JPH04899B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はウエブの反り、特に塗被紙ウエブまた
は非塗非紙ウエブの反りを修正する方法および装
置に関する。

ウエブを展開する際、展開されたウエブにしば
しば反りが発生する。ウエブの反り度合いは、ウ
エブロールの貯蔵時間および展開されたウエブ部
分のロール中における先位置（ロールを形成する
各回旋の曲率はそれぞれ異なると理解される）の
ごとき因子に依存する。これらの因子を補うに当
り、現在判明している点は、殊にウエブを最終的
にシート材に切断する場合、ウエブを処理するこ
とにより展開時の反りの発生を低減せしめること
が望ましいことである。反りに伴われる不利な影
響を解消すれば、上述のシート材の取り扱い、外
観および使用上の便宜性が改善できると評価され
ている。例えば、反りの修正処理法が米国特許第
3185616号および米国特許第3649447号に提案され
ている。これらの処理法は有用と判明しているも
のの、高価なことおよび／または複雑な装置を要
する点で必ずしも満足できるものではない。

紙ウエブの場合、紙の含水率を増加させれば、
低含水率の紙に比較しての反りによる不都合を減
少せしめ得ることが知られている。したがつて、
原紙料および／または塗被紙料の加湿を介して反
りを阻止することは製紙業界において周知であ
る。原紙料、塗被紙料のいずれの場合も、加湿は
通常は反りを生ずるウエブ面とは逆のウエブ面に
施される。塗被ウエブにおいては塗被面側に反り
が現出し、両面塗被ウエブにおいては最終塗被面
側に反りが発生すると知見されている。その結
果、通常は、非塗被面もしくは先塗被面が加湿さ
れる。

可動ウエブを加湿せしめるための数種の装置が
提案されている。その例として、いわゆるダール
グレン（Dahlgren）型方式のごときロール作用
装置、米国特許第3467541号に開示されているよ
うな静電方式および蒸気作用方式が挙げられる。
蒸気作用方式として、米国特許第2370811号に開
示されているごとく、蒸気の凝縮促進を図つて熱
伝導背面体を組み込むことにより含水率を増大さ
せる方式と、米国特許第3238635号に開示されて
いるごとく、湿り空気をウエブに指向させる方式
とがある。

これらの技術およびその他の技術は、紙ウエブ
の加湿を介して不利な紙の反り性を最小限度に抑
えるのに有効であることが判明している。しか
し、当該技術は十分に満足できるものではない。
静電方式はノズル詰り、アーキングおよびミスチ
ングを惹起し、加湿を不均一にする傾向がある。
さらに、特殊な安全手段を必要とすることも欠陥
の一因である。非静電方式に関する限り、湿り空
気をウエブ方向に単に差し向けたとしても、反り
の修正に効果を発揮し得ないことが判明してい
る。直接蒸気シヤワーを採用した場合、反り修正
効果はシヤワー源で用いられた蒸気圧に左右され
る。効果的な反り修正を達成するためには、過剰
の蒸気圧および／または機械の減速が必要であ
る。本発明においては、蒸気圧がウエブ温度、ウ
エブ−シヤワー源距離、蒸気還流などの重要変数
に影響を及ぼすことを理解すべきである。また、
反り修正を蒸気圧のみで調整することは不経済で
かつ非能率的である。ウエブが自由に浮遊してい
る場合、ウエブとシヤワー源の間の距離が肥大
し、蒸気の渦巻きを招く恐れがある。これらの影
響に起因し、実際の反り修正に要する蒸気量をウ
エブに確実に到達させるためには、蒸気の全消費
量が増加する。追加の蒸気は排出手段を介して脱
出されるに過ぎないので無駄であるばかりでな
く、余剰の排出能力を配設することは費用が嵩
む。

本発明の目的は、前記欠陥を解消もしくは少な
くとも低減せしめることが可能な、塗被紙ウエブ
または非塗被紙ウエブなどのウエブの反りを蒸気
を用いて修正するための方法および装置を提供す
ることにある。

