くなるほど発熱量
は大きくなる。従って、該時定数T1を加熱対象に合わ
せて制御するようにすると、任意の加熱温度のコントロ
ールが可能となる。
次に、上記核磁気共鳴吸収の原理を採用した組織選択加
熱装置は、例えば第1図のように具体的に構成される。
第1図において、符号1は印加電流の値iを変えること
によって任意の大きさの磁場を形成することができる電
磁石であり、必要に応じて常伝導又は超伝導何れかの方
式のものが使用される。該電磁石1は、十分なシールド
技術を施した上で装置本体部にスリーブ状に組み込まれ
ている。
該スリーブ状の電磁石lの内側には、例えば数十M H
z前後の周波数帯域の電磁波(ラジオec)を中心部o
−o’方向に向けて送信するための電磁波送信アンテナ
2が設けられている。
一方、符号3は上述した周波数帯域の電磁波を発生する
電磁波発生器(発振器)であり、その出力端子は増幅器
4を介して上記電磁波送信アンテナ2に接続されている
他方、符号5が加熱対象となる実験用サンプル部材(試
料)であり、該サンプル部材5は上記電磁石1および送
信アンテナ2の中央部に嵌挿された状態で保持される。
以上の構成において、上記電磁石1により上記サンプル
部材5に対して例えば6テスラ(60KG)〜8テスラ
(80KG)の磁場をかけ、該状態において上記電磁波
送信アンテナ2から例えば数十M Hz程度の電磁波を
発射して上記サンプル部材5に照射すると、上述したよ
うに、hνo=2μBOの条件が成立した時に核磁気共
鳴吸収によって上記±1/2のエネルギー準位間の遷移
が生じ、吸収された電磁波のエネルギーが格子のエネル
ギーを経て格子を構成している分子系のエネルギーに変
換されて発熱する。そして、その熱によってサンプル部
材5を所定の温度に加熱することができる。
次に、上記の組織選択加熱装置を使用して例えば人体組
織中のガン細胞を死滅させる場合の治療方法ないし治療
ンステムについて第6図のフローチャートを参照して説
明する。
すなわち、先ず最初にステップS、で、先にも述べた周
知のMRI装置を使用して患部をイメージングし、続く
ステップS、で、その結果に基き患部のガン組織の存在
を確認する。
次にステップS、に進み上記ステップS、で確認された
ガン組織の核磁気共鳴スペクトル(NMRスペクトル)
を求める。該核磁気共鳴スペクトルは、上述したように
、上記ガン組織に対して所定の強さの静磁場を印加した
状態で所定の周波数の電磁波を照射し、核磁気共鳴を生
じさせた時の受信器側振動電圧の変化、つまりNMRス
ペクトルを意味する。このスペクトルは、同じ水素原子
でも異なった結合状態下にあれば吸収線の位置を異にし
て表われる。
さらに、続くステップS4で上述したガン組織を除く正
常組織部の同様の核磁気共鳴スペクトルを求める。
そして、さらにステップS、に進み、上記2種のスペク
トルからガン組織では吸収するが、正常組織では吸収さ
れない電磁波の波長を求める。
続いて、ステップS6に進み、上述した第1図の組織選
択加熱装置を駆動し、上記スペクトルに見合った所定強
度の静磁場内で上記正常組織では吸収されないが上記ガ
ン組織で良く吸収される波長の電磁波を上述したガン組
織に照射する。その結果、同ガン組織の部分で当該波長
の電磁波エネルキーが吸収されて発熱し、同ガン組織を
例えば50℃程度に加熱して組織を形成している蛋白質
を熱変性させて死滅させる。そして、やがて十分に熱変
性が進行してガン細胞か死滅すると、該熱変性の進行に
より吸収波長か変化するようになるので、それ以上の電
磁波の吸収は起こらず、温度上昇は停止する。
ところで、上記本実施例の組織選択加熱装置は、該装置
を加熱手段として用いることによって、例えば以下に述
べるようなサンプル部材5の種類を異にする各種の有用
なる応用装置Nol〜No33を構成することができる
(Nol)  上記装置を用いて、生体中のエイズウィ
ルスを加熱殺傷することにより、エイズを治療する装置
(N o2 )  上記装置を用いて、血管中の粥腫流
動性を向上させることにより、動脈硬化を治療する装置
(No3)  上記装置を用いてアミノ酸組成の変化し
たエラスチンを選択的に加熱して殺傷し、動脈硬化を治
療する装置。
(No4 )  上記装置を用いて、病原体(原虫、細
