JPH0464720A - 油圧クラッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、車両用自動変速機等に使用される油圧クラッ
チ装置に関するものである。

（従来の技術） 車両用自動変速機として一般に使用されている流体式自
動変速機は、車両の走行条件等に応じてクラッチやブレ
ーキ等の摩擦係合装置を選択的に締結または解放させる
と共に、入力軸の動力を遊星歯車装置等の補助変速装置
を介して減速した後、出力軸に伝達するように構成され
ている。

このような流体式自動変速機の摩擦係合装置は油圧クラ
ッチ装置によって構成されているが、この油圧クラッチ
装置は、通゛常、駆動側のクラッチドラムと、このクラ
ッチドラムの内側にスプライン結合されたクラッチプレ
ートと、被動側にスプライン結合され上記クラッチプレ
ートと交互に配置された多板のクラッチディスクと、こ
れらのクラッチプレート及びクラッチディスクを締結ま
たは解除させるためのクラッチピストン等によって構成
されており、このクラッチピストンの油圧室にクラッチ
圧が導入されるとクラッチピストンが作動してクラッチ
が締結され、上記油圧が抜けるとリターンスプリングに
よってクラッチピストンが押し戻されてクラッチが解放
されるようになっている。

このような構成の油圧クラッチ装置が回転状態にある場
合には、そのクラッチ圧が解除されても、油圧室内の残
留オイルの遠心力によって油圧室内の油圧が上昇するの
で、いわゆる半クラッチの状態になることがある。そこ
で、このような状態を回避するため、クラッチピストン
に排油通路を形成し、この排油通路にテーパコーン形状
の弁座と球状の弁体を設け、この弁座と弁体によって遠
心力により開放する排油弁を形成している（特開昭６１
−１６７７４０号公報参照）。この排油弁の弁座のテー
パコーン形状は、遠心力による油圧室内の油圧の上昇と
、遠心力による弁体自身の開弁力の上昇とが釣り合うよ
うに、そのテーパ角が決定されている。

（発明が解決しようとする問題点） 上述の油圧クラッチ装置では、弁体を閉弁方向に付勢し
てクラッチピストンを締結方向に作動させる油圧、すな
わちクラッチ圧と遠心力による油圧の上昇分との和はク
ラッチ装置の回転数の上昇につれて上昇するが、これと
同時に、弁体に作用する遠心力の開弁方向分力も回転数
の上昇につれて上昇する。したがって、排油弁の弁座の
テーパ角が大き過ぎると、クラッチ装置の高回転時にク
ラッチが締結不可能になる。これに対し、排油弁の弁座
のテーパ角が小さく過ぎると、クラッチ装置の低回転時
に、弁体に作用する遠心力の開弁方向の分力と遠心力に
よる油圧室内の油圧の上昇分との差が小さくなる。この
ため、クラッチ圧が解除されたときの排油弁の開放動作
が安定しない。

そこで、本発明の目的は、高回転域においても低回転域
においても排油弁の動作を安定化させると共に迅速化さ
せ、これによりクラッチの締結動作及び開放動作を確実
に行うことができる、油圧クラッチ装置を提供すること
にある。

（問題点を解決するための手段） 上述の目的を達成するたぬ、本発明の油圧クラッチ装置
は、次のような構成を採る。すなわち、駆動側の摺接部
材と、該摺接部材に隣接して配置された被動側の摺接部
材と、クラッチ締結時に油圧力によって該両摺接部材を
締結させるクラッチピストンと、該クラッチピストンの
一側に配置された油圧室と、前記油圧室内の作動油を前
記油圧室の外部に排出するように前記クラッチピストン
に形成された排油通路と、該排油通路に形成され、かつ
前記油圧室とは反対方向に縮径したテーパコーン形状の
弁慶と、該弁座と協働して前記排油通路を開閉する球状
の弁体と、クラッチ解放時に前記弁体を前記弁座方向に
付勢する装置とを有することを特徴とする。油圧クラッ
チ装置である。

また、球状の弁体を前記弁座から離間させる方向に付勢
するバネ部材を設けて、これとの協働作用を得るように
することもできる。

（作用、効果） このような構成の油圧クラッチ装置によれば。

クラッチ解放時に排油通路内の弁体をその弁座方向に付
勢するバネ部材を設けたから、このバネ部材の付勢力に
よって弁体の閉弁力を自由に設定することができる。し
たがって、高速回転時においてクラッチが５ｉＪに解放
されるように弁座のテーバ核を比較的大きく設定した場
合にも、中低速回転時にはバネ部材の付勢力によってク
ラッチを確実に締結させることができる。

