JPH0453180B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、枚葉紙前縁を把持し印刷機の印刷ゾ
ーンを通して枚葉紙を搬送するためのグリツパ装
置であつて、圧胴に支承された複数のグリツパ
と、枚葉紙の供給及び受取り時に対向グリツパを
侵入させるグリツパ間間隙とを有する形式のもの
に関する。

〈従来の技術〉 前記形式のグリツパ装置は印刷機では一般に公
知である。グリツパ装置は印刷時に枚葉紙をゴム
胴に沿つて通過させ、その際枚葉紙に作用する引
張力を吸収する。個々のグリツパの数とグリツパ
間隙は設計データのゆえに任意に変化させる訳に
はいかないので、グリツパのクランプ部位におけ
る引張力は、比較的薄い印刷材料の場合には特
に、引張負荷の限度に達し、それによつて印刷品
質と印刷速度とに不利な影響を及ぼすことにな
る。例えばオフセツト印刷では紙表面から後続の
印刷機構のゴムブランケツトへインキが割り戻さ
れるので、この割り戻されるインキが、グリツパ
のクランプ条件に基づく枚葉紙寸法の変化によつ
て見当正しく移されない場合にはブレが生じるこ
とになる。

〈発明が解決しようとする問題点〉 本発明の課題は、冒頭で述べた形式のグリツパ
装置を改良して被印刷材料にかかる引張応力を減
少し、それによつて前記の欠点を排除することで
ある。

〈問題点を解決するための手段〉 前記課題を解決する本発明の構成手段は、グリ
ツパ間に夫々付加グリツパが配置されており、こ
れらの付加グリツパは、グリツパ間間隙が対向グ
リツパから解放されている、圧胴の運動範囲内で
前記グリツパ間間隙においてグリツパ平面内へ移
動可能でありかつ印刷ゾーンの通過時に枚葉紙の
前縁を把持するように構成されている点にある。
なお前記グリツパ平面とは、圧胴に元々所属する
本来のグリツパが位置している平面を言う。

〈作用〉 本発明のグリツパ装置は、印刷ゾーンへ進入す
る手前で枚葉紙前縁がほぼ２倍のグリツパ数で把
持されるので、印刷ゾーンの通過時における被印
刷材料にかかる引張負荷が約1/2に、またはそれ
以上に減少するという利点を有している。

〈実施態様とその作用〉 最適のクランプ条件を得るために本発明の実施
態様では付加グリツパはグリツパ間間隙の全幅に
わたつている。これによつてグリツパは枚葉紙前
縁を100％占めることになるので、被印刷材料に
おける応力は最小値になる。この場合（本来の）
グリツパと付加グリツパとは、いわば１つの閉じ
たグリツパ条片を形成するので、被印刷材料に伸
び差を生ぜしめるような間隙はもはや存在しな
い。枚葉紙前縁全体を喰わえることによつてグリ
ツパ装置の把持力は比較的小さくすることがで
き、かつ枚葉紙前縁の損傷も避けられる。従つて
本発明のグリツパ装置は、あらゆる被印刷材料に
対して適している。

本発明によれば付加グリツパは枚葉紙を機械
式、空圧式又は静電式手段で以て把持することが
できる。これらの手段は、被印刷材料を損傷した
り被損することなしに、枚葉紙の通常の喰え縁に
係合することができる。

本発明の有利な実施態様では付加グリツパをグ
リツパ平面内へもたらしかつ該グリツパ平面外へ
移動させるために圧胴内に１本の制御軸が支承さ
れており、該制御軸がレバー又はカムを介して付
加グリツパと作用接続しており、かつ前記制御軸
の切換運動が、機械架台に設けられている制御カ
ムによつて惹起される。これにより単純な手段で
以て付加グリツパの制御が機械周期に合わせて得
られる。その際切換運動は制御カムから制御軸へ
カムレバーによつて伝達され、該カムレバーは一
方の回転方向ではばねを介して前記制御軸に支え
られている。このように構成することによつて制
御カムはオーバーストロークを有することがで
き、たなわち、制御軸の切換運動は例えばストツ
パによつて、制御カムにより生ぜしめられるカム
レバーの切換行程よりも小さい値に制限される。
これによつて得られる利点は、グリツパ平面にお
ける付加グリツパの位置が制御干渉なしにストツ
パによつて正確に調整できることである。

有利な実施態様では付加グリツパは可動のグリ
ツパ受けを夫々有し、該グリツパ受けは制御軸の
制御レバーに柩着されており、かつローラで以て
圧胴内に配置された傾動カムに沿つてガイドされ
ている。傾動カムと制御レバーとの協働によつて
グリツパ受けは、枚葉紙前縁の損傷を生ぜしめな
いように、圧胴に対して半径方向及び接線方向に
動かされる。

