JPH0467630B2 - - Google Patents

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JPH0467630B2
JPH0467630B2 JP7490085A JP7490085A JPH0467630B2 JP H0467630 B2 JPH0467630 B2 JP H0467630B2 JP 7490085 A JP7490085 A JP 7490085A JP 7490085 A JP7490085 A JP 7490085A JP H0467630 B2 JPH0467630 B2 JP H0467630B2
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JP
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separation
development
column
autoradiograph
signal processing
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Makoto Hara
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0467630B2 publication Critical patent/JPH0467630B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、核酸の塩基配列決定のための信号処
理方法に関するものである。
[発明の背景] 近年、急速に発達して来た分子生物学の分野に
おいては、生物体の機能や複製のメカニズムを解
明するために、生物体のもつ遺伝情報を明らかに
することが必須のこととなつている。とりわけ、
特定の遺伝情報を担うDNA(もしくはDNA断片
物、以下同様)などの核酸の塩基配列を決定する
ことが必要不可欠なこととなつている。
DNA、RNAなどの核酸の塩基配列を決定する
ための代表的な方法として、オートラジオグラフ
イーを利用するマキサム・ギルバート(Maxam
−Gilbert)法およびサンガー・クールソン
(Sanger−Coulson)法が知られている。前者の
マキサム・ギルバート法は、まず、塩基配列を決
定しようとしているDNAあるいはDNA断片物の
鎖状分子の一方の端部に32P等の放射性同位元素
を含む基を結合させることにより、その対象物を
放射性標識物質としたのち、化学的な手段を利用
して鎖状分子の各構成単位間の結合を塩基特異的
に切断する。次に、この操作により得られた塩基
特異的DNA切断分解物の混合物をゲル電気泳動
法により分離展開し、多数の切断分解物がそれぞ
れ分離展開されて形成された分離展開パターン
(ただし、視覚的には見ることができない)を得
る。この分離展開パターンをたとえばX線フイル
ム上に可視化してそのオートラジオグラフを得、
得られたオートラジオグラフと各々の塩基特異的
切断手段とから、放射性元素が結合された鎖状分
子の端部から一定の位置関係にある塩基を順次決
定し、これにより対象物全ての塩基配列を決定す
ることができる。
また、後者のサンガー・クールソン法は、
DNAあるいはDNA断片物の鎖状分子と相補的で
あつて、かつ放射性標識が付与されたDNA合成
物を化学的な手段を利用して塩基特異的に合成
し、この塩基特異的DNA合成物の混合物を用い
て上記と同様にしてそのオートラジオグラフから
塩基配列を決定する方法である。
本出願人は、上記核酸の塩基配列決定を簡易か
つ高精度で行なうことを目的として、それに利用
されるオートラジオグラフ測定操作において、上
記X線フイルム等の写真感光材料を用いる従来の
放射線写真法の代りに、蓄積性蛍光体シートを用
いる放射線像変換方法を利用する方法について既
に特許出願している(特開昭59−83057号、特願
昭58−201231号)。ここで、蓄積性蛍光体シート
は輝尽性蛍光体からなるものであり、放射線エネ
ルギーを該蛍光体シートの輝尽性蛍光体に吸収さ
せたのち、可視乃至赤外領域の電磁波(励起光)
で励起することにより、放射線エネルギーを蛍光
として放出させることができるものである。この
方法によれば、露光時間を大幅に短縮化すること
ができ、また従来より問題となつていた化学カブ
リ等が発生することがない。さらに、放射性標識
物質のオートラジオグラフは、一旦放射線エネル
ギーとして蛍光体シートに蓄積されたのち輝尽光
