JPH047151Y2 - - Google Patents

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JPH047151Y2
JPH047151Y2 JP17012685U JP17012685U JPH047151Y2 JP H047151 Y2 JPH047151 Y2 JP H047151Y2 JP 17012685 U JP17012685 U JP 17012685U JP 17012685 U JP17012685 U JP 17012685U JP H047151 Y2 JPH047151 Y2 JP H047151Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は水素吸蔵合金を利用して水素を貯蔵
あるいは精製するための容器に関する。
〔従来技術とその問題点〕
LaNi5、FeTi、TiMn1.5などの水素吸蔵合金
は、その水素吸蔵、放出特性を利用して、水素の
貯蔵、輸送、水素精製などの用途に使用されつつ
ある。
このような用途に水素吸蔵合金(以下、単に合
金と称する。)を使用する場合には、耐圧性で熱
交換機能を有する容器に合金を収容して使われ
る。
従来、この種の容器としては、例えば第10図
に示すようなものが知られている。この容器は、
有底円筒状の本体1の端部開口部に水素ガスを導
入、導出する出入管2を設け、内部に合金3が充
填され、出入管2の近くには合金3の出入管2へ
の移動を防止するフイルター4が設けられてい
る。
そして、本体1の外周に設けられた外筒5内に
熱媒体入、出管6,7を介して熱媒体を流すこと
により、合金4の水素吸蔵による発熱あるいは水
素放出による吸熱に対応して合金4を冷却あるい
は加熱することができるようになつている。
ところで、合金は数回の水素吸蔵、放出を繰り
返えすと、粉化し、径が数μmの微粉末となる。
このような粉末状態で更に水素の吸蔵、放出を行
うと、水素吸蔵は通常5〜10Kg/cmの加圧下で行
われ、放出は常圧もしくは若干の減圧下で行われ
るため、放出から吸蔵に切換わる際に、この圧力
差によつて粉末状合金が出入管3の反対方向に押
しやられ、吸蔵、放出を繰り返すごとに合金粉末
が容器の一個所に偏在することになる。さらに、
水素吸蔵時には合金の体積が15〜20%増加し、膨
張するため、偏在した合金によつて容器の一部に
応力集中を生じ、容器の変形や破壊につながる恐
れがあつた。
また、合金が容器内の一個所に偏ることになる
ので、実質的な表面積が減少し、水素吸蔵量や吸
蔵速度が低下する不都合があつた。
このため、従来では合金の偏在を防止するため
に容器内に緩衝材を入れたり、合金の充填量を下
げたり、あるいは容器の肉厚を厚くするなどの方
策が採られているが、上記問題の根本的な解決と
はなつていなかつた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、この考案にあつては、容器本体を円や
楕円などの無端状の中空環体から構成し、水素ガ
スを導入、導出する出入管を容器本体の弧の接線
方向に取り付けることにより、合金粉末の容器内
での偏在を防止し、上記問題点を解決するように
した。
第1図A,B,Cは、この考案の水素吸蔵合金
用容器の第1の例を示すもので、図中符号11は
この考案に係る容器である。この容器11は容器
本体12と出入管13とから概略構成されてい
る。容器本体12は熱伝導性の良好な銅、アルミ
ニウムなどの金属材料からなる丸管を円形に湾曲
し、その両端を接合した無端状のドーナツ形の中
空の環体であり、100Kg/cm程度の内圧および0
〜200℃の温度に耐えるようにその材質、肉厚等
が決められる。この容器本体12には、その接線
方向に水素ガスを導入、導出するための出入管1
3が取り付けられている。この出入管13は、容
器本体12をなす丸管と同一径を有する直管であ
り、容器本体12に開けられた開口部にロウ付け
などの手段により一体的に取り付けられ、本体1
2とその内部で連通されている。
容器本体12と出入管13との取付角度は、上
述のように容器本体12の接線方向が好ましい
が、±10°程度の偏差は許容され、本考案で云う接
線方向とは、法線に対して80〜100°の範囲にある
ことを意味する。
また、出入管13の先端部には合金粉末の飛散
を防止するためのフイルター14が設けられてい
る。このフイルター14は、ステンレス鋼、黄
銅、などの焼結合金からなるもので、数μmの孔
口径を有するものが、使用される。そして、容器
本体12内に合金が充填され、合金の冷却あるい
は加熱は、容器11全体もしくは容器本体12を
適当な熱媒中に浸漬あるいは雰囲気下において使
用される。
このような構造の容器11にあつては、水素ガ
ス吸蔵時に高圧の水素ガスが出入管13から導入
されると、合金粉末はこの圧力によつて移動する
が、容器本体12が無端の環体となつており、か
つ出入管13の方向が接線方向であるため、合金
にはこれを容器本体12内で回転させるような力
が働き、合金粉末が本体12内で回転移動するこ
とになり、一個所に押し集められことがない。そ
して、高圧水素ガスが導入されるごとに合金粉末
はすこしづつ移動(この場合、時計廻りに)して
ゆくが、全体は本体12内で略均一に分散してお
り、その分散状態に変化はない。
よつて、この容器11では、合金粉末の偏在に
超因する容器11の変形や破損は全くなくなる。
このため、緩衝材を入れたり、充填量を少なくす
る必要がなくなり、充填合金量に対して全体を小
型化でき、かつ容器本体12の材料も肉厚にする
必要がなく、構造も簡単で、製造コストも安価と
なる。
なお、容器本体12をなす丸管は、第2図や第
3図に示すように合金との伝熱性を高めるための
フイン15…をその内周面に有するものでもよ
い。また、このフインは外周面に設けてもよい。
