JPH048242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ロータリデイスクをクランク軸の両
端に備えた２気筒２サイクルエンジンにおけるロ
ータリデイスクの取付構造に関するものである。

〔従来技術〕

ロータリデイスクバルブ方式を採用した２気筒
２サイクルエンジンでは、第３図に示したよう
に、同一クランク軸１に２個のピストン（コネク
テイングロツド）２，３が配設されており、また
クランク軸１の両端１ａ，１ｂにロータリデイス
ク４，５が配設されている。

同一のエンジン内においては、通常、左右で同
一形状のロータリデイスク４，５が採用されてお
り、それぞれの一方の側面を、例えば表面を外側
に向ける態様でクランク軸１の左右両端１ａ，１
ｂに取り付けられている。

また、これらロータリデイスク４，５には、そ
れぞれクランク軸１との間に合マーク（図示せ
ず）が印されており、該合マークによつて対応す
るピストン２，３との位相が合致されている。

ところで、当然のことながら、右側方から見た
クランク軸端１ａの回転が例えば反時計回りとす
ると、左側方から見たクランク軸端１ｂの回転は
時計回りとなるため、クランク軸１の両端１ａ，
１ｂに配設されるロータリデイスク４，５は、そ
れぞれ表面から見た場合互いに合マークの位置が
異なる。

したがつて、上記ロータリデイスク４，５の共
通化を図る場合には、１枚のデイスクに２つの合
マークが必要となり、クランク軸１への組付に際
し、その選択を誤る虞れがある。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記問題点に鑑みて共通のロ
ータリデイスクを所定位置に間違えることなく取
付けることのできる２気筒２サイクルエンジンに
おけるロータリデイスクの取付構造を提供するこ
とにある。

〔考案の構成〕

そこで、本考案では、ロータリデイスクの表裏
を使い分けて、即ちクランク軸の一方端にロータ
リデイスクを取付ける場合には、ロータリデイス
クの一方面、例えば表面を外側にし、クランク軸
の他方端にロータリデイスクを取付ける場合に
は、ロータリデイスクの他方面、例えば裏面を外
側にして、ロータリデイスクを取付けるように
し、もつて上記目的を達成している。

〔実施例〕

以下図面に示した実施例を参照しながら本考案
を説明する。

第１図は、本考案に係るロータリデイスクとク
ランク軸端部を示したものである。同図では、ロ
ータリデイスクを挟んでクランク軸端部を左右に
示しているが、これは、ロータリデイスクの取付
け方向を示すためであり、１本のクランク軸のそ
れぞれの端部である。また、第２図は、ロータリ
デイスクをクランク軸に取付けた状態を示したも
のである。

図示したロータリデイスク１１は、中心に孔１
２が形成されており、その孔１２には、スプライ
ン溝１３が形成されている。また、このロータリ
デイスク１１の開口１４を形成する周面には、合
マークとして切欠１５が形成されている。そし
て、この切欠１５は、第２図ａに示したように、
一方側のピストン（コネクテイングロツド）Ａが
上死点位置にあるときのロータリデイスク１１の
所定位置で、ロータリデイスク１１の中心と、ピ
ストンＡのクランクピン中心とを結ぶ線上に位置
されている。さらにまた、このロータリデイスク
１１の一方面１１ａには、該面を他方面と識別す
るマーク１６、例えばＲが刻印されており、ロー
タリデイスク１１の他方面１１ｂには、該面を上
記一方面１１ａと識別するマーク１７、例えばＬ
が刻印されている。

一方、クランク軸１８は、両端部にスプライン
キー１９，２０を有しており、また端面１８ａ，
１８ｂには合マーク２１，２２がそれぞれ印され
ている。そして、これらの合マーク２１，２２
は、端面１８ａ，１８ｂの中心とそれぞれの側の
クランクピン中心とを結ぶ線上に位置されてい
る。

このように形成された上記ロータリデイスク１
１は、以下のようにしてクランク軸１８に組付け
られる。

まず、第２図ａに示したように、ロータリデイ
スク１１の一方面１１ａを外側にして、切欠１５
を合マーク２１に合致させながら、クランク軸１
８の一方端部に係合させ、次いで第２図ｂに示し
たように、ロータリデイスク１１の他方面１１ｂ
を外側にして、切欠１５を合マーク２２に合致さ
せながら、クランク軸１８の他方端部に係合させ
る。

即ち、このようなロータリデイスクの取付構造
では、一種類のロータリデイスク１１を使用し、
ロータリデイスク１１の一方面１１ａを外側にし
てクランク軸１８の一方端部に係合させ、ロータ
リデイスク１１の他方面１１ｂを外側にしてクラ
ンク軸１８の他方端部に係合させればよい。その
際、ロータリデイスク１１の表裏面の確認は、識
別マーク１６，１７によつて行う。

なお、上記実施例では、ロータリデイスク１１
に印す合マークとして切欠１５を形成している
が、この合マークは線であつてもよく、要は、ロ
ータリデイスク１１の表裏面に亘つて形成されて
いればよい。

また、上記実施例では、識別マーク１６，１７
をロータリデイスク１１の表裏面に印している
が、識別マークは一方の面に印してあればよい。

〔考案の効果〕

上記したように、本考案に係る２気筒２サイク
ルエンジンにおけるロータリデイスクの取付構造
では、ロータリデイスクが共通化でき、したがつ
て、製造コストの低減が図れるばかりでなく、部
品の在庫管理上の有利であり、またロータリデイ
スクの組付けに際しても誤組みの虞れもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るロータリデイスクとクラ
ンク軸端部を示した斜視図、第２図はそのロータ
リデイスクをクランク軸に組付けた状態を示した
側面図、第３図は一般的なロータリデイスクバル
ブ方式の２気筒２サイクルエンジンで採用されて
いるロータリデイスクのレイアウトを示した概念
的な部分断面平面図である。 １１……ロータリデイスク、１１ａ……一方
面、１１ｂ……他方面、１４……開口、１５……
切欠（合マーク）、１６，１７……識別マーク、
１８……クランク軸、１８ａ，１８ｂ……端面、
２１，２２……合マーク、Ａ，Ｂ……ピストン
（コネクテイングロツド）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランク軸の両端部にロータリデイスクを備え
   た２気筒２サイクルエンジンにおいて、上記クラ
   ンク軸の両端部にそれぞれの側のクランクピン中
   心に対応させた合マークを印すとともに、上記ロ
   ータリデイスク周面に、上記合マークと合致する
   合マークを印し、さらに、上記ロータリデイスク
   の表裏面の少なくとも一方に、それらの面を識別
   する識別マークを印してなり、上記ロータリデイ
   スクの表面を外側にして上記ロータリデイスクを
   上記クランク軸の一方端に組付け、上記ロータリ
   デイスクの裏面を外側にして上記ロータリデイス
   クを上記クランク軸の他方端に組付けるようにし
   たことを特徴とする２気筒２サイクルエンジンに
   おけるロータリデイスクの取付構造。