JPH0454253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、大理石や陶板等の板状体を取付け
る取付け金具に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば壁面に大理石や陶板等の板状体を張付け
るには、圧着張りやダンゴ張りにより行なわれて
いたので、目地幅の均一化或は板状体の表面を一
様に平らにするのに高度な熟練を必要とする。

また、一日に上方に向かつて順次張り付ける板
状体の段数を多くすると、荷重により下位の板状
体が剥がれ、張付けられた板状体が崩れ落ちるの
で、張付け段数に制約を受ける欠点があつた。

さらに、多量のモルタルが必要になり、かつモ
ルタルの硬化を促進させるセメントの撒布により
板状体或は施工近辺を汚す等の問題があつた。

そこで、この考案者の実公昭54−7631号公報の
ように上下に所定の間隔を存して並行するジヨイ
ナーを配列して、このジヨイナーの翼板に板状体
の上下縁に設けてある溝を嵌め込み係止させなが
ら順次板状体を取付けるようにしたものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

板状体を持ち上げながらまず上記板状体の上縁
の溝に上側ジヨイナーの翼板を嵌め込み、次いで
下側ジヨイナーの翼板と板状体の下縁の溝とを合
致させたのち、板状体を降下させながら上記下側
ジヨイナーの翼板に板状体の下縁の溝を嵌め込む
ので、板状体が大型の場合上縁の溝と翼板との嵌
め込みがスムーズに行なうことができず、板状体
を持ち上げる人以外に（大型化すると二人で持ち
上げている）嵌め合わせする人が必要になる問題
があつた。

また、施工面の両側に両端が到達する長尺なジ
ヨイナーを必要とするため、コストが上昇する問
題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は横
長な帯状の主板と、この主板の上下縁から連なつ
て上記主板の裏面に所定の間隙を存して対向する
よう折返した係合板とで構成した施工面への取付
けバー材と、先端に上向き係合片を有する板片
と、この板片の末端から倒立Ｕ字状に連なつてバ
ー材の表側係合板に嵌め合わす嵌合部とで構成し
た第１支持具と、先端に下向き係合片を有する板
片と、この板片の末端から倒立Ｕ字状に連なつて
バー材の表側係合板に嵌め合わす嵌合部とで構成
した第２支持具とから成る。

〔作用〕

まず、最下段バー材の表側上方に突出する係合
板に第１支持具の嵌合部を上方から嵌め合わし、
そして上記第１支持具の係合片に板状体の下縁面
全長に設けてある溝を嵌め込む。

次に中段バー材の表側上方に突出する係合板に
第２支持具の嵌合部を上方から嵌め合わし、そし
て第２支持具スライドさせながら板状体の上縁面
全長に設けてある溝に上記第２支持具の係合片を
嵌入させて上記板状体の上下縁を支持する。

中段の板状体は、上述の方法によつて取付け
る。

最後に取付ける最上段板状体の上縁は、最上段
バー材の下向きに突出する係合板に係合部を下向
きになるよう反転させた第１支持具の嵌合部を下
方から嵌め合わせ、そして第１支持具をスライド
させながら、最上段板状体の上縁面全長に設けて
ある溝に係合片を嵌入させて支持する。

〔実施例〕

図において、１は施工面２に取付けるバー材で
ある。

上記のバー材１は、横長な帯状の主板３と、こ
の主板３の上下縁から連なつて上記主板３の裏面
及び表面に所定の間隔を存して対向するよう折返
した係合板４，５とで構成されている。

６は第１支持具である。

上記の第１支持具６は、先端に上向き係合片７
を有する板片８と、この板片８の末端から倒立Ｕ
字状に連なつてバー材１の表側係合板５に嵌め合
わす嵌合部９とで構成されている。

１０は第２支持具である。

上記第２支持具１０は、先端に下向き係合片１
１を有する板片１２と、この板片１２の末端から
倒立Ｕ字状に連なつてバー材１の表側係合板５に
嵌め合わす嵌合部１３とで構成されている。

