JPH048970Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案はろ過装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 従来、固体と流体を分離するろ過装置はフイル
ターが単層のもであり、これらの分離されたろ塊
を回収するためには、フイルターを取り外す必要
があつた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかし従来のろ過装置では、フイルターの目詰
りが生じやすく、その結果排出ポンプに多大の負
荷がかかり、ポンプの故障の原因となるため、フ
イルターの交換や洗浄を頻繁に行う必要があり、
フイルターの交換、洗浄作業に多大の時間と労力
が必要であるといつた欠点があつた。

更には分離されたろ塊は混合状態で回収される
ので、その後の処理のために分離処理が必要とな
る等の問題点があつた。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記のような問題点を解決するための本考案
は、回動自在に軸支されたサポート軸２に、フイ
ルター９を有する複数のフイルターエレメント５
を軸方向移動自在に重ね合わせて嵌合し、フイル
ターフレーム７の内周面をフレームエレメント５
の開口端方向に向かつて外側へ傾斜せしめたこと
を特徴としている。

＜作用＞ サポート軸２に嵌合されている各フレームエレ
メント５は、ろ過作動中には重なりあつて密着
し、順に細かくなるフイルター９に対応して、各
フイルターエレメント５内に異なる粒径の混濁物
が分離される。ろ過作動後は各フイルターエレメ
ント５を軸方向に摺動させ、各フイルターエレメ
ント５の間にすき間を形成し、サポート軸２を回
動させる。

各フイルターエレメント５内の分離物は遠心力
により、フイルターフレーム７内側の傾斜によつ
て外側に運び出されて除去され、各フイルター９
毎に回収される。

＜実施例＞ 以下図示する本考案の一実施例について詳述す
る。第１図はヘドロ等の産業廃棄物をろ過するろ
過装置を示す側面断面図である。

ケーシング１内に前後方向に挿通されたサポー
ト軸２は、ケーシング１の前側に設けられたサポ
ートキヤツプ１８内で回動自在に軸支され、その
周面は後述するボス１１を摺動自在に嵌合するた
めの溝が設けられている。

サポート軸２には複数のフイルターエレメント
５がボス１１を介して軸方向摺動自在に嵌合さ
れ、ボス１１のサポート軸２挿通部分は上記サポ
ート軸２の断面形状に合わせて溝が設けられてお
り、フイルターエレメント５は軸方向移動はでき
るが、サポート軸２と一体的に回転し得るように
構成されている。

ボス１１の外側には補強リブ１４を介して円輪
状のフイルターフレーム７が取り付けられ、ボス
１１とフイルターフレーム７の間にはフイルター
９が張設されている。

フイルター９は各フイルターエレメント５毎に
目の大きさが異なり、ろ過方向に順に目が細かく
なるようにフイルターエレメント５が重ねられて
いる。

フイルターフレーム７の内側面は、開口端側に
向かつて内径が大きくなるようにテーパが設けら
れており、フイルターエレメント５が回転した場
合には遠心力によつて、分離物が外側へ導かれる
ように形成されている。

ボス１１の内側にはスプリングが収容され、各
フイルターエレメント５を常時引き離すように付
勢している。

以上のように構成されたフイルターエレメント
５は重ねられた状態で密封状態を維持し得るよう
に、各フイルターエレメント５の密着面１３，１
５にパツキン等を介挿させることもできる。

ケーシング１の前方（吸入側）にはサポートキ
ヤツプ１８が取り付けられ、その内側に設けられ
たベアリング３と、サポートボス２３のベアリン
グによつてサポート軸２を軸支している。またサ
ポートキヤツプ１８はサポートフレーム４３によ
つて支持されて固定される。サポートキヤツプ１
８内は導入室４７を構成し、サポートキヤツプ１
８に設けられた導入口４５は汲みあげる汚水中に
連通している。

