JPH045501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本考案は、ワインダー用クレードル特に多錘例
えば10SPに１〜２ノツタ付き自動ワインダー用
片持ちクレードルに関する。 （従来の技術） 従来、ワインダー用の片持ちクレードルは、第
５図に示される。同図において、弾発体４の働き
で圧縮体５が右方向に押され、圧縮体５の右端６
がゴム体３を押しつけ、そのためにゴム体３がそ
の径を拡張することによつて、巻糸管２はクレー
ドルホルダー１に把持されている。そして、満管
になつたときに、巻糸管２の小径側を矢印方向に
引くことによつて、スピンドルシヤフト７が軸８
のまわりに矢印方向（手前側）に回動し、カム９
の右端が固定板１０に圧接される。これによつて
カム９は軸体１１で制御されつつ左方向に移動
し、カム９が圧縮体５を左方へ押しつけ弾発体４
の働きに抗してゴム体３に働く圧縮体５の働きを
解除してゴム体３の径を縮小せしめる。そのため
クレードルホルダー１の巻糸管２への把持力が低
下し、手前側に所定量の糸が巻かれた巻糸管２す
なわち満管が取り出されることになる。 また、紙管をその両端で把持して巻き取り満管
後に両端の把持を開放して玉揚げするいわゆる両
端支持クレードルも採用されている。 （考案が解決しようとする問題点） ところで、従来のワインダー用の片持ちクレー
ドルの場合には、満管を第５図で示すように矢印
方向（手前）に作業者が手で引いて玉揚げするた
めに満管の糸層が乱れたりすることがあつた。ま
た、最近、玉揚げ後の自動化もしきりに行なわれ
ているが、この片持ちクレードルでは手前に満管
を取り出すために自動化には不向きであつた。 他方、前記した両端支持クレードルの場合に
は、紙管と両端の支持部（アダプター）との間で
スリツプが起り、紙管の内部空間部での尻糸塊り
が振りまわされることにより、解撚して尻糸切れ
が発生し、また、巻取中の糸切れ時に巻玉の端面
から糸端がいわゆる端面落ちして紙管の小径側の
アダプター及び紙管先端に巻きつき、ノツテング
時にほどけないという欠点があつた。従つて、こ
の両端支持クレードルを用いたワインダーで自動
化が行なわれているものの、叙上の欠点があり自
動化に支障がきたされていた。 本考案は、従来の片持ちクレードルを改良し、
自動化が円滑に行なわれる新しいタイプの片持ち
式のワインダー用クレードルを提供するものであ
る。 （問題点を解決するための手段） 本考案は、かかる問題点を解決するために次の
手段をとるものである。すなわち、本考案は、ス
ピンドルシヤフト７、該スピンドルシヤフト７に
回転自在に軸支されたクレードルホルダー１、前
記クレードルホルダー１のまわりに設けられた弾
発体４、及び前記クレードルホルダー１の大径側
に設けられ該弾発体４によつて圧縮体５を介して
径が拡張されるゴム体３からなるクレードルにお
いて、一端が前記スピンドルシヤフト７に回動自
在に設けられたハンドル１２、該ハンドル１２が
回動されることによつて前記スピンドルシヤフト
７が該ハンドル１２と同方向に回動されるととも
に、前記弾発体４の働きが解除され前記ゴム体３
の径が縮小されて巻糸管２の把持力が低下するよ
うにされたことを特徴とするワインダー用片持ち
クレードルである。 以下に本考案を図にしたがつて詳細に説明す
る。 第１図は本考案のワインダー用片持ちクレード
ルの一部破断略正面図である。スピンドルシヤフ
ト７はクレードルホルダー１の中央部に軸支さ
れ、クレードルホルダー１は回転するようになつ
ている。１４，１５，１６，１７はベアリングで
ある。クレードルホルダー１のまわりに弾発体４
例えばリング状のスプリングがまかれており、圧
縮体５の右方に押しつけている。その右端６は、
そのため、ゴム体３を圧接し、ゴム体３をその径
の方向に拡張している。巻糸管２は、ゴム体３の
拡張によつてクレードルホルダー１に把持されて
いる。９，９′はカムであり、軸体１１の中を左
右に摺動可能になつている。１０は固定板でフレ