菌、リケIチア、クラミジア、ウィルス)を加熱殺傷す
ることによりインフルエンザなどの感染症を治療する装
置。
(No5)  上記装置を用いて、病原体の生産物(毒
素なと)を加熱殺傷することにより細菌性食中毒などの
病気を治療する装置。
(No6)  上記装置を用いて、病原体を抗原として
、生体が生産した抗体を加熱することにより、病原体を
温め、殺傷するエイズなどの病気の治療装置。
(No7)  上記装置を用いて、自己免疫疾患(膠原
病など)により正常な組織を抗原として生産された抗体
を加熱することにより抗体を殺傷する治療装置。
(No8)  上記装置を用いて、生体に投与した薬物
の活性を高めることにより病気を治療する装置。
(No9)  上記装置を用いて、生体に投与した薬物
を覆っている物質を加熱して溶かすことにより、病巣で
薬物を放出させ病気を治療する装H,。
(NoIO)  上記装置を用いて、生体に投与した磁
性物質を加熱することにより、病巣を加熱し、病気を治
療する装置。
(Noll)  上記装置を用いて、正常組織を適度に
暖めることにより、組織の増殖を促進して病気に対する
抵抗力や自然治癒能を高め病気を治療する装置。
(No12)  上記装置を用いて、特定のホルモン分
泌組織を暖め、ホルモンの分泌を促進することにより、
下垂体性小人症などのホルモン分泌不足に起因する病気
を治療する装置。
(No13)  上記装置を用いて、ホルモン分泌組織
を加熱し、障害を与えることにより、ホルモンの分泌を
抑制して末端肥大症などのホルモン分泌過剰に起因する
病気を治療する装置。
(No14)  上記装置を用いて、神経を適度に加温
する事により、緊張をやわらげる装置。
(No15)  上記装置を用いて、血管(または血液
)を暖めることにより、血行をよくして痔核や、しもや
けなどのうっ血を除去する装置。
(Nol 8)  上記装置を用いて、生体中の粘膜を
暖め、粘膜過敏性を低下させることにより、(鼻アレル
ギーや下痢なとの)病気を治療する装置。
(Not 7)  偶発的体温低下(A cciden
tal hypotherIIlia)などにより低下
した体温を上記装置を用いて、皮膚のやけどを防止しな
がら体内を暖める装置。
(No18)  上記装置を用いて、体温調節機能か低
下した患者の体温を制御する装置。
(No19)  上記装置を用いて、関節を暖めながら
運動ができる関節リウマチ治療装置。
(No20)  上記装置を用いて、正常組織の温度の
低下を防ぐ装置。
(No21)  上記装置を用いて、低温保存中の生体
組織において生命の維持に必要な部分のみを保温するこ
とにより、組織機能を有した状態で長時間保存する装置
(No22)  上記装置を用いて、DNAやRNAの
特定の部分を選択的に加熱して切断する装置。
(No23)  上記装置を用いて、遺伝子の二重鎖中
の任意の箇所を加熱することにより、その部分の水素結
合を解き、部分的に一重鎖にする装置。
(No24 )  上記装置を用いて、凍結保存された
生体Mi織を解凍する際に、その構成成分を任意の順に
解凍することにより、解凍の際の生体組織の損傷を低減
させる装置。
(No25)  上記装置を用いて、低温にして活性を
低下させた遺伝子の一部を加熱し活性化させることによ
り、特定の遺伝子の有する機能のみを発現させる装置。
(No26ン 上記装置を用いて、低温にして増殖を抑
制した遺伝子の一部を加熱することにより、遺伝子の特
定の部分を増殖させる装置。
(No27)  上記装置を用いて、低温にして増殖を
抑制した遺伝子の一部を加熱することにより、加熱した
箇所のクローニングを促進させ、必要な構造のみを持っ
た遺伝子を生産する装置。
(No28)  上記装置を用いて、遺伝子の一部を加
熱、損傷させることにより、その部分が有する機能の発
現を抑制させる装置。
(No29)  上記装置を用いて、タンパク質と遺伝
子の混合物中のタンパク質のみを加熱することによりタ
ンパク質のみを殺傷する装置。
(No30)  上記装置を用いて、機能の違う複数の
制限酵素を別々に加温し、活性化させることにより、遺
伝子操作の順番を任意に設定できる装置。
(No31)  上記装置を用いて、機能の違う複数の
制限酵素をそれぞれ別々に加熱殺傷する事により、遺伝
