JPH0476593B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は、格納建屋内で原子炉の或る要素の保
守及び検査もしくは点検を行なうために、原子炉
と組み合せて用いられる位置付け装置に関するも
のである。

加圧水形原子炉における周期的な燃料交換作業
中、圧力容器の内蔵物は群単位で取り外されて格
納建屋内の割当てられた領域に格納される。この
ように、原子炉の上部炉心構造物は、制御棒組立
体（クラスタ）と共に、原子炉圧力容器から、上
部炉心構造物貯蔵ピツトに移され、そこでこれ等
の要素は該貯蔵ピツト内に設置されている格納ス
タンド上に支持される。本発明は、原子炉の燃料
交換のための運転停止を利用して、上部炉心構造
物が上部炉心構造物貯蔵ピツト内に入れられてい
る間、該上部炉心構造物の構成要素及び制御棒ク
ラスタの棒に対し検査及び保守作業を行なうこと
を目論むものである。設置後の棒の周期的検査も
しくは点検は常規的に実施されていない。検査作
業をする場合には、制御棒クラスタ全体を内部構
造から取り外している。

先行技術の説明 米国特許第4217173号明細書には、燃料集合体
を分解する必要なく、原子炉の燃料棒の構造上の
健全性について検査するために、原子炉の上部縁
に取り付けられたキヤリツジ・ビーム構造を備
え、炉心内の所望の燃料棒と整列するように垂直
走査管を上昇及び下降するように適応されている
原子炉検査装置が開示されている。

米国特許第4048009号明細書には、周期的な予
防保守点検中に、冷却ピツト内に個別に配置され
た制御棒延長部の諸寸法をチエツクするための測
定器具が取り付けられている垂直方向に変位可能
なキヤリツジが開示されている。

米国特許第4169758号及び第4311556号各明細書
には、原子炉容器の内部表面を点検するための装
置が開示されている。この装置は原子炉容器の上
方に支持されていて円形のトラツクの周りで回転
可能であり、そして該円形のトラツクに対し水平
方向で半径方向に変位可能であると共に、垂直方
向に運動可能である。装置の垂直方向に運動可能
な要素上には、更に他の水平方向及び角度変位の
ための付加的な機構が設けられており、この機構
により検査器具が支持されている。

米国特許第4464332号明細書には、核燃料集合
体における棒間隔を検査するための装置が記載さ
れている。この装置は、垂直方向に位置付けられ
た核燃料集合体に対し並行に垂直方向に運動可能
であつて、水平方向に変位可能である要素を有し
ている。この装置は、製造後新燃料集合体を検証
するように設計されている。

発明の概要 本発明の目的は、上部炉心構造物から取り外す
必要なしに、該上部炉心構造物の構成要素及び制
御棒の検査もしくは点検及び保守の目的で格納さ
れている上部炉心構造物の下側の空間にアクセス
し、燃料交換のための運転停止中に上部炉心構造
物貯蔵ピツト内で作動するように適応された改良
位置付け装置を提供することにある。

上の目的及び説明が進むにつれて明らかになる
であろう他の目的は、本発明によれば、概略的に
述べて、上部炉心構造物貯蔵ピツト内に、３軸座
標位置付け装置を設置し、該３軸座標位置付け装
置を、貯蔵ピツト内に支持されている上部炉心構
造物から下降される任意の制御棒クラスタにより
占拠されるよう設計されている面積を取り囲むフ
レーム上の水平方向に配位された基部トラツク
と、貯蔵ピツト内で該基部トラツクを支持し且つ
垂直方向に変位するための支持・変位手段と、第
１の水平方向に前後に変位可能なように上記基部
トラツク上に支持された横運動トラツクと、該横
運動トラツクを第１の水平方向に運動するための
移動手段と、上記第１の水平方向に対して垂直な
第２の水平方向に前後に変位可能なように上記横
運動トラツク上に支持されたキヤリツジとから構
成することにより達成される。キヤリツジはその
上に検査もしくは点検設備を受けるように適応さ
れている。位置付け装置は更に、キヤリツジを第
２の水平方向に動かすための移動手段と、基部ト
ラツクより取り囲まれた領域の外部で該領域から
水平方向に離間して上記貯蔵ピツト内に設置され
たアクセス・トラツクを有する。該アクセス・ト
ラツクは、横運動トラツクからアクセス・トラツ
クへ及びその逆にキヤリツジを転送可能にするた
めに該横運動トラツクと整列可能に配列されてい
る。