として時系列的に読み出されるから、画像のほか
に記号、数値など任意の形で表示記録することが
可能である。
従来より、核酸の塩基配列決定をしようとする
者は、可視化されたオートラジオグラフについ
て、放射性標識が付与された核酸の塩基特異的切
断分解物もしくは塩基特異的合成物(以下、単に
核酸の塩基特異的断片物と称する)のそれぞれの
分離展開位置を視覚的に判断し、分離展開列間で
相互に比較することにより核酸の塩基配列を決定
している。よつて、得られたオートラジオグラフ
の解析は通常人間の視覚を通して行なわれてお
り、そのために多大な時間と労力が費されてい
る。
また、人間の目に依存しているため、オートラ
ジオグラフを解析して決定された核酸の塩基配列
が解析者によつて異なるなど得られる情報の精度
には限界がある。
そこで、本出願人は、上記オートラジオグラフ
をデジタル信号として得た後このデジタル信号に
適当な信号処理を施すことにより、DNAの塩基
配列を自動的に決定する方法についても既に特許
出願している(特開昭59−126527号、特開昭59−
126278号、特願昭59−89615号、特願昭59−
140908号等)。オートラジオグラフに対応するデ
ジタル信号は、従来の放射線フイルムを利用する
場合には一旦オートラジオグラフを該フイルム上
に可視画像化したのち、反射光または透過光を利
用して光電的に読み取ることにより得られる。ま
た、蓄積性蛍光体シートを用いる場合には、オー
トラジオグラフが蓄積記録された蛍光体シートを
直接に読み出すことにより得られる。
しかしながら、実際に放射性標識物質を電気泳
動法などにより支持媒体上に分離展開させて得ら
れた分離展開パターンには種々の歪みおよびノイ
ズが生じがちである。その代表的なものに、支持
媒体の中央部の分離展開距離に比べて両端部の分
離展開距離が短くなる現象(スマイリング現象)
がある。スマイリング現象は、分離展開過程にお
ける放熱(いわゆるエツジ効果)などが原因して
発生する。このような歪みが発生した場合にも、
そのオートラジオグラフに対応するデジタル信号
を効率良く信号処理して核酸の塩基配列を高精度
で自動決定することが望まれている。
[発明の要旨] 本発明者は、オートラジオグラフイーを利用し
て核酸の塩基配列を自動決定する方法において、
スマイリング現象の生じている分離展開パターン
であつてもそのオートラジオグラフに対応するデ
ジタル信号を好適に信号処理することにより、核
酸の塩基配列を簡易かつ高精度で自動決定するこ
とを実現した。
すなわち、本発明は、放射性標識が付与された
塩基特異的DNA断片物もしくは塩基特異的RNA
断片物の混合物が支持媒体上に一次元方向に分離
展開されて形成された複数の分離展開列のオート
ラジオグラフに対応するデジタル信号について信
号処理を行なうことにより、核酸の塩基配列を決
定する方法において、 1) 各分離展開列について、全てのバンドの分
離展開方向に対する傾きを検出する工程、およ
び 2) 任意の一つの分離展開列を基準列とし、こ
の基準列において傾きが検出されたバンドを、
比較対象の他の分離展開列の方向に、基準列と
比較対象の分離展開列との中間点にまで延長
し、次いで、その中間点から延びる、比較対象
の分離展開列において傾きが検出されたバンド
と平行な仮想直線と比較対象の分離展開列との
交点を求めて、比較対象の分離展開列中のその
交点の位置を、基準列において上記傾きが検出
されたバンドの対応位置と決定する工程、 を含むことを特徴とする核酸の塩基配列決定のた
めの信号処理方法を提供するものである。
また、本発明は、上記オートラジオグラフに対
応するデジタル信号について信号処理を行なうこ
とにより、核酸の塩基配列を決定する方法におい
て、 1) 各分離展開列について、全てのバンドの分
離展開方向に対する傾きを検出する工程、 2) 任意の一つの分離展開列を基準列とし、こ
の基準列において傾きが検出されたバンドを、
比較対象の他の分離展開列の方向に、基準列と
比較対象の分離展開列との中間点にまで延長
し、次いで、その中間点から延びる、比較対象
の分離展開列において傾きが検出されたバンド
と平行な仮想直線と比較対象の分離展開列との
交点を求めて、比較対象の分離展開列中のその
交点の位置を、基準列において上記傾きが検出
されたバンドの対応位置と決定する工程、 そして、 3) この対応位置に基づいてバンドに序列を付
する工程、 を含むことを特徴とする核酸の塩基配列決定のた
めの信号処理方法をも提供するものである。
本発明によれば、核酸の塩基特異的断片物の混
