JPH0452993Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は半導体材料のキヤリヤを受け入れて水
切乾燥装置に設置されるクレイドルに関する。

（従来の技術） このクレイドルは半導体材料、例えばシリコン
ウエハを樹脂製のキヤリヤ内に収めた状態で高速
回転して水切乾燥を行なうため、キヤリヤを受け
入れ且つ水切乾燥装置のロータ上の所定位置に設
置されるように構成されている。そのためクレイ
ドルは概して直方体の形状を有し、その前面にキ
ヤリヤを受け入れる開口部が形成され且つ背面に
は水と空気を抜くための窓がある。ロータの回転
により生じるロータ上の半径方向外方への気流は
前記開口部を通り窓から抜けるようになつてい
る。

従来のクレイドルはその背面が両側の側壁に対
し傾斜した壁部分によつて接続されるように構成
された。

（考案が解決しようとする問題点） 素材の比重が小さく且つ比較的小径のウエハの
場合には問題はないが、比重の大きな、または大
形のウエハの場合には遠心力によりキヤリヤの底
部にある脚部がクレイドルの背面に対し強く押し
付けられるので、第６図の２２′で示すようにそ
の脚部が開いてクレイドルの傾斜壁部分に乗り上
げる事態が生じ、キヤリヤ内に収められたウエハ
が破損することがあつた。さらにクレイドルの背
面に当接するキヤリヤの脚部の外側に水滴が溜
り、そこにごみが付着し、またその水は純水であ
るためバクテリアが発生し、汚れをもたらすとい
う問題点があつた。

本考案の目的はそのような従来の問題点を解消
することであつて、それ故比重の大きなものまた
は比較的大形の半導体材料であつても破損するこ
となく水切乾燥を行ない得ると共にキヤリヤ脚部
の外側の水を適切に排除し得るようにした半導体
材料のキヤリヤ用クレイドルを提供することであ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案によるクレイ
ドルの特徴はクレイドルの背面に前記背面に直角
に突出する互に平行な一対の段部を設け、且つ両
側の各側壁と前面の開口部の縁との間に傾斜した
壁部分を設け、その壁部分に開口を形成したこと
である。

（作用） 本考案のクレイドルでは一対の段部の間でキヤ
リヤの脚部を受け入れて保持し、その脚部が開く
のを防止する。そして側壁に隣接する傾斜した壁
部分の開口から空気が導入され、その空気の吹き
抜けによつてキヤリヤ脚部の外側に溜つた水を排
除する。

（実施例） 次に図面を参照のもとに本考案の実施例につい
て説明する。第１図および第２図は本考案のクレ
イドルの一例を示すのものであつて、１は前面の
開口部であり、ここからキヤリヤが装着される。
２は背面であり、その中央の開口もしくは窓３は
水と空気を逃すためのものであり、窓３の両側の
縁に沿つて補強用の突条４がある。前面１と背面
２の間の両側には側壁５があり、一方の端部の両
側に支点部６が備えられ且つそこに溝７が形成さ
れている。この溝７には水切乾燥装置のロータ上
のガイドに在る突起が係合し、クレイドルを該ロ
ータ上に設置または取外す際にクレイドルを回転
する支点の役割を果す。また、４隅の空間８はキ
ヤリヤの角を受け入れ且つ水と空気の流通を可能
にしている。両端の端壁９には適当数の貫通孔１
０が形成され、小さいキヤリヤを保持する際にそ
こに抑え棒（図示せず）が通される。１１は把持
棒であり、クレイドルを手動で起す際に用いられ
る。このクレイドルは通常、ステンレスで作られ
る。

第３図はクレイドルに受けられるキヤリヤ２０
の一例を示すものであつて、図示のように、キヤ
リヤの側壁２１の内面にはウエハを受け入れる多
数の溝が形成されており、且つ底部の両側に脚部
２２が設けられる。第２図に想像線で示すように
キヤリヤ２０がクレイドルに装着されると、第４
図に見られるようにその脚部２２はクレイドルの
背面２に当接する。

