JPH047126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、女性用アンダーウエアの一つである
ブラジヤーに関するものである。

［従来の技術］ 近年におけるブラジヤーは、単に乳房を覆うも
のとしてだけでなく、乳房の形状を良好に整形し
たり自身の形状を保形するために種々の工夫がな
されており、こうした目的を達成するために、例
えば実開昭61−172109号広報に開示されるよう
に、カツプの底辺に沿う部分に芯線（ワイヤ）を
挿通保持させたものが知られている。しかしなが
ら、従来のブラジヤーにおいては、上記のような
カツプの底辺に対してこれに沿う芯線を設けるも
のがあるものの、ブラジヤーの上辺部は一般に布
地を縫製することによつてのみ形成されているの
が実状である。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、ブラジヤーのサイズは、カツプの大
きさ及び胴回りのサイズに加え、カツプ間のサイ
ズを正確にすることが要求されるが、従来におけ
るブラジヤーのように、ブラジヤーの上辺部を布
地を縫製することによつてのみで形成するように
していると、わずかな縫製の不具合によりこの上
辺部の形状に狂いが生じ、これによつてカツプ間
のサイズが所望のものにならないことがあつた。
すなわち、このようにして生じるカツプ間サイズ
の狂いは、ブラジヤーの品質向上にとつて大きな
妨げになるものであつた。

また、前記上辺部が布地を縫製することによつ
てのみで形成されたものであると、ブラジヤーを
着用したとき、両カツプの間に位置する上辺中央
部が両側の乳房の膨らみに追従して胸から離れて
しまい、ブラジヤーが完全に胸にフイツトしない
という問題もあつた。このような状態になると、
カツプの形状が崩れ易くなつて着用感が悪い上、
場合によつては上辺中央部と胸の間からブラジヤ
ーの内側が見えてしまう虞がある。

本考案は上記のような事情に鑑みなされたもの
であつて、容易に正確なサイズに形成することが
でき且つ上辺部をも体にフイツトさせることので
きるブラジヤーを提供することを目的としてい
る。

［課題を解決するための手段］ 本考案によるブラジヤーは、上記目的を達成す
るために、各カツプの略Ｕ字状の底辺に沿う底辺
ワイヤと、各カツプの上尖端部をブラジヤー本体
の上辺に沿うとともに前記各カツプの中間部にお
いて各カツプの裾方向へ湾曲した上辺ワイヤと
が、前記各底辺ワイヤのカツプ中間部側に位置す
る先端部を前記上辺ワイヤの所定位置に連結した
状態で一体化され、且つこれら一体化された前記
底辺ワイヤと上辺ワイヤが前記ブラジヤー本体を
形成する布地中に縫い込まれていることを特徴と
している。

［作用］ 上記のような構成とすれば、上辺ワイヤと各底
辺ワイヤとでブラジヤーの輪郭が特定され、カツ
プ間のサイズが正確なブラジヤーとなる。また、
上辺ワイヤにより、ブラジヤーの上辺部を胸にフ
イツトさせることができる。

［実施例］ 以下、本考案を図示した実施例に基づいて説明
する。

第１図は実施例のブラジヤーの正面図であつ
て、図において、１はブラジヤー本体、２，２は
底辺ワイヤ、３は上辺ワイヤ、４，４は肩紐であ
る。

ブラジヤー本体１は、その大きさがＡ，Ｂ，
Ｃ，Ｄといつた記号により識別されるカツプ１
１，１１、これらカツプ１１，１１のＵ字状の底
辺に連結され着用者の乳房下方の胴回りにフイツ
トする添布１２、及びこの添布１２の両側に連設
され着用者の背中にフイツトする側帯１３，１３
とで構成されている。これらの内、カツプ１１，
１１は非伸縮性布地で形成され、添布１２及び側
帯１３，１３は適度の伸縮性を有する布地で形成
されている。また、各側帯１３，１３の端部には
着用時に互いに結合されるために、フツク１４ａ
と係合具１４ｂがそれぞれ取着されている。