子操作の順番を任意に設定できる装置。
(No32)  上記装置を用いて、混合物中の任意の
成分のみを加熱し、相変化を起こさせることにより、そ
の成分を取り除き、精製する装置。
(No33)  上記装置を用いて、混合物中の任意の
成分のみを加熱することにより、周囲では化学反応を起
こさずに目的成分のみで化学反応を起こさせる装置。
(2)第2実施例 次に第7図〜第11図は、本願発明の第2実施例に係る
M織選択加熱装置の加熱原理を示している。
この実施例の組織選択加熱装置は、加熱システムとして
電子スピン共鳴吸収による加熱方式(ESR)を採用し
て構成されている。
そこで、先ず第1実施例の場合同様に電子スピン共鳴吸
収による加熱の原理について説明して置(。
電子スピン共鳴(ESR)吸収というのは、一般には電
子スピン共鳴の分析測定法として知られているものであ
れるが、要するに電子スピン共鳴に伴うエネルギー損失
、すなわち共鳴時の電磁波の吸収を意味するものである
電子スピン共鳴(ESR)には、通常試料の磁性によっ
て(a)常磁性共鳴、(b)強磁性共鳴、(c)反強磁
性共鳴などに分けられる。物質の分子やイオンに不対電
子(不対電子とは、要するに電子対を形成していない電
子であって、奇電子とも呼ばれる)があると、電子の磁
気モーメントβL外部磁場Boとの相互作用により+β
BOと−βBoの2種のエネルギー準位を生じ、上述し
た核磁気共鳴の場合のNMRスペクトルと同様のものか
できる。
これが電子スピン共鳴(ESR)と呼ばれるものである
。上記電子の磁気モーメントβは、上述した核磁気共鳴
における原子核の磁気モーメントμの場合に比べて遥か
に大きいから共鳴による吸収波長はマイク0波領域にな
る。
例えば希土類金属を構成する常磁性の分子は、不対電子
のスピン運動量のために分子全体として所定の大きさの
磁気モーメントをもつ。例えばラジカル(不対電子を有
した反応性に富む分子断片)は、−個の不対電子をもつ
ので分子全体として磁気モーメントβをもつ。
先ず、サンプル部材(試料)5中のラジカルが、第7図
のように相互に十分に離れていて各々の磁気モーメント
β0が乱雑な配向をとっていると、集団(分子)全体と
しては磁気モーメントβを持たない。
ところが、上記サンプル部材5を磁場Bo中に置くと、
上記ラジカルの磁気モーメントβ0は、第8図に示すよ
うに上記磁場Boに平行か、反平行となる。そして、磁
場Boの強度に比例して第9図に示すように上記ラジカ
ルのエネルギー準位にgβBOの準位差を生じることに
なる(g・・・分光学的分離定数)。
そして、上記のように磁場印加後、一定の時間か経過す
ると、やがて次式に基いて決定されるボルツマン分布に
従って各ラジカルはエネルギー準位の低い41/2のス
ピンのラジカルが多くなって第10図に示すように熱平
衡状態になる。
N e/ N b= exp(ΔE / K T”)N
、ラジカルの個数 △E・エネルギー準位差[J] K:ボルツマン分布(1,380X I O−”[J 
−K−13T:絶対温度[K] 次に、該熱平衡状管において、例えば上記gβB、のエ
ネルギーに相当する周波数ν。の電磁波(数十M H程
度のラジオ波)を照射する。
この時、次式の条件を充足すると第11図のようにエネ
ルギー準位面の遷移+1/2→−1/2か起こる。
hν。−gβB。
但し、h ブランク定数(6,626176X I O
−3“[Jsi) ν。:電磁波の周波数(振動数) この現象が電子スピン共鳴吸収と呼ばれるものであり、
この時に電磁波のエネルギーは先ず格子の運動エネルギ
ーをへて次に当該格子を構成している分子系の熱エネル
ギーに変換され、発熱する。
従って、この熱によって当該分子によって構成されてい
る組織部分を加熱することかできることになる。
しかも、この際の電子スピン共鳴周波数は、分子中の不
対電子の位置や、その不対電子を取り巻く環境(例えば
分子構造など)により異なるので、任意の構造の分子を
選択的に加熱することも可能となる。
ここで、上記第1実施例の場合と同しように電子スピン
共鳴吸収による発熱量を概算して見る。
(1)対象例4対象分子・・・07 (2)対象条件磁場強度Bo=8T(テスラ)周囲温度
−37°C 先ず上記○、の1個当りの吸収エネルギーを△Eとする
