JPH046045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は前立腺触診練習用人体模型に関するも
のである。

(ロ) 従来の技術 人体の前立腺の臨床的診断は、先ず患者の肛門
より指を挿入して直腸壁を介して触診によつて行
われるのが普通である。このような触診の技術の
修得は実際の患者を対象とするのが最も効果的で
あるが、現実の患者ではいろいろな制約をうけ、
またモルモツト的に使用するのは問題が多い。こ
の問題を解決するために、本出願人は先に実公昭
57−60029号公報に記載した前立腺触診練習用人
体模型を提案した。

すなわち、この従来の模型は人体の腹部、腰
部、男子外性器、でん部を模した外形を有する本
体の内部に腹腔および骨盤腔を模した空所を設
け、本体の腹部前壁およびでん部中央部分の壁を
それぞれ本体に対して着脱自在なふた状に形成す
るとともに、でん部中央部分の壁に肛門を模した
孔とこの孔に連通し直腸を模した管状の模擬体を
設け、空所内において膀胱を模した模擬体と、前
立腺を模した模擬体を直腸模擬体の前方に接触ま
たは接近させて配備したものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上記公知の人体模型においては異なる生理的お
よび病理的状態を模した複数の前立腺模擬体を用
意して、必要に応じて択一的に着脱設置して使用
するようになつているので着脱に手間がかかる欠
点があつた。

(ニ) 問題を解決するための手段および作用 本考案は以上の点にかんがみ、前立腺模擬体の
交換を簡単容易に行なうことができるようにした
ものである。

本考案によれば、人体の少なくとも下腹部、腰
部およびでん部を模した本体内に空所を設け、で
ん部の中央部に肛門を模した孔とこの孔に連続す
る直腸を模した管状部とからなる肛門直腸模擬体
を設け、前記管状部を前記本体内空所底面に延長
配置し、前記空所内に前立腺模擬体交換配置機構
を設置する。

この前立腺模擬体交換配置機構は種々の生理的
および病理的状態の前立腺を模した複数個の模擬
体を取り付けた回転板と、この回転板を本体外部
に設けたハンドルによつて回転させる機構とから
構成され、前立腺模擬体を択一的に肛門直腸模擬
体の管状部外面に接触できるようになつている。

練習者は肛門模擬体の肛門を模した孔より指を
挿入して直腸模擬管状部内面から前立腺模擬体を
さぐつて触診の練習を行なう。必要に応じてハン
ドルを回転させて異なる前立腺模擬体を交換配置
する。

(ホ) 実施例 図示実施を詳細に説明する。

図において、１は人体の腹部、腰部、男子外性
器、でん部、大腿部上部を模した本体で、内部に
後述する前立腺模擬体交換配置機構を挿着する空
所２を有する。３は肛門を模した孔４とこれに連
接連通した直腸を模した管状部５とからなる肛門
直腸模擬体で、孔４が本体１のでん部の中央に配
置され、管状部５が本体内部の空所２の床面２′
に載置されるように本体１に嵌合設置される。

本体１は例えば合成樹脂で作られるが、人体近
似の触感を有する材質が望ましい。肛門直腸模擬
体は人体肛門外周縁および内部並びに直腸内壁に
模した形状および触感を有するように比較的軟質
の合成樹脂で作られるが、その材質は問わない。

第３図第４図は本体１の空所２内に挿設される
前立腺模擬体交換配置機構の詳細を示す。１０は
ケース、１１はその底部でケース１０を本体１の
空所２に挿入したとき、この底部１１が空所２の
床面２′上に載置される。１２はケース１０の先
端（挿入側）に固設した軸受台、１３は軸受台１
２の水平部１２′にベアリング１４を介して支受
された回転軸、１５は回転軸１３に固着されこの
回転軸と共に回転可能な前立腺模擬体取付回転
板、１６₁〜１６₅は回転板１５の下面に所定の角
度間隔で取り外し可能に固定された前立腺模擬体
である。これらの前立腺模擬体１６₁〜１６₅はそ
れぞれ異なる生理的および病理的状態を模した形
状、大きさおよび触感を有するように形成してあ
り、図示例では回転板１５に５個設置できるよう
になつているが、この個数は任意である。