底辺ワイヤ２，２は、金属あるいは硬質合成樹
脂といつた硬質材によつてなり、第３図にも示す
ように、前記カツプ１１，１１の底辺に沿う略Ｕ
字状に形成されている。

一方、上辺ワイヤ３も、前記底辺ワイヤ２，２
と同様の硬質材によつてなる。この上辺ワイヤ３
は、ブラジヤーのサイズに対応させて、前記カツ
プ１１，１１の各上尖端部１１ａ，１１ａを結ぶ
ブラジヤー本体１の上辺に沿う形状に形成されて
いる。また、この上辺ワイヤ３の前記各カツプ１
１，１１の中間部に位置する中央部分３ａは、第
２図に示すように、これらカツプ１１，１１の裾
方向、すなわち着用者の胸に接近する方向へ湾曲
されている。

第３図に示すように、カツプ１１，１１の内側
に位置する底辺ワイヤ２，２の先端部２ａ，２ａ
をそれぞれ上辺ワイヤ３の中央部３ａの互いに間
隔を開けた所定位置に溶接あるいは溶着等により
連結することで、前記底辺ワイヤ２，２と上辺ワ
イヤ３は一体化されている。これら底辺ワイヤ
２，２と上辺ワイヤ３はそれぞれを適宜選択して
一体化することにより、所定のカツプサイズ、胴
回りサイズ及びカツプ間サイズに適応したカツプ
周りの輪郭を形成する。そして、以上のようにし
て一体化された底辺ワイヤ２，２と上辺ワイヤ３
は、前記カツプ１１，１１の周縁部及び添布１２
の中央部上辺において、例えば第４図に示すよう
に、このカツプ１１，１１及び添布１２を形成す
る布地中に縫い込まれている。このとき、前述し
たように、一体化された底辺ワイヤ２，２と上辺
ワイヤ３によつて、所望のブラジヤーサイズに適
応した輪郭が形成されているから、サイズの正確
なブラジヤーが形成される。

肩紐４，４は、前記カツプ１１，１１の各上尖
端部と前記側帯１３，１３の間に架け渡されてい
る。

以上のように構成したブラジヤーでは、既述し
たようにサイズ、殊にカツプ間のサイズが正確な
ブラジヤーを形成することが容易になる他、硬質
材でなる上辺ワイヤ３の中央部３ａがカツプ１
１，１１の裾部側へ湾曲されているため、上辺部
を胸にフイツトさせておくことが可能となる。

尚、本考案が上記実施例に限定されないものは
もちろんであつて、例えば底辺ワイヤ及び上辺ワ
イヤを形状記憶合金により形成するようにしても
よい。また、上辺ワイヤはその中央部のみを保形
性の高い高弾性の合成樹脂で形成するようにし、
中央部以外は軟質合成樹脂で形成するようにして
もよい。このようにすれば、上辺ワイヤの中央部
をより確実に着用者の胸にフイツトさせることが
可能となる。また、底辺ワイヤと上辺ワイヤは予
め一体成型されていてもよい。さらに、側帯や添
布の形状及び材質の変更は本考案の要旨を何等変
更するものではなく、カツプの材質も必要に応じ
て任意に変更できる。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案の如く
構成したブラジヤーによれば、カツプ間のサイズ
が正確なブラジヤーを容易に製作することが可能
となるから、サイズが正確な品質のよいブラジヤ
ーとすろことができるという効果を奏する。

また、両カツプの中間部においてもブラジヤー
の上辺部を着用者の胸にフイツトもしくは接近さ
せることができるから、カツプの形がすつきりと
して着用感が向上するとともに、ブラジヤーの内
側が見えてしまうような不都合も解消されるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例のブラジヤーの正面図、第２図
は上辺ワイヤの平面形状を示す説明図、第３図は
連結された底辺ワイヤと上辺ワイヤを示す正面
図、第４図は第１図の−拡大断面図である。 １……ブラジヤー本体、２，２……底辺ワイ
ヤ、３……上辺ワイヤ、１１，１１……カツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各カツプの略Ｕ字状の底辺に沿う底辺ワイヤ
   と、各カツプの上尖端部を結ぶブラジヤー本体の
   上辺に沿うとともに前記各カツプの中間部におい
   て各カツプの裾方向へ湾曲した上辺ワイヤとが、
   前記各底辺ワイヤのカツプ中間部側に位置する先
   端部を前記上辺ワイヤの所定位置に連結した状態
   で一体化され、且つこれら一体化された前記底辺
   ワイヤと上辺ワイヤが前記ブラジヤー本体を形成
   する布地中に縫い込まれていることを特徴とする
   ブラジヤー。