キヤリツジがアクセス・トラツク上に在る時に
該キヤリツジは、貯蔵ピツトの上方の作業フロア
から直接アクセスすることができる。

好適な実施例の説明 第１図を参照するに、この図には、加圧水型原
子炉の要素を収容している格納建屋１の一部分が
示してある。第１図では、原子炉は燃料交換のた
めの運転停止中の状態で示されており、原子炉の
圧力容器２の内蔵物の一部は取り外されて格納建
屋の種々の場所に格納されている。即ち、上部炉
心構造物ケーシング４内に包入されて底部が上部
炉心支持板５により画定されている原子炉の上部
炉心構造物３は、燃料交換作業中、上部炉心構造
物貯蔵ピツト７の上部炉心構造物格納スタンド６
上に配置される。上部炉心構造物３は、予め燃料
集合体９から引き抜かれる複数個の制御棒クラス
タ８を備えている。各制御棒クラスタ８は複数の
（例えば24本の）平行に離間した棒８ａを有して
いる（第２図参照）。制御棒クラスタ８は、上部
炉心構造物ケーシング４から個々に上部炉心支持
板５を介して、該支持板５の下側の貯蔵ピツト７
の空間内に下降することができる。第１図には更
に、取り外された燃料集合体９（燃料棒及び制御
棒案内シンブルを含む）が燃料交換の目的で、原
子炉圧力容器２から取り外されつつある状態が示
してある。

上部炉心構造物３が格納スタンド６上に格納さ
れている間、制御棒クラスタ８の棒８ａは、参照
数字10で総括的に示してある位置付け装置に取り
付けられている例えばテレビジヨン・カメラによ
り、上部炉心構造物貯蔵ピツト７内で検査され
る。

以下の説明においては、特に第２図、第３図及
び第４図を参照して位置付け装置１０の詳細につ
いて説明する。

位置付け装置１０は、ビーム１２，１３，１４
及び１５から形成された矩形のフレームにより構
成されている水平方向に配位された基部トラツク
１１を備えている。この基部トラツク１１は、制
御棒クラスタ８が個別に或は列形態で下降される
際に、基部トラツク１１により取り囲まれる領域
を占拠するようにするために、上部炉心構造物貯
蔵ピツト７の十分に大きな面積を取り囲んでい
る。尚、上部炉心構造物３において制御棒クラス
タ８が支持される領域の垂直投影が第３図に円１
６で示してある。

基部トラツク１１は、その４つの隅部で、貯蔵
ピツト７の床上に取り付けられた４本の垂直方向
昇降ねじ１７，１８，１９及び２０（支持・変位
手段）上に支持されている。昇降ねじ１７〜２０
は、基部トラツク１１を、その水平配位を維持し
つつ上昇又は下降するために駆動装置（図示せ
ず）により一緒に駆動される。従つて、基部トラ
ツク１１のこの変位により、本発明による３軸座
標位置付け装置１０の垂直もしくはＺ軸成分が与
えられる。

基部トラツク１１上には、基部トラツク１１の
ビーム１２及び１４に対して平行に延在しビーム
１３及び１５に沿う方向に水平に変位可能である
横運動トラツク２１が支持されており、そしてこ
のトラツク２１には、上の目的で、ビーム１３及
び１５の上面と係合する走行車輪２２が設けられ
ている。ビーム１３及び１５内には、それぞれ送
りねじ２３（１つだけが示されている）が延在し
ており、移動手段であるこれ等の送りねじは、横
運動トラツク２１の両端部で該横運動トラツク２
１の下部に固定されている移動ナツト２４（１つ
だけしか示されていない）と螺合している。水平
方向送りねじ２３は、横運動トラツク２１の線形
変位を行うために駆動機構（図示せず）により一
緒に駆動される。この横運動トラツク２１の変位
が、本発明による３軸座標位置付け装置１０の水
平方向の「Ｙ」軸運動成分となる。

横運動トラツク２１の上面にはキヤリツジ２５
が走行車輪２６により運動可能に支持されてい
る。中空の横運動トラツク２１内には、その縦軸
方向に延在する送りねじ２７が設けられており、
移動手段であるこのねじ２７は、キヤリツジ２５
の下部に固定されている移動ナツト２８と螺合し
ている。この横方向送りねじ２７は、例えば、横
運動トラツク２１の一端に担持されているモータ
（図示せず）により回転され、それにより、キヤ
リツジ２５を、横運動トラツク２１の移動方向に
対し垂直な水平方向で直線的に移動させることが
できる。このようにして、キヤリツジ２５の運動
が、本発明による３軸座標位置付け装置１０の水
平方向の「Ｘ」軸成分となる。

キヤリツジ２５上には、例えば、周知の仕方で
遠隔制御により全て操作することができるテレビ
ジヨン・カメラ２９及び種々の保守工具３０のよ
うな検査装置が取り付けられている。