１７は軸受台の水平部上面に開口する垂直孔１
８に内設したばね１９によつて上方へ突出するよ
うに常時付勢された状態で嵌設した係止ボール
で、回転板１５の下面に設けた対応凹所２０₁〜
２０₅に嵌合して回転板１５を停止させる。各凹
所２０₁〜２０₅は５個の前立腺模擬体１６₁〜１
６₅の取付位置に対応して設けられ、後述のよう
に各前立腺模擬体が本体の空所２内において、肛
門直腸模擬体３の直腸を模した管状部５の外面に
接触して停止するように構成されている。

２１は回転軸１３の上端に固定されたラダーホ
イール、２３はラダーホイール２１と後述のラダ
ーホイール２２を連結するラダーベルトである。

２４はケース１０内の後部に固定された軸受
枠、２５は軸受枠２４に回転可能に軸支された垂
直回転軸でその上端に前記ラダーホイール２２が
固定されている。２６は垂直回転軸２５に固定さ
れたはすば歯車、２７は軸受枠２４に回転可能に
軸支された水平回転軸、２８は水平回転軸２７に
固定されたはすば歯車で前記はすば歯車２６に噛
み合つている。２９は水平回転軸２７のケース後
端板３０からの突出外端に固定された手廻しハン
ドルである。

このハンドル２９を回動させると、水平回転軸
２７、はすば歯車２８，２６、垂直回転軸２５、
ラダーホイール２２、ラダーベルト２３、ラダー
ホイール２１、回転軸１３を介して回転板１５が
回動し、その下面の凹所２０₁〜２０₅の一つが係
止ボール１７のところにくると回転板１５はその
位置に係止され、前立腺模擬体１６₁〜１６₅の一
つが直腸模擬管状体５の外面に接触配管される。

手廻しハンドル２９とケース後端板３０の表面
のいずれか一方にマークないし指針を設け他方に
前立腺模擬体１６₁〜１６₅のそれぞれの種類を示
す記号、文字等を円周方向に所定間隔をおいて付
設し、マークを記号（文字）に合わせることによ
つて前立腺模擬体の選択を容易に行なえるように
することができる。

本考案の模型を使用するには、ハンドルを廻わ
すことにより所望の前立腺模擬体を選択配置し、
肛門模擬孔４より指を挿入して直腸模擬管状体５
を介して前立腺模擬体に触れて触診練習を行な
い、必要に応じてハンドルを廻わして前立腺模擬
体を交換して使用する。なお、手動ハンドルに代
えて電動駆動方式とすることもできる。

(ヘ) 効果 以上のように、本考案によればハンドル操作に
より簡単容易に前立腺模擬体を交換配置できるの
で前立腺触診練習を効果的能率的に行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図は
模型本体と前立腺模擬体交換配置機構の挿着位置
関係を示す断面図、第３図は前立腺模擬体交換配
置機構の縦断面図、第４図は第３図の機構の平面
図である。 １……本体、２……空所、３……肛門直腸模擬
体、１０……ケース、１６₁〜１６₅……前立腺模
擬体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 人体の少なくとも下腹部、腰部およびでん部を
   模した本体内に空所を設け、でん部の中央部に肛
   門を模した孔とこの孔に連続する直腸を模した管
   状部とからなる肛門直腸模擬体を嵌設し、前記管
   状部を前記本体内空所底面に延長配置し、前記空
   所内に前立腺模擬体交換配置機構を配置し、この
   前立腺模擬体交換配置機構を種々の生理的および
   病理的状態の前立腺を模した複数個の模擬体を取
   り付けた回転板と、前記回転板を前記本体外部か
   ら回転させ前記前立腺模擬体を択一的に前記肛門
   直腸模擬体の管状部外面に接触配置する機構とに
   よつて構成したことを特徴とする前立腺触診練習
   用人体模型。