合物を支持媒体上で電気泳動させて得られた分離
展開パターンにスマイリング現象が発生している
場合でも、そのオートラジオグラフに対応するデ
ジタル信号をスマイリングの補正のための信号処
理機能を有する適当な信号処理回路を通すことに
より、核酸の塩基配列を簡易かつ高精度で得るこ
とができる。
通常、スマイリング現象の発生している分離展
開パターンにおいては、両端部の泳動距離の短い
分離展開列上の各バンド(幅方向に長い帯状の分
離展開部位)は、泳動方向に直角(すなわち、水
平)ではなくスマイリング効果の程度に応じて傾
きを有している。本発明者は、このバンドの傾き
に注目して、スマイリング効果の補正を適性かつ
簡単に行なう方法を見い出したものである。本発
明は、各バンドごとにその傾きに基づいて個別に
スマイリング効果の補正を行なう方法であり、一
つの分離展開列においてバンドによつてその効果
の影響が異なる場合(バンド差がある場合)であ
つても、高精度に位置補正を行なうことができる
ものである。
さらに、本発明の方法においては、スマイリン
グ効果の補正を行ないながら同時にバンドの序列
付けを行なうことが可能であり、核酸の塩基配列
を非常に簡単かつ合理的に決定することができ
る。
[発明の構成] 本発明において用いられる試料の例としては、
放射性標識が付与されたDNA、RNA等の核酸の
塩基特異的断片物の混合物を挙げることができ
る。ここで、核酸の断片物とは長鎖状の分子の一
部分を意味する。たとえば、塩基特異的DNA断
片物混合物の一種である塩基特異的DNA切断分
解物混合物は、前述のマキサム・ギルバート法に
従つて、放射性標識が付与されたDNAを塩基特
異的に切断分解することにより得られる。
また、塩基特異的DNA合成物混合物は前述の
サンガー・クールソン法に従つて、DNAをテン
プレート(鋳型)として、放射性標識が付与され
たデオキシヌクレオシドトリフオスフエートと
DNA合成酵素とを用いて合成することにより得
られる。
さらに、塩基特異的RNA断片物の混合物も上
記と同様の方法により、切断分解物混合物として
または合成物混合物として得ることができる。な
お、DNAはその構成単位としてアデニン、グア
ニン、チミン、シトシンの四種類の塩基からなる
が、一方RNAはアデニン、グアニン、ウラシル、
シトシンの四種類の塩基からなる。
放射性標識は、これらの物質に適当な方法で
32P、14C、35S、3H、125Iなどの放射性同位元素を保
持させることによつて付与される。
試料である放射性標識が付与された核酸の塩基
特異的断片物の混合物はゲル状支持媒体など公知
の各種の支持媒体を用いて、電気泳動法、薄層ク
ロマトグラフイー、カラムクロマトグラフイー、
ペーパークロマトグラフイーなど種々の分離展開
方法により支持媒体上に分離展開される。
次に、放射性標識物質が分離展開された支持媒
体について、従来の写真感光材料を用いる放射線
写真法により、あるいは蓄積性蛍光体シートを用
いる放射線像変換方法によりそのオートラジオグ
ラフが得られ、次いで適当な読取り(読出し)系
を介して放射性標識物質のオートラジオグラフに
対応するデジタル信号が得られる。
前者の放射線写真法を利用する場合には、まず
支持媒体とX線フイルム等の写真感光材料とを低
温(−90〜−70℃)で長時間(数十時間)重ね合
わせて放射線フイルムを感光させたのち、現像し
て放射性標識物質のオートラジオグラフを放射線
フイルム上に可視画像化する。次いで、画像読取
装置を用いて放射線フイルム上に可視化されたオ
ートラジオグラフを読み取る。たとえば、放射線
フイルムに光ビームを照射してその透過光または
反射光を光電的に検出することにより、オートラ
ジオグラフは電気信号として得られる。さらに、
この電気信号をA/D変換することにより、オー
トラジオグラフに対応するデジタル信号を得るこ
とができる。
後者の放射線像変換方法を利用する場合には、
まず、支持媒体と蓄積性蛍光体シートとを常温で
短時間(数秒〜数十分間)重ね合わせて蛍光体シ
ートに放射性標識物質から放出される放射線エネ
ルギーを蓄積させることにより、そのオートラジ
オグラフを蛍光体シートに一種の潜像として記録
する。ここで、蓄積性蛍光体シートは、たとえば
プラスチツクフイルムからなる支持体、二価ユー
ロピウム賦活弗化臭化バリウム(BaFBr:Eu2+
等の輝尽性蛍光体からなる蛍光体層、および透明
な保護膜がこの順に積層されたものである。蓄積
性蛍光体シートに含有されている輝尽性蛍光体
は、X線等の放射線が照射されるとその放射線エ