本考案の一つの特徴は背面の両側にキヤリヤの
脚部を受ける段部を設けたことである。即ち、第
１図および第４図に示すように、背面２の内側の
両側であつて且つ窓３の両側に段部１２が設けら
れ、これらの段部１２は背面に直角に突出し且つ
互に平行であつて、その間にキヤリヤの脚部２２
を受け入れるようになつている。そのため段部１
２間の間隔は第４図に示すようにキヤリヤの脚部
２２の間隔より僅かに大きくなつている。従つ
て、段部１２によつて脚部２２が横方向に開くこ
とが防止される。

本考案の他の特徴は側壁５の上側に隣接して傾
斜壁部分１３を設け、そこに開口１４を設けたこ
とである。即ち、第２図および第５図に示すよう
に、両側の各側壁５と前面開口部の縁１ａとの間
に在つてその間を接続し且つ図示のように該縁１
ａから側壁５に向つて外側に傾斜した壁部分１３
が備えられる。この壁部分１３の面積をある程度
の広さにするため側壁５の間隔を従来より若干大
きくするのが好ましい。しかし、各側壁５の外面
は第２図に見られるように支点部６の外側面６ａ
より引込んだ位置に在る。なお、各側部５と段部
１２の間も傾斜した壁部分１５で連結されてい
る。そして、各傾斜壁部分１３には開口１４が形
成され、そこからも空気が導入されるようになつ
ている。この開口１４は任意の形状をとり得る
が、好ましくは第２図に示すように、長手方向に
延びる長孔になつている。このような壁部分１３
および開口１４は両側において同一に形成され
る。好ましくは、このクレイドルは段部１２およ
び壁部分１３を含めてプレス成形により一体に成
形される。

キヤリヤ２０を収めたクレイドルが高速回転さ
れると、第５図に示すように、両側の壁部分１３
の開口１４からも空気が導入され、その空気はキ
ヤリヤの外側とクレイドルの側壁の内面の間の空
間を流れて、キヤリヤの脚部２２と段部１２の間
の狭い空間を通り抜け、背面２の窓３から流出す
る。従つて、脚部２２の外側に溜つた水分をその
空気流によつて排出することができる。

（考案の効果） 上記のように本考案によれば、キヤリヤの脚部
が横方向に開くのが防止されるので、半導体材料
の比重が大きくても、または大形のものであつて
も水切乾燥の際に破損する事態を防ぐことができ
る。その上、キヤリヤ脚部の外側に溜る水分を適
切に排除することができる。従つてその水分によ
るごみや汚れの付着を防ぐことができる。とくに
段部１２を設けると脚部２２の外側に溜る水分の
排出が困難なため開口１４からの空気流が重要な
役割を果たす。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例によるクレイドルの斜視
図、第２図は他の側から見た斜視図、第３図はキ
ヤリヤの一例の斜視図、第４図はクレイドルの背
面部の横断面図、第５図は本考案のクレイドルの
横断面図、そして第６図は従来のクレイドルを示
す第４図に類似の断面図である。 図中、１……前面開口部、２……背面、５……
側壁、１２……段部、１３……傾斜壁部分、１４
……開口、２０……キヤリヤ、２２……キヤリヤ
の脚部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 半導体材料を収めたキヤリヤを受け入れて水
   切乾燥装置のロータ上の所定位置に設置される
   クレイドルであつて、前記クレイドルには前記
   キヤリヤを受け入れ且つ前記ロータの半径方向
   外方への気流を通すため前面に開口部が設けら
   れ且つ背面に前記気流を抜くための窓が設けら
   れるものにおいて、前記クレイドルの背面には
   その間に前記キヤリヤの脚部を受け入れるため
   互に平行で前記背面に直角の一対の段部が前記
   窓の両側に位置するように設けられ、且つ両側
   の各側壁と前記前面開口部の縁との間に前記縁
   から前記側壁に向つて外側に傾斜した壁部分が
   設けられ、前記壁部分には開口が形成されてい
   ることを特徴とする半導体材料のキヤリヤ用ク
   レイドル。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のクレ
   イドルにおいて、前記壁部分に形成された開口
   は長手方向に延びる長孔である半導体材料のキ
   ヤリヤ用クレイドル。