JPH048383B2 - - Google Patents

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JPH048383B2
JPH048383B2 JP6909386A JP6909386A JPH048383B2 JP H048383 B2 JPH048383 B2 JP H048383B2 JP 6909386 A JP6909386 A JP 6909386A JP 6909386 A JP6909386 A JP 6909386A JP H048383 B2 JPH048383 B2 JP H048383B2
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JP
Japan
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zirconium
zrp
phosphoric acid
water vapor
vapor pressure
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JP6909386A
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JPS62226807A (ja
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Mitsutomo Tsunako
Eiji Takehisa
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Rasa Industries Ltd
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Rasa Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> この発明は、層状構造を有する結晶性リン酸ジ
ルコニウムの新規な製造方法に関するものであ
る。
<従来の技術> リン酸ジルコニウムは無機イオン交換体とし
て、放射性廃液中の金属イオンの回収、腎臓透析
装置、タバコのフイルター、触媒、硬水の軟化剤
などに利用されてきている。特に層状構造の結晶
性リン酸ジルコニウムZr(HPO42・H2O(以下α
−ZrPと略記する)は、無定形リン酸ジルコニウ
ムと比べて層間距離が長いため、上記の用途以外
に、大きな金属イオンや有機物の吸着剤、特殊な
触媒としての応用が注目され、種々の分野で開発
研究が盛んに行なわれている。
公知の結晶性層状リン酸ジルコニウムα−ZrP
の一般的製造方法は、オキシ塩化ジルコニウム
(ZrOCl2・8H2O)のような水可溶性塩の水溶液
とリン酸もしくはリン酸塩の水溶液とを混合して
反応させ、得られた無定形のリン酸ジルコニウム
をリン酸中で長時間(24〜48時間)還流するもの
である。このようにして得られるα−ZrPの粒子
径や結晶化度は、還流時に使用するリン酸の濃度
および還流時間によつて異なる。〔例えば、小林
悦郎、“無機高分子−ハイブリツドポリマーの応
用”、シーエムシー社発行、1985年、p.277;およ
びA.Clearfield and J.A.Stynes,J.Inorg.Nucl.
Chem.,26,177(1964)参照。〕 また、多くの研究者や企業などによつて種々の
α−ZrPの製造方法が提案されているが(例えば
特開昭55−3337、特開昭60−103008等)、その多
くは、上記したごとき水可溶性ジルコニウム化合
物と水溶液とリン酸水溶液との反応を利用した方
法の改良といつてよい。
<発明が解決しようとする問題点> 上記した従来のα−ZrPの製造方法は次に述べ
るような多くの問題点がある。すなわち(1)を使用
するジルコニウム原料(主としてオキシ塩化ジル
コニウム)が高価で、酸化ジルコニウムZrO2
水酸化ジルコニウムゲルなどの安価な原料が使用
できない。(2)結晶化するには濃リン酸中で長時間
の還流が必要で、操作が煩雑である。(3)還流で得
られたα−ZrPには濃リン酸が付着しているた
め、充分な水洗が必要となる。(4)リン酸の使用量
が多く、不経済である。(5)収量が少なく、多量の
合成が困難である。
従つて上記の従来方法でα−ZrPを製造する
と、極めてコストが高く、実用上大きな障害とな
つている。
この発明は、従来方法におけるこれらの欠点を
解消せんとするものであり、酸化ジルコニウムや
水酸化ジルコニウムといつた安価なジルコニウム
原料を用いて容易にしかも直接的に結晶性層状リ
ン酸ジルコニウムα−ZrPを製造する方法を提供
することを目的としている。
<問題点を解決するための手段> すなわちこの発明による結晶性層状リン酸ジル
コニウムの製造方法は、酸化ジルコニウムまたは
水酸化ジルコニウムとリン酸とを5〜30気圧の水
蒸気圧下で加熱反応させることを特徴とするもの
である。
本発明者等は酸化ジルコニウムとリン酸とをオ
ートクレーブ中で種々の水蒸気圧下で反応させ、
α−ZrPの生成量と水蒸気圧との関係を調べた。
第1図のグラフはその一例を示すものであり、
P2O5/ZrO2のモル比が1.0となるように酸化ジル
コニウム(ZrO2)とリン酸とを混合し、この混
合物を200℃で5時間オートクレーブ中で反応さ
せた結果である。このグラフからわかるように、
α−ZrPの生成量は水蒸気圧とともに増大し、約
10気圧以上になるとX線的に純粋なα−ZrPのみ
が得られる。また反応における副生成物である ZrP2O7は水蒸気圧の上昇とともに減少し、約
5気圧でその生成量はゼロとなる。すなわち水蒸
気圧の低いところではZrP2O7が、高いところで
はα−ZrPが生成し易いことがわかる。また、原
料の酸化ジルコニウムは水蒸気圧の上昇につれて
リン酸と完全に反応するようになる。
かような実験結果から、この発明においては水
蒸気圧を少なくとも5気圧以上、好ましくは10気
圧以上とする。5気圧より水蒸気圧が低いと望ま
しくない副生成物の生成量が多くなるためであ
り、また10気圧以上とすれば純粋なα−ZrPのみ
が得られるため好ましい。一方、水蒸気圧の上限
は臨界的ではないが、装置の耐圧性などの観点か
ら30気圧以下、好ましくは20気圧以下とする。
この発明を実施するに際しては、ジルコニウム