ネルギーを吸収して蓄積し、そののち可視乃至赤
外領域の光で励起すると蓄積していた放射線エネ
ルギーを輝尽光として放出するという特性を有す
る。
次いで、読出装置を用いて蓄積性蛍光体シート
に蓄積記録されたオートラジオグラフを読み出
す。具体的には、たとえば蛍光体シートをレーザ
ー光で走査して放射線エネルギーを輝尽光として
放出させ、この輝尽光を光電的に検出することに
より、放射性標識物質のオートラジオグラフは可
視画像化することなく直接に電気信号として得ら
れる。さらに、この電気信号をA/D変換するこ
とにより、オートラジオグラフに対応するデジタ
ル信号を得ることができる。
上述のオートラジオグラフ測定操作およびオー
トラジオグラフに対応するデジタル信号を得る方
法の詳細については、前記特開昭59−83057号、
特開昭59−126527号、特開昭59−126278号等の各
公報に記載されている。
なお、上記においては、支持媒体上に分離展開
された放射性標識物質のオートラジオグラフに対
応するデジタル信号を得る方法として、従来の放
射線写真法および放射線像変換方法を利用する方
法について述べたが、これらの方法に限定される
ものではなく、それ以外の如何なる方法により得
られたデジタル信号であつても放射性標識物質の
オートラジオグラフと対応関係がある限り、本発
明の信号処理方法を適用することが可能である。
また、上記いずれの方法においてもオートラジ
オグラフの読取り(または読出し)は、放射線フ
イルム(または蓄積性蛍光体シート)の全面に亘
つて行なう必要はなく、画像領域のみについて行
なうことも勿論可能である。
さらに、本発明においては、予め各分離展開列
の位置およびバンドの幅等についての情報を入力
して読取り(読出し)条件を設定しておき、読取
り(読出し)操作においては各バンド上を二本以
上の走査線が通過するような走査線密度で光ビー
ムによる走査を行なうことにより、読取(読出)
時間を短縮化して必要な情報を効率良く得ること
ができる。なお、本発明においてオートラジオグ
ラフに対応するデジタル信号とは、このようにし
て得られたデジタル信号をも包含する。
得られたデジタル信号Dxyは、放射線フイルム
(または蛍光体シート)に固定された座標系で表
わされた座標(x,y)とその座標における信号
のレベル(z)とからなる。信号のレベルはその座標
における画像濃度、すなわち放射性標識物質の量
を表わしている。従つて、一連のデジタル信号
(すなわち、デジタル画像データ)は放射性標識
物質の二次元的な位置情報を有している。
このようにして得られた支持媒体上に分離展開
された放射性標識物質のオートラジオグラフに対
応するデジタル信号には、以下に述べるような本
発明の方法により信号処理が施されて、目的の核
酸の塩基配列の決定が行なわれる。
本発明の信号処理方法の実施の態様を、次の四
種類の放射性標識が付与された塩基特異的DNA
断片物の組合せにより形成された泳動列(分離展
開列)からなる場合について説明する。
1) グアニン(G)特異的DNA断片物 2) アデニン(A)特異的DNA断片物 3) チミン(T)特異的DNA断片物 4) シトシン(C)特異的DNA断片物 ここで、各塩基特異的DNA断片物は、塩基特
異的に切断分解もしくは合成された、すなわち末
端の塩基を同じくする種々の長さのDNA断片物
からなる。
第1図は、上記四種類の塩基特異的DNA断片
物がそれぞれ四個のスロツトに電気泳動されてな
る泳動パターンのオートラジオグラフを部分的に
示す。
このオートラジオグラフに対応するデジタル信
号は、信号処理回路において一旦メモリ(バツフ
アーメモリ、または磁気デイスク等の不揮発性メ
モリ)に記憶される。
まず、各泳動列(レーン)上の全てのバンドに
ついて、泳動方向に対する傾きを検出する。
デジタル信号の検出を、前記のように各バンド
について少なくとも二本の走査線がかかるような
走査線密度で各レーンに沿つて走査することによ
り行なつた場合には(第1図参照、1:泳動バン
ド、2:走査線)、直接に各走査線について位置
(y)と信号のレベル(z)とからなる一次元波形を作成
することができる。また、オートラジオグラフを
全面に渡つて読み取つた場合には、デジタル画像
データ上で上記と同様の走査を行なうことにより
各レーンに沿つて信号を抽出したのち、一次元波
形を作成する。
第2図は、バンドの傾きを検出する工程を概略
的に示す図である。
第2図において、一次元波形21について、た
とえば信号のレベルの差分の符号が反転する点を