本発明の第一見地によれば、ウエブを実質的に
一定に加湿せしめることにより該ウエブの反りを
修正する方法であつて、該ウエブが蒸気処理ステ
ーシヨンを通過するにつれて、該ウエブの一表面
を蒸気シヤワーに露呈させる工程から成る方法に
おいて、該蒸気シヤワーから該ウエブの他表面に
隣接して配置されたウエブ安定手段を介在して該
ウエブ部材と該蒸気シヤワー源の間の距離を略一
定に維持し、該蒸気シヤワーの影響下での該ウエ
ブの偏位に起因して概略一定距離が増大する恐れ
のある場合、該ウエブ安定手段が該ウエブと接触
しかつ該ウエブを制止せしめることを特徴とする
ウエブの反り修正方法が提供される。

本発明の第二見地によれば、ウエブを実質的に
一定に加湿せしめることにより該ウエブの反りを
修正する装置であつて、該ウエブを蒸気ステーシ
ヨン中を通過させる手段と、該ウエブの一表面に
蒸気シヤワーを指向させる蒸気源から成る装置に
おいて、ウエブ安定手段を該蒸気源からウエブ軌
跡の他表面に配置させ、その結果、該ウエブと該
蒸気源の間の距離を略一定に維持し、該蒸気シヤ
ワーの影響下での該ウエブの偏位に起因して該略
一定距離が増大する恐れのある場合、該ウエブと
該ウエブ安定手段が接触して該ウエブを制止せし
めることを特徴とするウエブの反り修正装置が提
供される。

本発明の方法および装置は、塗被紙ウエブもし
くは非塗被紙ウエブの反り修正に特に適してい
る。塗被ウエブの場合、蒸気シヤワーは通常は非
塗被面に、あるいは両面塗被ウエブの場合、最終
塗被面と逆の面に指向される。

通常、ウエブ軌跡は水平であつて、蒸気シヤワ
ーはウエブ部材の直下からウエブに指向される。

ウエブ安定手段は多様の型状を成し得るが、１
個または複数個のローラーもしくはアルミニウム
プレート、クロム鍍金プレート、テフロン（ポリ
四弗化エチレン）塗布プレートなどのプレートで
構成するのが好ましい。例えば、ローラーの場
合、ウエブ安定手段を蒸気シヤワー源に対して心
違いに配設し、ウエブの運動方向においてローラ
ーを蒸気シヤワーの直前に位置させてもよい。こ
のような配列により、高蒸気圧または過剰の蒸気
下でもウエブの損傷を最小限度に防止することが
できる。

ウエブ安定手段としてローラーを使用する場
合、ローラーの蒸気源からの垂直偏位度合いは好
ましくは約0.0190ｍ（3/4インチ）以下である一
方、ロールの案内面は、ウエブの軌道方向に視点
を置いたとき、蒸気源を経た中心線直前で約
0.0125ｍ（1/2インチ）ある。

複数個の蒸気源とこれに相応する数のローラー
を配設せしめることが好ましい。

ウエブ安定手段としてプレートを使用する場
合、プレートの蒸気源からの垂直偏位度合いは約
0.0190ｍ（3/4インチ）以下であることが好まし
い。

一般に、プレートを使用すると、ウエブとの接
触面積が比較的大きくなるので、ローラーを使用
することが好ましい。

蒸気シヤワー源は少なくとも１本の蒸気放出オ
リフイスを備えた蒸気パイプで構成することがで
き、この蒸気シヤワー源は通常は蒸気パイプの中
心線に沿つて配置される。当該蒸気シヤワー源は
放出された蒸気の圧力を変化させることが可能で
あるから、被処理ウエブに対する加湿が均一化さ
れる。蒸気シヤワーをシート部材ウエブの下方で
かつウエブ面に隣接して配置せしめることが好ま
しい。