また、排油通路内の弁体をその弁座から離隔させる方向
に付勢するバネ部材を設けておけば、このバネ部材の付
勢力によって弁体の開弁力を自由に設定することができ
る。したがって、高速回転時においてクラッチが確実に
締結されるように弁座のテーパ角を比較的小さく設定し
た場合にも、中低速回転時に５まバネ部材の付勢力によ
ってクラッチを確実に解放させることができる。

更に、上記油圧クラッチ装置には、クラッチ解放時に弁
体を弁座方向に付勢する装置を設けたから、クラッチ解
放時には前記バネ部材の開弁方向への付勢力は弱められ
るか、打ち消され、あるいは逆に弁体は閉弁方向へ付勢
されている。したがって、低速回転時にも低いクラッチ
圧からクラッチを締結させることが可能となる。特に、
作動油の温度が高くてその粘度が低い場合にも、クラッ
チの締結が迅速かつ確実に行える。

なお、弁体を弁座方向に付勢する装！はクラッチの解放
時にのみ作用し、クラッチ解放時以外にはバネ部材の付
勢力を弱めることはない。したがって、高速回転時にお
いてクラッチが確実に締結されるように弁座のテーパ角
を比較的小さく設定した場合にも、バネ部材の付勢力に
よって弁体を弁座から離隔させることができる。このた
め、バネ部材の付勢力を比較的高めに設定すれば、高速
回転時におけるクラッチの解放動作を迅速に行うことが
できる。

また、上述の油圧クラッチ装置では、クラッチ解放時に
前記弁体を前記弁座方向に付勢する装！を設けて付勢力
低減装置を構成したが、この弁座方向に付勢する装置の
代わりに、クラッチ解放時にバネ部材に作用してその付
勢力を低減させる付勢力低減装置を設けても同様の作用
を得ることが（実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。

第１図及び第２図は本発明の第一実施例を示し、この実
施例は本発明を■両搭載用自動変速機Ａの油圧クラッチ
装置ｌに適用したものである。油圧クラッチ装置１は自
動変速機Ａの入力軸Ｂのセンターサポート部に回転自在
に支持されており、駆動側のクラッチドラム２と、この
クラッチドラム２の内側に摺動自在に取り付けられたク
ラッチピストン３と、クラッチドラム２にスプライン結
合されたクラッチプレート４２Ｌと被動側のクラッチハ
ブ（図示せず）にスプライン結合されたクラッチディス
ク４ｂとが多数交互に配置されてなる摩擦締結部４を備
えている。

クラッチドラム２は、ヘッド部２ａと、ヘッド部２ａの
外周側に連続するように設けられてヘッド部２ａ側が段
下げ部２ｂとされた環状外周ドラム部２ｃと、環状外周
ドラム部２Ｃと同心状にヘッド部２ａの内周側に連続し
て設けられ反ヘッド部２ａ側が段下げ部２ｄとされた環
状内周ドラム部２ｅとよりなっている。環状内周ドラム
部２ｅにはクラッチピストン３をヘッド部２ａ側に付勢
する図示しないリターンスプリングを係止するためのス
プリングリテーナ５が設けられている。環状内周ドラム
部２ｅには、クラッチドラム２とクラッチピストン３と
により画成された油圧室６ａと、クラッチピストン３を
介して油圧室６ａとは反対側に位置する作動油室６ｂと
が形成され、油圧室６ａには第一の油路７ａが、また作
動油室６ｂには第二の油路７ｂが、それぞれ連通してい
る。

クラッチピストン３は、クラッチドラム２の外周側の段
下げ部２ｂと内周側の環状内周ドラム部２ｅとの間に挿
入されており、これらの接触面のクラッチピストン３側
に形成されたリング溝８ａ、８ｂにはそれぞれソールリ
ング９λ、９ｂが挿入されている。また、クラッチピス
トン３の外周側に近い位置には、油圧室６ａと作動油室
６ｂとを連通させる排油通路１ｏが形成されており、こ
の排油通路１０にはテーパコーン形状の弁座］Ｏａが形
成されている。このテーノ（コーン形状の弁座１０ａは
作動油室６ｂ方向へ縮径するような形状をなしている。

