JPH045789Y2 - - Google Patents

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JPH045789Y2
JPH045789Y2 JP12550286U JP12550286U JPH045789Y2 JP H045789 Y2 JPH045789 Y2 JP H045789Y2 JP 12550286 U JP12550286 U JP 12550286U JP 12550286 U JP12550286 U JP 12550286U JP H045789 Y2 JPH045789 Y2 JP H045789Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (考案の技術分野) 本考案は液圧緩衝器に関し、特に自動車の懸架
装置の緩衝器として適する、減衰力可変式の液圧
緩衝器に関する。
(従来技術) チユーブ、ピストンおよびピストンロツドを備
える減衰力可変式の液圧緩衝器として、ピストン
に設けられる本来の減衰力発生用の弁機構の外
に、ピストンの両側に区画される2つの液室を連
通するバイパスをピストンロツドに設け、口径の
異なる複数のオリフイスを有する外部から操作可
能な円筒状の弁体によりバイパスを開閉し、減衰
力を可変にしたものがある(たとえば、実開昭58
−191448号公報、実開昭60−102536号公報)。
(考案が解決しようとする問題点) 前述のタイプの減衰力可変式の液圧緩衝器で
は、液体が弁体を通過するとき、流動音が発生す
ることがある。その原因として、オリフイスを通
過した液体が弁体の内側に導かれ、ここで流路面
積の急激な増加による激しい圧力低下が生ずるこ
と、また、複数のオリフイスが設けられる場合、
弁体の内側で液体同志が衝突することが挙げられ
る。そして、この傾向はピストンロツドの伸長時
に、大量の液体がオリフイスを通過することか
ら、特に著しい。
実開昭60−177346号公報に記載された油圧緩衝
器では、ピストンロツドのピストン近傍にハウジ
ンクを設ける一方、該ハウジング内にコントロー
ルバルブを配置し、コントロールバルブの端部
を、ハウジング内の油圧を上昇し得るように形成
されたカラーに支持させ、いわゆる中間室を形成
している。
中間室を設けることにより、流動音の減少は可
能であるが、中間室の面積がオリフイスの面積に
比べて大きいため、依然として、流路面積の急拡
大による圧力低下が大きく現われ、流動音が発生
している。これを解消するには、無数の中間室を
備えなければならない。
本考案の目的は、弁体を通過した液体の急拡大
による激しい圧力低下を抑えることにより、流動
音を減少できる液圧緩衝器を提供することにあ
る。
本考案の別の目的は、流動音を減少する部材の
位置決めを容易にできる液圧緩衝器を提供するこ
とにある。
(問題を解決するための手段) 本考案は、チユーブ内をピストンで2つの液室
を区画し、前ピストンに結合されるピストンロツ
ドに前記2つの液室を連通するバイパスを形成す
る一方、該バイパスを流れる液体量を変えるべく
前記ピストンロツドに円筒状の弁体を配置した液
圧緩衝器であつて、前記ピストンロツドの伸長時
に流動する液体の速度を漸次減少するように形成
されかつ位置決め用の突起を有する、前記弁体の
内側に配置された面積変更部材を備える。
(作 用) 面積変更部材を弁体に組付けるとき、弁体の狭
い空間内に正確に配置する必要があるところ、面
積変更部材は位置決め用の突起を有するので、そ
の配置が容易かつ迅速にできる。
ピストンロツドの伸長時は、オリフイスから弁
体の内側に導かれた液体は、面積変更部材に沿つ
て移動する。面積変更部材は液体の速度を漸次減
少する、すなわち流路面積が漸次増大するように
形成されているので、流路面積の急激な変化によ
る液体の圧力低下は実質的に起こらず、液体の粘
性による圧力低下のみが起こる。かくて、液体が
オリフイスを流動するとき発生する音が大幅に低
下する。
従来、液体の流動音が車室に入るのを防ぐた
め、液体緩衝器の車体への取付部に防音キヤツプ
や防音シートを取り付けていたが、本考案によれ
ば、流動音を減少する効果が大きいので、これら
部品が不要となり、コストの低減が可能である。
面積変更部材は小さな部品であり、1個を弁体
に取り付ければよいので、コストへの跳ね返りは
少ない。
弁体を通過する液体力が面積変更部材に働き、
繰り返しの曲げモーメントを及ぼすが、面積変更
部材は突起により弁体に支持されているので、曲
げモーメントによる疲労寿命の低下を抑えること