本発明は、特に紙ウエブに関連し、さらに詳し
くは塗被紙ウエブに関連した反りを制御するのに
最も重要な因子がウエブ蒸気シヤワー源間距離、
ウエブ温度、蒸気圧および排出レベルであること
が見い出されたことに立脚して完成されるに至つ
たものである。本発明によれば、上述の因子が効
率良く調整され、ウエブ部材と蒸気シヤワー源の
間の距離を確実に制御せしめることが可能であ
る。その結果、過剰な蒸気圧に起因するウエブの
変動の弊害が最小限度に抑制され、ウエブに対す
るより均一な蒸気の適用と浸透が達成される。ウ
エブと蒸気源の間の距離を制御せしめれば、蒸気
の渦巻きを最小限に抑えることができ、極端な排
出条件を必要としない。さらに、本発明において
は、従来の方法と装置に要したよりも低い蒸気圧
を使用することが可能である。

本発明の実施例と従来技術を概略的に例示した
添付図面に基づき、本発明を以下に詳しく説明す
る。

第１図に示したごとく、符号１で表わされた蒸
気シヤワー反り修正装置は蒸気シヤワー外被２か
ら成る。蒸気シヤワー外被２は２本の蒸気パイプ
３，４を有し、これらの両パイプはオリフイス
５，６を備えている。蒸気シヤワー外被２は排出
チヤンバー１０を含む。稼動中、ウエブ部材７を
供給ロール８から展開し、蒸気パイプ３，４の上
方に走行させ、遊びロール９に巻き取る。蒸気シ
ヤワーは蒸気パイプ３，４のオリフイス５，６か
ら流出する。ウエブ部材が蒸気パイプ上を走行す
るにつれて、蒸気シヤワーがウエブ部材に衝突す
る。過剰の蒸気は排出チヤンバー１０を経て除去
される。

上述した従来の蒸気反り修正装置において、反
修正効果は蒸気圧のみで調整されるため、ウエブ
蒸気源の間の距離を略一定に維持する手段は存在
しない。採用された蒸気圧が上記距離に影響を及
ぼす。高蒸気圧使用のため、その距離が大きくな
り過ぎると、過剰の蒸気渦巻きが発生する。この
欠点を解消するには、排出レベルを上昇させるこ
とが必要となるが、そうすると過剰の蒸気を除去
することになり、結果的に蒸気消費量の増加を来
たすことになる。

次に第２図を参照すると、符号２０で表わされ
た蒸気シヤワー反り修正装置は、オリフイス２
４，２５を備えた２本の蒸気パイプ２２，２３を
有する蒸気シヤワー外被２１から成つている。こ
れらのオリフイスは蒸気パイプ２２，２３の中心
線に沿つて配設されている。蒸気シヤワー外被２
１は、蒸気パイプ２２，２３から渦巻き蒸気を制
御的に除去するための排出チヤンバー２９を含ん
でいる。

ローラー３１，３２が蒸気パイプ２２，２３の
上方に配設され、両蒸気パイプからのウエブ軌跡
の対向面上に位置している。各ローラー３１，３
２は、ウエブの運動方向に視点を置いたとき、オ
リフイス２４，２５の直前または蒸気パイプ２
２，２３の中心線の直前に位置するように配設さ
れ、あるいは心違いに配置されている。心違いの
度合いはｌで示され、約0.0125ｍ（1/2インチ）
である。各ローラー３１，３２と蒸気パイプ２
２，２３の間の垂直偏位度合いはｄで示され、約
0.0190ｍ（3/4インチ）である。

稼働中、ウエブ部材２６を供給ロール２７から
展開し、ローラー３１，３２と蒸気パイプ２４，
２５の間に走行させ、遊びロール２８に巻き取
る。通常、ウエブの上面がローラー３１，３２に
接触する範囲内で、蒸気シヤワーがウエブ上方に
偏位させる。蒸気シヤワーの影響下でのウエブの
偏位によりウエブと蒸気源の間の略一定距離が増
大する場合、ローラー３１，３２がウエブの偏位
度合いを抑制するので、ローラー３１，３２は蒸
気パイプ２２，２３からの略一定距離をもつてウ
エブ２６を維持するのに役立つ。したがつて、ウ
エブの変動を抑制し、排出方式の使用を最小限に
阻止せしめた状態で蒸気の渦巻きを規制すること
ができる。蒸気パイプ２２，２３に対してローラ
ー３１，３２を心違いに配置せしめれば、過剰な
蒸気圧つまり約206.8kPa（30psi）の圧力以上でも
ウエブ部材を損傷する恐れはほとんどない。

