JPH0481670B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は原子力施設、宇宙空間、深海底等に敷
設された配管の配管フランジ継手の着脱装置に関
するものである。

［従来の技術］ 原子力施設、宇宙空間、深海底等に敷設された
配管の途中には実験装置、計測器等の各種機器が
設けられているが、これら機器は修理、保守、点
検の為に配管から着脱させなければならない。

従来、配管フランジ継手接合はボルト・ナツト
で行つており、大径配管ではボルト・ナツトの数
が多数となる。配管フランジ継手の着脱は、即ち
ボルト・ナツトの着脱となるが、この着脱作業は
人手作業に頼つており、例えば原子力施設では放
射線被爆の問題があつて危険である上、作業者１
日の作業時間に制約を受ける等、作業性が悪と、
工期も長期にわたざらるを得なかつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は、上記実情に鑑み作業者が立ち入れな
い様な場所でへの作業、危険を伴う作業を機械化
し、作業の能率、安全性を高めようとするもので
ある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、配管フランジに沿つて配管の回りに
複数の伝動軸を回転自在に設け、該伝動軸を全部
又は所要本数毎に連結し、該各伝動軸にレバーを
固着し、該レバーに相手側フランジに係合可能な
鉤リンクを枢着し、前記伝動軸の全部又は所要本
数毎のうちいずれか１本に入力用カツプリングを
固着し、該入力用カツプリングを介して該いずれ
か１本の伝動軸を回転させ得る様にしたことを特
徴とするものである。

［作用］ 伝動軸を回転させることによりレバーが回動
し、鉤リンクを配管の軸心方向に移動させる。こ
のレバーの回動の１方のストロークエンドでは鉤
リンクは相手側フランジと離れて離脱状態とな
り、他方のストロークエンドでは相手側フランジ
を引付けて接合状態とする。

［実施例］ 以下図面を参照しつつ本発明の１実施例を説明
する。

先ず第４図に於いて本発明に係る装置の概要に
ついて説明する。

配管１に沿い、該配管１の上方にレール２を敷
設し、該レール２に作業台車３を走行自在に軌乗
せしめる。

該作業台車３は、モータ等の駆動装置を備え自
走可能となつていると共にウインチ２９、ウイン
チより繰出したロープ５、該ロープを介して吊下
げられたフツク６により機器の吊上下げを行い得
る様になつている。作業台車３にはマニプレータ
７が設けられ、該マニプレータ７は後述する配管
フランジ着脱用のアクチユエータを把持可能であ
り、更にテレビカメラ８が取付けられ、該テレビ
カメラ８によりマニプレータ７の作業状態、ウイ
ンチ２９による吊上下げ作業を監視して遠隔操作
を可能としている。

尚、図中９は配管１，１に矩形形状のフランジ
１０，１１を介して取付けられた測定器或は実験
装置、１２は着脱装置である。

以下、第１図〜第２図に於いて着脱装置を具体
的に説明する。

フランジ１０（図中では配管側フランジ）に各
辺に平行に配した４本の伝動軸１３，１４，１
５，１６を軸受フランジ１７を介して回転自在に
設け、各伝動軸１３，１４，１５，１６の両端に
は傘歯車１８，１８，１８，１８を嵌着し、隣接
する傘歯車同士は相互に噛合させる。

前記４本の伝動軸のうち鉛直方向に延びる２本
１３，１４の上端部は傘歯車１８より更に延出し
ており、その上端には後述するカツプリング１９
が取付けられる様になつている。

前記４本の各伝動軸１３，１４，１５，１６に
２枚１組のレバー２０を３組宛固着し、該レバー
２０に鉤リンク２１をピン２２を介し回転自在に
取付ける。該レバー２０と鉤リンク２１間にスプ
リング２３を掛渡して設け、且該スプリング２３
の作用点が前記ピン２２を挾んだ位置にあり、第
２図上半部で見る如く、鉤リンク２１が中立点
（スプリングの両作用点ａ，ｂとピン２２の中心
が一直線に並んだ状態）を時計方向に越えた状態
ではレバー２０に対し鉤リンク２１が時計方向に
付勢されるモーメントが作用し、反時計方向に越
えた状態では反時計方向に付勢されるモーメント
が作用する様になつている。

前記した鉛直に延びる伝動軸の１方１３のの上
端にカツプリング１９を固着する。該カツプリン
グ１９には第３図に示す如き擂鉢形状で断面が６
角形の連結穴２４を穿設する。前記マニプレータ
７に把持されるアクチユエータ２５の先端には前
記連結穴２４を嵌合する６角錐台状のレンチブロ
ツク２６を固着してあり、該アクチユエータ２５
は該レンチブロツク２６を回転させ得る様になつ
ている。