排油通路１０内には球形状の弁体１１が配置され、この
弁体１１は弁座１０２Ｌと協働して排油弁を構成する。

弁体１１は弁座１０＋Ｌに着座した時、その一部が弁座
１０ａから作動油室６ｂ側に突出するように構成され、
この状態で排油通路１０が閉塞される。そして、弁体１
１が油圧室６ａ方向へ移動して弁座１０λから離隔する
ことによって、作動油が油圧室６ａから作動油室６ｂ側
へ抜けるようになっている。

そして、クラッチピストン３の作動油室６ｂ側の内周よ
りの位置には、リベット１２を介して板ばね１３が取り
付けられており、この板ばね１３の先端部は排油通路１
０から突出した弁体１１と接触して弁体１１を油圧室６
２Ｌ方向へ押し戻している。また、クラッチピストン３
の油圧室６ａ側には前述のリベットＩ２によってもう一
つの板ばね１４が取り付けられている。板ばね１４の中
間部にはクラッチドラム２方向へ突出した突起１４ａが
形成され、板ばね１４の先端部１４ｂは弁体１１方向へ
屈曲している。なお、第１図中、１５はスラストベアリ
ングである。

以下、上記実施例の作用を説明する。

第１図は、油圧クラッチ装置１のクラッチ解放状態を示
し、この状態では板ばね１４の突起１４ａがクラッチド
ラム２の内面に当接して板ば−ね−１４の先端部１４ｂ
を弁体１１に当接させている。

これにより、弁体１１は板ばね１４の弾発力により、板
ばね１３の弾発力に抗して、弁座１０ａに着座している
。したがって、このクラッチ解放状態において油路７２
Ｌから油圧室６ａに作動油を流入させれば、クラッチピ
ストン３は直ちに、図中、左方へ変位して摩擦締結部４
を締結させる。

クラッチピストン３によって摩擦締結部４が締結させら
れている状態では、板ばね１４の突起１４ａはクラッチ
ドラム２の内面から離れており、その先端部＋４ｂも弁
体１１から離れている。したがって、弁体１１は、板ば
ね１３の付勢力に抗して、油圧室６ａ内の油圧によって
弁座１０ａに着座している。この状態で油圧室６ａ内の
作動油を油路７ａから抜くと、弁体１１は板ばね１３の
付勢力によって弁座１０２Ｌから離れ、排油通路１０を
開放させる。このため、油圧室６ａ内の作動油は排油通
路１０を通って作動油室６ｂにも流出し、油圧室６ａか
らの作動油の排出が促進されるから、摩擦締結部４の締
結状態は迅速に解除される。

上述の作用は、油圧クラッチ装置１が回転している場合
にも基本的に同一であり、この場合には油圧クラッチ装
置１の回転に伴う遠心力が作用する点において異なるの
みである。すなわち、第１図のクラッチ解除状態におい
ては、弁体１１は板ばね１３の付勢力と弁体１１に作用
する遠心力の開弁方向分力とによってテーパコーン形状
の弁座１０２Ｌから離れようとするが、板ばね１４の突
起１４ａがクラッチドラム２の内面に当接してその先端
部１４ｂを弁体１１に当接させているから、弁体１１は
板ばね１４の弾発力により弁座１０ａに着座している。

したがって、この状態において油路７λから油圧室６λ
に作動油を流入させれば、クラッチピストン３は直ちに
、図中、左方へ変位して摩擦締結部４を締結させる。

次に、クラッチピストン３によって摩擦締結部４が締結
させられている状態では、板ばね１４の突起１４ａはク
ラッチドラム２の内面から離れており、その先端部１４
ｂも弁体１１から離れている。したがって、弁体１１は
、板ばね１３の付勢力と弁体１１に作用する遠心力の開
弁方向分力とに抗し１こ状態で、油圧室６ａ内の油圧と
油圧室６ａ内の作動油に働く遠心力とによって、テーパ
コーン形状の弁座１０ａに着座している。この状態で油
圧室６＋Ｌ内の作動油を油路７ａから抜くと、弁体１１
は板ばね１３の付勢力と弁体１１に作用する遠心力の開
弁方向分力とによって弁座１０ａから離れ、排油通路Ｉ
Ｏを開放させる。このため、油圧室６ａ内の作動油は排
油通路１０を通って作動油室６ｂにも流出し、油圧室６
ａからの作動油の排出が促進されるから、摩擦締結部４
の締結状態は迅速に解除される。