枚葉紙を機械式手段で把持するために本発明で
は複数のグリツパ受けに軸支された共通の作動軸
上に複数のグリツパフインガ（喰わえ爪）が支承
されており、各グリツパフインガはばねによつて
閉鎖位置へ押圧されかつ前記作動軸の回動によつ
て前記ばねのばね力に抗して開かれる。その場
合、作動軸は、制御軸上に固定されたカムデイス
クによりローラ付きレバーを介して回動されるの
が有利である。付加グリツパの開閉並びにグリツ
パ平面内外への付加グリツパの運動はこのように
して簡単な手段で調和されている。

本発明の別の有利な実施態様では複数の付加グ
リツパは１本のステー材によつて互に連結されて
おり、該ステー材はピラーガイドに沿つて実質的
に半径方向に圧胴のグリツパ通路内へ潜没可能で
ある。前記ステー材には付加グリツパとしてのサ
クシヨングリツパが固定されているのが有利であ
る。それというのは該サクシヨングリツパは枚葉
紙縁部にかぶさらないからである。有利な実施態
様ではサクシヨングリツパは、条片形弁を介して
サクシヨン空気源に接続可能なサクシヨン室を有
している。この場合前記条片形弁の制御はグリツ
パ平面内及びグリツパ平面外へのサクシヨングリ
ツパの運動によつて行われる。後続のグリツパ系
への枚葉紙引渡しを容易にするために本発明では
サクシヨングリツパは正圧ブローに切換えること
ができる。これによつてサクシヨン開口は同時に
掃除される。

本発明の有利な実施態様ではサクシヨングリツ
パは、パーフオレーシヨンの形成されたサクシヨ
ンカバーを備えたサクシヨンカツプを支持するグ
リツパスリーブから成り、該グリツパスリーブ
は、グリツパ通路内に配置されたほぼＬ字形乃至
ほぼＵ字形の成形条材の脚部に設けた支承孔内で
ガイドされている。このような構成は簡単に製作
可能であり、かつ構造上の著しい変更なしに、グ
リツパ通路内で得られる有効組込みスペースに収
容することができる。本実施態様ではサクシヨン
グリツパとサクシヨン空気源との連絡は、サクシ
ヨングリツパの潜没前に閉弁されかつサクシヨン
グリツパの進出後に開弁される弁装置によつて制
御可能である。従つて枚葉紙前縁を付加的に把持
するサクシヨン力は、サクシヨングリツパがグリ
ツパ平面内に滞留するあいだだけ働く。これによ
つてサクシヨングリツパの潜没時の枚葉紙前縁の
損傷は避けられる。

このような作用効果を達成するための単純な弁
装置は本発明の実施態様では、グリツパスリーブ
の外周に沿つて摺動可能な弁スリーブによつて形
成され、該弁スリーブは駆動装置からの潜没運動
を、ばねによりストツパ平面内へ運動可能なグリ
ツパスリーブにストツパを介して伝達し、かつ前
記ストツパの相互当接前にはグリツパスリーブと
は無関係に前記弁スリーブが、グリツパスリーブ
に通じるサクシヨン空気源の接続孔を閉塞する程
度に摺動可能である。この場合グリツパ平面内へ
のグリツパスリーブの運動は、弁スリーブに支え
られている押圧ばねによつて行われるのが有利で
ある。このようにすればグリツパスリーブと弁ス
リーブとはばね力によつて互に緊定され、かつグ
リツパスリーブの進出時に高まるばね張力によつ
て高い進出速度が得られる。

ステー材は、機械周期に合わせて制御可能な空
圧シリンダによつて圧胴のグリツパ通路内へ降下
されるのが有利である。しかし又、前記ステー材
を降下させるために、グリツパ軸上に回動可能に
支承されていて機械架台に配置された制御カムに
より機械的な伝動機構を介して旋回可能な制御レ
バーを設けることも可能である。

本発明の有利な実施態様では付加グリツパのグ
リツパ受けは電磁石の可動子によつてグリツパ平
面内及びグリツパ平面外へ可動である。子の場合
電磁石は転極によつて中立位置から２つの方向へ
可動である。これによつて得られる利点は、各終
端位置でのグリツパ受けの保持を磁力によつて生
ぜしめ、この保持のために強いばねを必要としな
いことである。更に比較的大きな磁石ストローク
が得られる。本実施態様ではグリツパ受けは、枚
葉紙前縁にかぶさつてグリツパ平面内へ旋回可能
なカバープレートに押圧されるのが有利である。
この場合に要する保持力は、グリツパ受けを動か
す電磁石によつて発生される。また別の実施態様
ではカバープレートは、グリツパ受けを引きつけ
る電磁石を保持し、該電磁石は機械周期に合わせ
て制御される。前記カバープレートほ旋回させる
ためには、機械架台に固定されたカムデイスクを
有するカム制御機構を設けるのが有利である。

