JPH0453374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (A) 産業上の利用分野 この考案は屋根に積つた雪を屋根の上又は地上
からでも安全かつ手軽におろすことができる簡便
な雪おろし器に関するものである。

(B) 従来の技術 雪国において積雪期における雪おろし作業は大
変な重労働であり、時には卸す雪と共に転落して
死傷事故をも発生する危険な作業である。

これに対し現今行われている大方の方法は、シ
ヨベル又は大型雪かきそりによる手作業が一般に
施行されており、上記の危険は一向に改善されて
いない状況である。又固定式のコンベヤによる雪
卸し機や流水による雪落し装置等も考案されてい
るが設備費が嵩むので一般家庭には普及されてい
ない現状である。

(C) 問題点を解決するための手段 そこでこの考案は、長い柄を取付けた筒形小型
の屋根雪おろし器で、その要旨を説明すると、適
宜寸法の円筒形本体を設け、該円筒体の軸方向の
前端は上向きの傾斜端に後端は垂直端に形成し、
この本体の最大幅広部を真下にして、その中央部
軸方向の外側に長柄取付け用の長板を固定し、こ
れを適宜長さの長柄の先端近くにボルトナツトで
取付け、さらに本体内側の上部あるいは左右部
に、傾斜端側へ直角に開いて止まる１個ないし数
個の開閉板を丁番止めし、この開閉板には本体の
軸方向内方に先端を突出させた針金を横設し、な
お本体の開閉板当接部に開閉板の大きさよりやや
小さく切抜いた開口部を設けて成るものである。

これにより地上から屋根雪をおろす場合は、本
体の傾斜端を上端にして長板へ長柄を固定し、下
から積雪層へ長柄の長さ一杯に押し込むと雪は円
柱状に切込まれ、次いで長柄を引き戻すと開閉板
の先端に設けた針金の先端が切込まれた円柱状の
雪端に当接して開閉板は直角に開くので、これに
より円柱状の雪は手前に落下する。そして次の積
雪層へ押し込むと開閉板は雪の抵抗によつて閉じ
るので楽に積雪層へ切込むことができる。この様
にして上記の往復動作を繰返し、積雪層の小口か
ら順次に雪おろしを行うことができるものであ
る。

又屋根の上から雪をおろす場合は、本体の垂直
端を上端にして長板へ長柄を固定し、上から屋根
の勾配に沿つて積雪層を小口から引上げて突き落
せばよい。

本考案の雪おろし器は身体を大きく動かす必要
がないので、身体のバランスが良く、疲労も少い
安全な雪おろし器を提供するものである。

(D) 実施例 以下本考案の一実施例を図面にもとづき説明す
ると、金属板又は合成樹脂板等により断面が玉子
の小端を下にした形の円筒形の本体１を設け、こ
の一端を垂直端２とし他端は上部が短く下部を長
くした傾斜端３とし、又本体１下部中央の軸方向
には長柄Ｈ取付け用の長板４を固定し、さらに本
体１内側の左右部に傾斜端３側へ直角に開いて止
まるように左右の開閉板５及び５′をそれぞれ丁
番６及び６′により取付け、該開閉板５及び５′に
は本体１の軸方向内方に先端を突出させた針金７
及び７′を横方向に取付け、なお開閉板５及び
５′が本体１の側壁に当接する位置に開閉板の大
きさよりやや小さく切抜いた開口部８及び８′を
それぞれ設けて成るものである。

(E) 使用法及び作用 以上のように構成した本考案の屋根雪おろし器
は、下から屋根雪をおろす場合は本体１の傾斜端
３を上端にして長板４へ長柄Ｈを固定し、下から
積雪層へ長柄Ｈの長さ一杯に押し込むと雪は傾斜
端３面によつて円柱状に切込まれ、次いで長柄Ｈ
を引き戻すと左右の開閉板５及び５′の先端に突
設された針金７及び７′が切込まれた円柱状の雪
端に当接して開閉板５及び５′は左右へ直角に開
放されるため、これにより円柱状に切込まれた雪
は引張られて手前へ落下する。そして次の積雪層
へ押し込むと左右の開閉板５及び５′は雪の抵抗
によつて本体１壁面側へ閉じるので楽に積雪層へ
切込むことができる。なお本体１の左右壁面に設
けた開口部８及び８′は、上記切込みの際に壁面
と開閉板５及び５′との間に雪塊が挟まり開閉板
の閉鎖に支障するのを防止するためのものであ
る。この様にして上記の往復動作を繰返し、積雪
層の小口から順次に雪おろしを行うことができる
ものである。又屋根の上あるいは二階の窓から雪
をおろす場合は、上記と反対に本体１の垂直端２
を上端にして長板４へ長柄Ｈを固定し、上から屋
根の勾配に沿つて積雪層を小口から引上げて後順
次突き落せばよい。なお実施例のように断面を倒
立型玉子形にして先端を傾斜させたものは、実験
の結果外の形状よりも力のバランスがよく、雪の
切れが良好で高能率である。

(F) 考案の効果 このように本考案は、構造簡単にして作用確実
に屋根上の積雪を能率よくおろすことができる雪
おろし器で、主として腕の操作により行えるので
身体を大きく動かす必要がないため身体のバラン
スが良く、子供や女子あるいは年寄でも短時間で
操作できるもので、疲労も少く極めて安全確実な
雪おろし効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は開閉
板を閉鎖した状態の側面図、第２図は開閉板開放
状態の正面図、第３図は開閉板閉鎖時の正面図で
ある。 １……本体、２……垂直端、３……傾斜端、４
……長板、５，５′……開閉板、６，６′……丁
番、７，７′……針金、８，８′……開口部、Ｈ…
…長柄。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適宜寸法の円筒形本体を設け、該円筒体の軸方
   向の前端は上向きの傾斜端に後端は垂直端に形成
   し、この本体の最大幅広部を真下にして、その中
   央部軸方向の外側に長柄取付け用の長板を固定
   し、これを適宜長さの長柄の先端近くにボルトナ
   ツトで取付け、また本体内側の上部あるいは左右
   部には、本体の内側へ直角に開いて止まる１個な
   いし数個の開閉板を丁番で取付け、これらの開閉
   板には本体の軸方向内方に先端を突出させた針金
   を横設し、さらに開閉板が本体の側壁に当接する
   箇所には、開閉板よりやや小形に切抜いた開口部
   を形設して成る屋根雪おろし器。