ケーシング１の後方（排出側）には排出筒１９
が設けられ、その排出室５１の開口部に設けられ
た押圧リング２５と内側中心部に設けられた押圧
ボス２１が、最後端のフイルターエレメント５に
接するように、サポート軸２と同軸方向に可動フ
レーム４１によつて支持されている。該可動フレ
ーム４１はサポート軸２の軸方向に平行移動し得
るもので、可動フレーム４１の移動によつて、排
出筒１９は軸方向へ移動し、押圧リング２５及び
押圧ボス２１はフイルターエレメント５の軸方向
移動を規制する。

排出筒１９の後端にはボス３５が形成され、軸
方向に駆動軸３１が挿通し、ベアリング３９によ
つて可動自在に軸支されている。駆動軸３１の先
端には断面六角形の挿入部２９が軸方向に延設さ
れ、サポート軸２後端から軸方向に所定深さに設
けられ挿入口２７に摺動自在に嵌合し、この挿入
部２９によつてサポート軸２に駆動軸３１の回転
力が伝達される。駆動軸３１の後端にはスプロケ
ツト３３が取り付けられ、駆動力が伝達される。

更に排出筒１９には排出口５３が設けられ、排
出側のバキユームポンプ等に接続している。

また駆動軸３１とボス３５の間にはシールリン
グ３７が介挿され、気密性が保たれている。

ケーシング１の下方には仕切板５１が設けら
れ、各フイルターエレメント５が離れた状態での
各フイルターエレメント５に対応した位置に残査
シユート４９が構成されている。

以上の如く構成される本実施例の装置は、ろ過
作動中は可動フレーム４１が前方に移動して、押
圧リング２５及び押圧ボス２１により各フイルタ
ーエレメント５を密着せしめている。ろ過作業が
終了すると、可動フレーム４１を後方へ移動させ
て押圧リブ２５及び押圧ボス２１を後退させる。

これにより各フイルターエレメント５はボス１
１内に収容されているスプリング１２によつて軸
方向にスライドして互いに離れ、各残査シユート
４９の上方に位置する。ここで駆動軸３１を回転
させると、フイルターエレメント５内のろ塊は遠
心力によつて、各残査シユート４９内に落下して
回収される。

これにより各残査シユート４９内にはフイルタ
ー９の目の粗さに対応したろ塊が別々に回収され
る。

尚排出筒１９を後退せしめて挿入部２９を挿入
口２７から引き抜くことにより、フイルターエレ
メント５の交換が容易にできる。

フイルターエレメント５の交換によつて、テス
トろ過において目詰まりの激しいフイルターエレ
メント５と同一のフイルター９を有するフイルタ
ーエレメント５を複数加えることができ、これに
よりろ過効率を上げることができる。また目詰ま
りの激しいフイルター９と、その一層前の粗目の
フイルター９との間を更に細かく分割して順に細
かくなるフイルター９を有するフイルターエレメ
ント５を介挿すれば、各フイルターエレメント５
に均一したろ塊を分離させることでき、ろ過効率
の向上やポンプへの負担を軽減することもでき
る。

＜考案の効果＞ 以上の如く構成される本考案によれば、フイル
ターが多重構造となつており、更にフイルターエ
レメントの回転によつてフイルターのクリーニン
グが容易にできるので、フイルターの目詰まりが
生じにくく、ポンプへの負荷がかかりにくいとい
つた利点がある。また各フイルターエレメントに
よつて分離されたろ塊を、粒子の大きさ毎に回収
できるため、ろ塊の分析及び他の処理が容易にで
きるいつた効果がある。

尚分離したろ塊の多いフイルターエレメントを
複数重ねることによつて、ろ過効率をさらに向上
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面断面図、第２
図は同じく正面断面図である。 ３……サポート軸、５……フイルターエレメン
ト、７……フイルターフレーム、９……フイルタ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回動自在に軸支されたサポート軸２に、フイル
   ター９を有する複数のフイルターエレメント５を
   軸方向移動自在に重ね合わせて嵌合し、フイルタ
   ーエレメント７の内周面をフイルターエレメント
   ５の開口端方向に向かつて外側へ傾斜せしめたろ
   過装置。