次に施工方法を説明する。

まず、施工面２の上下縁及び上下縁間に板状体
Ａの丈に略等しい間隔を存して並列状にバー材１
を取付ける。

上記のバー材１は、施工面２の上縁側のみを係
合板５が下向きとなるようにする。

また、バー材１の取付け方法は、第２図で示し
たようにまず施工面２に左右に所定の間隔を存
し、かつ開口が前側に位置するようチヤンネル１
４を立て、次に、上記チヤンネル１４のバー材１
取付け位置にコ字状受部材１５を嵌め込むと共
に、受部材１５からチヤンネル１４に貫通させた
ボルト１６を施工面２にねじ込んで、上記受部材
１５と共にチヤンネル１４を取付けそして上段以
外のバー材は、受部材１５の前方に突出する下板
１７の上向き屈曲板１８に主板３と係合板４との
間隙を上方から嵌め込んで支持させると共に、受
部材１５の前方に突出する上板１９を下方にハン
マー等でたたきながら上記上板１９の下向き屈曲
板２０を主板３と係合板４と連結部分上面に当接
させてバー材１の脱落を防止し、最上段のバー材
１は、屈曲板２０に主板３と係合板４との間隙を
嵌め込み、そして下板１７を上方にたたきなが
ら、下板１７の屈曲板１８を主板３と係合板４と
の連結部分下面に当接させてバー材１の脱落を防
止する。

さらに、第４図で示したように係合板５の大径
孔２１から主板３及び係合板４の小径孔２２にビ
ス２３を挿通し、そして施工面２にビス２３をね
じ込んで取付ける。

なお、皿ビス２３を用いて、主板３のテーパー
状小径孔２２にビス２３の頭を納めるようにして
あるので、嵌合部９，１３の嵌め込みに支障をき
たさない。

また、下向き屈曲板２０を主板３と係合板５と
の間隙に嵌入させるようにしてもよい。

上記バー材１の取付け後に、最下段バー材１の
係合板５に第１支持具６の嵌合部９を上方から嵌
め込み、そして上記第１支持具６の係合片７に板
状体Ａの下縁面全長に設けてある溝ａを嵌め込ん
で受架させる。

次に中段バー材１の係合板５に第２支持具１０
の嵌合部１３を上方から嵌め込んだのち、板状体
Ａの上縁に向け第２支持具１０をスライドさせる
と共に、板状体Ａの上縁面全長に設けてある溝ａ
に上記第２支持具１０の係合片１１を嵌入させて
板状体Ａを取付ける。

以上の手順により中段の板状体Ａを取付け、そ
して最後の最上段板状体Ａの上縁は、最上段バー
材１の係合板５に係合片７が下向きになるよう反
転させた第１支持具６の嵌合部９を下方から嵌め
込み、然るのち第１支持具６をスライドさせなが
ら板状体Ａの上縁面の溝ａに上記第１支持具６の
係合片７を嵌め込んで取付ける。

なお、板状体Ａの裏側は勿論、対向各辺の縁間
には、モルタルＢが充填される。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る板状体の取付け
金具によれば、バー材の係合板に第１支持具及び
第２支持具の嵌合部を嵌め込み、そして第１支持
具の係合片に板状体の下縁面の溝を嵌め込み受架
させたのち、第１支持具及び第２支持具をスライ
ドさせながら、板状体の上縁面の溝に係合片を嵌
入させて板状体を支持するようにしてあるので、
板状体が大理石や陶板等で大型化し、かつ重量が
大であつても数少くない作業者によつてスムーズ
に張付けることができる。

このため著しく作業の能率を向上させることが
できる。

また、バー材は、主板と、この主板の上下縁か
ら連なつて上記主板の裏面及び表面に所定の間隔
を存して対向するよう折返した係合板とで構成し
てあるので、一本のバー材を上段、中段、下段に
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る金具の斜視図、第２図
は使用状態を示す縦断側面図、第３図は同正面
図、第４図は他の使用例を示す縦断側面図であ
る。 Ａ……板状体、ａ……溝、１……バー材、２…
…施工面、３……主板、４……係合板、５……係
合板、６……支持具、７……係合片、８……板
片、９……嵌合部、１０……第２支持具、１１…
…係合片、１２……板片、１３……嵌合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横長な帯状の主板と、この主板の上下縁から連
   なつて上記主板の裏面及び表面に所定の間隙を存
   して対向するよう折返した係合板とで構成した施
   工面への取付けバー材と、先端に上向き係合片を
   有する板片と、この板片の末端から倒立Ｕ字状に
   連なつてバー材の表側係合板に嵌め合わす嵌合部
   とで構成した第１支持具と、先端に下向き係合片
   を有する板片と、この板片の末端から倒立Ｕ字状
   に連なつてバー材の表側係合板に嵌め合わす嵌合
   部とで構成した第２支持具とから成る板状体の取
   付け金具。