ローラー３１，３２をプレート３５で置き換え
た以外は第２図の装置と実質的に同一構造の蒸気
シヤワー反り修正装置が第３図に例示されてい
る。それゆえに、この装置を詳しく説明する必要
はないと思われる。同一部材には第２図と同じ符
号を使用した。プレートと蒸気パイプ２２，２３
の間の垂直偏位はｄとして表わされ、0.0190ｍ
（3/4インチ）以下である。

稼働中、ウエブ部材２６を供給ロール２７から
展開し、プレート３５と蒸気パイプ２４，２５の
間に走行させ、遊びロール２８に巻き取る。通
常、ウエブの上面がプレート３５と接触する範囲
内で、蒸気シヤワーがウエブを上方に偏位させ
る。蒸気シヤワーの影響下でのウエブ偏位により
ウエブと蒸気源の間の略一定距離が増大する場
合、プレート３５がウエブの偏位度合いを抑制す
るので、プレート３５は蒸気パイプ２２，２３か
らの略一定距離をもつてウエブ２６を維持するの
に役立つ。したがつて、ウエブの変動を抑制し、
排出方式の使用を最小限に留めた状態で蒸気の渦
巻きを規制することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の蒸気シヤワー反り修正装置を示
す概略側面図、第２図は本発明に基づく蒸気シヤ
ワー反り修正装置の一実施例を示す概略側面図、
第３図は本発明に基づく蒸気シヤワー反り修正装
置の別の実施例を示す概略側面図である。 ２２，２３……蒸気シヤワー源、２６……ウエ
ブ部材、３１，３２，３５……ウエブ安定手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウエブを実質的に一定に加湿することにより
   該ウエブの反りを修正する方法に於て、該ウエブ
   の下側に配された少なくとも一つの蒸気シヤワー
   源と該ウエブの上側に配されたウエブ安定手段と
   を設けたウエブ処理区間に該ウエブを導入し、該
   ウエブの下面に蒸気シヤワーを与えて加湿し、こ
   の場合前記蒸気シヤワー源と該ウエブの下面との
   距離を略一定に維持することを特徴とするウエブ
   の反り修正方法。 ２ 該ウエブと該蒸気シヤワー源との距離をロー
   ラー形状のウエブ安定手段により約3/4インチ以
   下に一定に維持せしめることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の方法。 ３ 該ローラーを該蒸気シヤワー源に対してオフ
   セツトした位置に配し、ウエブの運動方向から見
   て、該ローラーが該蒸気シヤワーの直前に位置す
   るようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第
   ２項記載の方法。 ４ 複数個の蒸気シヤワー源およびこれに相応す
   る数のローラーを配設したことを特徴とする特許
   請求の範囲第２項または第３項記載の方法。 ５ 該ウエブと該蒸気シヤワー源との距離をプレ
   ート状のウエブ安定手段により略一定に維持せし
   めることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の方法。 ６ 該ローラーの該シヤワー源に対するオフセツ
   トの度合いが約0.0125ｍ（1/2インチ）であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第５項記載の方
   法。 ７ 該ウエブの運動方向に垂直な方向で考察した
   とき、該ローラーの該蒸気シヤワー源からの偏位
   度合いが約0.019ｍ（3/4インチ）であることを特
   徴とする特許請求の範囲第６項記載の方法。 ８ 該ウエブが任意に塗被された紙シートから成
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至第
   ４項のいずれか１項記載の方法。 ９ ウエブを実質的に一定に加湿することにより
   該ウエブの反りを修正する装置に於て、該ウエブ
   を蒸気雰囲気中に導入する手段と、該ウエブの一
   表面に蒸気シヤワーを与える中心線に蒸気発生オ
   リフイスを有する少なくとも一つの蒸気供給パイ
   プと、前記蒸気供給パイプの反対側に少なくとも
   一つのローラーからなるウエブ安定手段を設けこ
   れにより前記ウエブの表面と前記蒸気供給パイプ
   との距離を略一定に維持するように構成したこと
   を特徴とするウエブの反り修正装置。