相手側のフランジ１１の反接合面には鉤リンク
２１が当接する座２７が固着され、両フランジ１
０，１１間には金属シール２８が挾設される。

以下作動を説明する。

マニプレータ７に、レンチブロツク２６を固着
したアクチユエータ２５を把持させ、作業台車３
を着脱作業位置迄遠隔操作で走行させる。テレビ
カメラ８により作業を監視できる状態とし、ウイ
ンチ２９、マニプレータ７を操作してフツク６を
測定器等９に引掛け、吊上げ得る状態とする。

マニプレータ７にレンチブロツク２６を固着し
たアクチユエータ２５を把持させ、マニプレータ
７を操作し、レンチブロツク２６をカツプリング
１９に嵌合させる。

フランジ１０，１１が着脱装置１２により接合
されている時にはレバー２０、鉤リンク２１は第
２図下半図に示される如き状態である（尚、第２
図は便宜上、上下でレバー２０、鉤リンク２１の
姿勢を変えて描いているが、実際には全てのレバ
ー２０、鉤リンク２１は同期して動くので上下は
同姿勢である）。

アクチユエータ２５を駆動し、第２図に於いて
伝動軸１５が時計方向に回る様、伝動軸１３を回
転させる。伝動軸１３の回転は傘歯車１８を介し
て全ての伝動軸１４，１５，１６に伝達され、全
てのレバー２１は第２図上半図実線の如く引起さ
れる。

この引起された状態でスプリング２３は鉤リン
ク２１を配管に当接させる方向に作用している。

次に、マニプレータ７がアクチユエータ２５を
作業台車３の所要の位置に格納し、該マニプレー
タ７によつて鉤リンク２１を引上げる。この引上
げの途中で作用点ａが中立点を越え、スプリング
２３は鉤リンク２１を第２図上半図の２点鎖線で
示す状態に保持する。

上記作業を測定器等９の左右両フランジ１０に
ついて行えば、測定器等９を取外し得る状態とな
る。この時、測定器等９はウインチ２９で吊下げ
支持されており、更に配管１と干渉しない位置迄
上昇させ、作業台車３を走行して所定の位置迄測
定器等９を移動させる。

測定器等９を取付ける場合は、作業台車３で測
定器等９を運搬し、配管１，１の間にセツトした
後上記したと逆の作業を行えばよい。

尚、上記実施例では伝動軸１３，１軸を回転さ
せるだけで着脱作業を行つたが、伝動軸１３と１
６間の傘歯車、伝動軸１４と１５間の傘歯車を省
略し、アクチユエータ２５で伝動軸１３と１４の
２軸を回転させ得る様にしてもよい。又、伝動軸
の連絡手段は傘歯車に代えて自在継手としてもよ
く、フランジは必ずしも矩形形状である必要はな
く６角形、或は円形であつてもよいことは勿論で
ある。

更に、レバーに対する鉤リンクの姿勢保持は、
スプリングによらずいずれか１方にノツチを設け
該ノツチに板バネ等を係合させる方式でもよい。

更に又、連結穴、レンチブロツクの形状も４
角、８角形状或はスプラインの様な形状であつて
もよい。

又、上記実施例では、着脱作業を台車に設けた
マニプレータで行つたが、該作業を人手で行つて
もワンタツチで行えるところから作業時間の大幅
な短縮を期待し得ることは勿論である。

［発明の効果］ 以上述べた如く本発明によれば、フランジ継手
の着脱を伝動軸に所要角度回転を与えるだけで複
数箇所を同時に締付得るので、多数のボルト・ナ
ツトの着脱に比べ作業時間が大幅に短縮でき、作
業能率の向上、安全性の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例を示す正面図であり
且第４図のＡ−Ａ矢視図、第２図は第１図のＢ−
Ｂ矢視図、第３図は第１図のＣ−Ｃ矢視図、第４
図は該装置の概要を示す説明図である。 １は配管、１０，１１はフランジ、１２は着脱
装置、１３，１４，１５，１６は伝動軸、１８は
傘歯車、１９はカツプリング、２０はレバー、２
１は鉤リンク示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 配管フランジに沿つて配管の回りに複数の伝
   動軸を回転自在に設け、該伝動軸を全部又は所要
   本数毎に連結し、該各伝動軸にレバーを固着し、
   該レバーに相手側フランジに係合可能な鉤リンク
   を枢着し、前記伝動軸の全部又は所要本数毎のう
   ちいずれか１本に入力用カツプリングを固着し、
   該入力用カツプリングを介して該いずれか１本の
   伝動軸を回転させ得る様にしたことを特徴とする
   配管フランジ継手の着脱装置。