〈実施例〉 次に図面につき本発明の実施例を詳説する。

第１図には１枚の印刷すべき枚葉紙１の一部分
が平面図で示されており、該枚葉紙の前縁を把持
する圧胴のグリツパ２と付加グリツパ３は、ハツ
チングを施した面で図示されている。この場合付
加グリツパ３は複数のグリツパ２間の間隙を埋め
ており、枚葉紙引渡し時には、該間隙内に、枚葉
紙供給・取出し用グリツパ系の対向グリツパ４が
侵入する。前記のような形式でグリツパ２と付加
グリツパ３は１本の閉じたグリツパ条片を形成す
る。これによつて枚葉紙１の前縁は印刷ゾーン通
過時には一貫して把持されるので、印刷時におけ
るインキ粘性による引張力と圧胴−ゴム胴間の調
整力とによつて枚葉紙に発生する応力が最小限に
抑えられる。同じく張力差もしくは伸び差が著し
く小さいので、見当合わせの正確な印刷が可能で
ある。特に多色刷りオフセツト印刷において印刷
品質の顕著な向上が本発明のグリツパ装置によつ
て得られる。

第２図では多色刷りオフセツト印刷機のダブル
印刷機構における付加グリツパ３の時間的な制御
形式が示されている。印刷すべき枚葉紙１は揺動
グリツパ５によつて供給され、該揺動グリツパは
引渡し部位６において枚葉紙を圧胴７のグリツパ
に引渡す。圧胴７には、周方向でずらして配置さ
れたゴム胴８，９が接触しており、両ゴム胴は慣
用のように版胴（図示せず）と協働する。両ゴム
胴８，９を通過したのち枚葉紙１は受取り部位１
０においてチエーングリツパ系５ａのグリツプフ
インガによつて受取られて次の印刷機構へ搬送さ
れる。引渡し部位６への枚葉紙１の引渡し時に揺
動グリツパ５のグリツプフインガがグリツパ２間
の間隙内へ突入する。従つて付加グリツパ３はオ
フ制御されているので、該付加グリツパ３は前記
グリツプフインガの運動範囲外に位置している。
圧胴７が１枚の枚葉紙１を連行しつつ逆時計回り
方向に角度βだけ回転するあいだに付加グリツパ
３がオン制御をされるので、枚葉紙１が角度αの
範囲へ進入する際に付加グリツパ３は枚葉紙前縁
を固定的にくわえる。付加グリツパ３は角度αの
範囲を通過するあいだオン制御された状態にあり
かつグリツパ２と共に枚葉紙１をゴム胴８，９に
沿つて搬送する。角度αを通過したのち角度βの
範囲内で、しかも受取り部位１０に達する前に付
加グリツパ３はオフ制御され、これによつてグリ
ツパ２間の間隙は、枚葉紙受取り時にチエーング
リツパ系５ａのグリツプフインガを侵入させるた
めに解放される。角度γの範囲では、揺動グリツ
パ５によつて次の枚葉紙を供給すべく前記間隙を
解放しておくために付加グリツパ３はオフ制御さ
れた状態にある。

第３図に示した機械式の付加グリツプ１１の実
施例では圧胴１３のグリツパ通路１２内に圧胴軸
線に平行に制御軸１４が回転可能に支承されてい
る。該制御軸１４には制御レバー１５がクランプ
によつて固定されており、該制御レバーの端部に
は夫々１つのグリツパ受け１６が柩着されてい
る。グリツパ受け１６は、ガイドピン１７上に配
置された押圧ばね１８によつてグリツパ通路１２
の側壁に圧着され、しかもグリツパ受けはローラ
１９を介して、前記側壁内に構成された傾動カム
２０に支えられている。

複数のグリツパ受け１６は互に１本の作動軸２
１によつて連結されており、該作動軸は各グリツ
パ受け１６内に穿設された孔内に支承されてい
る。各グリツパ受け１６には１つのグリツプフイ
ンガ２２が所属し、該グリツプフインガは前記作
動軸２１上に支承されており、かつ、該作動軸２
１上に固定された締付け片２３を介して作動軸２
１の回動によつて開閉位置へ運動可能である。閉
鎖力を規定するためにグリツパフインガ２２と締
付け片２３との間には押圧ばね２４が張設されて
いる。調節ねじ２５はグリツプフインガ２２の開
放運動を調整するために用いられる。

第３図では付加グリツパ１１は閉状態で、しか
もグリツパ平面内へ移動した状態で示されてお
り、この場合付加グリツパは１枚の枚葉紙１の前
縁を把持している。この位置で制御レバー１５は
ばね２６によつて、調節可能なストツパ２７に押
しつけられる。該ストツパによつてグリツパ受け
１６はグリツパ平面内へ正確に調整される。ばね
２６は、制御軸１４上に固定された締付け片２８
と、制御軸１４上に支承されたカムレバー２９と
の間に張設されており、該カムレバーは圧胴の回
転時に、機械架台に固定された制御カム３０によ
つて動かされ、しかも該制御カム３０に沿つてロ
ーラ３１を介してガイドされている。制御カム３
０は、第２図に示した制御に相応した形式で付加
グリツパ１１をグリツパ平面内へ又はグリツパ平
面外へ動かすように設計されている。

