JPH0491150A

JPH0491150A - スチレン系樹脂組成物

Info

Publication number: JPH0491150A
Application number: JP20881190A
Authority: JP
Inventors: Hiroaki Yamaoka; 弘明山岡
Original assignee: Mitsubishi Kasei Polytec Co
Current assignee: Mitsubishi Kasei Polytec Co
Priority date: 1990-08-06
Filing date: 1990-08-06
Publication date: 1992-03-24

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野ｊ本発明は、流動性および加熱安定性に優れたスチレン系
樹脂組成物に関する。

さらに詳しくは、本発明は、流動性が良好でしかも剛性
等の機械的強度に優れ、特に電気用品、自動車部品、食
品容器、室内装飾、建築材料等の用途に、成形材料、樹
脂シートおよび包装用材料として好適なスチレン系樹脂
組成物に関するものである。

「従来の技術」従来、スチレン系樹脂の流動性および成形性の向上につ
いては、ポリスチレンの分子量（比粘度）を小さくする
か、流動性向上剤であるミネラルオイル（ＭＯ）　、あ
るいはエチレンビス脂肪酸アマイド等の添加剤を重合工
程または加工工程で配合することによりある程度の改善
が成されてきたが、流動性の改善は必ずしも満足できる
ものではなかった。

特に、ポリスチレンの分子量を小さくして、流動性を向
上させる方法では、剛性および耐衝撃性等の物性バラン
スがくずれるという問題があった。

「発明が解決しようとする課題」ポリスチレンを、従来の手段により流動性等の加工性の
向上とともに、剛性および耐衝撃性等の物性を改善しよ
うとすると、加熱安定性の低下すなわちスチレン系樹脂
組成物の加熱成形時に低沸分化合物等が揮発して多量の
ミストを発生し、油付着および油ダレ等の作業困難性を
生起し、得られる製品の外観および性能を損するという
課題が発生するのである。

本発明者は、これらの課題を解決したスチレン系樹脂組
成物を開発することを目的として、鋭意努力した結果、
本発明に到達したものである。

「課題を解決するための手段コ本発明の上記の目的は、ポリスチレン１００重量部に、
グリセリン脂肪酸トリエステル０．２〜５重量部を、配
合してなることを特徴とするスチレン系樹脂組成物によ
って、達成される。

本発明において、ポリスチレンとは、汎用ポリスチレン
として知られているスチレン系重合体である。ポリスチ
レンとして、具体的に例示すれば、スチレン、ｔ−ブチ
ルスチレン、α−メチルスチレン、ｏ−、ｍ−、ｐ−メ
チルスチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等の
ハロゲン化スチレン等の１種類の重合体、またはこれら
の２種類以上の共重合体等のスチレン系重合体が挙げら
れる。これらの中でも、スチレンの単独重合体、または
スチレンとα−メチルスチレンとの共重合体が好ましい
。ポリスチレンは、公知の塊状重合法、懸濁重合法また
は乳化重合法等を、連続または回分の操作により、採用
することで得られる。

本発明において、ポリスチレンは、ＧＰＣ測定法による
重量平均分子量が１．０ＸＩ０５〜４０×１０５の範囲
のものが好ましい。重量平均分子量が１．０×１０５未
満のものを用いると、剛性および耐衝撃性等が不良とな
るので好ましくなく、また４、　ＯＸ　１０５を超える
ものを用いると、流動性等の成形性が不良となるので、
好ましくない。

本発明のスチレン系樹脂組成物は、ポリスチレン１００
重量部にグリセリン脂肪酸トリエステル０、２〜５重量
部を配合してなるものである。グリセリン脂肪酸トリエ
ステルの配合量が０．２重量部未満であると得られる樹
脂組成物の流動性の向上が少なく、５重量部を超えると
加熱安定性および剛性が低下するので好ましくない。

本発明において、グリセリン脂肪酸トリエステルとは、
グリセリンと炭素数が８〜３１の範囲の高級脂肪酸との
トリエステルである。具体的に高級脂肪酸とは、カプリ
ル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、バルミ
チン酸、ステアリン酸、ヘヘン酸、モンタン酸等の炭素
数が８〜３１の範囲の高級飽和脂肪酸と、ウンデシレン
酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸等の炭素数が８
〜３１の範囲の高級不飽和脂肪酸が挙げられる。