原料としては安価な市販の酸化ジルコニウム
(ZrO2)または水酸化ジルコニウムゲル(ZrO2
xH2O)を使用する。水酸化ジルコニウムゲルは
加熱により酸化ジルコニウムとなるものである。
一方、リン酸原料としては、85%リン酸または75
%リン酸が好ましく使用できる。
ジルコニウム原料とリン酸原料との反応は化学
量論的に進むためP2O5/ZrO2のモル比は1でよ
いが、実際にはモル比0.5〜2.0、好ましくは0.9〜
1.2となるように両者を混合できる。モル比を0.5
より低くするとジルコニウム原料が残るため生成
物α−ZrPの純度が低下し、一方2.0より高くする
リン酸量が過剰となつて経済的に不利となるだけ
でなく水洗にも時間が掛るため望ましくない。
ジルコニウム原料とリン酸原料との混合物を次
いでオートクレーブに入れ、150〜300℃、好まし
くは190〜220℃で3〜5時間加熱する。この時、
オートクレーブ中の水蒸気圧を前述したように5
〜30気圧、好ましくは10〜20気圧になるようにす
る。温度は150℃以下では反応が遅く、300℃以上
ではエネルギーコストが高くなり実用的でない。
また反応時間は、温度や水蒸気圧によつて影響さ
れるが、3時間以下では反応が充分でない。
かくして得られた反応生成物の結晶は、X線回
折図からα−ZrPであることが確認できる。
<発明の効果> 以上のように、この発明による結晶性層状リン
酸ジルコニウムの製造法は従来の製造法と比べて
安価なジルコニウム原料が利用できること、リン
酸の使用量は少なく反応時の化学量論量でよいこ
と、操作が簡単で短時間に収率よく多量のα−
ZrPが製造できること、またP2O5/ZrO2の比を
1前後にできるため、用途によつて水洗の必要が
ないことなど多くの長所があることがわかる。そ
してこの発明の方法で得られたα−ZrPは、従来
の製造法で作られたものと比べて化学的性質(溶
解性、金属イオン交換能、塩基性物質の吸着能)
や熱変化などの性質が全く同じであつた。
<実施例> この発明をさらに具体的に説明するため、以下
実施例を挙げて説明するが、この発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
実施例 1 市販の酸化ジルコニウムZrO2と85%リン酸と
をP2O5/ZrO2のモル比が0.7になるようによく混
合し、その約21gを磁性ルツボに入れ、オートク
レーブ中で、200℃、5時間加熱してα−ZrPを
製造した。なお使用したオートクレーブの容積は
300c.c.、水蒸気圧は約10〜11気圧であつた。この
ようにして製造したα−ZrPのX線回折図を第2
図に示す。比較のために、上記と同じZrO2とリ
ン酸との混合物を大気圧下、200℃、5時間加熱
して反応せしめたリン酸ジルコニウムのX線回折
図を第3図に示す。この生成物はASTMカード
からピロリン酸ジルコニウムZrP2O7であること
がわかつた。第2図および第3図の結果から同じ
モル比、同じ加熱温度、同じ加熱時間でも、水蒸
気圧の有無によつて得られるリン酸ジルコニウム
の種類が大きく異なることがわかる。すなわちα
−ZrPの生成には加熱時の水蒸気圧が不可欠であ
ることが明らかである。
なおこの実施例ではP2O5/ZrO2のモル比を0.7
としたため、反応生成物中に原料のZrO2が残留
したが、得られたリン酸ジルコニウムとしてはα
−ZrPのみであつた。
実施例 2 実施例1と同様にして酸化ジルコニウムとリン
酸とをP2O5/ZrO2のモル比が1.0になるように混
合し、その40gについて実施例1の場合と同様
に、200℃、5時間オートクレーブ中で加熱して
反応を行なつた。なお水蒸気圧は約11〜12気圧で
あつた。このようにして製造したリン酸ジルコニ
ウムのX線回折図を第4図に示す。X線回折図の
結果からも明らかなように、生成物はX線的に純
粋なα−ZrPであることがわかる。
実施例 3 実施例1と同様にして酸化ジルコニウムとリン
酸とをP2O5/ZrO2のモル比が1.5になるように混
合し、その8gを磁性ルツボに入れ、予め2mlの
水を入れたオートクレーブ(容積300c.c.)中に移
し、200℃、5時間加熱して反応を行なつた。な
お水蒸気圧は約11気圧であつた。得られたリン酸
ジルコニウムのX線回折図を第5図に示す。生成
物は純粋なα−ZrPであることがわかる。
この実施例のように、オートクレーブの容積に
比して製造量が少ない場合には、オートクレーブ
中に予め水を添加して水蒸気圧を10〜20気圧にコ
ントロールすることによつても、α−ZrPを容易
に得ることができる。
実施例 4 水酸化ジルコニウムゲルとリン酸とをP2O5
ZrO2のモル比が1.2になるように混合し、その30
gについて実施例1の場合と同様に200℃、5時
間オートクレーブ中で加熱して反応を行なつた。
なお水蒸気圧は約10気圧であつた。このようにし
て得られたリン酸ジルコニウムのX線回折図を第
6図に示す。生成物はα−ZrPのみであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法におけるα−ZrP生成
量(X線回折強度)と水蒸気圧の関係を示すグラ
フ、第2図はこの発明の方法により得られた生成
物のX線回折図、第3図は比較例の方法により得
られた生成物(ZrP2O7)のX線回折図、および
第4図乃至第6図はこの発明の方法により得られ
た生成物のX線回折図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化ジルコニウムまたは水酸化ジルコニウム
    とリン酸とを5〜30気圧の水蒸気圧下で加熱反応
    させることを特徴とする結晶性層状リン酸ジルコ
    ニウムの製造方法。 2 酸化ジルコニウムまたは水酸化ジルコニウム
    とリン酸とをP2O5/ZrO2のモル比で0.5〜2.0の範
    囲となるように混合し、150〜300℃の範囲と温度
    で反応させることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
JP6909386A 1986-03-27 1986-03-27 結晶性層状リン酸ジルコニウムの製造方法 Granted JPS62226807A (ja)

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