機械周期における付加グリツパ１１の開閉は、
第４図及び第５図に示した制御機構によつて制御
される。機械架台に固定された制御カム３２は圧
胴１３の回転時にローラ付きレバー３３を介して
カムデイスク３４を旋回させ、該カムデイスクは
圧胴１３の支持体３５に支承されている。カムデ
イスク３４の旋回動によつて該カムデイスクは付
加グリツパ１１の作動軸２１と相対回動不能に結
合したローラ付きレバー３６を旋回させる。制御
カム３２を起点とする制御運動は一方の方向又は
他方の方向に作動軸２１を１回転させ、これによ
つて付加グリツパ１１は開かれるか又は閉じられ
る。その場合、介在しているカムデイスク３４
は、付加グリツパ１１の開閉運動を制御するため
に、機械架台の同じ制御カムを使用する可能性を
提供し、該制御カムは付加グリツパの出没をも制
御する。

第６図乃至第８図に示した実施例では付加グリ
ツパはサクシヨンググリツパ４０として構成され
ている。該サクシヨングリツパ４０は、グリツパ
の間隙に相当する幅を有する複数のサクシヨン室
４１から成り、該サクシヨン室は、グリツパ平面
寄りの端面側に、パーフオレーシヨンの形成され
た又は他孔性のサクシヨンカバー４２を有してい
る。サクシヨン室４１は１本の連続したステー材
４３上に固定されており、該ステー材はピラー４
４，４５に沿つて圧胴の半径方向に摺動可能に、
圧胴４７のグリツパ通路４６内でガイドされてい
る。グリツパ通路４６の底に支えられた押圧ばね
４８は、ピラー４４の頂部に調節可能に設けられ
たストツパ４９に向つてステー材４３を外向き半
径方向に押圧している。サクシヨン室４１は側面
に接続ポート５０を有しておりかつ進出位置にお
いて該接続ポート５０によつて条片形弁５１を介
してサクシヨン空気接続部５２と連通され、また
潜没位置では大気と接続される。

サクシヨングリツパ４０を出没させるために圧
胴４７のグリツパのグリツパ軸５３上には制御レ
バー５４が回動可能に支承されており、該制御レ
バーはそのレバー端部に設けたローラ５５で以て
サクシヨングリツパ間においてステー材４３に対
して外側から半径方向に作用している。制御レバ
ー５４は引張棒５６を介して制御軸５８のセツト
レバー５７と柩着結合されている。制御軸５８は
やはり圧胴４７内で軸支されておりかつローラ付
きレバー５９を介して回動可能であり、該ローラ
付きレバーは印刷機のサイド支台に設けた制御カ
ム６０と摩擦係合している。

第６図ではサクシヨングリツパ４０は、圧胴グ
リツパ（図示せず）と相俟つて枚葉紙１の前縁を
把持する際の進出位置で示されている。サクシヨ
ン室４１は条片形弁５１を介してサクシヨン空気
接続部５２と連通し、これによつて負圧が発生す
る。該負圧はサクシヨンカバー４２を介して枚葉
紙１の下面に作用せしめられ、かつ、枚葉紙１の
上面に作用する外気圧と相俟つて所要の保持力を
発生する。サクシヨングリツパ４０は、枚葉紙前
縁が第２図に示した印刷機構の角度αの範囲を通
過するあいだ、第６図の進出位置に留まる。

枚葉紙前縁が第２図に示した角度βの範囲へ入
ると、サクシヨングリツパ４０は、第８図に示し
たレバー制御機構によりステー材４３を介して内
向き半径方向に動かされるので、サクシヨンカバ
ー４２は枚葉紙１から離間される。接続ポート５
０は条片形弁５１との整合が解除され、これによ
つてサクシヨン室４１内に迅速な圧力バランスを
生ぜしめる。これと同時にサクシヨン室４１の側
壁によつて条片形弁５１の接続ポートは閉塞され
る。サクシヨングリツパ４０は、対向グリツパ６
１の接近を可能にするために間隙が解放されるま
でグリツパ通路４６内へ潜没移動せしめられる。
第７図にはサクシヨングリツパのこの潜没位置が
示されている。