これらは、１種または２種以上の混合物であってよい。

さらに好ましくは、高級脂肪酸は、炭素数が８〜３１の
範囲の高級飽和脂肪酸がよい。

炭素数が８未満の脂肪酸のグリセリントリエステルは、
揮発性を有し、成形品の表面外観が不良となるので好ま
しくない。また、炭素数が３１を超える高級脂肪酸のグ
リセリントリエステルを用いると、得られる樹脂組成物
の成形性（流動性）を低下させるので好ましくない。な
お、高級不飽和脂肪酸のグリセリントリエステルを用い
る場合には、樹脂組成物の耐候性を損うおそれがあるの
で用途が限定される。

本発明のスチレン系樹脂組成物を製造する方法としては
、ポリスチレンおよびグリセリン脂肪酸トリエステルを
所定量秤量し、配合する。配合した組成物は、トライブ
レンドのままでもよいが、さらに溶融混練工程に付し溶
融混合するのがより好ましい。本発明の樹脂原料の配合
量が、上記の範囲を外れると、目的とする加熱安定性お
よび耐衝撃性が得られず、また加工性の良好なスチレン
系樹脂組成物とすることができない。

本発明の樹脂組成物の各構成成分の原料を配合し、混合
混練するには、公知の混合、混練方法をとればよい。

例えば、粉末、ビーズ、フレークまたはベレットとなっ
たこれら（共）重合体およびグリセリン脂肪酸トリエス
テルの１種または２種以上の混合物を、−軸押出機、二
軸押出機等の押出機、または、バンバリーミキサ−２加
圧ニーダ−２二本ロール等の混練機等により、樹脂組成
物とすることができる。さらに、グリセリン脂肪酸トリ
エステルを配合する代りに、グリセリン脂肪酸トリエス
テルをスチレン系樹脂に高濃度配合したものを、マスタ
ーバッチとして配合してもよい。

また、樹脂組成物中に揮発分が残留していると、加熱安
定性等の物性が低下することがあるので、押出機を用い
て混合混練する際には、強制的に脱揮しつつ混練操作を
行うのがよい。このようにして得られた樹脂組成物は、
そのまま、もしくは乾燥して成形加工等に用いられる。

本発明に係る樹脂組成物には、樹脂の性質を阻害しない
種類および量の滑削、離型剤、着色剤、帯電防止剤、難
燃化剤、紫外線吸収剤、耐熱性安定剤、耐熱性安定剤、
充填材、耐衝撃性向上剤等の各種樹脂添加剤を、適宜絹
み合わせて添加することができる。

本発明に係るスチレン系樹脂組成物からは、通常のテン
ター延伸方式またはチューブラ−延伸方式等により、−
軸または二軸方向に延伸された樹脂シートを効率よく製
造することができる。

さらに、本発明に係る樹脂組成物は、射出成形法、押出
成形法、圧縮成形法等の各種加工方法によって、自動車
部品、食品容器、電気部品、工業部品等の樹脂シート材
料および包装材料として、優れた加熱安定性および成形
性が要求される用途Ｏこ使用することができる。

「発明の効果Ｊ本発明は、以上説明したとおりであり、次のように特別
に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価値はきわめて
大である。

（１）本発明に係る樹脂組成物は、流動性等の成形加工
性が良好で、剛性および耐衝撃性等の機械的強度とのバ
ランスが優れている。

（２）本発明に係る樹脂組成物は、加熱安定性が良好で
あり、したがって加熱成形加工時に低沸分化合物等の飛
散が少なく、飛散物により、得られる成形品の外観およ
び性能を損することがない。

このため、本発明に係る樹脂組成物を用いて、特に優れ
た二軸延伸ポリスチレンシートを製造することができる
。

「実施例Ｊ次に、本発明を実施例および比較例にもとづいて具体的
に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。