ができる。
(実施例) 液圧緩衝器10は第1図に示すように、チユー
ブ12内にピストン14で2つの液室A、Bに区
画し、前記ピストン14に結合されるピストンロ
ツド16に2つの液室A、Bを連通するバイパス
18を形成する一方、バイパス18を流れる液体
量を変えるべくピストンロツド16に弁体20を
配置したものである。
液圧緩衝器10は図示の実施例では、チユーブ
12の外に、チユーブ12と同軸的に配置された
外側のチユーブ22を備える、いわゆるツインチ
ユーブタイプである。
ピストン14はチユーブ12内に滑動可能に配
置される。ピストン14の外周面にピストンバン
ド24およびOリング26が装着され、チユーブ
12の内部を液室Aと液室Bとに仕切つている。
液室Aは、ピストンロツド16の伸長時に液圧が
発生する室であり、液室Bは、ピストンロツド1
6の縮小時に液圧が発生する室である。
ピストン14にピストンロツド16の端部が貫
通され、後述するように、ピストン14とピスト
ンロツド16とは結合される。ピストン14は、
ピストンロツド16の伸長時に液体を流動させる
複数(図には1つを示す)のポート28と、縮小
時に液体を流動させる複数(図示には1つを示
す)のポート30とを円周方向へ間隔をおいて有
し、液室A,Bはこれらポート28,30を経て
連通する。
ピストンロード16は、チユーブ12の開口端
部に配置された図示しないロツドガイドおよびシ
ール部材を通つてチユーブ12内へ進入してい
る。バイパス18は図示の実施例では、ピストン
ロツド16の直径方向へ貫通され、液室Aに連通
する通路19aと、ピストンロツド16の端面か
らその軸線方向へピストン14を越えて伸び、一
方で液室Bに、他方で通路19aに連通する通路
19bと、通路19bから直径方向へ開けられた
通路19cとからなる。通路19bの拡径部に後
述する弁体が配置され、通路19cは、ピストン
ロツド19に嵌合された補助部材32の通路33
を経て液室Aに連通する。
弁体20は円筒状に形成されたもので、口径の
異なる複数のオリフイス21aを円周方向に間隔
をおいて有し、さらにこれらオリフイス21aか
ら軸線方向へ間隔をおいた部位に口径の異なる複
数のオリフイス21bを円周方向に間隔をおいて
有する。オリフイス21aはバイパス18の通路
19aに、オリフイス21bは通路19cにそれ
ぞれ連通可能である。複数のオリフイス21aと
複数のオリフイス21bとは、平面状態における
口径の大小の配列が同じであり、しかも同位相に
ある。
面積変更部材34が弁体20の内側に配置され
る。面積変更部材34は第1図および第2図に示
すように、先細状に形成された変更部35aと取
付部35bとを一体に有し、変更部35aに位置
決め用の切欠き35cと円周方向に間隔をおいた
複数の突起35dとが、取付部35bに貫通孔3
5eが設けられている。変更部35aは、弁体2
0の内周面と共同して、ピストンロツド16の伸
長時に液体が流動する通路38を形成する。
面積変更部材34が、後述するようにピストン
によつて弁体20に取り付けられる場合、その取
付けに先立つて面積変更部材34を弁体20に仮
組付けする必要がある。この仮組付けは圧入によ
つてなされる。また、面積変更部材34をピン等
を使用することなく弁体20に組み付ける場合、
圧入が採用される。ところが、圧入では、弁体2
0の内径および面積変更部材34の取付部35b
の径を精度高く形成する必要があり、面積変更部
材を鉄その他の金属で製作すると、コスト高の原
因となる。
そこで、実施例では、面積変更部材34を樹脂
で成形する一方、位置決め用の突起35dを設
け、突起35dを圧入することにより、高精度と
量産性とを確保している。面積変更部材34がピ
ンで弁体20に取り付けられる場合、圧入は仮組
付けのためになされるため、突起35dのみを弁
体20に圧入するように、突起35dの長さを定
めればよい。突起35dは樹脂であるので、圧入
の際容易に変形し、または摩滅することから、弁
体20の内径の寸法精度を高くしなくても、圧入
が可能である。
面積変更部材34の突起35dは、図示のよう
に円錐状の外、円柱状その他の任意の形状に形成
でき、またその位置は、変更部35aの先端とす
ることもできる。第3図に示す実施例では、面積
変更部材34の突起35dは取付部35bの貫通
孔35eの両側部分に、円周方向へ伸びる隆起と
して形成されている。
弁体20に面積変更部材34を組み付けるに
は、面積変更部材34の切欠き35cに適当な工
具を係合して面積変更部材34を回し、その貫通
孔35eと弁体20の貫通孔21cとの位相を合