第4図A,B,Cは、この考案の容器の第2の
例を示すものである。この例の容器11は、出入
管13の径が容器本体12をなす丸管の径よりも
小さくなつており、かつ出入管13の本体12側
の先端部が本体12の周壁に沿つて本体12内部
まで延びている点が異るところである。このもの
では、高圧水素ガスの導入による合金粉末の一方
向の移動がより確実に行われる。
第5図A,B,Cは、この考案の容器の第3の
例を示すもので、この例では容器本体12内に焼
結合金からなる通気性ドーナツ状の丸管16を収
容し、この丸管16に出入管13を接続したもの
であつて、合金層の厚さを減少せしめ、外部との
伝熱を高めて吸蔵、放出速度を高めることができ
る。
第6図A,B,Cは、この考案の第4の例を示
すものである。このものは、その容器本体12を
なす筒体が丸管ではなく、断面形状が長円状の管
であつて、出入管13は、その長手方向の中央部
に設けられている。このものでは、多量の合金を
充填することができる。
第7図A,B,Cは、この考案の第5の例を示
すものである。この例の容器11は、その容器本
体12をなす中空環体が複数個積み重ねられ、出
入管13は、これら複数の本体12…にわたつて
連通して設けられたヘツダー17を介して取り付
けられたものである。
この容器11では、容器本体12…を積み重ね
数を変えることにより、合金の充填量を任意に変
えることができる。
第8図および第9図は、この考案の容器の第6
および第7の例を示すもので、第1ないし第5の
例はすべて容器本体11をなす中空環体が正円で
形成されているのに対し、第6の例は容器本体1
1をなす中空環体が楕円で形成され、第7の例は
長円で形成されている点に特長がある。これらの
例では、出入管13の取付位置は、中空環体の弧
の部分に対する接線方向となる。
〔実施例〕
第1図に示した形状のこの考案の容器を銅で作
成した。各部の寸法は次の通りである。
容器本体;内径140mm、外径160mm 容器本体をなす丸管;内径8mm、外径10mm 出入管;内径8mm、外径10mm、長さ80mm フイルターには孔口径5μmの焼結SUS板を使用
した。この容器にLaNi5合金94g(充填率55%)充
填し、水素吸蔵、放出を繰り返したところ、2000
回の吸蔵、放出後でも容器内の合金が偏在せず又
容器が破損する等の異常は全く認められなかつ
た。
従来の容器では、通常数100回程度の水素吸蔵、
放出で容器に膨みが生じ、使用不能になるといわ
れていることから、この考案の容器の耐久効果が
わかる。
〔考案の効果〕
以上説明したように、この考案の水素吸蔵合金
用容器は、少なくとも一部が弧を形成する無端中
空環体からなる容器本体と、この容器本体の弧の
接線方向に取り付けられた出入管とからなるもの
であるので、水素吸蔵時の高圧水素ガスの流入に
よつても、合金粉末が容器本体内で回転移動する
だけであつて、容器本体内で一個所に偏在するこ
とがなくなる。
このため、長期の使用後にあつても容器の合金
偏在に超因する変形や破損がなくなり、長寿命と
なるとともに、従来容器のように緩衝材を入れた
り、合金充填量を減したりする必要がなく、容器
の容積効率が高まり、容器の薄肉化が可能である
などの利点を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第4図、第5図、第6図および第7図
はいずれもこの考案の容器の例を示すもので、A
は正面図、Bは平面図、Cは側面図であり、第2
図および第3図はいずれもこの考案における容器
本体を形成する中空環体の他の例を示す断面図、
第8図および第9図はいずれもこの考案の容器の
他の例を示す平面図、第10図は従来の容器を示
す概略断面図である。 11……容器、12……容器本体、13……出
入管。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 少なくとも一部が弧を形成する無端状の中空環
    体からなる容器本体と、この容器本体の弧の接線
    方向に取り付けられた出入管を有する水素吸蔵合
    金用容器。
JP17012685U 1985-11-05 1985-11-05 Expired JPH047151Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17012685U JPH047151Y2 (ja) 1985-11-05 1985-11-05

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JP17012685U JPH047151Y2 (ja) 1985-11-05 1985-11-05

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JPS6281798U JPS6281798U (ja) 1987-05-25
JPH047151Y2 true JPH047151Y2 (ja) 1992-02-26

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JP17012685U Expired JPH047151Y2 (ja) 1985-11-05 1985-11-05

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JP4729674B2 (ja) * 2004-03-31 2011-07-20 太平洋セメント株式会社 水素貯蔵タンクおよびこれを搭載した移動体

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JPS6281798U (ja) 1987-05-25

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