以下の例においてＦ部Ｊとあるのは、「重量部Ｊを表わ
す。

実施例１〜７、比較例１〜４ポリスチレン（商品名ＨＨ−１０２、ＧＰＣによる重量
平均分子量が２．　ＯＸ　１０５であるスチレン重合体
、三菱モンサンド化成■製）およびグリセリン脂肪酸ト
リエステルを第１表に記載した配合割合で構成成分を秤
量し、タンブラ−で混合した。得られた混合物をベント
付二軸押出機を用いて、揮発分を除去しながら混練して
樹脂組成物のペレットを作成した。この樹脂組成物のペ
レットを用いて射出成形法により、物性測定用の試験片
を作成した。

測定結果を第１表に示す。

比較例５〜６実施例４に記載の例において、グリセリン脂肪酸トリエ
ステルをソルビタン脂肪酸エステルに変更するほかは実
施例４におけるのと同様の操作を行なって、物性を測定
した。

結果を第１表に示す。

比較例７実施例４に記載の例において、グリセリン脂肪酸トリエ
ステルをミネラルオイル（炭素数が２５から３０の炭化
水素系化合物）に変更するほかは、実施例４におけるの
と同様の操作を行なって、物性を測定した。

結果を第１表に示す。

＼〔註］グリセリン脂肪酸トリエステル（１）とは、グリセリン
トリステアレート（水素添加牛脂精製品）である。

・グリセリン脂肪酸トリエステル（２）とは、グリセリ
ントリステアレート／グリセリントリパルミテート−５
１５（重量比）の混合物である。

・ソルビタン−脂肪酸エステル（１）とは、アルコール
成分としてソルビトール３４重量％、ソルビタン３３重
量％およびインソルバイト３３重量％からなるソルビタ
ン混合物と、ステアリン酸とのエステルである。

・ソルビタン−脂肪酸エステル（２）とは、アルコール
成分としてソルビトール５０重量％、ソルビタン３０重
量％およびインソルバイト２０重量％からなるソルビタ
ン混合物と、ステアリン酸とのエステルである。

（物性測定条件）光線透過率ＪＩＳ　Ｋ−７１０５に準拠して測定した。

曇価（ヘーズ）ＪＩＳ　　Ｋ−７１０５に準拠して測定した。

アイゾツト衝撃強さ（ノツチ付）ＪＩＳ　　Ｋ−７１１０に：１！拠Ｌ７測定した。

曲げ弾性率ＪＩＳ　　Ｋ−７２０３に１！拠して測定した。

メルトフローレート（Ｖ　Ｆ　Ｒ）ＪＩＳ　　Ｋ−７２１０に規定するＢ法に準拠して、測
定温度２２０°Ｃ１試験荷重１０ｋｇｆの条件で測定し
た。

加熱安定性ＴＧＡ　（熱重量分析計、理学電機（製）ＴＧ８１１０
）を用いて、２４０°Ｃで３０分間保持した後の重量減
少（重量％）を測定した。

第１表より、次のことが明らかになる。

（１）本発明に係る樹脂組成物は、透明性が良好で耐衝
撃性および剛性等の機械的強度と流動性のバランスが優
れており、かつ加熱安定性も良好である。

一方、本発明の範囲を外れるものは、流動性が不良であ
り（比較例１および２参照）、曲げ弾性率が低く加熱安
定性が不良であり（比較例３および４参照）、光線透過
率が低く曇価（ヘーズ）が大きく（比較例５および６参
照）、加熱安定性が著しく低下する（比較例７参照）こ
とから、樹脂組成物の物性バランスが不良となる。

（２）本発明に係る樹脂組成物からは、構成成分を適正
化しているため、物性バランスの優れた成形品を得るこ
とができる。

出願人　三菱化成ポリチック株式会社

Claims

【特許請求の範囲】

（１）ポリスチレン１００重量部に、グリセリン脂肪酸
トリエステル０．２〜５重量部を、配合してなることを
特徴とするスチレン系樹脂組成物。
（２）グリセリン脂肪酸トリエステルが、グリセリンと
炭素数が８〜３１の範囲の高級脂肪酸とのトリエステル
であることを特徴とする請求項（１）記載のスチレン系
樹脂組成物。