JPH0452101B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷水と氷とを混在させて、その水氷内
に漁獲した魚類等を投入して保蔵する保蔵艙内の
比較的温度の高い水は比重が大であるため、艙底
に滞溜し、冷却度の高い水や氷は比重が小さいた
め、上部に停滞する傾向があるのを、上部と下部
の熱を移動させることにより、該冷水帯と温水帯
との温度差を少なく均温化し、低部の水をも冷却
状態に保たせ、保蔵目的物の魚類の鮮度を良好に
保たせることを特徴とする水氷式保蔵艙の保蔵物
保鮮方法並びに其の装置に係るものである。

従来、巻網運搬船又は鰹一本釣漁船は漁獲物を
水氷式保蔵艙で保鮮しながら、魚港まで運搬して
いるものであるが、この水氷式保蔵艙では氷と冷
水とを交互又は混合して魚艙内に入れ、冷水を氷
との中に漁獲物を投入して保存するものである。

ところで冷水の比重は＋３〜４℃付近の温度の
ものがが最も比重が大であり、４℃前後の水が下
方に停滞し、より低温度の氷及び水が浮上分離す
ることゝなり、この低部に近く保蔵されている魚
等は常に４℃前後の比較的高い温度の所にあるこ
とゝなり、上部等比較的温度の低い水及び氷のあ
る部分に保蔵れている魚等に比べて冷却度が不充
分であり、鮮度を保持し難いという欠点があつ
た。

そこで、魚艙の全周に冷却コイルルを配して、
温度分布の良好化を図つて見たが、これという程
の効果が得られず、又ポンプで冷水を循環させる
ことも試みたが、魚体を損傷して品質を低下させ
ると云う別の欠点を伴なうことゝなり、艙底から
500〜1000mm程度の部分にある魚の鮮度低下を防
止する良好な手段は容易に実現するに至らず、こ
の種水氷式保蔵魚艙の最大の欠点とされた次第で
ある。

然るに本発明においては、公知のヒートパイプ
を利用して上部に浮上分離した低温度の水及び氷
の部分に下部の温水帯の熱を伝え、上部の該低温
度の水及び氷の部分より下部の温水帯へ冷温を伝
える事により、魚艙内の下部の温水帯中の熱を上
部に移動することに成功し、艙内全体の温度が均
温化して魚艙内の冷却を円滑に行なうことが出来
るようになり、殊に前記冷却コイル等の作用の及
び難かつた中心部の温水帯の発生を防止出来るの
で冷却効果が良好になる。

しかもヒートパイプは上部より艙内に適宜差し
込み、上部を倒れない様に止めておき、蓋をしめ
て漁港まで運搬すればよいものであり、荷揚げの
時にはヒートパイプを抜き取り、除去しておくこ
とにより、支障なく荷揚げ操作が出来るものであ
る。

又ヒートパイプはは固定状でないから、魚体に
強く接触するようなことがなく、魚体外面を損傷
する様なおそれもないものである。

今、ここに本発明実施の一例を示した添付図面
に就いて詳説する。

１は魚艙、２は魚艙の蓋、３はハツチ、４は冷
水、５は砕氷、６はヒートパイプであり、公知の
構成で、下部の温水帯の熱を上部に伝え、上部の
冷温を下部に伝える熱移動作用を有するものであ
る。７は魚艙上部と各ヒートパイプ６とを連結す
る止め具である。８は公知の魚艙冷却用コイル、
９は保蔵目的物の魚である。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明実施の一例を示すもので、そ
の機構の要部縦断面図である。 １…魚艙、２…蓋、３…ハツチ、４…冷水、５
…砕氷、６…ヒートパイプ、７…止め具、８…冷
却コイル、９…魚。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 比重の大きい低部の温水帯の温度と、比重の
   小さい上部の冷水帯の温度とをヒートパイプによ
   つて上下熱移動させることにより均温化すること
   を特徴とする水氷式保蔵艙の保蔵物保鮮方法。 ２ 比重の大きい低部の温水帯と、比重の小さい
   上部の冷水帯とに亘りヒートパイプを貫設したこ
   とを特徴とする水氷式保蔵艙の保蔵物保鮮装置。