求めることにより、信号レベルが極大となる位置
22を探し出す。一つのバンドについて、各走査
線上の相当する極大値の位置を結んで回帰直線2
3を得、この回帰直線の泳動方向(すなわち走査
線の方向)に対する傾き(θ)24を求めること
により、該バンドの傾きを検出することができ
る。この操作をレーンごとに全てのバンドについ
て行なう。
次に、基準列(基準レーン)を定め、得られた
バンドの傾きに基づいて基準レーン以外のレーン
上のバンドについて、基準レーンにおける相対位
置を決定する。
基準レーンは、スマイリング効果の最も小さい
レーン、すなわち傾きの最も小さなレーンとする
のが好ましい。通常は、泳動パターンの中央部付
近のレーンを基準レーンとする。
第3図は、レーン上の対応位置を決定する工程
を概略的に示す図である。
まず、第二スロツトを基準レーンとし、第3図
に部分的に示すように、基準レーンに隣接する他
のレーン(第三スロツト)上の一つのバンド31
(バンドの位置:y3)を、その傾きに沿つて該レ
ーンと基準レーンとの中間点32まで延長する。
次いで、この中間点を基点として、バンド31と
位置的に近い基準レーン上の基準バンド33と同
じ傾きをもつ直線(基準バンド33に平行な直
線)を、基準レーンまで延長する。この延長線と
基準レーンとの交点34をバンド31の対応位置
y2と決定する。
得られた基準レーン上の対応位置34は、バン
ド31が第二スロツト(基準レーン)で泳動され
たならば泳動したであろう位置を表わしている。
すなわち、バンド31が等時間で達したであろう
基準レーン上の位置を示している。
同様の操作を基準レーン以外の他のレーン上の
全てのバンドについて行ない、これらのバンドの
基準レーン上における対応位置をそれぞれ決定す
る。基準レーンに直接隣接しないレーン上のバン
ドについてその対応位置を決定する場合には、こ
のレーンと基準レーンとの間で直線に対応位置を
決定してもよいし、あるいはまずこのレーンと隣
接レーンとの間で対応位置を決定したのち、順次
それに隣接するレーンとの間で対応位置を決定す
る操作を繰り返してもよい。
このようにして、泳動パターンにスマイリング
現象が生じている場合であつても個々のバンドに
ついて泳動位置を個別独立に補正することによ
り、全てのバンドについてスマイリング効果(泳
動距離の相違)の補正を高精度で行なうことがで
きる。
基準レーンをスマイリング効果の生じていない
中央部のレーンとした場合には、各バンドについ
て補正して得られた位置は、スマイリング効果が
発生しなかつたならば泳動したであろう位置を示
すものである。
さらに、泳動パターン上の全てのバンドについ
て基準レーン上の位置が求まるから、その位置を
相互に比較することにより、直ちにバンドに序列
を付けることができる。このとき、上記四種類の
塩基特異的DNA断片物の組合せが排他的な組合
せであることから、同じ位置に二つ以上のバンド
(異なるレーンのバンド)は存在しえないことを
利用して、容易に序列を決定することができる。
上記(1)〜(4)のスロツトはそれぞれ(G)、(A)、(T)、(C)
からなる末端塩基についての情報を有するから、
各バンドの属するスロツトに対応する塩基で置換
することにより、DNAの塩基配列(例えばA−
G−C−T−A−A−G−…)を得ることができ
る。
このようにして、DNAの片方の鎖状分子につ
いての塩基配列を決定することができる。なお、
DNAの塩基配列についての情報は、上記の表示
形態に限られるものではなく、たとえば所望によ
り同時に各バンドの強度(z′)を放射性標識物質
の相対量として表示することも可能である。さら
に、DNAの二本の鎖状分子両方についての塩基
配列を表示することもできる。
あるいはまた、DNAの塩基配列情報は、上記
のスマイリング補正がなされたデジタル信号に基
づいて画像として表示することもできる。すなわ
ち、各バンドの補正後の位置(基準レーンにおけ
る対応位置)をオリジナルのオートラジオグラフ
とともに可視画像化して表示することができる。
この場合には、最終的な塩基配列決定を解析者自
身がこの表示画像に基づいて行なうことが可能で
ある。
なお、上記のおいては、試料である塩基特異的
DNA断片物の混合物として(G、A、T、C)
の排他的組合せを利用した場合について説明した
が、本発明の信号処理方法はこの組合せに限定さ
れるものではなく、例えば(G、G+A、T+
C、C)などの種々の組合せに適用することがで
きる。また同様に、塩基特異的RNA断片物の混
合物(例えば、G、A、U、Cの組合せ)につい