第９図及び第１０図には、サクシヨングリツパ
として構成された付加グリツパの異なつた実施態
様が示されている。この実施態様ではサクシヨン
グリツパ６２は円筒状のグリツパスリーブ６３か
ら成り、該グリツパスリーブは、圧胴６９のグリ
ツパ通路６８内に固定されていてほぼＬ字形に２
度屈曲された成形条材７０の互に向い合つた脚部
６６と６７に設けられた支承孔６４，６５内で圧
胴半径方向に摺動可能にガイドされている。グリ
ツパスリーブ６３は圧胴半径方向外端に直方体状
のサクシヨンカツプ７１を支持しており、該サク
シヨンカツプは、パーフオレーシヨンの形成され
たサクシヨンカバー７２を有している。該サクシ
ヨンカバー７２の上面は、サクシヨングリツパ６
２が進出した場合にグリツパ平面内に位置してい
る。サクシヨングリツパ６２のこの位置は、サク
シヨングリツパ６２の進出運動を制限するストツ
パプレート７３によつて規定されている。ストツ
パプレート７３は成形条材７０の脚部６６とねじ
締結されており、かつ、サクシヨンカツプ７１の
下位でグリツパスリーブ６３の外周面に設けられ
た凹設部７４内に嵌合している。

グリツパスリーブ６３の圧胴半径方向内端部に
弁スリーブ７５が装嵌されており、該弁スリーブ
７５は圧胴半径方向内端で以て支承孔６５内に直
接嵌合しており、これによつてグリツパスリーブ
６３を支承するためにも役立つている。グリツパ
スリーブ６３と弁スリーブ７５には、夫々半径方
向孔７６，７７が設けられており、該半径方向孔
は、第９図に実線で示したサクシヨングリツパ６
２の進出位置では支承孔６５の内部に位置し、か
つ、該支承孔内へ半径方向で開口する接続孔７８
と合嵌している。接続孔７８は横孔を介してサク
シヨン室７９と連通し、該サクシヨン室は孔８０
を介して圧胴６９の一方の端面に設けたサクシヨ
ン接続部８１に接続されている。グリツパスリー
ブ６３は圧胴６９の扁平面８２に沿つてサクシヨ
ンカツプ７１のガイドによつて、グリツパスリー
ブの縦軸線を中心とする回動を阻止されており、
これによつて半径方向孔７６と接続孔７８との整
合が保証されている。弁スリーブ７５では、該弁
スリーブの（圧胴の半径方向で見て）拡張外端区
分の外側輪郭を方形断面に成形することによつて
それ相応の回動防止が得られる。

グリツパスリーブ６３と弁スリーブ７５とは縦
方向で制限範囲内で相対的に摺動可能である。摺
動運動を制限するために各グリツパスリーブ６３
はストツパカラー８３を有し、該ストツパカラー
は所属の弁スリーブ７５の拡孔区分８４内に位置
し、かつ、弁スリーブ７５に設けられていて前記
拡孔区分８４の開放端部に部分的にかぶさつてい
るストツパアングル材８５に当接可能である。拡
孔区分８４の底部とストツパカラー８３との間に
は夫々１つの押圧ばね８６が配置されており、該
押圧ばねによつてストツパカラー８３はストツパ
アングル材８５に押圧される方向に負荷されてい
る。

サクシヨングリツパ６２を出没させるためにＴ
形断面形状のステー材８７が設けられており、該
ステー材は脚部６６と６７との間でグリツパ通路
６８の全長にわたつて延在している。ステー材８
７は両端部で制御レバー９４に柩着されており、
該制御レバーは１本の制御軸８８に固定されてい
る。制御軸８８は、前記の実施例ですでに説明し
た形式でローラ付きレバーと、機械架台に固定さ
れた制御カムとによつて圧胴の回転運動に関連し
て往復回転せしめられる。この場合戻しばねとし
て、制御軸８８内に配置されたトーシヨンバーば
ね８９が使用されている。脚部６６と６７とに平
行に延びる、ステー材８７の中央ウエブ９０は各
サクシヨングリツパ６２のために凹設部を有し、
該凹設部内にサクシヨングリツパ６２の弁スリー
ブ７５が嵌込まれている。弁スリーブ７５はその
側面に横溝９１を有し、該横溝内に中央ウエブ９
０が係合している。これによつて弁スリーブ７５
は駆動運動を伝達するためにステー材８５と係合
式に結合されておりかつ付加的に相対回動を防止
されている。

第１０図には、グリツパ軸９２上に配置された
グリツパ９３間の間隙に配置されたサクシヨング
リツパ６２の配置形式が示されている。

第９図及び第１０図に示した付加グリツパの作
用態様は次の通りである。

第１０図ではサクシヨングリツパ６２はサクシ
ヨン位置へ進出されている。この場合グリツパ９
３は閉じられている。この位置ではグリツパスリ
ーブ６３は押圧ばね８６によつてストツパプレー
ト７３に圧着される。弁スリーブ７５は、進出位
置に在るステー材８７の中央ウエブ９０上に載つ
ている。半径方向孔７６，７７は接続孔７８と整
合しているので、サクシヨンカツプ７１はグリツ
パスリーブ６３の内孔を介してサクシヨン室７９
と連通している。これによつて、パーフオレーシ
ヨンを有するサクシヨンカバー７２には負圧が生
じ、該負圧によつて、サクシヨンカバー上に載つ
ている枚葉紙の縁が確保される。