と、O5は2個の不対電子を含むため△Eは ΔE=2XgβB。
=2.974592X I O′”         
JJコ(イt3し、g=2.002319、β−9,2
1/4g32x10−”[JT弓]) となる。
次に、O!1モル中の基底状態(+l/’2のエネルギ
ー準位)の不対電子の個数をNbとすると、Nbは、 Nb−2X NA/ fl +(Ne+Nb))−6,
126854x 1023個 (但し、N A= a、 022Q45X 103)と
なる。
そして、O2分子1モル当りの吸収エネルギーE、は、 E =△EXNb −91,120438HJ H となる。
従って、単位時間当りの発熱量Q1は、Q += E 
、X Nb、/NA、/TIであり、例えばT、−0,
5秒とすると、 Q、=92.72  [Wコ また、■、=]]”秒とすると、 Q 1= 46.36  「ke+] となる。
上記T、は、電子スピン共鳴吸収による電磁波のエネル
ギーか熱エネルギーに変換される際の時定数であり、分
子を囲む環境構造により異なる。
一般的には、略0.5秒とされているが、上述のように
10−’秒程度に短縮することも可能である。
そして、T、−0,5秒、T、=10−’秒として各々
例えば1 (kg)あたり、(1)32gの酸素分子O
2を含む組織、(IT)320mgの酸素分子O1を含
む組織のそれぞれを加熱した場合の同1 (kg)当り
の発熱量Q、は、次のようになる。
(1)+kgあたり32gの酸素分子0.を含む組織を
加熱した場合 a)T、を05秒とした場合 Q 、−92,72[W] b)T+を10′□3秒とした場合 Q 、= 46.36 [kv] (IT>1kgあたり320Bの酸素分子02を含む組
織を加熱した場合 a)T、を05秒とした場合 Q 3= 0.9272[W] b)T、を10−’秒とした場合 Q 、−927,2[W] 以上に説明した本実施例の組織選択加熱装置は、特に電
子スピンによるものであるために、磁気モーメントβが
大きく、また照射される電磁波も波長が11IIn以下
のマイクロ波であるので、吸収によるエネルギー損失は
高い。そのため発熱量も大きい。
従って、本実施例の組織選択加熱装置によっても上述し
た第1実施例のものと同様のガン治療装置(第1図、第
6図参照)や、また同No1=No33に列挙した各種
の応用装置をより何効に実現することができる。
中でも、本実施例の装置の場合には、特に不対電子によ
る電子スピン共鳴を利用しているから、放射線照射や不
純物の添加によって本来不対電子を生じる点欠陥を有す
る固体金属の同点欠陥を加熱溶融して修復する場合の修
復装置として適している。
(3)第3実施例 上述した第1、第2実施例と同様の機能をもった組織選
択加熱装置は、さらに核四極子共鳴吸収の原理を採用す
ることによって構成することもできる。本第3実施例の
組織選択加熱装置は、このような観点から核四極子共鳴
吸収による加熱方式を採用して上述の2つの実施例のも
のと路間等の加熱効果を実現したものである。
核四極子共鳴(NQR)とは、先に第1実施例の説明中
において述べた核スピン量子数Iが1以上の原子核で生
じるもので、上述の核磁気共鳴における核磁気モーメン
トμの代りに核四極子モーノ7)Qを利用したことを特
徴とするものである。
本来は静電相互作用によるエネルギーの吸収である。
ここで、先ず核四極子モーメント(電気四極子モーメン
ト)とは、原子核の変形による電荷分布の球形からのず
れに対応し、その演算子Qは、陽子lの極座標をri、
θi、φi、電荷をeとして、Q=eΣ(3eos″θ
1−1)ri’で定義され、核スピンがZ軸方向を向い
ている状態の波動関数でQの期待値をとった<Q>がそ
の値を表わす。葉巻形のときは正(+)、円板形のとき
は負(−)とする。そして、その主軸は核スピン軸と一
致する。核スピンの量子数1が0または1/2の核では
<Q>=Oとなり、したがって偶偶核の基底状態の<Q
>は0である。中性子および陽子の数が魔法数に近いも
のでは非常に小さく、魔法数の前では正、後では負の値
をとる。魔法数から離れると絶対値は大きくなり、と(
に希土類元素で大きい。たとえば!761−uでは<Q
>/e=7 X 10−1′cm’で、独立粒子模型で