ても本発明の信号処理方法を適用することができ
る。さらに、スマイリング効果の補正は、一組の
核酸の塩基特異的断片物の分離展開列に限定され
るものではなく、支持媒体上に同時に分離展開さ
れた全ての分離展開列について行なうことが可能
である。
このようにして得られた塩基配列情報について
はこのほかにも、たとえば、既に記録保持されて
いる他の核酸の塩基配列と照合するなどの遺伝言
語的情報処理を行なうことも可能である。
上述の信号処理により決定された核酸の塩基配
列についての情報は、信号処理回路から出力され
たのち、次いで直接的に、もしくは必要により磁
気デイスクや磁気テープなどの記憶保存手段を介
して記録装置に伝送される。
記録装置としては、たとえば、感光材料上をレ
ーザー光等で走査して光学的に記録するもの、
CRT等に表示された記号・数値をビデオ・プリ
ンター等に記録するもの、熱線を用いて感熱記録
材料上に記録するものなど種々の原理に基づいた
記録装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、スマイリング現象が発生した分離展
開パターンの例を示す部分図である。第2図は、
バンドの傾きを検出する工程を概略的に示す図で
ある。第3図は、レーン上の対応位置を決定する
工程を概略的に示す図である。 1:泳動バンド、2:走査線、21:一次元波
形、22:極大値、23:回帰直線、24:バン
ドの傾きθ、31:一つのバンド、32:中間
点、33:基準バンド、34:対応位置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 放射性標識が付与された塩基特異的DNA断
    片物もしくは塩基特異的RNA断片物の混合物が
    支持媒体上に一次元的方向に分離展開されて形成
    された複数の分離展開列のオートラジオグラフに
    対応するデジタル信号について信号処理を行なう
    ことにより、核酸の塩基配列を決定する方法にお
    いて、 1) 各分離展開列について、全てのバンドの分
    離展開方向に対する傾きを検出する工程、およ
    び 2) 任意の一つの分離展開列を基準列とし、こ
    の基準列において傾きが検出されたバンドを、
    比較対象の他の分離展開列の方向に、基準列と
    比較対象の分離展開列との中間点にまで延長
    し、次いで、その中間点から延びる、比較対象
    の分離展開列において傾きが検出されたバンド
    と平行な仮想直線と比較対象の分離展開列との
    交点を求めて、比較対象の分離展開列中のその
    交点の位置を、基準列において上記傾きが検出
    されたバンドの対応位置と決定する工程、 を含むことを特徴とする核酸の塩基配列決定のた
    めの信号処理方法。 2 上記デジタル信号を、各バンドに少なくとも
    二本の走査線がかかるようにオートラジオグラフ
    上を走査することにより得、そして第一工程にお
    いて、各走査線における信号のレベルが極大とな
    る位置を求め、この位置に基づいて傾きを検出す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    核酸の塩基配列決定のための信号処理方法。 3 上記第二工程において、バンドの分離展開方
    向に対する傾きの最も小さい分離展開列を基準列
    とすることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の核酸の塩基配列決定のための信号処理方法。 4 上記塩基特異的DNA断片物の混合物が、 (1) グアニン特異的DNA断片物、 (2) アデニン特異的DNA断片物、 (3) チミン特異的DNA断片物、 (4) シトシン特異的DNA断片物、 の四種類からなり、分離展開列が、これら四種類
    の塩基特異的DNA断片物がそれぞれ支持媒体上
    に分離展開されて形成された四列の分離展開列か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の核酸の塩基配列決定のための信号処理方法。 5 上記オートラジオグラフに対応するデジタル
    信号が、支持媒体と輝尽性蛍光体を含有する蓄積
    性蛍光体シートとを重ね合わせて、支持媒体上の
    放射性標識物質のオートラジオグラフを該蛍光体
    シートに蓄積記録したのち、該蛍光体シートに励
    起光を照射して該オートラジオグラフを輝尽光と