枚葉紙の受取り前又は引渡し前にサクシヨング
リツパ６２は、対向グリツパを近づけるのに必要
な自由空間を作るために潜没されていなければな
らない。このために弁スリーブ７５はステー材８
７によつて内向き半径方向に移動され、その際に
弁スリーブ７５は接続孔７８を閉塞する。これに
よつてグリツパスリーブ６３及びサクシヨンコツ
プ７１の内部圧は体気圧にバランスするので、サ
クシヨンカバー７２は、枚葉紙を損傷することな
く容易に枚葉紙前縁から離れることができる。接
続孔７８の閉塞後にストツパアングル材８５はス
トツパカラー８３に当接し、これによつてグリツ
パスリーブ６３も内向き半径方向に動かされ、遂
にはサクシヨンカバー７２は、対向グリツパが妨
げなく枚葉紙前縁に達しうる程度にまでグリツパ
通路６８内に潜没するに至る。潜没した終端位置
においてサクシヨンカバー７２の上面は、第９図
に示した鎖線ａの高さに在る。

枚葉紙受取り後のサクシヨングリツパ６２の進
出は逆の順序で行われる。先ずグリツパスリーブ
６３と弁スリーブ７５は一緒に外向きに動かさ
れ、グリツパスリーブ６３をストツパプレート７
３に当接させる。その場合駆動力は弁スリーブ７
５から押圧ばね８６を介してグリツパスリーブ６
３に伝達される。次いで弁スリーブ７５は、第９
図に示した位置へ動かされ、それによつて押圧ば
ね８６は緊縮されかつ接続孔７８は開放される。
サクシヨン室７９内に支配している負圧はサクシ
ヨンカツプ７１内にまで伝播しかつグリツパ９３
間の範囲において枚葉紙前縁を把持する。

〈発明の効果〉 印刷ゾーン通過時において被印刷材料にかかる
引張負荷が従来の約1/2に低下することによつて、
被印刷材料の伸び並びに伸び差が著しく減少し、
これによつて印刷品質が著しく改善される。割り
戻されるインキが見当正しく移されかつもはやぶ
れを生ぜしめることはない。また枚葉紙の自由角
隅にも付加グリツパが配置されているので、枚葉
紙はもはや変形せず、従つて枚葉紙端部における
狭幅印刷もやはり回避される。