１３図は本発明の第二実施例を示し、同図中、第１図と
共通の参照番号は同一の部材を示している。この実施例
の特徴は、板ばねＩ３の先端部を二股形状に構成し、一
方の分岐部１３ａを弁体１１方向に屈曲させ、他方の分
岐部１３ｂを直線状に延在させると共に、クラッチドラ
ム２にはスプリングビン】６を設けた点にある。このス
プリングビン１６は、クラッチ解放時に分岐部１３ｂと
係合して板ばね１３の付勢力が弁体１１に作用すること
を防止する機能を果几す。したがって、この実施例では
、板ばね１３の付勢力はクラッチ解放時には弁体１１に
作用せず、クラッチピストン３が、図中、左方へ変位し
たときのみ作用する。

第４図は本発明の第三実施例を示し、同図中、第１図と
共通の参照番号は同一の部材を示している。この実施例
の特徴は、クラッチピストン３にロッド１７を摺動自在
に設け、このロッド１７によってクラッチ解放時に板ば
ねＩ３の弁体１１への付勢力を排除するようにした点に
ある。より詳細には、ロッドＩ７は０リング１７ａによ
ってンールされつつ摺動するようにクラッチピストン３
に取り付けられ、リターンスプリング１７ｂによって板
ばねＩ３とは反対方向へ付勢されている。エフｃはリタ
ーンスプリング＋７ｂを保持するためのスナップリング
である。このような構成を有するこの実施例では、クラ
ッチ解放時にはロッド１７の右端部がクラッチドラム２
の内面に当接して板ばね１３方向へ突出し、板ばね１３
の付勢力が弁体１１に作用しないようにする。クラッチ
ピストン３が、図中、左方へ移動すれば、ロッド１７は
リターンスプリング１７ｂによって右方へ変位し、板ば
ね１３の先端部が弁体１１に当接して弁体１１に付勢力
を作用させる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の油圧クラッチ装置の一実施例の断面
図であり、第２図のＩで示した部分の断面図、 第２図は、本発明の油圧クラッチ装置を装着した車両搭
載用自動変速機の要部断面図、第３図は１本発明の油圧
クラッチ装置の他の実施例の断面図、 第４図は１本発明の油圧クラッチ装置の更に池の実施例
の断面図である。 ■・・−２由圧クラツチ装置 ２・・・クラッチドラム ３・・−クラッチピストン ４・・・摩擦締結部 ４ａ・・・クラッチプレート ４ｂ・・・クラッチディスク ６ａ・・・油圧室 １０・・・排油通路 １０ａ・・・テーパコーン形状の弁座 １１・・・弁体 １３・・・板ばね １４−・・板ばね １６−・スプリングビン １７・・・ロツド ｄ ２ｅ Ｏ ピｐ ｄ ｅ ｄｔ）　　ソｐ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）駆動側の摺接部材と、該摺接部材に隣接して配置
   された被動側の摺接部材と、クラッチ締結時に油圧力に
   よって該両摺接部材を締結させるクラッチピストンと、
   該クラッチピストンの一側に配置された油圧室と、前記
   油圧室内の作動油を前記油圧室の外部に排出するように
   前記クラッチピストンに形成された排油通路と、該排油
   通路に形成され、かつ前記油圧室とは反対方向に縮径し
   たテーパコーン形状の弁座と、該弁座と共働して前記排
   油通路を開閉する球状の弁体と、クラッチ解放時に前記
   弁体を前記弁座方向に付勢する装置とを有することを特
   徴とする油圧クラッチ装置。
2. （２）駆動側の摺接部材と、該摺接部材に隣接して配置
   された被動側の摺接部材と、クラッチ締結時に油圧力に
   よって該両摺接部材を圧接させるクラッチピストンと、
   該クラッチピストンの一側に配置された油圧室と、前記
   油圧室内の作動油を前記油圧室の外部に排出するように
   前記クラッチピストンに形成された排油通路と、該排油
   通路に形成され、かつ前記油圧室とは反対方向に縮径し
   たテーパコーン形状の弁座と、該弁座と協働して前記排
   油通路を開閉する球状の弁体と、該球状の弁体を前記弁
   座から離隔させる方向に付勢するバネ部材と、クラッチ
   解放時に前記バネ部材の付勢力を低減させる付勢力低減
   装置とを有することを特徴とする、油圧クラッチ装置。