計算された値の約30倍であり、集団模型によって説明
される。
原子核からの位置ベクトルrjの点にある電荷e」とそ
の原子核との相互作用のうち核四極子による部分は、核
スピンを■、その量子数を1として、ejeQ II 
(I + I)rJ−3−3(rj ・II )’rj
−51/21 (2I−1) で与えられ、これによって核スピン準位の分岐(遷移)
がおこる。
今例えば、核スピン量子数Iが1以上(Ill)の原子
としてアンモニアNH3の場合を例に取って説明すると
、該NH3中のチッ素原子14Nには、+1/4スピン
核と一1/2スピン核の2つの状態(右回りスピン、左
回りスピン)がある。そして、該14N原子核を上述と
同様の静磁場BO中に置くと、上記2つの状態の核は、
相互のエネルギー準位に0.75(Q q/b)の差を
生じる(但し、eQqは核四極子結合定数と呼ばれるも
のである)。
そして、やがて次の式で示されるようなボルツマン分布
を生ヒ、該ボルツマン分布に応じて第12図に示すよう
に、エネルギー準位の低い一1/2のスピンの原子核が
多くなって熱平衡状態となる。
N e/ N b= exp(△E/KT)N:核の個
数 ΔE:i位間のエネルギー差 [Jコ K ボルツマン定数 (1,38(1662X  1 0 −f3     
 CJ  K −’コニ:絶対温度       [K
] 次に熱平衡状態において、次式に示すような上記0.7
5eQ qのエネルギーに相当する周波数ν0の電磁波
(ラジオ波)を照射する。
h νo= 0.75eQq h4ブランク定数(6,626176x I O−”[
J s]その結果、上述した磁気モーメントの一種であ
る核極四極子モーメントと電磁波の交流磁場との相互磁
気作用により核四極子共鳴吸収が起こり、上記熱平衡状
態にあったスピン核は一1/2の状態から+1/4の状
態に第13図のように遷移する。
そして、このようにして吸収された電磁波のエネルギー
は上記核磁気共鳴吸収、電子スピン共鳴吸収の場合と同
様に格子の運動エネルギーを経て該格子を構成している
分子系の熱エネルギーに変換されて発熱する。この場合
の核極四極子共鳴周彼数は、同一核種でも、その原子核
を取り巻く環境(分子構造など)により異なるので、任
意の構造の分子を選択的に加熱することができる。
ここで、上述の場合同様に上記核四極子共鳴吸収による
発熱量を概算して見る。
(1)対象例二対象核種・・・NH,中の14N(2)
対象条件:磁場強度Bo=8T(テスラ)周囲温度=3
7℃ 先ず14N1原子核当りの吸収エネルギーを△Eとする
と、△Eは、 ΔE = 0.75eQ q =1.5558X 1. O−”       [J]
(但し、eQq=2.0744X10−”   [JT
コとなる。
次に、”N 1モル中の基底状態の原子核の個数をNb
とすると、Nbは、 N b= N A/ I 1 +(N e+N b)1
=3.0Il103X 10 ”個 (但し、N A= 6.022045X 10 ′3)
となる。
そして、14Nプロトン1モル当りの吸収エネルギーE
、は、 El−ΔEXNb 二〇、0680587            [J 
]となる。
従って、上記1モルの単位時間当りの発熱量Q1は、 Q+=E+xNb/NA/T+であり、例えばT、=0
.5秒とすると、 Q、=0.0680605  [Wコ また、T、=IO−”秒とすると、 Q 、 = 234.23  [kv]となる。
上記T、は、スピン−格子の緩和時間であり、核四極子
共鳴吸収による電磁波のエネルギーが熱エネルギーに変
換される際の時定数であり、原子核を囲む環境構造によ
り異なる。一般的には、略05秒とされているが、上記
の如<10−’秒程度に短縮することも可能である。
さらに、Ikgあたり、(1)14gの窒素原子を含む
組織、(II)14011gの窒素原子を含む組織をそ
れぞれ加熱した場合の同1kg当りの発熱量Q。
は次のようになる。
(INkgあたり14gの窒素原子を含む組織を加熱し
た場合 a)T、−0,5秒とした場合 Q 、 = 0.0680605[W ]b)T、を1
0−8秒とした場合 Q *−234,23[kw] (It)1kgあたり140mgの窒素原子を含む組織