被印刷材料にかかる引張応力の顕著な減少によ
つて、比較的薄い紙又は安定性の低い紙の加工並
びにより高い圧力設定も可能になる。また始動期
と稼働期との間の印刷機の不適合はグリツパ装置
を本発明のように構成したことによつて充分に除
かれるので、大抵の場合、インキの流動自在性及
びサイクル時間をコンスタントに保つための慣用
の温度制御装置を省くことが可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は枚葉紙前縁におけるグリツパ配置形式
を示す概略図、第２図は印刷機における枚葉紙の
ガイド形式とグリツパの制御形式を示す概略図、
第３図は機械式の付加グリツパと制御機構を圧胴
軸線の方向で見た図、第４図は第３図に示した付
加グリツパの制御機構の側面図、第５図は第３図
に示した付加グリツパの制御機構の正面図、第６
図は進出位置で示した空圧式サクシヨングリツパ
の断面図、第７図は潜没位置で示した第６図のサ
クシヨングリツパの断面図、第８図は第６図に示
したサクシヨングリツパのための制御機構を示す
図、第９図は圧胴のグリツパ通路と異なつた配置
形式のグリツパの横断面図、第１０図は第９図の
矢印Ｙ方向で見たサクシヨングリツパの配置形式
を示す図である。 １……枚葉紙、２……グリツパ、３……付加グ
リツパ、４……対向グリツパ、５……揺動グリツ
パ、５ａ……チエーングリツパ系、６……引渡し
部位、７……圧胴、８，９……ゴム胴、１０……
受取り部位、α，β，γ……角度、１１……機械
式の付加グリツパ、１２……グリツパ通路、１３
……圧胴、１４……制御軸、１５……制御レバ
ー、１６……グリツパ受け、１７……ガイドピ
ン、１８……押圧ばね、１９……ローラ、２０…
…傾動カム、２１……作動軸、２２……グリツプ
フインガ、２３……締付け片、２４……押圧ば
ね、２５……調節ねじ、２６……ばね、２７……
ストツパ、２８……締付け片、２９……カムレバ
ー、３０……制御カム、３１……ローラ、３２…
…制御カム、３３……ローラ付きレバー、３４…
…カムデイスク、３５……支持体、３６……ロー
ラ付きレバー、４０……サクシヨングリツパ、４
１……サクシヨン室、４２……サクシヨンカバ
ー、４３……ステー材、４４，４５……ピラー、
４６……グリツパ通路、４７……圧胴、４８……
押圧ばね、４９……ストツパ、５０……接続ポー
ト、５１……条片形弁、５２……サクシヨン空気
接続部、５３……グリツパ軸、５４……制御レバ
ー、５５……ローラ、５６……引張棒、５７……
セツトレバー、５８……制御軸、５９……ローラ
付きレバー、６０……制御カム、６１……対向グ
リツパ、６２……サクシヨングリツパ、６３……
グリツパスリーブ、６４，６５……支承孔、６
６，６７……脚部、６８……グリツパ通路、６９
……圧胴、７０……成形条材、７１……サクシヨ
ンカツプ、７２……サクシヨンカバー、７３……
ストツパプレート、７４……凹設部、７５……弁
スリーブ、７６，７７……半径方向孔、７８……
接続孔、７９……サクシヨン室、８０……孔、８
１……サクシヨン接続部、８２……扁平面、８３
……ストツパカラー、８４……拡孔区分、８５…
…ストツパアングル材、８６……押圧ばね、８７
……ステー材、８８……制御軸、８９……トーシ
ヨンバーばね、９０……中央ウエブ、９１……横
溝、９２……グリツパ軸、９３……グリツパ、９
４……制御レバー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 枚葉紙前縁を把持し印刷機の印刷ゾーンを通
   して枚葉紙を搬送するためのグリツパ装置であつ
   て、圧胴に支承された複数のグリツパと、枚葉紙
   の供給及び受取り時に対向グリツパを侵入させる
   グリツパ間間隙とを有する形式のものにおいて、
   グリツパ２，９３間に夫々付加グリツパ３，１
   １，４０，６２が配置されており、これらの付加
   グリツパは、グリツパ間間隙が対向グリツパ４，
   ６１から解放されている、圧胴７，１３，４７，
   ６９の運動範囲（α）内で前記グリツパ間間隙に
   おいてグリツパ平面内へ移動可能でありかつ印刷
   ゾーンの通過時に枚葉紙１の前縁を把持するよう
   に構成されていることを特徴とする、印刷機用の
   グリツパ装置。 ２ 付加グリツパ３，６２がグリツパ間間隙の全
   幅にわたつている、特許請求の範囲第１項記載の
   グリツパ装置。 ３ 付加グリツパ１１が機械式手段１６，２２に
   よつて枚葉紙１を把持する、特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載のグリツパ装置。 ４ 付加グリツパ４０が空圧式手段４１，４２に
   よつて枚葉紙１を把持する、特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載のグリツパ装置。 ５ 付加グリツパが静電式手段によつて枚葉紙１
   を把持する、特許請求の範囲第１項又は第２項記
   載のグリツパ装置。 ６ 付加グリツパ１１，４０をグリツパ平面内へ
   もたらしかつ該グリツパ平面外へ移動させるため
   に圧胴１３，４７内に１本の制御軸１４，５８が
   支承されており、該制御軸がレバー１５，５４，
   ５７又はカムを介して前記付加グリツパと作用接
   続しており、かつ前記制御軸の切換運動が、機械
   架台に設けられている制御カム３０，６０によつ
   て惹起される、特許請求の範囲第１項から第５項
   までのいずれか１項記載のグリツパ装置。 ７ 切換運動が制御カム３０から制御軸１４へカ
   ムレバー２９によつて伝達され、該カムレバーが