    して光電的に読み出すことにより、得られること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の核酸の
    塩基配列決定のための信号処理方法。 6 上記オートラジオグラフに対応するデジタル
    信号が、支持媒体と写真感光材料とを重ね合わせ
    て、支持媒体上の放射性標識物質のオートラジオ
    グラフを該感光材料に感光記録したのち、該感光
    材料上に可視化されたオートラジオグラフを光電
    的に読み取ることにより得られたものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の核酸の
    塩基配列決定のための信号処理方法。 7 放射性標識が付与された塩基特異的DNA断
    片物もしくは塩基特異的RNA断片物の混合物が
    支持媒体上に一次元的方向に分離展開されて形成
    された複数の分離展開列のオートラジオグラフに
    対応するデジタル信号について信号処理を行なう
    ことにより、核酸の塩基配列を決定する方法にお
    いて、 1) 各分離展開列について、全てのバンドの分
    離展開方向に対する傾きを検出する工程、 2) 任意の一つの分離展開列を基準列とし、こ
    の基準列において傾きが検出されたバンドを、
    比較対象の他の分離展開列の方向に、基準列と
    比較対象の分離展開列との中間点にまで延長
    し、次いで、その中間点から延びる、比較対象
    の分離展開列において傾きが検出されたバンド
    と平行な仮想直線と比較対象の分離展開列との
    交点を求めて、比較対象の分離展開列中のその
    交点の位置を、基準列において上記傾きが検出
    されたバンドの対応位置と決定する工程、 そして、 3) この対応位置に基づいてバンドに序列を付
    する工程、 を含むことを特徴とする核酸の塩基配列決定のた
    めの信号処理方法。 8 上記デジタル信号を、各バンドに少なくとも
    二本の走査線がかかるようにオートラジオグラフ
    上を走査することにより得、そして第一工程にお
    いて、各走査線における信号のレベルが極大とな
    る位置を求め、この位置に基づいて傾きを検出す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の
    核酸の塩基配列決定のための信号処理方法。 9 上記第二工程において、バンドの分離展開方
    向に対する傾きの最も小さい分離展開列を基準列
    とすることを特徴とする特許請求の範囲第7項記
    載の核酸の塩基配列決定のための信号処理方法。 10 上記塩基特異的DNA断片物の混合物が (1) グアニン特異的DNA断片物、 (2) アデニン特異的DNA断片物、 (3) チミン特異的DNA断片物、 (4) シトシン特異的DNA断片物、 の四種類からなり、分離展開列が、これら四種類
    の塩基特異的DNA断片物がそれぞれ支持媒体上
    に分離展開されて形成された四列の分離展開列か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第7項記
    載の核酸の塩基配列決定のための信号処理方法。 11 上記オートラジオグラフに対応するデジタ
    ル信号が、支持媒体と輝尽性蛍光体を含有する蓄
    積性蛍光体シートとを重ね合わせて、支持媒体上
    の放射性標識物質のオートラジオグラフを該蛍光
    体シートに蓄積記録したのち、該蛍光体シートに
    励起光を照射して該オートラジオグラフを輝尽光
    として光電的に読み出すことにより、得られるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第8項記載の核酸
    の塩基配列決定のための信号処理方法。 12 上記オートラジオグラフに対応するデジタ
    ル信号が、支持媒体と写真感光材料とを重ね合わ
    せて、支持媒体上の放射性標識物質のオートラジ
    オグラフを該感光材料に感光記録したのち、該感
    光材料上に可視化されたオートラジオグラフを光
    電的に読み取ることにより得られたものであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の核酸
    の塩基配列決定のための信号処理方法。
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