上部炉心構造物貯蔵ピツト７の底部には、基部
トラツク１１は占める領域に隣接して横運動トラ
ツク２１に対し平行に延在するほぼ水平のアクセ
ス・トラツク３１が布設されている。基部トラツ
ク１１及び横運動トラツク２１をそれぞれ適当に
垂直方向及び水平方向において位置付けることに
より、横運動トラツク２１は、第２図及び第３図
に示すように、アクセス・トラツク３１と直線状
に整列させることができる。これ等の２つのトラ
ツク２１及び３１間における整列された状態で、
キヤリツジ２５は、横運動トラツク２１からアク
セス・トラツク３１へと転動して、上部炉心構造
物格納スタンド６に対し側方に位置する領域内の
位置を取ることができる。貯蔵ピツト７上方の作
業フロア３２から直接接近することができるこの
領域は、点検又は保守サイクルの前或は後で、キ
ヤリツジ２５から検査装置を取り外したり或はそ
れ等の検査装置をキヤリツジ２５に設置するため
の便利な空間を提供する。

このようにして、燃料交換のための運転停止
中、上部炉心構造物３を水で満たされた貯蔵ピツ
ト７内の上部炉心構造物格納スタンド６上に配置
した後に棒８ａの検査を行うことができる。この
目的で、制限された数の制御棒クラスタ８が、上
部炉心構造物３からその下に存在する空間内に降
下される。降下位置で、制御棒クラスタの上部構
造（スパイダ）は、上部炉心支持板５に隣接し、
従つて、クラスタは該上部炉心支持板から懸持さ
れる。検査準備位置へと下降される制御棒クラス
タ８の数は次のように選択される。即ち、位置付
け装置１０のキヤリツジ２５が常に、制御棒クラ
スタ８の下降された垂直方向に位置する棒８ａに
対し点検作業を行うのに必要とされる任意所望の
場所に移動することができるように選択される。

以上、本発明の好ましい実施例について説明し
たが、この実施例には、本発明の範囲から逸脱す
ることなく、種々の変更、均等物の交換及び適応
化が可能であることは理解されよう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による装置が用いられる加圧水
型原子炉格納建屋を略示する部分側立面図、第２
図は、幾つかの要素を第１図とは異なつた仕方で
配列し、第１図に示した構造の一部分を部分的に
断面で略示する拡大側立面図、第３図は、図示を
明瞭にするために幾つかの要素を取外して第２図
に示した構造を略示する平面図、第４図は本発明
の好適な実施例を部分的に断面で略示する拡大側
立面図である。 １……格納建屋、２……原子炉の圧力容器、３
……上部炉心構造物、６……格納スタンド、７…
…貯蔵ピツト、８……制御棒クラスタ、８ａ……
複数の棒、１０……位置付け装置、１１……基部
トラツク、２１……横運動トラツク、１７〜２０
……昇降ねじ（基部トラツクの変位手段）、２３
……送りねじ（横運動トラツクの移動手段）、２
５……キヤリツジ、３１……アクセス・トラツ
ク、２７……送りねじ（キヤリツジの移動手段）、
２９……テレビジヨン・カメラ（検査装置）、３
０……保守工具（検査装置）、３２……作業フロ
ア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 格納建屋と、該格納建屋内に収容されて、そ
   れぞれが垂直方向に配位された複数の棒を有する
   複数の制御棒クラスタを下降可能に支持する上部
   炉心構造物を有する原子炉と、前記格納建屋内に
   設けられた貯蔵ピツトと、該貯蔵ピツト内に設置
   されて前記原子炉から取り外された前記上部炉心
   構造物を支持し格納するように配列された格納ス
   タンドとを備えている原子炉装置において、前記
   上部炉心構造物を収容するように設計されている
   空間の下方で前記貯蔵ピツト内に設置された位置
   付け装置を備え、該位置付け装置が、 (a) 前記上部炉心構造物から下降される前記複数
   の制御棒クラスタの任意のクラスタにより占拠
   されるように設計されている領域を取り囲むフ
   レーム状の水平に配位された基部トラツクと、 (b) 該基部トラツクを前記貯蔵ピツト内で支持し
   且つ垂直方向に変位するための支持・変位手段
   と、 (c) 第１の水平方向において前後に変位可能なよ
   うに、前記基部トラツク上に支持された横運動
   トラツクと、 (d) 前記横運動トラツクを前記第１の水平方向に
   移動するための移動手段と、 (e) 前記第１の水平方向に対し垂直な第２の水平
   方向において前記横運動トラツク上に前後に変
   位可能なように支持されて、検査装置を受ける
   ように適応されているキヤリツジと、 (f) 該キヤリツジを前記第２の水平方向に移動す
   るための移動手段と、 (g) 前記基部トラツクにより取り囲まれる領域の
   外部に該領域から水平方向に離間して前記貯蔵
   ピツト内に配設されたアクセス・トラツクとを
   備え、該アクセス・トラツクが、前記キヤリツ
   ジを前記横運動トラツクから前記アクセス・ト
   ラツクへ及び前記アクセス・トラツクから前記
   横運動トラツクへ転送可能にするために前記横
   運動トラツクと整列可能なように配列され、前
   記キヤリツジは、前記アクセス・トラツク上に
   在る時に、前記貯蔵ピツト上方の作業フロアか
   ら直接に接近可能である、 ように改良されている原子炉装置における位置付
   け装置。