   一方の回転方向ではばね２６を介して前記制御軸
   １４に支えられている、特許請求の範囲第６項記
   載のグリツパ装置。 ８ 付加グリツパ１１が可動のグリツパ受け１６
   を夫々有し、該グリツパ受けが制御軸１４の制御
   レバー１５に柩着されており、かつローラ１９で
   以て圧胴１３内に配置された傾動カム２０に沿つ
   てガイドされている、特許請求の範囲第６項又は
   第７項記載のグリツパ装置。 ９ 複数のグリツパ受け１６の軸支された共通の
   作動軸２１上に複数のグリツプフインガ２２が支
   承されており、各グリツプフインガ２２がばね２
   ４によつて閉鎖位置へ押圧されかつ前記作動軸２
   １の回動によつて前記ばね２４のばね力に抗して
   開かれる、特許請求の範囲第８項記載のグリツパ
   装置。 １０ 作動軸２１が、制御軸上に固定されたカム
   デイスク３４によりローラ付きレバー３３を介し
   て回動可能である、特許請求の範囲第９項記載の
   グリツパ装置。 １１ グリツパ平面内における付加グリツパ１
   １，４０の位置が、調節可能なストツパ２７，４
   ９によつて確定可能である、特許請求の範囲第１
   項から第１０項までのいずれか１項記載のグリツ
   パ装置。 １２ 付加グリツパ４０，６２が直線ガイド４
   ４，４５，６４，６５に沿つて圧胴４７のグリツ
   パ通路４６内で実質的に半径方向に潜没可能であ
   る、特許請求の範囲第１項から第７項までのいず
   れか１項記載のグリツパ装置。 １３ 複数の付加グリツパ４０，６２が１本のス
   テー材４３，８７によつて互に連結されており、
   該ステー材が機械周期に合わせて駆動機構によつ
   て直線ガイド４４，４５，６４，６５の方向に可
   動である、特許請求の範囲第１２項記載のグリツ
   パ装置。 １４ 付加グリツパがサクシヨングリツパ４０，
   ６２として構成されており、該サクシヨングリツ
   パが条片形弁５１，６７を介して接続可能であ
   る、特許請求の範囲第４項記載のグリツパ装置。 １５ サクシヨングリツパ４０，６２とサクシヨ
   ン空気源との間の連通が弁装置７６，７７，７８
   によつて制御され、該弁装置が、サクシヨングリ
   ツパ４０，６２の潜没前に閉弁され、かつサクシ
   ヨングリツパ４０，６２の進出後に開弁される、
   特許請求の範囲第１４項記載のグリツパ装置。 １６ 弁装置５０，５１，７６，７７，７８の切
   換制御が、サクシヨングリツパ４０，６２の、グ
   リツパ平面内への運動とグリツパ平面外への運動
   とによつて行われる、特許請求の範囲第１５項記
   載のグリツパ装置。 １７ サクシヨングリツパ６２が、パーフオレー
   シヨンの形成されたサクシヨンカバー７２を備え
   たサクシヨンカツプ７１を支持するグリツパスリ
   ーブ６３から成り、該サクシヨンスリーブが、グ
   リツパ通路内に配置されたほぼＬ字形の成形条材
   ７０の脚部６６，６７に設けた支承孔６４，６５
   内でガイドされている、特許請求の範囲第１４項
   から第１６項までのいずれか１項記載のグリツパ
   装置。 １８ 弁装置が、グリツパスリーブ６３の外周に
   沿つて摺動可能な弁スリーブ７５から成り、該弁
   スリーブが駆動装置８７，８８からの潜没運動
   を、ばねによりグリツパ平面内へ運動可能なグリ
   ツパスリーブ６３にストツパ８３，８５を介して
   伝達し、かつ前記ストツパ８３と８５の相互当接
   前にはグリツパスリーブ６３とは無関係に前記弁
   スリーブ７５が、グリツパスリーブ６３に通じる
   サクシヨン空気源の接続孔７８を閉塞する程度に
   摺動可能である、特許請求の範囲第１７項記載の
   グリツパ装置。 １９ グリツパスリーブ６３が、弁スリーブ７５
   に支えられた押圧ばね８６によつてグリツパ平面
   内へ可動である、特許請求の範囲第１８項記載の
   グリツパ装置。 ２０ サクシヨングリツパ４０，６２が正圧ブロ
   ー操作に切換可能である、特許請求の範囲第１４
   項記載のグリツパ装置。 ２１ ステー材４３，８７が、機械周期に合わせ
   て制御可能な空圧シリンダによつて動かされる、
   特許請求の範囲第１３項記載のグリツパ装置。 ２２ ステー材４３が制御レバー５４によつて可
   動であり、該制御レバーがグリツパ軸５３上に回
   動可能に支承されており、かつ機械架台に配置さ
   れた制御カム６０により機械的な伝動機構５６，
   ５７，５８，５９を介して旋回可能である、特許
   請求の範囲第１３項記載のグリツパ装置。 ２３ 付加グリツパのグリツパ受けが電磁石の可
   動子によつてグリツパ平面内及びグリツパ平面外
   へ可動である、特許請求の範囲第３項記載のグリ
   ツパ装置。 ２４ 電磁石が転極によつて中立位置から２つの
   方向へ可動である、特許請求の範囲第２３項記載
   のグリツパ装置。 ２５ グリツパ受けが、枚葉紙の前縁にかぶさつ
   てグリツパ平面内へ旋回可能なカバープレートへ
   向つて可動である、特許請求の範囲第２３項又は
   第２４項記載のグリツパ装置。 ２６ カバープレートが、グリツパ受けを引きつ
   ける電磁石を保持し、該電磁石が機械周期に合わ
   せて制御される、特許請求の範囲第２５項記載の
   グリツパ装置。 ２７ カバープレートを旋回させるために、機械
   架台に固定されたカムデイスクを有するカム制御
   機構が設けられている、特許請求の範囲第２５項
   又は第２６項記載のグリツパ装置。