せ、面積変更部材34を弁体20内に挿入する。
突起35dが弁体20に入るとき圧入が始まり、
突起35dの先端は変形しつつ弁体20の所定位
置に位置決めされる。その後、ピン39が弁体2
0の孔21cおよび面積変更部材の孔35dに差
し込まれる。弁体20は、ピストンロツド16に
回転可能に挿入され、それ自体公知の構造で回転
可能に支持される。
通路38は、ピストンロツド16の伸長時に流
動する液体の速度を漸次減少するように、すなわ
ちその径方向の断面積で構成される流路面積が漸
次増大するように形成される。図示の実施例で
は、面積変更部材の変更部35aは先細状であ
り、弁体20の内周面は真直ぐな面であるので、
変更部35aのテーパ角度を小さくして、通路3
8の流路面積を漸次増大させる。そして、通路3
8のオリフイス21aに対向する部分の面積は、
オリフイス21aの面積とほぼ同じ程度に小さく
する。これにより、オリフイス21aから流れ込
んだ液体が急拡大するのが防止される。
補助部材32の上側に環状の板ばね40が配置
される。板ばね40は通路33を覆つており、ピ
ストンロツド16の伸長時に液室Aから液室Bへ
向く液体の流動を阻止するが、ピストンロツド1
6の縮小時に液室Bから液室Aへ向く液体の流動
を許容する。板ばね40のばね定数は小さく、液
室B内にわずかな液体が発生すると、板ばね40
は補助部材32から離れる。
ピストンロツド16に、板ばね40、補助部材
32、コイルばね42、板ばね44、ピストン1
4、板ばね46、ワツシヤ48およびコイルばね
50をこの順で挿入し、ピストンロツド16にナ
ツト52をねじ込んで、これら部品をナツト52
とピストンロツド16の肩との間で挟持させ、ピ
ストンロツド16に組み付ける。
(実施例の作用) チユーブ12内およびチユーブ12とチユーブ
22との間隙の下方部分内に油その他の液体を封
入して液圧緩衝器10は使用される。
ピストンロツド16が伸長する場合: ピストン14の速度が小さいとき、液室Aの液
体はバイパス18から弁体20のオリフイス21
aを経て流動する。このとき、オリフイス21a
の口径に応じて減衰力が発生する。オリフイス2
1aから通路38へ流入した液体は、通路38の
流路面積が小さいので、面積変化による圧力変化
を起こすことなく、通路38を流れ、漸次速度が
小さくなる。また、同じ口径の複数のオリフイス
21aから液体が通路38内へ流入しても、液体
は面積変更部材34の変更部35aの作用で相互
に衝突することがなく、滑らかに流入する。
ピストン14の速度が大きくなると、液室Aの
液体はオリフイス21aの外、ピストン14のポ
ート28を通り、板ばね46を押し下げて流動
し、大きな減衰力を発生する。
ピストンロツド16が縮小する場合: ピストン14の速度が小さいとき、液室Bの液
体は通路19bからオリフイス21b、通路33
を経て板ばね40を押し上げて液室Aへ流動する
外、オリフイス21aから通路19aに至り、液
室Aへ向けて流動し、減衰力を発生する。
ピストン14の速度が大きくなると、液体は図
示しないフツトバルブを通つて流動し、ここで減
衰力が発生する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る液圧緩衝器の要部を示す
断面図、第2図は第1図に示した面積変更部材
で、aは正面図を、bは平面図を示し、第3図は
別の面積変更部材で、aは正面図を、bは平面図
を示す。 10……液圧緩衝器、12……チユーブ、14
……ピストン、16……ピストンロツド、18…
…バイパス、20……弁体、34……面積変更部
材、35d……突起、38……通路。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. チユーブ内をピストンで2つの液室に区画し、
    前記ピストンに結合されるピストンロツドに前記
    2つの液室を連通するバイパスを形成する一方、
    該バイパスを流れる液体量を変えるべく前記ピス
    トンロツドに円筒状の弁体を配置した液圧緩衝器
    であつて、前記ピストンロツドの伸長時に流動す
    る液体の速度を漸次減少するように形成されかつ
    位置決め用の突起を有する、前記弁体の内側に配
    置された面積変更部材を備える、液圧緩衝器。
JP12550286U 1986-08-19 1986-08-19 Expired JPH045789Y2 (ja)

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