ーム１８に固定されている。１２はハンドル、１
３はハンドルノブであり、ハンドル１２の一端は
スピンドルシヤフト７の軸８に回動可能に取り付
けられており、ハンドルを図の矢印方向に回動す
ると軸８を中心にスピンドルシヤフト７は上方に
回動するようになつている。なお、カム９の左方
向への移動によつて弾発体４の働きが解舒され
て、圧縮体５の右端６がゴム体３に働かなくな
り、ゴム体３は径方向において拡張から縮小に変
化するようになつている。 （作用） 第２〜４図は、本考案のワインダー用片持ちク
レードの略斜視図であるが、第２図は巻取中を示
す。第３図は、満管２０になつてコンベア１９上
にハンドル操作によつて玉揚げするところを示
す。 第４図はコンベア１９上に玉揚げされた満管２
０が載置されたところを示す。 第１図において満管又は巻取中のパツケージを
第２〜４図のコンベア１９の上に供給する場合に
は、ハンドル１２をハンドルノブ１３を持つて矢
印方向に例えば30°程度回動させる。スピンドル
シヤフト７は軸８のまわりを矢印方向に回動す
る。その際カム９′の右端が固定板１０に圧接し、
そのためカム９′は軸体１１を左方向に摺動し、
その左端が圧縮体５を押しつけ、ひいては弾発体
４を左方向に押しつける。そのため圧縮体５の右
端６がゴム体３に働く力を解除され、ゴム体３が
その径方向に縮小し、巻糸管２に働く把持力が低
下する。第３図は、まさに満管２０がコンベア１
９上に供給されるところを示すものである。そし
て、第４図は、このようにして満管２０がコンベ
ア上に載置されるところを示す。 なお、コンベアは矢印方向に移動するようにな
つている。 （実施例） 実施例 １ 精紡機で紡出した45′s（英式綿番手）の紡績糸
を第１図（本考案）のクレードル、第５図（従
来）のクレードル、図示しない両端支持クレード
ルを備えたワインダーを夫々用いて50SPで1.5Kg
のチーズを20回巻取つた。巻取る際に尻糸切れ、
端面くずれ、糸層くずれなどを測定した。その結
果を第１表に示す。

【表】 第１表から明らかなように、本考案のものは、
尻糸切、端面くずれも少なく、糸層くずれは皆無
であつた。従来の片持ちクレードルのものは、糸
層くずれが有り問題となつた。そして両端支持ク
レードルのものは、尻糸くずれ、端面くずれなど
が目立つた。 （考案の効果） 本考案のワインダー用片持ちクレードルは、パ
ツケージ交換の際、簡単なハンドル操作のみでパ
ツケージを機台の後方のコンベア上にパツケージ
に手を触れることなく供給することができ、糸層
くずれもなく、複雑な機構を要することなく、玉
揚げ後の自動化を容易にし、さらに作業しやすく
するという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のワインダー用片持ちクレード
ルを表わす一部破断略正面図、第２図、第３図、
第４図は本考案のワインダー用片持ちクレードル
の作用状態を表わす略斜視図、第５図は従来のワ
インダー用片持ちクレードルを表わす一部破断略
正面図である。 １……クレードルホルダー、２……巻糸管、３
……ゴム体、４……弾発体、７……スピンドルシ
ヤフト、１０……固定板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スピンドルシヤフト７、該スピンドルシヤフト
   ７に回転自在に軸支されたクレードルホルダー
   １、前記クレードルホルダー１のまわりに設けら
   れた弾発体４、及び前記クレードルホルダー１の
   大径側に設けられ該弾発体４によつて圧縮体５を
   介して径が拡張されるゴム体３からなるクレード
   ルにおいて、一端が前記スピンドルシヤフト７に
   回動自在に設けられたハンドル１２、該ハンドル
   １２が回動されることによつて前記スピンドルシ
   ヤフト７が該ハンドル１２と同方向に回動される
   とともに、前記弾発体４の働きが解除され前記ゴ
   ム体３の径が縮小されて巻糸管２の把持力が低下
   するようにされたことを特徴とするワインダー用
   片持ちクレードル。