を加熱した場合 a)T、を0.5秒とした場合 Q != 6.80605X 10°4[W]b)T、
を10−6秒とした場合 Q t = 2.3424 [W ] そして、核四極子共鳴吸収による加熱原理を採用した本
実施例の組織選択加熱装置は、その具体的な装置構造は
上述した第1図のものと略同様のもので構成することが
でき、またガンの治療装置として使用する時は上述の第
6図と同様の治療方法を採用すれば良い。
さらに、該核四極子共鳴吸収による組織選択加熱装置の
場合にも上記第1実施例の場合と同様のNo1=No3
3例示のような各種の有用な応用装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本願発明の第1実施例に係る組織選択加熱装
置の構成を示す概略図、第2図は、本願発明の第1実施
例に係る組織選択加熱装置の加熱原理を説明する静磁場
を印加しない状態のスピン核配列図、第3図は、同組織
選択加熱装置の静磁場印加時におけるスピン核のエネル
ギー準位の変化と準位差を示す説明図、第4図は、同加
熱装置の上記静磁場印加状態におけるスピン核熱平衡状
聾の説明図、第5図は、同加熱装置の亀1波を照射した
時のスピン核の遷移を示す説明図、第6図は、同第1実
施例の組織選択加熱装置をカンの治療装置に使用した時
の治療方法を示すフローチャート、第7図は、本願発明
の第2実施例に係る電子スピン共鳴吸収による組織選択
加熱装置の加熱原理を説明する静磁場を印加しない状態
の分子ラジカル配同図、第8図は、同静磁場印加状低の
分子ラジカル配同図、第9図は、同静磁場の印加による
エネルギー準位の変化と準位差を示す説明図、第10図
は、同静磁場の印加によるスピン核の熱平衡状態の説明
図、第11図は、電磁波照射時のスピン核遷移を示す説
明図、第12図、笥13図は、各々本願発明の第3実施
例に係る核四極共鳴吸収による組織選択加熱装置の加熱
原理を示す第1O図、第11図と同様の説明図である。 l・・・・・電磁石 2・・・・・電磁波送信アンテナ 3・・・・・電磁波発生器 4・・・・・増幅器 5・・・・・サンプル部材 1   ・  − (−5スヒ/71.カル) F101i 第11図 第1311

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、全体の組織中の特定の組織部を当該組織を形成する
    核種又は原子核を取り巻く環境構造の差違によって判別
    特定する組織特定手段と、該組織特定手段によって特定
    された特定の組織部に静磁場を与える静磁場形成手段と
    、該静磁場形成手段によって形成された静磁場中に於け
    る上記組織特定手段によって特定された組織部に対し、
    当該特定の組織部のみで核磁気共鳴吸収される所定の周
    波数の電磁波を照射する電磁波照射手段とを備えてなる
    組織選択加熱装置。 2、不対電子を有する分子成分を含んで形成された全体
    の組織中の特定の組織部を当該組織を形成する分子中の
    上記不対電子を取り巻く環境構造の差違によって判別特
    定する組織特定手段と、該組織特定手段によって特定さ
    れた特定の組織部に静磁場を与える静磁場形成手段と、
    該静磁場形成手段によって形成された静磁場中に於ける
    上記組織特定手段によって特定された特定の組織部に対
    し、当該特定の組織部のみて電子スピン共鳴吸収される
    所定の周波数のマイクロ波を照射するマイクロ波照射手
    段とを備えてなる組織選択加熱装置。 3、核スピン量子数が1以上の原子核を有する組織中の
    特定の組織部を当該組織を形成する核種又は原子核を取
    り巻く環境構造の差違によって判別特定する組織特定手
    段と、該組織特定手段によって特定された特定の組織部
    に静磁場を与える静磁場形成手段と、該静磁場形成手段
    によって形成された静磁場中に於ける上記組織特定手段
    によって特定された組織部に対し、当該特定の組織部の
    みで核四極子共鳴吸収される所定の周波数の電磁波を照
    射する電磁波照射手段とを備えてなる組織選択加熱装置
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