JPH0452739Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は通常パトローネと称されるフイルム容
器に収められたロールフイルムを使用するカメラ
の内部におけるフイルム容器の位置を安定するフ
イルム容器安定装置に関する。

〔従来技術〕

35mm等のロールフイルムを使用する小型カメラ
においては、通常パトローネと称される一方に引
出し口を設けた円筒状のフイルム容器に予め巻込
まれたフイルムをそのままカメラに装填する。

第２図はこうしたタイプのカメラのフイルム搬
送系の概要図である。フイルムの装填に当たつて
は、まずフイルムの入つたフイルム容器１をカメ
ラのフイルム容器収納室２に収納し、フイルム容
器１のフイルム引き出し口３に出ているフイルム
Ｆの先端を引き出し、カメラの露光枠部分３を渡
して巻取部５の巻取軸６に係止し、図に画かれて
いないカメラ裏蓋を閉じて装填を完了する。以後
撮影に伴つて１枚分づつフイルムを巻取り、撮影
完了後はフイルムを巻戻して再びフイルム容器１
内に収め、カメラ裏蓋を開いてフイルム容器１ご
とカメラより取出す。

フイルム装填の際、フイルム容器収納室内での
フイルム容器は矢印方向に回動し得るため、フイ
ルム引出し口３の移転が適正位置から外れて収納
されてしまうことがあり、その位置によつては
F′のようにフイルムに弛みが生じて露光枠から浮
上がり局部的に像画のボケを生ずることがある。
フイルム容器収納室２と露光枠部４との間隔Ａの
短いコンパクト型のカメラにおいては特にこうし
た現象が起き易くこれを防止するためフイルム容
器収納室１の側壁にフイルム容器規制部材７を取
付けフイルム装填時におけるフイルム引出し口３
の位置を規制することが行なわれている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記のようなフイルム容器規制部材７を設ける
ことによりフイルム引出し口３は適正位置に規制
されボケの発生は防止されるが、こうした部材は
フイルム容器の収納、取出しの邪魔となり、第４
図のようにフイルム容器の収納、取出しを常に斜
め方向から得ざるを得なくなると云う欠点をもた
らし、カメラの使い易さの点から改善がのぞまれ
ていたところである。

第３図は第２図のフイルム収納室のＸ−X′の
面をＹ方向から見た断面でフイルム容器１はその
出し入れに際し、フイルム容器規制部材７のため
１′のように斜め方向より挿入或いは抽出せざる
を得ない。尚図中８は巻戻し軸でフイルム容器の
収納或いは取出し時には図のように引き出してお
く。

本考案はフイルム容器の収納、取出しの邪魔と
ならずフイルム容器の出し、入れを簡単に行うこ
とのできるフイルム容器安定装置を提供しようと
するものである。

〔問題解決の手段〕

本考案は前記の問題を解決するもので、フイル
ム容器のフイルム引出口部の姿勢を規制するカメ
ラのフイルム容器安定装置において、フイルム容
器収納室の露光枠側側壁部に回動自在に軸止さ
れ、該軸止位置よりフイルム容器収納室の奥側に
フイルム容器と当接する当接部と、該軸止位置よ
りフイルム容器収納室の手前側にフイルム容器の
フイルム引出口部の姿勢を規制する規制部とを設
けた規制部材と、前記規制部材の規制部を前記露
光枠側に退避させる方向に付勢した付勢部材とを
備え、前記フイルム容器をフイルム容器収納室へ
収納するときには、前記フイルム容器が前記規制
部の前記当接部を押圧し、前記規制部が前記フイ
ルム引出口部の姿勢を規制する位置まで前記規制
部材を回動させることを特徴とするカメラのフイ
ルム容器安定装置によつて解決された。

すなわち、本考案のフイルム容器安定装置はフ
イルム容器規制部材を可動とすることによりフイ
ルム収納室に対しフイルム容器を平行に置いたま
ま出し、入れ可能としフイルムの装填、取出しを
簡易化したものである。

以下実施例によつて本考案を具体的に説明する
が、フイルム容器規制部材の形状、取付け方法は
これに限定されるものではなく、必要に応じて
種々の態様をとることができる。

〔実施例〕

第１図Ａは本考案によるフイルム容器安定装置
の一例であつて、フイルム収納室の露光枠側側壁
に可動フイルム容器規制部材１２を軸１３によつ
て回動可能に取付けバネ１４によつて矢印ａ方向
に付勢した構造のものである。１５は巻戻し軸で
フイルム容器収納及び取出し時には第４図のよう
に引き出されている。フイルム容器１は図のよう
にフイルム収納室にまつすぐに押込んで収納す
る。フイルム容器１が押込まれるとフイルム容器
規制部材１２の下端はフイルム容器１に押されて
矢印ａの逆方向に回動しその上端部が突出してフ
イルム容器のフイルム引出し口３の下面に当たり
その位置を規制する。フイルム装填後裏蓋を閉じ
ればフイルム容器は所定位置である第１図Ｂの状
態に確実に保持され、フイルム引出し口３の位置
の異常による画像のボケは完全に防止される。撮
影後フイルムを巻戻し軸１５を引出し裏蓋を開き
フイルム容器１を引き出し、或いはカメラを伏せ
れば、フイルム容器にはバネ１４によつて付勢さ
れたフイルム容器規制部材１２により機外に押出
す方向の力がかかつているためフイルム容器１は
フイルム収納部より容易に取出すことができる。

〔考案の効果〕

本考案のフイルム容器安定装置により、フイル
ム容器のカメラ内への収納、カメラからの取出し
を極めて容易に行え、且つフイルム容器のカメラ
内での位置を正確に保持することが可能となつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるフイルム容器安定装置の
概要図、第２図はカメラにおけるフイルム搬送系
の概要図、第３図は従来のフイルム容器規制部材
を有するカメラにおけるフイルム容器の収納時の
状態を示す図である。 １……フイルム容器、３……フイルム引出し
口、１１……フイルム容器収納室側壁、１２……
フイルム容器規制部材、１４……板バネ、１５…
…巻戻し軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フイルム容器のフイルム引出口部の姿勢を規制
   するカメラのフイルム容器安定装置において、 フイルム容器収納室の露光枠側側壁部に回動自
   在に軸止され、該軸止位置よりフイルム容器収納
   室の奥側にフイルム容器と当接する当接部と、該
   軸止位置よりフイルム容器収納室の手前側にフイ
   ルム容器のフイルム引出口部の姿勢を規制する規
   制部とを設けた規制部材と、 前記規制部材の規制部を前記露光枠側に退避さ
   せる方向に付勢した付勢部材とを備え、 前記フイルム容器をフイルム容器収納室へ収納
   するときには、前記フイルム容器が前記規制部の
   前記当接部を押圧し、前記規制部が前記フイルム
   引出口部の姿勢を規制する位置まで前記規制部材
   を回動させることを特徴とするカメラのフイルム
   容器安定装置。